元トレーナーの育て屋さん。   作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)

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久しぶりの登場があんな切ないものになるとは…(アニポケ感想)


追記修正しました。…だからオトスパスは剣舞覚えないのに本当に俺って馬鹿…
追記修正しました。……アクアスクリューってなんだよ…


育て屋さんVS紳士さん(後編)

「……」

 

「……」

 

バンギラスがやられ、2番手であるガブリアスに交代したクレハ。そのままオトスパスと激突…と思いきや、ガブリアスも、オトスパスも、一定の距離を保ったまま、動かない硬直状態が続いていた。その理由は実にシンプルだ……。

 

(まずい…)

 

(どうしよう…)

 

((迂闊に攻め込めない…!))

 

そう。2匹の主はお互い攻めの指示を出せないのだ。何故ならオトスパスには、その体躯と手数で敵の動きを封殺する事の出来る〝たこがため〟が。ガブリアスには触れた相手の身体を傷つけ、ダメージを与える、特性〝さめはだ〟が。

つまりたこがためでガブリアスを拘束したら最後、お互いダメージを受けるチキンレースが始まってしまうのだ。

 

(どうしよう…迂闊にじしんなんて指示したらその隙にジャンプされると同時にたこがためで動けなくされたら、ビルドアップで攻撃力を増したアクアブレイクをまともにうけてしまう…!いくらガブリアスでも効果抜群のみずわざを何回も食らったら…!いやそもそもオトスパスには不明な技が1つだけあるからそれによっては…)

 

(これは参った…たこがためをしたらさめはだとバンギラスの特性により発生したすなあらしによる2重のダメージを負う上、確か彼女のガブリアスにはスケイルショットがあったはず…たこがためにより触手の防御が薄くなったオトスパスがまともに受ければ間違いなくやられる…!)

 

((一体どうしたらいいの(んだ)!?))

 

……故に、ガブリアスとオトスパス、それぞれの主は悩み、思考を張り巡らしていく。…そうして硬直状態か数分経った頃……いよいよ硬直状態が解けた───

 

「ガブリアス!〝つるぎのまい〟っ!……〝じしん〟!」

 

「ガブリァッ!!」

 

先に仕掛けたのはクレハとガブリアス。まずはオトスパスがやったように攻撃力を高め、バトルコートを揺らそうと、その強靭な脚で踏みつけんとする。こうなればオトスパスの手はクレハが今知り得る情報では1つしかない。あとはオトスパスの持つ最後の技次第だ。

 

「〜〜っ、仕方ない、オトスパス!〝フェイント〟、〝たこがため〟!」

 

「トスパスッ!」

 

紳士は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、オトスパスに指示。オトスパスはガブリアスが地面を揺らすよりも先に先制効果を持つフェイントで接近し、触手をガブリアスの回りに伸ばしながら、その内の1つをガブリアスの土手っ腹に突き立てんとする。触手の脅威を知るガブリアスは当然避けようと距離を取ろうとする。しかし回りに伸ばされた触手がそれを阻み、ガブリアスの四股に巻き付き、その全身を絡め取り、拘束した。……ここまではお互い予想通りの展開で、ここからは…

 

「……結局こうなるか。…オトスパス!」

 

「(四つ目はフェイントだったんだ…)…そうですね。ガブリアス!」

 

「「〝スケイルショット〟(アクアブレイク)!」」

 

我慢比べである。つるぎのまいで高めた力で触手の拘束に抵抗しながら、自身の鱗をオトスパスに打ち込んでいくガブリアス。さめはだとすなあらしによる2重のダメージを受けつつも、触手から水柱をガブリアスに向けて放つオトスパス。お互い1歩も引かず譲らずの打ち合いを繰り返していき…数分後。

どちらが先に力尽きるかのチキンレースを制したのは……

 

「ガブリァァァァァ!!!」

 

ガブリアスだった───

 

 

「…ふぅ」

 

バトルを制し、対戦相手と握手を交わし、雑談をし、すっかり日が暮れた頃。

室内に取り付けられたシャワールームで疲れと共に汗を流したクレハは着替えを終えてベッドに沈んでいた。ふかふかで柔らかい感触が心地よく、今にも眠りに落ち…ることは無かった。

 

(───久しぶりのバトル。…楽しかったな)

 

バトルを終えた後特有の、熱に浮かされたような感覚に支配されていたからだ。久しぶりに味わうあの感覚。それが凄まじくクレハの胸にくすぶっていた物をこみ上げさせたのだ。

 

「……」

 

あのバトルの後、すぐに船内の小さなポケモンセンターに足を運び、回復させたバンギラスのボールを見つめる。

祖母が開いた育て屋を引き継ごうと思ったきっかけをくれた大切な子。今は疲れてボールの中ですやすやと眠っている事だろう。 クレハは何かを決心したようにバンギラスの入ったボールを枕の横に置き、その反対側に無造作に置いた携帯を手に取り、ある人物に連絡をする。

 

「……もしもし。夜にすみません、カツラさん…」

 

『気にする事はないぞ、クレハよ。……電話をしてきたという事は、答えを持ってきたのだろう?』

 

電話の相手は、自分にジムリーダーになって欲しいと打診したカツラ。歳を感じさせない豪快な笑い声を上げながら、本題に入る。

 

「はい。───私は、グレンジムのジムリーダーになります!」

 

息を吸い、はっきりと意志を込めて答える。育て屋という職業は好きだし、性に合っている。しかしそれと同じくらいポケモンバトルが好きなのを今日、再確認したのだ。ならば両方をやる。故郷の、シンオウのジムリーダー達がやっていたように。

 

『よく言った!儂は嬉しいぞ!……ならば旅行を終えた後、カロス地方に向かい、修行をしてこい!必要な荷物の方は儂からリクトに送って貰うように手配しよう!…帰ってきた時に成長したお前の姿を楽しみにしておるぞ!』

 

「はい!……私はこれで失礼しますっ」

 

カツラは嬉しいという気持ちを隠すことなく素直に出し、豪快に笑い、クレハにカロス地方での修行を命じる。それはきっとクレハの成長を促すと確信している故にだ。

そんなカツラに釣られるようにクレハも顔をほころばせながら、元気よく返事を返し、電話を切るのであった……

 

 

 




クレハ
ジムリーダーに、私はなるっ!!!

カツラ
いい跡継ぎじゃ!ウォォォースッ!

ガブリアス
主人公

リクト
この後入った連絡で尊敬する先輩がジムリーダーになると同時に女性の荷物を纏めなきゃいけないという思春期の男にとっては苦行も同然な目に合う…と思いきやカツラ経由で知ったカスミが育て屋に来襲。荷物を纏めてくれたのはここだけの話
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