フレイムヘイズ兵団主力軍と[
予備兵力軍に限らず[
「『星黎殿』を守れぇー!」
「これ以上進ませるなッ!」
「もっと、もっと! 飛翔に長けた者をよこせ!」
軍としての強さは、士気に大きく上下させられる。つまり
「行け、行け!」
「徒の巣を叩き落とせぇー!」
「このチャンスは世界の意思だッ!」
相手の士気が最高潮なら、飲まれてしまう。
上昇するフレイムヘイズ兵団に対し、予備兵力軍は徐々に押され落とされ消滅しつつある。築かれてしまったフレイムヘイズ側の拠点たる出城は、少ない兵力でも善戦し堅守されている。
有効な手を見定められない内に、追い打ちをかけるかのような凶報が齎される。
(“壊刃”が『炎髪灼眼の討ち手』に敗れたか)
彼だけではなく、要塞を守護する中心たるプルソンやウアルも討滅されてしまったという。軍を構成する兵たちこそほぼ無事だが、将がいなければ烏合の衆も同じ。これが独立独歩のフレイムヘイズ兵団との決定的な違いであり、弱みでもあった。
(賭けに出るか)
ある指令を下す。これはフレイムヘイズ兵団の攻城を容易にさせる諸刃の剣だった。しかし、この最高潮の士気に
それまで持たせるためには――
《通達――これより各方面軍、移動中[
全世界で攻撃を中止し『星黎殿』へ向かっていた全ての将兵が、ただならぬ緊急事態に緊張を高める。
《敵軍の攻勢激しく、援軍は未だ到来せず。遠からず訪れる戦線崩壊及び本拠地侵入を阻止する為、自身の戦線投入を決す》
総司令官の戦線投入。それは彼がこの戦いで全ての力を使い切り討ち死にする覚悟を抱いているのだと、彼を知る将全てが悟った。
デカラビアは最後の指令として、攻城戦に出ているフレイムヘイズ兵団の殲滅の命令と、総司令官としての権限を“煬煽”ハボリムに委譲することを通告し。
《以上》
平静で冷たい声音のまま揺るがず、通信を切った。
―*―*―*―
一気に攻勢を仕掛ける、すっかり包囲されたフレイムヘイズ兵団。
少しずつ押し上げ、とうとう拠点から最前線への距離が『星黎殿』までの距離を上回った、その辺りで――
ズズン
上空で激しい戦いを繰り広げている者たちにも聞こえた、地鳴り。
ズズン
爆発にしては質の違う低音。
ズズン
三度目の振動で、それが“地鳴り”だとやっと理解し始めた。
そして。
それは姿を現す。
ズ ―― ―― ッ ―― ズン !!
戦場の幾か所にも出現した地割れ。その下には無光沢な鱗を纏う、捩れた魚身。その鱗から鉄色の火の粉がまき散らされているのを見て、それが“淼渺吏”デカラビアの真の姿だと皆が思い知らされる。
彼のこんな姿を、誰も見たことはなかったが。
表に出て来た敵の司令官に、ゾフィーは遠慮なく紫電の蹴りを叩き込んだが――
「転移の自在法を、こんな巨体全体に……」
「遠距離まで自在法を伸ばすことに特化した彼奴の、本領発揮というところでしょう」
あらぬ方向に捻じ曲げられ、足は空を蹴っていた。
戦場を俯瞰すれば、混乱により浮ついていた敵軍に、[
「この姿を見たのは敵さんも同じでしょうに……もしかして」
「指揮官不足の敵軍一体一体に、司令官が直々指示を下し始めた、ということでしょうかな」
ゾフィーとタケミカヅチの見解は一致した。
「呆れた、この巨体に自在法をかけ続けるだけでもひと仕事だというのに。更に膨大な数の遠話まで、だなんて」
言葉とは裏腹に、ゾフィーの顔には警戒と感嘆が交じり合っている。
「窮鼠猫を噛む、と言えばかわいいものですが、決して侮ってはなりませんぞ。ゾフィー・サバリッシュ君」
「分かっていますとも、タケミカヅチ氏」
追い詰めすぎて
だから、これはただの声掛け確認。
飛躍的に切れのある動きとなった軍に苦戦するも、前進スピードは少々遅くなっただけで止まっていはいない。それはデカラビアも予想の内だろう。
(なら、何故……?)
捨て身と言える荒行に乗り出した理由は、ただの時間稼ぎではないはずだ。
切れの割にはこちらを阻む力が少ない。討滅の数は確かに減っているが、今更兵を温存しようとするのでもないだろうが……。
(まるで、受け流されているような……)
受け流す先にあるのは、絶対に到達されてはならないはずの『星黎殿』――
(ま、さか)
戦闘勘、それだけで全軍に指令を出した。
『攻城隊、散りなさい! なるべく退く敵兵と乱戦になるように!
そう命令を出した瞬間、徒たちが
「な――近付いて」
「違う、落ちてくるぞ!」
事態の急変に――『星黎殿』という世界最大の宝具による攻撃を察知できた者が、そのまま進んだ三割全て。
波のように退いた徒たちも、全てがその“攻撃”から逃れられたのではない。『星黎殿』はフレイムヘイズ徒関係なく、巻き込んで落ちていく。死ねと言われれば死ぬ、その覚悟を備えているのが[
ズ ―― シン ――!
落下地点は、フレイムヘイズ兵団希望の中心だった、出城。如何にザムエルの自在法が強固でも、質量の暴力には勝てず粉々に砕けてしまった。
結局、虎の子の飛行攻城部隊の六割を失ってしまった。
「やってくれましたね……さて」
地上部隊は時間があったためほとんど巻き込まれていないが、統制はボロボロだ。攻略目標は一気に近付いたが、落下から逃れた徒の守備兵が流れるように陣を敷き、今すぐ攻め落とすことも不可能。形勢は不利だ。
―*―*―*―
『星黎殿』内部。外で戦うフレイムヘイズ兵団に行方知れずの盟主や
突如ぐらりと地面が揺らぎ、そのまま落下感覚に襲われた。
同型の宝具『天道宮』を数百年動かしていたヴィルヘルミナが真っ先に気づく。
「『星黎殿』が落下しているのであります!」
地面に手をつき耐えているレベッカが叫んだ。
「オレたちのせいでってか!?」
「いいえ、浮遊機能を失うほどは破壊されてはおらず、そもそも破壊活動をやめたこの今に落ちる理由にはならないのであります」
「確かにそうだな。って! だからなんで落ちてんだぁ!?」
不幸中の(?)幸い、人間より遥かに頑健なフレイムヘイズであるから落下の衝撃で死ぬことはない。問題は“何故落ちているのか”だ。
「私も『星黎殿』機関部には手を触れられていないのであります。私たちが知りえない別の要因が無ければ――」
「ああ、[
カムシンがまとめた。
「ふむ。秘匿と浮遊が最大の利点の
ベヘモットの推察はほぼ間違いなかった。その上で『攻めるか守るか』を一行は数秒思案し。
「私が残るのであります。
「数的不利」
[
「任せて」
シャナが頷いた。残りの二人にして四人も同意を示し、飛び立っていった。
―*―*―*―
『神門』内部、『
そして、数千年もの時をかけて築き上げた
「行くか」
「行こう」
アラストールと一言声をかけあって、黒き蛇神の額で剣先を向ける少年を見据え――力強く飛び立った。
「さあて、こっちは
「心強い援軍がいてくれて、よかったよ」
レベッカたちが鳥と変化している古代の討ち手から蛇の胴体に降り立ち。
「ああ。まだ使命に“生きて”いたとは」
「ふむ。両界の狭間は謎に包まれておるからの」
カムシンたちが“かつて轡を並べた仲間たち”に振り返らず、レベッカの隣に足をつける。
相対するのは“頂の座”ヘカテー、そして“千変”シュドナイ。
右目を取り戻した“逆理の裁者”ベルペオルは、『詣道』に同行する“教授”とその助手、そして黒い『御神体』を守るために後ろに下がっている。
「一体どうなっているんだ、外は」
「やはり……『炎髪灼眼』」
将軍を冠するシュドナイがこんな所まで敵の侵入を許した配下たちの様子を憂慮し、巫女として最も
「シャナ……君は、何故ここへ?」
「……」
シャナはひとしきりの沈黙の後、語った。
フレイムヘイズとしての少女とシャナと名付けられた少女。自分と自分を一つにすること、その意味、そして今、成った自分の在り様を。
「私は、悠二が好き」
好きだから、好きになった自分を受け入れ、疑わず進むと決めた。どれほど困難だろうとまっすぐ進んでいく。最も偉大で強大な力を
悠二は“祭礼の蛇”共々絶句に追い込まれ、だが余りの『大言壮語の壮大さ』を
「私が思う『最善』を実現させるために、教えてほしい。悠二が、“祭礼の蛇”と共に進める大命の内実を」
シャナらしい実直で直球な要求を、悠二と“蛇”は拒絶する。悠二はシャナたちの思わぬ力を警戒して、“蛇”は
「物事には語るべき時というものが存在する。それは今じゃない。どうしても聞きたいなら、君が言うように余を捻じ伏せてみよ」
「そうする」
シャナが短く応えて、戦いは始まった。
―*―*―*―
フレイムヘイズ兵団の数割を削った『星黎殿』は再び『
隙を見てザムエルが新たな基地を作ったが、じりじり包囲は狭まり最も忌避せねばならない消耗戦が始まっていた。
「ジリ貧ですね。あの子が“あれ”について知らせてくれたおかげで、背水の陣の如く危機感のまま一所懸命に戦ってくれていますが」
生き残りの飛行部隊は、シャナが突入直前に正体を明かした『神門』を攻めさせている。
「何も為せなかった、では済まされない戦いですからな」
だが、何を為せる? 状況は詰んではいないか?
総大将にあるまじき不安を、首の一振りで消し去り。
「世界の命運を賭けた戦い、なのですから」
自らを更に追い詰め、奮い立たせた。
副官フランソワのお陰で『星黎殿』を見失ってはいないが、浮遊移動するそれを攻める戦力はもう無い。ゾフィーなら『
(出来ることは……)
最悪の手段。だが攻めねば意味の無い今、それを為すのが最良の決断だろう。
決意させ立ち上がる直前――
「総大将!『星黎殿』が落下します!」
また攻撃に使うのか、と退避の準備をしつつ、続く言葉を待つ。
「落下推測地点は、デカラビアの真上よ!」
「何ですって?」
フランソワが地図の一点を指さす。そこは確かに、“淼渺吏”デカラビアが地底に這う、地割れの一つ。それもひと際大きな穴が――『星黎殿』を通すことのできる――空いている、戦場唯一の地点。
ゾフィーは咄嗟に思い出す。『神門』に突入すると宣言した面々を。そこに
それは内部での戦いでの闘死を意味する可能性もあるが、ゾフィーはもう一つの可能性に賭ける。
「おそらく、『万条の仕手』が『星黎殿』中枢を乗っ取ったのです!」
そう言っている間に、戦場に散る土煙と現れた『星黎殿』、そして舞い上がる鉄色の炎、消えゆく地の底を蠢く魚身――“淼渺吏”デカラビアは、『星黎殿』により真っ二つにされて、討滅された。
『
大きな魚身が消滅するに伴い劇的な地形変化が戦場全体に巻き起こり混乱に包まれる。混乱が効いているのは、自分たちに直接指示を出し支えていた“声”が他ならぬ自分たちの本拠地に潰された[
「一点突破を計る。築くは橋梁、敵本拠地へ一路。よろしいか、ジルニトラ」
「築くは橋梁、敵本拠地へ一路、肯定する。作戦行動を開始せよ、デマンディウス」
横で黙って移り行く戦況報告を聞いていたザムエルが、神器“ターボル”を弾く。響きの余韻を握りしめることで確かめること一瞬。片膝をつき城を造る石床に掌を置く。
「
壊される様が逆再生されるように、一直線の橋梁が築かれる。出城からまっすぐ、『星黎殿』へ向かって。
橋の入り口へ一歩、足を乗せたザムエルは。
「全軍――戦列を組め!」
最後の、必勝の、必死の、号令をかける。
「踏み足、揃え――突撃!」
その瞬間――
「新たな敵影! 西から!」
「大軍よ! 将は“煬煽”ハボリム!」
至近、だが。
「西軍主力が来たとして、距離は『星黎殿』が近い! 一気に攻め落とします!」
予想外の敵が現れたとして、やることは変わらない。敵に食いつかれる前に敵陣を落とすこと、のみ。
デカラビアが堕ちたことにより混乱する敵兵しか、目の前にいないのだから。
―*―*―*―
それぞれの勝負は、それぞれ決められずにいた。
シャナと“蛇”と合一する悠二の戦いは、シャナが若干有利。しかし、シャナは“蛇”本体を刺激するような大技と、火避けの宝具『アズュール』の存在から炎を封じて戦っている。悠二も鍔迫り合いを実質封じることのできる『
カムシン、レベッカと相対する
どちらの陣営も、その戦いの決着を望んでいる。
[
フレイムヘイズらは明確なる世界の危機への反発から、そして《世界を守るために》今も戦って死にゆく仲間たちを想い。
それぞれの陣営の思いを双肩に背負う二人は、しかしあくまでも
皆が目の前の戦いに集中する中。ただ一人後方から全体の趨勢を窺っていたベルペオルが、真っ先に気づいた。
(『神門』が、破壊されている!)
次いで前へ前へ、『この世』へと驀進していた“祭礼の蛇”が、次に未知の現象の記録観測という
(将軍、そしてヘカテー。聞こえるかい。『神門』がどうやら破壊されたようだ)
歴戦の二人は“敵の前で”表情を変えることはない。
ベルペオルは、志を同じくする将軍と巫女に、これからが正念場の兄と姉に、語り掛ける。
(『両界の狭間』と『この世』を繋ぐ一枚の薄い鏡、されど鏡面と実像は限りなく遠い。『創造神』の剛力で以ってもおまえたちが無事で済むかは未知数。ならば)
(さっさとやれ、ババア。儀式の準備は終わっている、だろう?)
シュドナイは、彼女が敷いたレールを壊させないことを誓い。
(次の儀式の場を整えてほしい、そう願うまで)
ヘカテーは、きっと永い別れの後の再会を誓った。
そして……。
(我が参謀よ。そなたの願いは、余の願い。必ずや、叶えてみせるとも)
娘の想いは決して誰にも邪魔させない。父親は誓い、労った。
思わぬ労いにベルペオルは心から笑った。神算鬼謀の女怪の笑みではない、家族への愛を余すことなく顕した、家族しか見たことのない純粋な笑顔だった。
「ええ。壊されてなるものか、例えこの身が融けたとして――」
ままならぬことに挑み、思うが儘を実現させようとして。その結実が[
「因果の交差を編みし路よ。我が神より賜りし
壊れた鏡の破片一つ一つに鎖が宿り、ばらばらとなっていた破片を疑似的に紡ぐ。破壊された道が疑似的に修復され、歩いていけない狭間と世界を繋ぐ道が復活する。
壊れたモノは元に戻らない。その当たり前の『理』をも覆すのは、創造神の懐刀の真なる力の発揮だった。
行きとは様子が違う『神門』を意にも介さないフレイムヘイズら。騒がしく忙しい客分。振り返らず新しい戦いと未来へと目を向ける兄と姉。そして何か言おうとした父を、通信を無理やり切ることによって送り出した。
道を保つことが出来るのはベルペオルのみ。だからこそ彼女は渉ることが出来ない。仮初でも存在を保つことのできる『
『両界の狭間』に呑まれては、“いつかの再会”も危うい。そうなる前に、もう少しだけ創造神の道を保ち、自ら命を眠らせた。
―*―*―*―
少しだけ、時は遡る。
「これで、第
「拠点奪取」
無限に湧き出てくる徒をやり過ごし、旧知“螺旋の風琴”リャナンシーと再会し『星黎殿』の移動を行える司令室までの道を教えられるという望外な幸運を経た、ヴィルヘルミナ。なんとか操作方法を探り当て、敵の指揮官を質量でごり押して真っ二つにした。
混乱する城内を襲い来る徒のみ粉砕しつつ、地表部へ出ると。
「やはりあなたでしたか。助かりました、『万条の仕手』」
「『震威の結い手』、後は任せても」
フレイムヘイズ兵団が続々と到着し、『星黎殿』内部へと雪崩れていく様を見て。
(“螺旋の風琴”……恩を仇で返したようであります)
(存命希薄)
司令室へと案内された結果が、この家荒らしだ。彼らに見つかれば徒というだけで問答無用で始末されるだろう、と予測する。それもある種の縁、憐憫も抱くが未練も何もかも断ち切った。
総司令官でもある旧知との挨拶もそこそこにして、シャナたちの後を追おうと飛翔しかけたところ――
「な、に――!?」
心身に奇怪な揺れを感じる。感覚が揺れていることを訴えているというのに、地面も、山も、世界も、揺れに対する反応を示さない。
戦場を振り返ると、[
だが、混乱に、明らかな喜色が混じり始めた。
「まさか」
「創造神帰還の合図……かもしれませんね」
ゾフィーが厳しい声音で、最も事実に近いであろう最悪の展開を口にした。
次に、フレイムヘイズ兵団総大将たる彼女が言い出す言葉が、ヴィルヘルミナは怖かった。ヴィルヘルミナの無表情を読み解けるゾフィーは、彼女の心情を知って、だからといって止まる訳にはいかなかった。
痛いぐらい、気持ちは分かる、だから
「十六世紀の大戦でも、辛い思いをさせてしまいました。――此度の罪は、私が全て被ります」
揺るがない姿できっぱりと、宣言する。
「『神門』の破壊を試みます」
ヴィルヘルミナはティアマトー共々凍り付いた。動くことが出来ない。
「この戦いの目的は、『星黎殿』の奪取ではなく、創造神の行いが巻き起こすであろう“紅世の徒”無限の放埓の時代を、止めるためなのですからな」
タケミカヅチが
紫電をバチバチと閃かせ始めた『震威の結い手』を、仮面の奥の表情をピクリとも動かすことも出来ないまま、見送り。
「……何人にも哀れまれず、罪を犯して省みず、存在もならぬ無に堕ちる我らに……」
常なら願いの言葉から、懺悔を押し付けられ、そのまま。
「……せめて勝利よ輝け……アーメン・ハレルヤ・この私」
ゾフィーは、彼女にだけ通ることが許される空の道を、雷速で奔り抜けた。
深く絆を刻んだ旧知の二人にして四人。レベッカとバラル、カムシンとベヘモット。
最も偉大なる魔人、アラストール。愛らしい、見ぬ内に成長し名を得たシャナ。
全員に懺悔し、自らへの祈りを叫びに変えて。
「だぁあらっしゃああああ――――っ!!」
最も信頼する己の技、
――ッ!
間違いなく黒い鏡の縁に命中し。
ひび割れ、ひびは広がり、ひびは全体に走り。そして――
「こ、れは――」
だが、割れない。今にもばらばらに分解しそうな状態のまま、重さの影響時の影響が止まってしまったかのように、
垣間見えるのは、金色の炎。現在の大戦の
激しい消耗を引きずって、壊れそうで壊れない『神門』にもう一撃を加えようとして。
時間切れ、となった。
意識の揺れが途切れ、静寂が満ちて。
鏡はゆっくりと空に解けて虚へと還り。
鏡が生み出した朧の奥から無が零れ。
「――オオオオオオオオオ――ッ!」
創造神が雄叫びと共に、この世界へと帰還した。
「ああ――」
その嘆息は絶望であり。
創造神と共に翻る小さな紅蓮への、希望だった。
私はとんでもない間違いをしていました。
[
ああ、なんてミスを……。時間ある時に直していきます……。
というかこの辺の話濃密すぎて、拾い切れないです。名言の沢山で原作者様の言葉遣いが神がかっていますね。みんなも『灼眼のシャナ』読もう!