隻腕提督は舵を取れるか   作:D.a.ネモ

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今回は淡鎮に滞在する憲兵、良太郎の1日を追ってみたいと思います。


鞍馬良太郎は真面目に暮らしたい

 鞍馬良太郎はいつも夜明けと共に起床する。

彼はまず布団を畳み、制服をキッチリと着こなし、制帽を真っ直ぐ被る。そのあとは装備品のメンテナンスだ。

軍刀を入念に砥ぎ、次は腰に吊った拳銃を取り出して整備を始める。そのあとは10分かけて抜き撃ちの練習をする。マガジンを装填してスライドを引き、セーフティロックをかけ、ベルトに戻す。

良太郎はこれを毎朝こなしている。理由は単純。この鎮守府と愛する故郷を守るためだ。彼はゆったりとした足取りで食堂へと向かう。

 

「おはようございます、間宮殿。」

 

「あら良太郎さん。おはようございます。A定食ですね?」

 

「ええ。お願いします」

 

 彼は大抵、朝同じメニューを食べる。茶碗一杯の白米に納豆、沢庵漬け、味噌汁に焼き魚だ。そうこうしている内に、館内中に総員起こしのラッパが鳴り響く。良太郎の仕事が始まるのだ。

良太郎はパトロールも兼ねて鎮守府の周りをジョギングする。

 

「あっ!憲兵さん!一緒に走りましょー!」

 

「これはこれは島風殿。鎮守府2周ほどで良ければ、御一緒しましょう。」

 

 

++++

 

 

 こうして走り込みを終えた彼は鎮守府の見回りに入る。

彼が与えられた任務は2つ、鎮守府の風紀と平和を保つ事だ。

 

「憲兵さーん、こっちこっち。この荷物を第三倉庫まで一緒に持っていってくれない?」

 

「了解です」

 

 こんな具合に艦娘の手伝いをするのも彼の役割なのだ。

 

「鞍馬さん、おはようございます。」

 

「Good morning!」

 

「おはようございます!提督殿、金剛殿。お2人は今日も仲睦まじいでありますな」

 

「Yes!今日もワタシとテートクはBurningLove!なのデース!」

 

軽く会話をし、私と提督殿は互いに敬礼をしてその場を去った。

それにしても、提督殿と金剛殿を見ていると、何故かこっちがニヤけてしまうから困る…

いや何を考えているんだ私は…今は仕事に集中しなければッ!

 

 

++++

 

 

 その日の鎮守府は特にトラブルもなく、無事に昼を迎える事ができた。

良太郎はいつも通り食堂に向かい、今日はラーメンをーーーー

 

「良太郎さん!こんにちは!」

 

「こ、これは羽黒殿…///」

 

「あの、今日は良太郎さんにお弁当を作って来たんです。良かったら一緒に食べませんか?」

 

()()()()で良ければ、是非とも」

 

「ふふ。じゃあ2人で中庭へ行きませんか?今日は卵焼きに挑戦してみたんです」

 

「しかし、羽黒殿には姉妹艦の方々が…」

 

 

「鞍馬さん。私たちは別に構いませんよ。」

 

「妙高姉さんの言う通り。羽黒ったら今朝30分もかけて()()()()()()頑張ってたのよ。」

 

「そ、そう言う事なら…ご好意に甘えさせてもらいましょう」

 

「やったぁ!それじゃ行きましょう、良太郎さん♪」

 

 鎮守府の中庭にポツンと立っている黄色いベンチ、その上に広げられているのは紺色の布と大きめのお弁当箱だ。中には卵焼きに唐揚げ、ほうれん草の炒め物にプチトマト。白ごはんの上には桜でんぶで作られた小さなハートが散りばめられている。

 

「良太郎さん、あーん。」

 

「羽黒殿!?今日のあなたは少し大胆過ぎるのでは!?」

 

「いいんです!だって私、好きな人には正直で居たいんです…///」

 

「なので良太郎さん…はい、あーん。」

 

「あっ…あーん///」

 

 

パクッ

 

 

 

 

 その卵焼きは、どこか甘酸っぱい味がした。

 

 

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