ありがとうございました。
追記
誤字報告ありがとうございます。
デストロイヤーがデスト“レイヤー”になってました。
絵でも描くつもりだったんですかね...?
「エリス教に入信するには....ふむ、なるほどな。」
「そうだ。何事も小さな善行からと言うからな。」
人の行き交う昼間の商店街。
ヴェストはエリス様(クリス)の友人ということで目につけた人間ことダクネスからエリス教の心構えをご教授頂いていた。
御神体とされるエリス様直々に拒否されてしまったためこう言った地道な努力をして認めてもらうしかないと考えたのだ。
ちなみに今の格好はデフォルメの白と黒のツートンカラー。
目立つからと言って変色させていたがめんどくさくなった。やっぱデフォルトが一番落ち着くのだ。
「しかし、何もそこまでしなくてもエリス教徒には...」
「だめなんだ。僕はまだ未熟すぎる。このままではエリス様を崇めることすら許されないんだ。」
「なんと...!」
『デストロイヤー警報!デストロイヤー警報!』
突如鳴り響く警報。
ヴェストはいいところなのに...と眉を顰めるがダクネスは顔を青ざめさせる。ただ事ではない様子。
「つ!すまない!私は行かなければならない!ミラーは早く避難するんだ!」
「え?ちょっと...」
取り残されるミラーことヴェスト。よく見ると周りの人々もざわざわと騒がしい。
ちなみにミラーというのは偽名だ。これでも一応昔に一度悪い意味で知れ渡った名だ。注意するに越したことはない。
「なあベルディア?これって?」
「何言ってんだ早く逃げるぞ!遠くへ逃げるんだ!俺はまだ死にたくない!死んでるけど!」
「だからデストロイヤーってなん「ああああ!なんでこんなところに来るんだ!早く逃げr」落ち着け!」
「ぐあ!?」
パニクッっていたベルディアに拳を叩きつける。ゴーンと金属音が鳴り響く。当然素手で兜を殴ったヴェストにも殴られたベルディアにもダメージは入ったがおかげで落ち着いたようだ。
「いつつ...で?デストロイヤーってなんなんだ?」
「知らんのか、ってそうか。その頃お前封印されてたんだったな。」
「ちょっとヘマしてな。」
「いいだろう。このベルディア様が無知な貴様に直々に....」
「いいから教えろ。」
「あ、はい」
もう一度殴ってやろうか、と拳を握ったところでようやくベルディアが説明を始めた。
「機動要塞デストロイヤー。魔道大国ノイズによって生み出された魔王軍用の兵器。暴走し今もなお破壊を続け、それが通った後にはアクシズ教徒以外何も残らないという...」
「何それこわ、ってかノイズ?」
「ああ、お前が封印された国だったな。何か関係があるかも知れん。あ、ちなみにノイズはデストロイヤーに滅ぼされてるぞ。」
「えぇ....」
ヴェストは突如出てきたノイズの名に過去の友人を思い出す。
偉大な科学者だった彼もそのデストロイヤーに殺されたのだろうか。だとしたら仇くらいはとってやろう。
ヴェストはそんなことを考え「デストロイヤーってもしかしてあいつが作ったんじゃ...」という考えを頭の隅に追いやった。
流石にあいつでも国を滅ぼすことなんてしないだろ。
それがフラグとも知らずつぶやいた。
◆ ◆ ◆ ◆
「おー集まってる集まってる。」
「よく逃げなかったものだ。蛮勇だな。」
いつかと同じように塀の上から集まった冒険者たちをこそこそと隠れながら見下ろす。
あの悪魔感知機な似非女神の前で前回のように堂々と見学するのはあまりよろしくない。
ヴェストが「強キャラムーブができない...」などと呟いていたがベルディアに無視された。
「立派なものだ。さすがはエリス教徒といったところか。」
「俺には自分の欲望のためにやってるようにしか見えんが...」
「ふん、エリス教徒である彼女がそんなことするはずがなかろう?」
「というかお前変装した途端キャラ変わるのなんなの?」
「キャラ作りは完璧でないと...な?」
最前線でデストロイヤーを待ち構えるダクネスの姿を見てヴェストは賞賛を送る。
それが欲望のためだとしてもその行動は立派なものだ。まあエリス教徒である彼女に限ってそのような邪なことはあり得ないだろうが。ヴェストは満足げに頷いた。
「来たぞーーーっ!」
視界の奥に映る木々を押し倒しながら侵攻する黒光りする巨体。
この瞬間ばかりはカズマの“デカイ”“速い”“怖い”の三拍子に完全に同意してしまった。
「なんだあれ!?デカカァァァァァいっ説明不要!!あんなん見たことないんだが!?そうだった封印されてたんだった!」
「おーいさっそくキャラ崩壊してるぞー?」
瞬間。憎き水色に魔力が集まるのを感じとる。
「アクア今だやれーーーっ!」
「神の力を思い知れ!!セイクリットスペルブレイク!!」
まさに神の御技。光の柱がデストロイヤーを包み込むとともに鳴り響くガラスの割れるような破壊音。デストレイヤーの結界が破壊されたのだろう。
「「エクスプロージョン!!」」
続いて響き渡る爆音。最高級の破壊力を誇る爆裂魔法がデストロイヤーの8本の足を吹き飛ばした。普通の敵であればオーバーキルである。が、止まらない。勢いそのままに土煙を吹き飛ばしながら等速直線運転を続けるデストロイヤー。
「あれ?今のってウィz...おい待て?何をしてる?やめろ。お前が今からすることに予想づいた。」
「よし!じゃあ空の旅行を楽しんでこい!」
「やめろ!いい笑顔でサムズアップするな!ああああああああああ!!!!!」
野球選手顔負けな投球によって飛んで行くベルディア。向かう先はもちろんデストロイヤー。
一見訳の分からない行動をしたヴェストは小さく一つのスキルを使用する。
『テレポート』
◆ ◆ ◆ ◆
「ああああああああああああ!?」
迫り来るデストロイヤーに怯みもせず真っ直ぐ見据えるダクネスの耳にそんな叫び声が聞こえた。
城壁から飛来する黒光りする物体。文面だけで見れば例の黒い昆虫であるが大きさからして違う。
「ああ!3億エリス!!」
アクアだけはその正体が分かったようだがその言葉だけで瞬時にその正体を見抜くことは難しい。
そしてその黒光りする飛行物体Bはデストロイヤーに衝突.....する前に黒いモヤに包まれた。
途端に響き渡る轟音。そして少し浮きあがりながらも完全に動きを止めたデストロイヤー。
「あ、あれは!!」
衝撃のあまり大きく歪んだ装甲に
まさしくあの時のレインコートだった。
ようやく強キャラムーブができてご機嫌なようです。