IS Inside/Saddo   作:真下屋

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キミシダイ列車 / ONE OK ROCK


Infinite Stratos

 

 

『灼熱より最強へ。暮れない朝に君を待つ』

 

 

 ISによるコアネットワーク、その中のオープンチャンネルで流したメッセージは只一つ。其の一つ。

 誰かにでも届けば良いものでもなく、誰にでも理解される必要はなく。

 言ってしまえばこれは、ラブレターみたいなものだった。

 

 気温は摂氏マイナス36度。

 到底人間が生存できる気温ではない。ISスーツがどれだけ機能的といえども、耐寒性能は驚くほど低いって当たり前だ腹とか出しっぱなしじゃねーかなんで全身タイツじゃねーんだよ意味が分かんねーよ馬鹿なの?

 専用のジャケットとか帽子とか長靴とか、フル装備で整えたとして寒いものは寒い。

 

 そう、俺は今、世界の最北端である北極に立っている。

 太陽が沈まないこの地でなら、誰にも迷惑を掛けることなく計画を実行できると踏んだのだ。

 せっかく来たのだから観光したかったが、ホッキョクグマとかセイウチとかアザラシとかいるらしいけど、見える範囲にはいない。

 冗談だけれど。

 

 ISの標準装備である体温調整すらカットして、寒さに震えて待つ。

 無駄なエネルギーを使用するつもりは欠片もなくて、どうせそれほど長い時間は必要ないだろうから。

 

 メッセージは無事に届く。必ず届く。

 もう届いている。

 確信がある。

 今まさにこちらへ向かっているだろうとの確信が。

 

 忘れ物、足りない物は無い。状況が俺を万全にした。装備を掻き集め、覚悟を決めた。色んな人から手を借り、今ここに立っている。

 吐く息すら凍るこの大地で、俺は待ちわびている。

 あまりの寒さにナイーブ入っちゃいそうだが、今日は大丈夫。今日だけは、大丈夫。

 心の隅から隅まで、これまで仲良くしてこなかった渇望が占めている。

 

 御為ごかしとか茶番だとか前置きだとか、そういう物は投げ捨てて。

 噛み締めるのはこれまで歩いてきた道程で、心占めるのはこれから訪れる明るい未来で。

 想いを馳せるほどに、めっきりくっきりはっきりしてくる俺の心情。

 

 どうどうどう、静まり給え。どうせすぐ出番だ。もうすぐ、これから、いますぐ。 

 陳腐だが、終わらせよう。始めよう。

 終わらせる為に始めよう。始める為に終わらせよう。

 じゃなきゃもう、一歩もここから進めそうにねえんだよ。

 

 音もなく風もなく、それでも来た。それが分かる。

 気温のせいかどこまでも澄んだ美しい空を見上げ、視認する。 

 それじゃあいっちょ、盛り上がって参りましょう。

 

 

 現れたるは黒と紅。

 世界最強、ブリュンヒルデの登場機として世にその名を轟かせた暮桜と、世界最新にして最新鋭のオーダーメイド、世界唯一の第四世代機紅椿。

 外身が特注なら中身も特注、語るまでもない世界のヒーローと俺のヒーロー。

 略歴とか呼称とか二つ名とか。

 なんか男の子が好きなものをつらつらと並べるのも、なあ、その、なんだ。―――くだらねえ。

 

 

 ゆっくりと眼前まで二機のISが飛来した。俺はじっくりとそれを眺める。

 途端、圧力が掛かる。

 未だに俺が寒そうに縮こまってアクションを起こさないのにおこなのだろう。

 圧力は強く強く増していく。

[ISを出せ]

 届く言葉はそれだけ。たったそれだけ。

 求められている。待たれている。焦がれている。期待されている。

 その圧力は高まり、高まり、高まり、それはきっといずれ我慢の限界に差し掛かり弾けるのだろう。

 まあ、その、なんだ。やっぱり、―――くだらねえ。

 

「ちゃんと相手してやるから、ちっと脇によけて待ってろ端役」

 

 無視だ無視。あんなもん相手してられっか。俺は今忙しいんだそれどころじゃねえんだ。

 

「なあそうだろ、箒ちゃん」

 

 俺は、ISを展開せず相対する。かなりスタイリッシュにフォルムチェンジしている暮桜は無視して、紅椿に向き直る。

 紅椿は暴れ、捻れ、胸元を掻き毟る。

 指先が荒々しく毟り、足掻き、剥がれ、現れるのは胸の少し上、首元。

 喉、装甲にもISスーツにも守れられていない、無防備な箇所。

 寄生コアから力尽くで制御を奪い、機体の防御機構を自壊させ、望むのは。

 

 

 心を静かに。

 腕につけているブレスレットを握りしめ、強く、強く求める。

 話がしたい、繋がりたい、重なりたい、理解したい。

 きっとこれは、そういうモノだろうから。

 

 

 

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[ 私を殺す覚悟は、出来たか ]

 

 

 重力、むしろ上下の概念すらない世界。

 ISのコア・ネットワークにより編まれた集合的無意識。

 物理的な制約など何一つない、距離も時間も関与せぬ異界。

 相互意識干渉(クロッシング・アクセス)。ISコア同士のリンクを介した意思疎通領域。

 

「よう、箒」

 

 俺が邪推するに、束さんがISを作った理由の一つがこれではないかと考えている。

 理解されたい/理解されないあの人が、言語を介さないダイレクトなコミュニケーションツールとして用意したのではないかと。

 戯言だけれど。

 

「殺す覚悟? いんや、殺さない覚悟をしてきた」

 

[ は? ]

 

 クロッシングフィー……、クロッシング・アクセスでは誰しもが全裸である。

 理由は分からない。分からないがまあ、その、なんだ。最高だな。

 箒ちゃんって意外と下の毛濃いよね。

 

「テメーなんか殺して、人生無駄にしたくねえって言ってんだよクソ女」

[ お前は、本当にこの状況が分かっているのか? ]

 

 世界最強とて無敵ではない。暮桜がISである以上、エネルギーの補給がなければ永久には活動できない。

 だが絢爛舞踏とかいうエネルギー保存の法則に真っ向から喧嘩売ってる頭の悪いチート単一仕様能力なんかが存在する所為で、暮桜は延々とエネルギーが補充できる。

 世界一強いISランナーに無限供給システムがセット。こうなるとわりと無敵だ。

 勝てる訳がない、ともなれば、RPGよろしくギミックを解除する方針で進めるべきであると。

 なんだそりゃバッカみてえ。

 

「だから何だってんだよ。その程度のことで、お前は俺に自分を殺せって言ってやがるのかよ。

 お前が言ったんじゃねえか。俺には夢があるって」

 

 視界に広がる世界線に果ては視えず、仮想的に描かれたこの抽象空間、感覚はないのに意識はあって、それなのに違和感に感じない。

 それはまるで、明晰夢のようで。

 だからこそ、口からは本音しか出てこない。

 

 

「テメーなんか殺して、人生無駄にしたくねえって言ってんだよクソ女。

 織斑一夏には夢があるんだよ。

 最近できた新しい方だと、鈴を娘にして、ラウラをお嫁さんにして、セシリアにヒモにしてもらって、シャルと幸せにするって夢があるんだ。

 俺はその大事な夢の為に、お前なんか殺してやらない」

 

[ な ]

 

 一息に口から出たのは率直な願望。 

 箒は言葉を詰まらせる。

 理解して、面食らって、沸騰して。

 素直に、なれる。

 

 

[ な、―――お前は何を言ってるんだ! ふざけてる場合か! ]

 

「うっせーな本気だよ!」

[ 尚悪いわ! そして、なぜその夢に私がいない! ]

「うっせーな、俺の夢だよ! 俺がしたいと思う、俺が叶えたいと思う夢だ。オマエには関係ねえだろうが!

 だから教えろ! オマエの夢はなんだ!」

 

 文句をつけてキャンキャン喚いて、何が言いてえんだよ。

 くだらねえんだよ。そんなん、俺が憧れた箒ちゃんじゃねえんだよ。

 何がどうなったらそんな女になるんだよ。

 そうじゃ、ねえだろ。 

 

[ わたしは、私は、―――織斑一夏を、私の物にしたい]

 

 特定の一個人を、所有物にする。

 なんともまあ、エゴイスティックなことで。

 らしいっちゃ、らしい。

 独善的でも、独りよがりでも、それが欲しいって、言える彼女が好きだ。

 きっと誰にも伝わらねえけど、そういう箒ちゃんが俺は好きなのだ。

 まして、そんな彼女に選ばれることが誇らしい。

 

「すりゃあいいじゃねえか。いい夢じゃねえか。ちゃんと言えるんじゃねえか!」

「死にたくない! 終わりたくない! 私はまだ、勝ってない!」

 

 自身の生を諦めたくないと、抵抗していた意識が止まる。 

 現実では寄生コアがIS掌握し、箒を拘束していく。

 束さんが言うには、攻撃さえされなければ紅椿が襲ってくることはないらしいが、ボスのエネルギー回復を毎ターンってだけで厄介極まりない。

 最短最容易RTAルートは閉塞した。

 こっからは先は最難関の高難度アタックだ。

 

 

「一夏、―――助けて!」

 

「任せろ」

 

 

 応えるよ。

 その言葉に。その想いに。

 任せろ。俺を、誰だと思ってんだよ。

 

 箒ちゃんが名前をくれたイッピーってやつは、女の前では格好つけずに生きられねえんだよ。

 

「一切合財、遍く全て、俺に任せろよ。何故なら俺には夢がある。大事な大事な夢がある。それを叶えるために、こんな所で躓いてらんねーだろ。

 鈴を娘にして、ラウラをお嫁さんにして、セシリアにヒモにしてもらって、シャルを幸せにして、―――『篠ノ之箒を俺の女にする』って夢があるから!」

 

 現実世界では一歩だって離れてないのに、これまで重なり合っていた心は急速に離れていく。

 笑ってやる。

 不安なんて感じる必要はねえよ。

 俺がいて、君がいる。

 いつも通りだ。

 違うとすりゃ一つだけ。

 今日は、―――勝つだけだ

 

 

 

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 謎空間から帰還したが、最前列で喉元をさらけ出していたはずの紅椿は何もなかったかのように後ろに下がっていた。

 さあて、じゃあこっからだ。

 これから、始めよう。

 

 ここから。ゼロから、いや、イチから。

 "俺"を、始めよう

 

 またしたな、チッピー。

 彼女は、何も言わない。

 言えないのではない。言わないのだ。

 

 篠ノ之箒は、その精神力だけで寄生コアを引き剥がした。

 本心から俺に殺されて、一生俺の思い出になりたいとか考えてたんだろ。

 んで、篠ノ之箒程度が解ける拘束を、織斑千冬が解けない道理なんてない。

 だから、これはそういうこと。

 

 特に構える必要はない。

 ただ胸の内にあるわだかまりが、ほどけて溢れていく。

 誰かの想いでも誰かの言葉でもない、俺の澱みが。

 

「アンタは、憎いんだ。世界が、社会が、人が、―――『俺』が、憎いんだ。

 ずっとずっとずっと、アンタから奪い続けてきた存在を、壊したいと思っている」

 

 世界から押し付けられた役割を。

 社会から強制された責務を。

 人から望まれ体現し続けた理想を。

 俺が背負わせてしまった重荷を。

 アンタは、壊したいと思っている。

 

 常人の数十倍の不満を、常人の数百倍強いアンタが噛み殺していただけだ。

 ただそれだけの話だろう。

 だから、本心から織斑千冬は、"すべて"を壊したいと思っている。

 

 分かる。分かるよ。

 だから、始めよう。

 彼女の姿を真っ直ぐ見据え、宣誓しよう。

 

「アイ死合うぜ、織斑千冬」

 

 殺し愛を始めよう、姉さん。

 

「最初で最後の、全力の姉弟喧嘩だ。殺しちまったら、ゴメンな?」

 

 想いも不満も、全てを此処で吐き出そう。死んじゃったら、ゴメンね?

 

 そう呟いて、埋没する。

 

 

 俺の中心へ、空っぽの心臓へ。

 ずっとずっと殺し続けてきた、俺の真心に。

 ずっとずっとずっとずっと、否定し続けてきた俺の" "に。

 

 今日は。

 今日だけは

 自己暗示なんて、いらない。

 イマ此処に居る俺だけが、偽る必要のない織斑一夏なのだから。

 

 大きく息を吸って、吸って、吸って。

 言いたい事、言えなかった事。

 借り物の言葉を多用するイッピーが、この瞬間だけは、自分だけの言葉をチッピーに送る。

 あの人に送る言葉は、本心で。

 何かの台詞じゃなくて、俺の言葉だけで。

 今だけは。

 俺に人生の半分を費やしてきてくれた愛しい人へ、誠意を。

 

 今日だけは関係ない。

 だって今日は、死ぬには良い日だ。

 生を、謳歌しろ。

 

 

「いつも! いつもいつもいつも目障りなんだよ! アンタの偶像がずっとずっと付き纏いやがる!

 俺は! いつでも! どこでも! アンタの弟だって評価が付き纏いやがって、誰も俺を見てくれない!」

 

 いつだって、どこでだって、姉さんは俺にとっての誇りだった。

 強くて、立派で、俺を愛してくれる。自慢の姉だ。

 

「アンタが居れば一生、俺は織斑千冬の付属品でしかない! そんな人生まっぴらだ!」

 

 貴方の弟であることがどれだけ誇らしいか。貴方と過ごした俺の人生が、どれだけ幸せだったことか。

 

「比べられ、蔑まされ、見下され、落胆され! アンタの弟ってだけで俺は首を絞められてきた!

 いつだって、どんな時だって! "俺"に『名前』なんてなかったんだ!」

 

 優しく、甘く、激しく、厳しく。傍に在ってくれた。

 喜びのとき、悲しみのとき、健やかなるとき、病めるときはあんまりなかったけど、いつだって名前を呼んでくれた。

 

「俺が憎いか? 俺が鬱陶しいか? 俺が煩わしいか? 俺なんて産まれない方が良かったか?

 上等じゃねえか! こっちこそそう思ってんだよ! アンタなんて居なければ、俺はきっと、普通であれた!」

 

 貴女が居ない世界を願ったことが無いと云えば嘘になる。

 だけど、貴女が居てくれて良かったと、いつだって、心から思っている。

 

「ウンザリしてんだよクソったれ。アンタがたかだか『世界で一番強い』ぐらいで、俺の存在が霞みやがる。

 とっくに我慢の限界だ。俺はもう、アンタの弟なんて人生を送るのは真っ平なんだよ」

 

 だから辛い。貴女が背負わされる事が。頑張ってしまって、頑張りすぎてしまって、貴女がこんな所まで辿り着いてしまったのが。

 貴女はきっとそうじゃないと笑うだろうけど、俺はもう、貴女の重荷でありたくはない。

 

「ソラの果ては愉しいか? 孤高の頂から見下ろす虫けらは滑稽か? ちょっとばかし人より格が高いからって、調子コイてんじゃねえぞクソったれ!

 否定してやる! アンタの強さを、アンタの存在を、アンタの全てを、ぶっ壊してやる!」

 

 世界最強という称号は、貴女を孤独にした。世界の誰もが貴女と対等ではないと、誤認してしまった。

 それなら、間違いは正さないといけない。

 これは他の誰にも出来ないだろうし。他の誰にも譲りたくない。

 

 

 孤独の空に至った貴女の物語。

 ISを手にして、変わってしまった世界と貴女。

 IS。

 

『空の果ての、彼女の英雄譚(インフィニット・ストラトス)』

 そんなの、何が面白いんだ。

 何回だって言ってやる。

 心底、―――くだらねえ。

 

「だから、俺が!」

 だから、俺は。

 

「今日、此処で! 俺がアンタを倒すんだ」

 

 俺は貴女を落とすんだ。今日、此処で。

 普通の女に、落とすんだ。

 

 

 あの人は、一度だけ俺に言ったことがある。

 俺の事を愛していると。家族として、弟として、―――男として、愛していると。

 俺は受け入れなかった。

 

 それは、裏切りだから。

 これまで俺を育ててくれた織斑千冬が、俺に常識を教えてくれた織斑千冬が。

 姉弟で愛し合うのはおかしいと。

 姉弟で愛し合っても、不幸にしかならないと。

 そう教えてくれたのは、織斑千冬だから。

 

 俺を自分の好きな様に教育することも、力任せに奪う事も彼女は出来たのに。

 そうしなかった。

 それは何より、俺への愛の証だった。

 

 彼女は俺の拒絶に対し、笑顔と涙を浮かべたのだ。

 自分の教えが間違っていなかった喜び、俺がマトモな常識を身につけたという喜び。

 俺に拒絶された悲しみ。

 その全ては、俺への愛から来るものだ。

 

 俺は、啼いた。

 その愛を自覚しながらも、誰より愛しい女へ拒絶しなければならなかったことに、ないた。

 誰よりも愛しい女への偏執的なまでの愛情を。

 諦めざるを得なかった、俺の" "を悼み、ないた。

 ないて、殺した。

 一番大切だった。

 一番大事にしたかった。

 俺の中心を。

 俺の真心を。

 俺の" "を。

 殺した。

 

 殺して、殺して、殺して殺して殺して、殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して、昨日まで。さっきまで。

 殺し続けてきた。

 

 でも、今日だけは。

 でも、イマだけは。

 許してやる。

 認めてやる。

 だって今日は、死ぬには良い日だ。

 

 俺の真心よ。

 俺の" "よ。

 生きてていいから、一緒に死ね。

 

 

 人は誰しも、社会不適合な自身を内に秘める。

 それは、家族をバラバラにした姉妹への殺意だったり。

 それは、自国贔屓が行き過ぎた人種差別だったり。

 それは、大切なのにとても脆い関係性への不信感だったり。

 それは、亡くした母への依存心だったり。

 それは、狂信的な偶像崇拝だったり。

 

 それは、たった一人の姉への偏執的な愛情だったり。

 

 

 人は、誰しもが救いようのない己の側面を持つ。

 人は、誰しもがその内側に社会不適合な己を秘める。

 

 It's a Inside Saddo.

 

 俺は、自身の内に秘めた哀れな己を鑑みる。

 誰にも云えない、俺の偏愛よ。

 誰にも云えない、俺の本心よ。

 世界で一番大事な、俺の心よ。

 生涯秘め続ける、俺の真心よ。

 幾度も殺し続けた、俺の よ。

 

 It's my "Inside/Saddo".

 

 今だけは、その想いに応えてやる。

 ソラの果ての女の英雄譚はお終いだ。

 IS(アイエス)なんてクソ喰らえだ。

 

 これは、I/S(アイエス)だ。

 俺の物語だ。

 いい加減待ちくたびれたろ。

 だから俺は、そろそろ俺の人生(モノガタリ)を始めるよ。

 なあ、そう思うだろ、アンタも?

 

 

 


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