楽玲の某新婚お招きトークバラエティパロ
夫婦かつ楽郎くんの顔隠し√ifです
なんでも許せる人向け

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夫婦さんいらっしゃーい!

やたらとテンションが高くて、同時にどこか気が抜ける音楽が鳴る。

上方落語界の重鎮らしい風貌の男性と、妙齢の女性が階段から下りてきた。

女性ばかりの観客たちの拍手と黄色い歓声が響く。

 

「いやー、始まったな!」

「始まりましたね!」

「十年やって、十年。君、始まったときいくつやった?」

「えー、今も昔も十七歳って、いってるじゃないですかぁ」

「なにあほゆっとんねん。先週、四十の誕生」

「あ?」

 

女性は、男性の肩をどついた。男性が大仰に痛がるふりをする。

観客席からの大笑い。

 

「こんなしまらん感じで十年続いたわけやけど、まあこれからも続けていきますんで」

「いやいや、何でもう番組終了みたいな空気だしてるんですか」

「え、終わりちゃうっけ?」

「始まって5分ですよ」

 

再度観客席からの笑い声。

 

「それじゃあ記念すべき十年目の、夫婦さんに入場して貰いましょうか」

「今日のゲストは、超豪華!あの、プロゲーマー顔隠しご夫妻です!」

 

観客席から黄色い悲鳴がまき起こる。

 

「皆さんご一緒に、せーの!」

「「「夫婦さんいらっしゃーい!!!!」」」

 

スモークと共に、顔隠し夫妻が入場してくる。

異様などよめきが沸き起こった。

司会者の二人も半笑いになる。

 

「どうぞ座ってください」

「はい」

 

ハシビロコウマスクが、妻である名状し難き生物(大量の目玉つき)マスクの女性の手をとって、ソファへと座る。

観客席から、ため息がもれる。

 

「えー、それではお名前を」

「顔隠しと」

「そ、その妻でしゅっ!?」

「れいさん、落ち着いて」

「奥さんの名前出ちゃったけど、大丈夫?」

「あ」

 

一同笑い。

 

「ごめんな、こんなん俺もせんでいいと思ってるんやけど、一応聞くわ。旦那さんの仕事は?」

「ゲーマーです」

「ちゃうやろ!いや、ゲーマーやけど!」

 

男性司会者が床に転げ落ちる。女性司会者が、ソファを起こして、男性司会者が着席した。

 

「ほんじゃあ、仕切り直しの質問やけど。馴れ初めは?」

「俺とれ、妻は中学校の時からの同級生で」

「はー、中学から!っていうことは、その頃からお付き合いを?」

「いや、そういう意味でのお付き合いは、大学生になってからですね」

「どちらから、告白されたんですか?」

 

ぐいぐいくる司会者に、顔隠しは戸惑う仕草を見せる。

今度は妻が答えた。

 

「あ、あの、私の方から」

「へー、奥さんから!何て言ったん?」

「そそそそそそそそっ?」

「あー、すみません、妻がバグったので勘弁して貰えませんか?」

 

妻、超絶振動を続ける。名状し難きマスクなので、シンプルにホラー映画。

トレンドが、クトゥルー神話になった。

 

「お、おう。ほんまにやめといた方が良さそうやな……。というか、奥さん大丈夫?」

「もうすぐ戻るので」

 

妻、止まる。

 

「ほ、本当に止まった……」

「えー、あー、おほんっ!んーとね、どっちが先に好きになったかとか聞いても大丈夫?」

「そ、それも、私、です」

 

おおー、っと歓声。

 

「へー!いつから?」

「中学生のときからです」

「おぉー、おお?ちょっと待って、告白したんいつって?」

「大学のときですよ」

「長すぎん!?そこまで、ずっと片想いやったん?」

「あー、それは俺のせいというか……」

 

顔隠しが、恥ずかしそうに頬をかいた。

Twitterトピック、ハシビロコウ。顔ハシ。

 

「ほう、俺のせいってどういう意味?」

「その、アプローチに気づかなかったというか」

 

名状し難きマスクが再び痙攣を始める。ハシビロコウマスクが頭をよしよしした。

Pixi○急上昇ワード、顔妻。

 

「いちゃつかんといて!?」

「あ、ミスった」

「す、すみません……」

 

司会者のおどけたような動作で、笑いが起きる。

 

「奥さんのアプローチってどんなんやったん?」

「え、えっと」

「同じゲームをやっているって俺が知ってすぐ位に、部屋に招かれました」

 

えぇー、っと観客席。

 

「ちょ、ちょっと待って、それ聞いて大丈夫なやつ?これ、昼の番組やで?」

「あー、大丈夫です。なにもなかったので」

「めっちゃ断言するやん!奥さん、ほんまに?」

「は、はひ、な、な、なにもなかったてひゅっ!」

「ちょいちょいほんま大丈夫これ!?」

「奥さん落ち着いてください」

 

顔隠しが再度なだめる。

ニコニ○大事典に、顔妻の項目が作られた。

 

「どういう理由で、奥さんは顔隠しさんを部屋に呼んだん?」

「その、一緒に遊んでいたときに、VR機器の調子が悪くなってしまって」

「ほうほう」

「うんうん」

「それで、俺がスペアを持っていたので、もし良かったらって」

 

会場のボルテージが上がった。

魔境が、顔隠し×魚臣の新たなシチュ、VR機器の故障という可能性を開拓し、ボルテージが上がっていた。

 

「この時、奥さんに下心は?」

「……………ありました」

「おおー!」

「ほー!んで、顔隠しさんは?」

「全くなかったですね」

 

司会者二人ともこける。

観客席、今日一番の大爆笑。

 

「まったくって、そんなことある!?」

「あの頃は、ホントにゲームのことしか考えてませんでしたからね」

「それくらいじゃないと、プロにはなられへんのやろうなあ。それで、部屋でなにしたん?」

「みぞおちに頭突きされて」

 

スタジオに天使が通った。

 

「……僕の聞き間違えかな。奥さんなにしたん?」

「その、らく、夫のみぞおちに頭突きを」

「そうはならんやろっ!!!!!!」

 

人間国宝落語家の喉が枯れた。

代わりに女性司会者が質問した。

 

「ほ、他に、何かありましたか?」

「あー、クリスマス前に」

「おお!」

 

男性司会者、プロ根性で復活。

クリスマス、トレンド入り。

 

「一緒に図書館で勉強して、その帰り道に」

「ちょっと待って、それいつのこと?」

「こ、高校生のときです」

「ふんふん、そのときは付き合ってはなかったんやな」

「はい」

「でも、さすがに顔隠しさんもその頃は意識してたりは」

「なかったですね」

「なんでや!図書館デートしてんのに、なんでや!意識くらいせえ!」

 

腹式呼吸を駆使した渾身の突っ込み。

P○xiv事典の編集が進む。

 

「おほん。その帰り道に?」

「一緒にコンビニによったときに、クリスマスの話題に成ったんですよ」

「おー!青春!」

女性司会者本日一番のハイテンション。

スタジオの期待が高まっていく。

 

「奥さん、今度は大丈夫やんな?」

「た、多分」

「信じるで。クリスマスの話題になって?」

「当日、一緒にゲームをする約束をしました!」

 

わぁー!とスタジオが一瞬沸いたが。

 

「うん?ゲームってどれくらい旦那さんと、その当時やってたん?」

「一週間に三日か四日くらい?」

「そうでしたね」

 

スタジオの流れが変わった。

 

「その頻度で一緒に、ゲームしてて、クリスマスに?奥さん」

「ゲ、ゲームしようって」

「それ日常や!普段となにも変わらんやろ!そこで引くなぁ!」

 

もはやソファに座ることをやめた。

かわいそうなソファ君が、プチバズした。

 

「まあええわ。顔隠しさんは、その時どう思った?」

「流石廃ゲーマーだなって、尊敬しました」

「ゲームからはなれろ!もうちょい、興味持てえ!というか、多少はがっかりせえ」

「あは、あはははは」

 

魔境、別件で祭りが開始。

 

「奥さんのこと今はどう思ってか言ってもらっていい?」

「あー、えー、あー」

 

今度は、ハシビロコウがこの世のものではない首の動きをする。

妻がなだめる。

顔妻か、妻顔かの聖戦が開始される。

 

「大好きです」

「おお!」

「愛しいですし、もうこの人以外考えられないというか、他のやつに渡した」

「あ、あう…………」

 

名状し難い生物ぶるんぶるん動き、そして停止。

止まない歓声。

 

「顔隠しさん、もうええで……。奥さん、生きてる?」

「料理も上手だし、いつも支えてくれて本当に感謝して」

「顔隠しさん!奥さん息してない!」

「え?あれ?」

「 」

「まさか生放送ってこと忘れてたり……してるな!してたな!もうあれや!君らお似合いやわ!」

 

(以上、神回と評判の夫婦さんいらっしゃーいの一部抜粋)

 

のちに、男性司会者は語る。

 

「僕の司会人生で最も癖の強い夫婦って断言するわ。今後どんな夫婦きても霞んでまうかも知れへんわ」

 

 


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