元トレーナーの育て屋さん。 作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)
追記修正しました。ひっさつまえばといかりのまえばを間違えるとか…()
「……」
「さぁ早くボールを構えなさい!」
どうしてこうなった。そう言いたいとばかりにクレハは無言で天を仰ぐ。
目の前にいる光景から目を逸らしたいからだ。
しかし目の前にいる男性はそれを許してくれない…それもそうだろう、彼はクレハにバトルを挑んでいるのだから。
対戦相手がこちらを見ずに上の空な様子に注意しただけである
「……本当にどうしてこうなった…?」
注意されたことで現実逃避を止め、男性──対戦相手に向き直り、再び虚しい呟きが船内に響くのだった…
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時は1時間程前に遡る。船に乗り、バンギラスと共に眠りについた翌日…職業柄すっかり早朝に起床する事に慣れたクレハは日課の朝シャンで体を清めた後、手持ちポケモン達と共にそこそこ豪華な朝食を食べ、船のデッキで大海の景色を堪能していた時だった。
「そこのお嬢さん、君はもしかして数年前のシンオウリーグでベスト6の成績を出したクレハではないかね?」
シルクハットにタキシードといった、如何にも金持ちですといった風貌の男性がそう話しかけてきたのだ。
そこからはまるで疾風のようだった。男性の勢いに巻き込まれるまま、バトルの申し込みを受け、船内に設けられたバトルコートに連れ込まれてしまったのだ
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そうして今に至るというわけである
「ああ、君のバトルは素晴らしいの一言に限るものだった。それだけに準々決勝は残念だったね…」
「……えぇまぁ」
正直あまり思い出したくない。あんな惨敗は後にも先にもあの時だけなのだから。──ダークライ。対戦相手が繰り出したそのポケモンにムクホークが、ロズレイドが、ドラピオンが、レントラーが、続けざまにダウンしてしまい、唯一ラムのみを持たせたガブリアスが隙をついて倒したが、その次に繰り出されたラティオスのりゅうせいぐんでガブリアスも倒れ、残ったゴウカザルもラティオスと相打ちとなる形で倒れるという負けを演じてしまったのだ。
本当にクレハにとってはあのバトルは悔しいことこの上ないものなのである
「……すまない、あまり触れてはいけない話題だったね。さて早くバトルといこう!行け、ラッタ!」
「お気になさらず。行ってっ、バンギラス!」
「ラッタァ!」
「ギラァァァ!!」
「ほう。バンギラスか…強力なポケモンの1匹だな」
それぞれ手持ちを繰り出し、相対するとバンギラスの特性により船内のバトルコートはすなあらし状態に、男性は先手必勝とばかりにラッタに指示を飛ばす。
ちなみにバトルの形式は2対2のシングルだ
「まずは削らせて頂こう〝いかりのまえば〟!」
「ラッタァァァ!」
当たれば体力値の半分を削り取る強力な技、ひっさつまえば
を指示されたラッタはその前歯をバンギラスに突き立てんと襲いかかる
「そうくると思ってましたよ!〝 まもる〟!続けて〝ボディプレス〟っ!」
「ギラッ!───ギラァァァ!!」
しかしまもるで攻撃を防がれ、更にその巨体と体重を生かしたボディプレスでラッタを押しつぶさんとする。勿論男性は躱すようラッタに指示するが──
「…躱し、いやここは…!〝いかりのまえば〟!」
「ラッタァァァ!!」
如何せん体格に差がありすぎる。逃げ切る前に押しつぶされるのがオチだと男性は理解し、ならば後続の為にバンギラスを削る事に決めた。ラッタに持たせたきあいのタスキで確実にボディプレスを耐えるのを見越してるからだ
「ギラァ!?」
「っ、タスキ持ち…!でもまずは1匹目!」
目論見通りきあいのタスキでボディプレスを耐えられ、そのままいかりのまえばを受けてしまったものの、クレハがバンギラスに持たせたのはオヤツのつもりで渡していた、自家製のオボンのみ。それを食べて全快とまではいかなくとも体力を回復させつつ、すなあらしの効果によるダメージでラッタを下すのだった…
クレハ
実は久しぶりのバトルでテンションが上がってる
バンギラス
オヤツ(オボンのみ)美味しい♪
男性
船内、紳士風、手持ちがラッタのトレーナー
元ネタはアニポケを昔から見てる人はわかる仕様です
ラッタ
元祖ひっさつまえばの使い手
ダークライ、ラティオス
シンオウリーグスズラン大会準々決勝でクレハの手持ちをボコボコにした2匹。そのトレーナーは言うまでもなく例のやつである