この愚かな悪魔に寵愛を!   作:有機栽培茶

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本日2話目の投稿!!
前話を読んでいない人はできれば読んでいただけると幸いです。

追記
お気に入り1111ありがとうございます!
ポッ○ーですね!!


終幕

「なになに?ミラーはヴェストっていう虚像の悪魔で?お供に魔王軍幹部の首をぶら下げた元魔王軍幹部で?悲劇がこれ以上生まれるのを防ぐためにかつて世界を滅ぼしかけたやばいやつと....そしてそれを愛とかで頑張って止めたのがクリスに憑依したエリス様....?うーんなるほど?わからないということがわかったぞ」

 

「とりあえずこいつをゴッドブローすればいいのよね!?」

 

「「待って待って待って待って」」

 

 

人知れず世界が救われたあの日、世界を救った女神エリスはさらに讃えられるようになり、それに一役買って出たベルディアやカズマ一向もまた英雄として持て囃されるようになる.........ということは別になかった。

いつもと変わらぬ日常。いつもと変わらぬ風景。そんな平和なひとときが変わらずそこにあった。

あえていうならエリス様が賞状という名の爆弾(ヴェスト)の首輪を天界連中から受け取ったことだろうか。

そして何より変わらなかったことで意外なものは、ミラーこと、ヴェストの処遇。

 

「カズマ少年、すまないが助けtゴボゴボゴボ」

「ヴェストぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

「いやぁぁぁぁぁ!!ちょっとカズマさん!?そんなやつ放っておいて早くこいつをなんとかしてぇぇぇぇ!!!!....あ」

 

彼は今日も変わらず、カエルに丸呑みされていた。

ベルディアがヴェストの元へ向かう最中アクアによって浄化されかけたり、ことが終わった後、ヴェストに向けてとりあえずの感覚でゴッドブローが放たれそうになったなど、ちょっとしたことはあったが、彼に対する対応は意外なほど変わらなかった。

なんでも「エリス様がなんとかしてくれるから大丈夫!!」とのことだった。彼女のストレスが増えること間違いなしであろう。

天界もまたその意見で統一されており、悪魔達もバニル曰く「好き好んで爆弾を持ちたい奴はいない」だそうだ。

つまり、全会一致でエリス様へと丸投げされたというわけである。

ちなみにギルドにも明かされていたりするが、サキュバス店やら対カラス用決戦兵器バニルさんなど前例がありすぎるアクセルの町ではこれまた予想以上にすんなり受け入れられた。

なお、その影響か、悪魔っ子が男冒険者の中で少しブームになったとかなんとか。

 

※店でヴェスト様を夢で指名するのはおやめください。私どもが殺されてしまいます。

 

 

 

 

 

「あ!エ....クリス様!!」

「やめて近寄らないでくっつかないで!!」

「そんな.......」

「ち、違う違う、初めの頃は君のこと変な悪魔って思って嫌ってたけど今は...って違う!せめてその全身に滑ってるカエルの涎を拭いてからにしてほしいなーって」

 

エリス様の代理として彼の手綱を握るようになった(設定の)クリスとの関係もまた良好.....?に見える。

以前はその姿を見ただけでスキルを全力で駆使し、逃走を図るクリスを脚力だけでいい勝負に持ち込むヴェストとの全力大人の鬼ごっこを行っていた彼女達の関係も、こうして見るとだいぶ進展しているように見える...だろう。もうあの行われるたびに街の石畳に足跡がくっきり一人分付けられた職人泣かせの鬼ごっこが行われなくなったのだから。

その見た目から(見た目だけ)百合の誕生か!?と期待に目を輝かせる人たちがいることを彼は知らない。

 

「そういえばヴェスト、君冒険者達の間で結構有名だけど知ってる?」

「いえ...そこまで目立っているつもりはないんですが...」

 

ベトベトに粘りついたカエルの涎を魔法で落としながら彼は答える。

 

「優しい笑みを常に浮かべるミステリアスな美女」

「女性達のボーイッシュな王子様」

「カエル以外のクエストは無傷で難なくこなす期待の新人」

「毎日のようにカエルの粘液塗れになってくる子供の性癖クラッシャー」

 

「...............」

 

思ったよりもひどい噂に流石のヴェストも顔から表情が抜け落ちる。

よく視線を向けられていたとは思ったが、まさかこんなことになっているとは。あと何故性別が女だと思われているのかがわからない。悪魔は性別などないが、自分は男寄りの性格だったはずだ、と。

というか子供の性癖クラッシャーってなんだ。妙に最近前屈みになっている人がいるとは思ったが.....

 

「噂ではこの街のどこかにあるサキュバスのお店で君の夢を見せるように注文する人たちもいたらしいよ。でも安心して。その問題はもう解決したから」

「え?なんか勝手にヤバいことになって勝手に沈静化していたんですけど...」

 

思わず悪魔でさえ引き気味になる惨状である。

 

「でもまだ問題は山盛りだよ。天界や悪魔達はいいとしても、この街以外の人間や魔族達にはあまり知られない方がいい」

「ですねぇ...私も平和は願いますけど政戦のネタにされたりドロドロとした問題に巻き込まれるのはごめんです」

 

人間同士の醜い争い。権力や金、力を求め、欲望のまま行動する人間の習性はいつの時代も変わらないことを知っている。あの伯爵のように、人間の黒い部分を知っている。神を信仰する陰で自分の欲望のために動いていたもの達を知っている。だからカズマ少年達を巻き込まないように気をつけなければならない。

 

「できる限り私も広まらないようにするけど...無理だろうね」

「人の口に戸は立てられませんからねぇ......はぁ....」

「それもこれも君があんな大勢の前で暴露したからだからね!?」

「いやー...もう隠すのいいかなって...」

「よくないけどね!?」

 

はぁーっとクリスは深くため息をついた。

 

「はぁ...なんにせよ今はどうしようもないことだしね。君はこれからどうするつもりなの?」

「これからもクリス様のお隣で四六時中365日貴方をおm」

「却下」

「....冗談です。これからも変わらず、冒険者をやりながら自由気ままに生きていこうかなと」

「うん、それがいいと思うよ。私をストーキングするよりかはよっぽどね」

 

「............エリス様、私たちの願いを聞き入れていただきありがとうございます」

 

「...うん。平和を願うのは私も同じだからね。難しいことだけど、頑張るよ」

 

責任重大だなぁと笑うエリス様は美しかった。

その目には光が宿っており、強い決意が窺える。

彼女なら、エリス様ならそんな夢物語もなし得るのだと納得させるものがそこにはあった。

やはり、可愛いは全てを解決するのである!!

 

「最後の一文で台無しだよ!?」

「あ、声に出てました?」

「うん、がっつりと」

 

少し照れながらそういうエリス様はやはりかわ...なに!?照れ...だと!?

ヴェストに会心の一撃。これまでに見る機会の少なかった“照れ”にヴェストのライフは半分以上吹き飛ばされた。

死なないでヴェスト!あんたが今ここで倒れたら(以下略

 

「ところでクリス様、もう一つお願いがあるのです」

「ん?なに?私にできることならなんでも言ってよ!」

 

 

 

 

「好きです。付き合ってください」

 

 

 

 

顔を見てはっきりと。初めて会った頃のような勢いに任せたものではなく、彼の思いのこめられたもの。普段の少しおちゃらけたような様子ではなく、落ち着いて、自分の気持ちをそのまま口に出すようにして告げた。

 

 

 

「.......」

 

 

 

 

「おーい!ヴェストー!飯行かねーかー?」

 

 

 

 

 

「......ははは、まあ、無理ですよね。一度断られてるのに。はは、なーに言ってんでしょうね私は。あー恥ずかしい。カズマ君が呼んでますしここら辺で失礼します」

 

 

 

しかし帰ってきたのは沈黙。

ヴェストは軽く自嘲気味に笑いながら去ろうとする、が。

 

 

 

 

 

「...............とは言っていません

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

「........いやだ.....とはいっていません」

 

 

 

 

 

 

 

......

.........

............

...............

 

 

「へぁ?」

 

 

 

 

「おーーーーい!置いてくぞー?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『この愚かな悪魔に寵愛を!』終わり




これにて「この素晴らしい世界に祝福を!」の二次創作、「この愚かな悪魔に寵愛を!」最終回とさせていただきます!
ここまでこんな二次創作にお付き合いくださり本当にありがとうございました。
いつもコメントを送ってくださった皆様、いつも温かい言葉をありがとうございました。
誤字報告をしてくださった皆様、本当誤字多くてすみませんでした。今回もあるかもしれません。すみません。今までありがとうございました。
こんな作品に評価をつけて下さった皆様、おかげさまでここまでモチベーションが保てました。ありがとうございました。
ここまで読んでくださった皆様のおかげで私は二次創作ですがこの作品を完結まで持ってくることができました。
本当にありがとうございました。


この後もちまちま、おまけやら後日談やらを続けていくつもりですが、よかったらこれからもよろしくお願いします。
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