テイトクと結ばれたい
・比叡
お姉様の恋路を応援したい
・榛名
2人の惚気話をいっぱい聞きたい
・霧島
司令のヘタレ具合をなんとかしたい
ここは淡鎮の戦艦寮にある一室。
部屋の真ん中に置かれた大きな円形のテーブル。その上にはスコーンにクッキーといったお茶請けが並んでいる。
テーブルを囲むように座っているのはこの鎮守府の要。金剛型戦艦4姉妹である。
彼女らは優れた燃費・火力・速度を持つ戦艦であり、戦場では経験豊富なベテランとして、平時には頼れる姉貴分として。鎮守府中から尊敬を集めている存在なのである。
そして、本日のティータイムの議題は、彼女達にとって非常に由々しき問題だった。
「テートクにもっと愛して欲しいデース!!!」
そう。彼女らの抱える悩み、それは「金剛お姉様と提督を如何にしてくっつけるか」だ。
「落ち着いて下さいお姉様。どうぞ、今日はアッサムです。」
「Thanks.キリシマ。」
「コホン。では、第5回『金剛お姉様と司令をカップルにする方法を考える会』を始めたいと思います」
「たしか前回は紅茶に惚れ薬を入れて、司令にお姉様を襲ってもらう計画だったのですが…」
「失敗してしまいましたね…やっぱり、榛名が薬の配分を間違えてしまったから…」
「いえ、理由は他にあると思うんです。」
「つまり…どういうですか?」
「あれは司令が
「それなら納得ネー。」
「あの時の提督、その…辛そうでした…///」
「お姉様の美貌を持ってすれば、指令も我慢できないと思ったのに…」
「私の計算によれば、まずは軽いアプローチから初めて、そこから徐々に慣れさせていくのが最善だと思います。」
「それなら、榛名に良い考えがあります!」
ゴニョゴニョ
「it's Good idea!」
「それなら上手く行きそう!」
「では今日は、この作戦で決まりですね。」
「榛名も、頑張ります!」
++++
その日の午後、昼食を終えた瀬名は1人執務室…の隣、秘書官室へと向かっていた
(金剛たち、絶対何か企んでるよな…急に『金剛お姉様が秘書官室で大事な用があるみたいですよ!』なんて、明らかに怪しいじゃないか。…でも、目は真剣だったし、引き下がるわけにはいかないよな…)
「金剛?いるか?入るぞ」
瀬名は恐る恐る扉を開ける。
その女神はソファーの隅に腰掛け、静かに寝息を立てていた。
思わず顔を覗き込もうとした所で彼は躊躇した。ここは起きるまで待って、また出直した方が良いのではと思ったからだ。
提督はゆっくり振り返り、部屋を出ようと歩き始めた時、
「テートク…一緒にいて…」
確かにそんな声が聞こえた。頭では分かっている。これはただの寝言なんだ、実際の俺に言っているわけじゃない。
だが、体は勝手にソファーへと向かっていた。
かれこれ数十分はたった。あれから提督の心臓は部屋の外まで聞こえているのではないかと感じさせるほどに、 ドクドクと鳴りっぱなしであった。
今、彼の隣には金剛が座っている。彼女は提督の肩に寄りかかり、右腕に抱きつくようにして眠っている。
これまでに彼は恥ずかしさから、何度か金剛の腕だけでも引き剥がそうと努力した。だがそうすると、金剛はより強く抱きしめてくる。
その度に柔らかい感触が腕に押しつけられる。
提督は本当に、どうして良いかわからなかった。もしこれが戦場であれば、突破する策の一つや二つ思いついただろう。しかし、今自分の隣にいる金剛には手も足も出なかったのである。
金剛もまた迷っていた。寝たフリをして提督を隣に座らせ、2人きりの状況であれば、彼も大胆になってくれるだろうと考えていた。だが、何度肌を寄せても、体を押し付けても、彼の体は固まるだけだった。
寝たフリがバレるのは避けたかったが、焦ったくなった金剛は賭けに出た。
大きく身を乗り出して、彼と向かい合う形になり、そのまま胸にもたれかかる。そして、
「テートク…もっと…抱きしめてくだサイ…」
耳元で甘く囁く。彼の体がビクッと震えるのが分かった。
提督も思わず金剛を抱き返した。柔らかい背中の感触が伝わる右腕と、何も感じられない左腕で。チャンスと言わんばかりに、金剛はさらに畳み掛けてくる。
「そうデス…ワタシにキス、…して…んあっ…いっぱい、めちゃくちゃに…」
そして彼女は提督の耳を咥え、わざと大きな音を立てしゃぶり始めた。耳の奥を一舐めする度に、
「はうっ」と間の抜けた声が漏れ出てくる。
提督はとうとう我慢の限界を迎えた。彼は金剛の頬に吸い付くようなキスをした。その息は荒く、焦燥に駆られているようだった。
そしてソファーにゆっくりと彼女を横たえ、唇を奪おうとした時ーーー
ドンッ!
2人の体はビクッと震えた。開いた扉に立っているのは姉妹艦の3人だった。
「お姉様!司令の貞操は奪えましたか!?」
「しーっ比叡お姉様、それはナイショです。」
「そうですよ!提督は今金剛お姉…様…と…」
突入した3人は息を呑んだ。扉の位置から見れば、提督と金剛が事に及んでいる最中にしか見えないだろう。
我に返った瀬名はこの状況を見て、彼女らが何を考えているか理解した。
「ち、違うんだ皆…コレは…」
「お騒がせしました、司令。ではごゆっくり…」
「違うんだ霧島!俺たちは別にそういう事をシてるわけじゃ…」
「榛名は…大丈夫です///」
提督が必死に弁解をする一方、金剛は顔を真っ赤にして静かに悶えていた。
「テ、テートクが…ワタシにキスをッ…///」
2人が暫く顔を合わせられなかったのは、
言うまでもない。