導入的な♡
「今日のヒーロー基礎学だが……俺とオールマイト、そしてもう一人の三人体制で見ることになった」
「ハーイ!なにするんですか!?」
「災害水難何でもござれ、人命救助訓練だ!!」
その問いに対して相澤がRESCUEの文字の書かれたプレートを見せる。
「レスキュー……今回も大変そうだな」
「ねー!」
「バカおめー、これこそヒーローの本分だぜ!?鳴るぜ!!腕が!!」
「水難なら私の独壇場、ケロケロ」
「体温まってきたな」
「おい、まだ途中」
生徒達をたしなめながら相澤は手元のコントローラーで前と同じように壁からコスチュームが入っている棚をせり出した。
「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には、活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるから、バスに乗っていく。以上、準備開始」
バスに乗って移動する際に飯田がスムーズに乗れるようにと提案して二列になったが、想定とは違ったタイプのバスだったので徒労に終わってしまった。
施設に着くまでは多少時間がかかるので、その間、バスの中ではワイワイとした話し声が聞こえる。
ちなみに熊谷は珍しく一番後ろでバスに揺られながらぐっすり眠っていた。力(意味深)を貯めているんだろうか。
「あなたの"個性"、オールマイトに似てる」
「そそそそ、そうかな!?いや、でも僕はその、え〜」
「待てよ梅雨ちゃん、オールマイトはケガしねぇぞ。似て非なるアレだぜ」
蛙吹と緑谷が話している所に隣に座っていた切島が口を挟む。
「……しかし緑谷もそうだけど、増強型のシンプルな"個性"はいいな!派手で出来ることが多い!俺の"硬化"は対人じゃ強ぇけど、いかんせん地味なんだよなー」
「僕は凄くかっこいいと思うよ、プロにも十分通用する"個性"だよ」
「プロなー!しかしやっぱヒーローも人気商売みてえなとこあるぜ!?」
「僕のネビルレーザーは派手さも強さもプロ並み」
「でもお腹壊しちゃうのはヨクナイね!」
派手さと強さという点から、個性で目立てるかどうかの話をする一行。
さりげなく入れた青山の自慢と受け取れる言葉にこちらもさりげなく容赦ないツッコミを入れた芦戸。反論出来なかったのか青山は押し黙る。
「派手で強ぇっつったら、やっぱ轟と爆豪だな」
前の戦闘訓練において、皆の記憶に特に残った轟と爆豪が話題に挙げられる。
それに対して爆豪は下らんと言わんばかりにケッと声を出す。
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」
「んだとコラ出すわ!!!」
「ホラ」
蛙吹に噛みつく爆豪の様子が余計に人気でなさそうという言葉に説得力を持たせることとなる。
「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ」
「テメェのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!!!」
「爆豪くん、君本当口悪いな」
「低俗な会話ですこと!...まあ後ろの誰かさんのせいで不本意ながら割と慣れてきてしまってますけど」
「でも、こういうの好き...って八百万さん、それってもしかして熊谷くんの事?」
「ええ、そうですわ」
今度は後ろで寝てる熊谷に話題が移る。
「熊谷かー、たしか個性はえーと…催眠だったな。なんか個性だけ見るとヴィランっぽいけど」
「そういえばあいつも時々言葉遣い悪くなるよな。後たまによく分からん事言ったり。前にメシ奢ってくれたし性格自体は悪くなさそうだから爆轟より遥かにマシだけど」
「テメェは俺にケンカ売ってんのか…?」
「アレでいて首席だしなんか我の道を行っている感じがするよねー」
「熊谷ちゃんは不思議ちゃんって言葉が似合うわね」
「まああれで性格というか、言葉遣いが良ければ...」
「良ければ...?」
「...っな、何でもありませんわ!」
「ちぇっざんねーん」
ワイワイと騒がしくもバスは目的地へと向かっていく。
「もう着くぞ、いい加減にしとけよ……」
「ハイ!!」
「うぉ...急に耳に凄い衝撃...」
相澤のその注意で一気に気を引き締める生徒達。ついでにその声で熊谷も起きたようだ。
「すっげー!!
「絶景かな」
施設の力の入れように驚愕するご一行。
「水難事故、土砂災害、火事……etc。あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も……
「(
「(その意識の高さ アンナブルナ)」
そう言って皆の前に現れたのは今日のヒーロー基礎学の指導に加わるスペースヒーロー、13号。大物の登場に、緑谷と麗日が歓声を上げる。
「スペースヒーロー『13号』だ!災害救助でめざましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」
「わー!私好きなの、13号!」
ちなみにオールマイトも来る予定だったが、活動のし過ぎで学園の仮眠室で休んでるので遅れて来るらしい。その事を聞いて相澤はため息をついた。そして13号からの話が始まる。
「えー始める前に、お小言を1つ2つ……3つ……4つ……」
話す事がどんどん増えていく13号。
「皆さんご存知だとは思いますが、僕の"個性"は"ブラックホール"。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」
「その"個性"で、どんな災害からも人を救い上げるんですよね」
「ええ……しかし、簡単に人を殺せる力です。皆の中にもそういう"個性"がいるでしょう」
そう言われて数人が考え込む。熊谷も殺せるような個性なので考え込む。
もっとも、殺すのは社会的にだが。
アへらされた時を撮られて全国に放送されたら流石にヴィランとはいえそうそう耐えられるものでは無いだろう...
「超人社会は"個性"の使用を資格制にし、厳しく規制することで一見成り立っているようには見えます。しかし、一歩間違えれば容易に人を殺せる、行き過ぎた"個性"を個々が持っていることを忘れないで下さい」
「相澤さんの体力テストで、自身の力が秘めている可能性を知り。オールマイトの対人戦闘で、それを人に向ける危うさを体験したかと思います。この授業では……心機一転!人命の為に"個性"をどう活用するかを学んでいきましょう」
「君たちの力は、人を傷付けるためにあるのではない。救けるためにあるのだと心得て帰って下さいな。
以上!ご清聴ありがとうございました!」
「ステキー!」
「ブラボー!!ブラーボー!」
「ชื่นชม!!」
話を終えて、13号は一礼した。13号の話に対して生徒達(主に飯田)からの拍手喝采が起きる。
「そんじゃあ、まずは……」
と、相澤が授業を始めようとした瞬間に"ソレ"は現れた。
「ひとかたまりになって動くな!!」
「え?」
「13号!生徒を守れ!」
生徒達や13号に指示を出しながら、相澤はゴーグルを装着。
噴水前を見ると、黒い闇が漂っている。そこからゾロゾロと出て来るのは…
「何だアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」
「違う!あれはヴィランだ!!!!」
さっきまでの厳しいながらも和やかだった雰囲気を侵していく。
「13号にイレイザーヘッドですか……。"先日頂いた"教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここに居るはずなのですが……」
「やはり先日のはクソ共の仕業だったか」
「どこだよ……せっかくこんなに、大衆引き連れてきたのにさ……。オールマイト……平和の象徴……居ないなんて……」
ヴィランらの中央にいる手のようなものを着け、顔から目だけを出している痩身の男が話す。ゾワゾワと鳥肌が立つような、気味の悪さ。
それらが自分達をおびやかすものだと本能が告げてくる。
「……子どもを殺せば来るのかな?」
斯くして、A組と
「なんだその数の手!アクセサリーかな?似合ってるよかわいいね♡死んでくれ」
…開けた。
行くぞ敵連合ーーーー語録の貯蔵は十分か♡