急な温度差!風邪ひいちまうよ!
これも全部作者ってやつが悪いんだ。
はい、すみませんでした。
「ヴェスト...すまねぇ...!!お前はまじ一回痛い目にあったほうがいいとは思っていたが...本当一回死んだほうがいいと思っていたが....本当に...すヘブッ!?」
「ーーーーー外....か?」
テレポート特有の空間の歪みが魔王城の結界を抜け走り続けるベルディア(ですとろいやーもどき形態)の頭上に現れた次の瞬間、所々欠けボロボロのボロ雑巾のようになったヴェストがライダーキックことアクロバティックテレポート着地しながら現れた。
仮にも元魔王軍幹部。
それによって潰れることはなかったが舌を噛んで悶絶中だ。
おそらく踏まれたのがカズマ少年のような人間であったのならそこには真っ赤なお花が咲いていたことだろう。ただしダクネスは例外とする。
ノルマとも言えるベル虐をこなしたヴェストはそのまま地面にダイブもとい顔面から倒れ込んだ。
流石に今回はキツかったのか呼吸も荒い。
その表情にも普段浮かべている笑みはなく、ただひたすらに大気中の魔力を吸収することによる回復に努めていた。
「ぜぇぜぇ......はぁーーー.....いやまじ...生きてる?....生きてるよな....」
修復が完了した右腕を上げ、ぐっぱぐっぱと握ったり開いたりを繰り返す。Rで18になるような部分は吹き飛んでいなかったため後回しにした衣服は修復中だがなんとかある程度は治せたようだ。
「................生きてるーーーーーーー!!!!」
ヴェスト目頭に涙を浮かべながらも両手を天に掲げ喜びを露わにした。
スリルとか闘いへの高揚とかそういうがどうでも良くなるほどに追い詰められたのはいつぶりだろうか。親友との首都決戦も結局はデキレースだったし(相手にとっては本当にそうであったかはわからない)、クリス(エリス様)との出会いは確かに致命傷を負いそうになったがあれは命の危機より恋心が優った。デストロイヤーは羞恥心とか罪悪感の方が大きかった。ハンス?知らない子ですね。アクアとの全力の戦い?そんなことありましたっけ?僕の記憶にはありませんね。と言ったように彼にとって生まれて(復活して)この方ここまでの死闘を行ったのはこれが初めてだった。
だが自分の中のどこかでこの死闘に懐かしさを感じ、そして
「ッ......」
最近頭痛が増えたことも悩みの種の一つだ。
ありもしない記憶を見ることも、たまにカズマ少年やその仲間たちが全くの別人、それも見覚えがない者に見えることも、そして一体何へ向けられているのかがわからない怒り、悲しみ、苦しみといったそこのしれないどす黒い、僕にはあるはずのない感情が渦巻くことも、悩みの種の一つだ。それらがアリスにあってから、またさらに増したような気がする。このどす黒い感情のままに仲間を手にかけようとしたことは何度もあった。今この状態であったらどうなるのか。僕らしくはないが彼らのことは結構気に入っているのだ。できれば失いたくない。
このままではまずいという自覚はある。あの愛するエリス様ですら別の誰かに見えてきてしまっている。そしてそれでもなお私が
不思議と舌を噛んで悶絶している生首には何も見ることはなかったが、このままいけば僕はどうなってしまうのか。
まるで自分が書き換えられるような感覚だ。
だがそこに不快感はなく、まるっきり別のものへと変えられるのではなく正しく元あるべき形に継ぎ足され修正されていくような感覚がなんとも不気味だ。
私は自他共に認める大悪魔だというのに。
「ぐ.....くそ!俺の頭にテレポート先を設定してたのかよ!そういう作戦なら先に言えよもう!」
「ん....ああ、すまない。あの場で作戦を言ってバレてしまったら彼女は僕らを全力で邪魔してきただろうからね。いい仕事だったよ。それで?低目線からの眺めはどうだった?」
「おう、そりゃもう美人メイドたちのおパンティーが見放題のパラダイス...って何言わせとんじゃボケ!!」
「はははは、ごめんごめん」
「その様子じゃお前も大丈夫そうだな。それで?これからどうするんだ?またあのクソ女神のいるパーティに戻るのか?あ、俺の体は直してくれよ?」
「わかってるわかってる、君の体はきちんと治してあげるから...今度はガ◯ダム....いや、◯クも捨てがたい...ここはいっそモビ◯アーマーで...」
「ちゃんと作ってくれよ!?人型だぞ!?HITOGATA!!」
「冗談はさておき、カズマ少年たちの元へ戻るか否か.....」
おそらくカズマ少年たちのことだからなんだかんだやってあのでっかいキメラも討伐してしまったことだろう。多分あいつには僕と違って正当な主人公補正がかかっているはずだ....はず....だ......
不安になってきたがまあ彼らのことだ。問題ないだろう。
そして無事化け物討伐を終えた英雄一行は健闘虚しく化け物の卑怯な一手によって吹き飛ばされた僕の身の心配でいっぱいになっているはずだ。心配で心配でたまらないはずだろう。もしかしたらおゆうや状態かもしれない。
そこに変装して僕と一緒に吹き飛ばされて真っ二つになっていた大剣『墓標』を遺品として持っていったらどうなるだろう。墓標の名を持つ大剣が正真正銘僕の墓標となるのだ。多分最高の悲しみと言った悪感情が得られることだろう!!なんだかんだ彼らとは仲良くやってきたからな!
◆その頃のカズマ一行
「ミラー大丈夫でしょうか?結構な勢いで吹き飛ばされていきましたけど...」
「大丈夫だろう。彼は私に負けず劣らず頑丈だ。...私も彼のように雑な扱いを受けたかった.....」
「まああいつのことだ。しばらくしたらケロって戻ってくんだろ.....あれ?ミラーが飛んでった方角って魔王城の方向じゃ....」
「大丈夫大丈夫!なんだかんだ上手くやってるわよ!...多分」
「不安になるようなこと言ってんじゃねーよ!!」
◆
だが今はそれよりも優先するべきことがあることも事実。
あの工場で見つけた親友の日誌。あそこに書かれた事実は全僕を激震させるものだった。
いや、生み出されたわけでもないんだから召喚前のことが一切合切思い出せないのはおかしいと思ったんだよ。
まさかあいつが原因だったなんてなぁ...
思い出しただけでも苛立ってきた。
とにかく、まずはこの日誌に書かれた場所へ、記憶を取り戻しにいくことを優先すべきだと僕は考えた。
おそらくこの記憶障害などの原因もそこにあるはずだ。
召喚前の自分は一体どのような人...いや、悪魔だったのか。
一体私に何があったのか確かめるべきだ。
不安になってきた。
その僕の分身とも言える魔力を取り込んだら自分はどうなってしまうのか。僕は僕のままでいられるのか。あるはずがない恐怖や不安などの感情が次々と湧き出てくる。
だけどこれだけは確信していた。
このエリス様への恋心だけは変わることはないのだろう、と。
きっと、僕も、私も、彼女という存在だけは好きでいられる。
根拠自分の感情だけ。ないも同然だな。
「何笑ってるんだ?」
「いやー...あるはずもない自分の感情を根拠にするなんて、僕も馬鹿だなぁと思ってね」
「?なんのことだ?」
「なんでもないよ」
親友に召喚されたあの時に比べ増大した魔力を使って虚像の悪魔の権能「虚像」を発動、ベルディアの体を構成してゆく。
無論、ガン◯ムでも◯クでもモビ◯アーマーでもない至って普通の人間の肉体だ。
「がちょーん」
「その気の抜ける効果音は必要か?」
「うん」
「うんじゃねーよ」
ヴェストはふざけながらも遠くを見ていた。それはカズマ少年たちがいるであろう紅魔の里ではなく、王都でもアクセルでもない。
「...ベルディア。いま君の体には大量の魔力が入れられている。それも節約すれば何十年も稼働できるほどの。僕の魔力しか受け付けないと言うロックも解除した」
「....それで?」
「僕は彼らの元へは帰らない。紅魔の里にもアクセルにも帰らない。」
「...」
「ここからは僕1人で行く。君は自由だ。どこへでも行くといい」
「.....何考えてんだか知らんが言われなくてもそうする。もうてめーみたいな悪魔と一緒にいるなんざ懲り懲りだ」
「....」
「だがこれだけは言わせてもらうぜ。無理だけはするなよ。気づいてないと思うがお前、酷い顔してるぜ。」
「....ひどい顔って....ひどいな、僕の顔はそこまでブスじゃないと思うけど。それどころか美人の顔に分類されると思うんだけど」
「そう言うことじゃないんだが、すごい自信だなオイ」
「....へへへ、それほどでも....あるかなー?」
「ほめてねーよ......じゃあ、またな」
「....うん」
背を向け、僕とは逆方向のアクセルへと足をすすめるベルディアを見つめる。
また....か。
またがあるといいんだけどね。
「あ、言い忘れてた!歯はちゃんと磨けよ!!」
「せっかく振り向いて言うのがそれかい!?台無しだよ!!」
「布団もちゃんと腹までかけるんだぞ!!いっつも俺が直してたんだからな!!」
「うるさい!君はおかんか!さっさといけよ!!」
いっぱい詰め込んだ設定のせいでなんか収集つけんのがめんどくさくなってきてます。プロットとか作んないからこんなにも急にギャグパートからシリアスパーティに突入することになるんだよな。
すみませんでした。
結構壮大な設定をぶち込んだせいで突入する最終章(多分)はっじまっるよー(多分その前に小話とか入るかも)
これからもこの黒歴史確定な小説を生暖かい目で見守ってやってください。よろしくお願いします。