元トレーナーの育て屋さん。   作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)

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はい。今回からしばらくコラボ回です!

ロザミアさんの『お嬢様と先生』

愛月花屋敷さんの『ガラルワイルド散歩』

の2作品とのコラボ、はーじまーるよー!




コラボ回! 先生VS育て屋VS異世界チャンピオン part1

「──来たぞ、イッシュ地方ッ!」

 

長い、本当に長かった2週間の船旅を乗り越え、ようやく辿り着いたイッシュ地方。

初めての町、初めての匂い、初めてじゃないのは胸のドキドキ。──なんてちょっとポエムみたいな事を思い浮かべながら私ことクレハはこの地、イッシュ地方の港町……ホドモエシティに船から降り立つ。

2週間ぶりに陸に上がったせいか、自分自身でもわかるくらいテンションが高くなっていて思わず大声で叫んでしまい、現地民や私と一緒に船から降りて来た乗客さん達、更には相棒であるゴウカザルにまで苦笑いされちゃって、思わず恥ずかしくなってそそくさと静かに、素早く、そこから離れる。

…うぅ……恥ずかしい……やらかしたぁ……! 

 

早くここから離れてパンフレットの地図に載ってるヒウンシティ行きのバスに乗ろう、そうしよう……! 

 

 ─────────────────────────

 

「いつのまにかー、タイプワイルド♪」

 

「ウキャキャ」

 

……とまぁ、私のやらかしから早数十分後。無事にヒウンシティに着いたクレハです。いやー、すごいねヒウンシティ。

めっちゃ都会。超都会。ビルや人がいっぱいでちょっぴり目眩がします(田舎者感)

まぁ、鼻歌をゴウカザルと歌ってそこそこエンジョイしてますけどね。

 

……あ、すごい大きい豪邸…「流石に今回のはノーセンキューだぁ!!」……ん?なんか上から声が……って、はいぃ?! 

 

「人が落ちてる!?…た、たたた助けなきゃ……!って自分で何とかしちゃった……」

 

なんと人が落ちていたのだ。思わずムクホークを出して助けようとしたけど、なんかドンカラスみたいにずんぐりしたメタリックな鳥ポケモンで綺麗にホバリングしてた。

……意味がわからない。……はっ、もしかしてイッシュは人が空から落ちてくるのが普通なの!?(おめめぐるぐる)

 

「キキッ」

 

「……おうおうおうおう!?…ご、ゴウカザル……ありがと」

 

状況が意味不明過ぎて混乱していた私をゴウカザルが肩を掴んで思いっきり揺さぶった。……お陰で正気に戻ったけどちょっと気持ち悪いぃ……!…ん?また誰か来た……!

 

「───」

 

「あれは…知らないポケモンだ。アローラか、ガラルのポケモンか……」

 

「あれは…もしかしてゴウカザル!シンオウのポケモンですわ!もしや、お客様ですの?」

 

「いや、それはない」

 

どう見てもゴーストタイプな見た目をしたポケモンを連れた男女の2人組が出てきました。

それにしても2人共結構整った顔をしている。

特に女の子の方は美少女。という言葉がピッタリ過ぎる程だ。後会話から察するに落ちてきた男の子の身内とかでは無さそう。

後、多分私と同年代くらいの男の人は男の子の鳥ポケモンを、女の子の方はゴウカザルを見ている。

……そりゃイッシュ地方の人ならシンオウのポケモンは物珍しいよね。

男の子の鳥ポケモンはどこの地方に生息してるかわからないけど、少なくともイッシュに生息してるポケモンじゃないみたい。

 

「──ウキ」

 

……ゴウカザル?…ああ、警戒してるんだ。まるで私を守るみたいに前に出てるし。

……まぁ上から落ちてきた男の子が目の前にいる人達と無関係なら警戒するのもわかる。

これでギンガ団みたいな悪人だったら笑えないしね(ギンガ団絶対許さないウーマン)

 

 

「アーマーガアを見てんのか?確かに珍しいが……と言うかここがどの地方なのか分からねえしなんでかゴウカザルが警戒してるし」

 

……どこの地方かわからない?どゆこと???

後ゴウカザル見て溜息ついてる……あからさまに警戒されてるもんね、それは溜息もつきたくなるか…

 

「まあ! まあまあまあまあ! 

こんなにトレーナーとポケモンが! 

ええ、ええ!これは素晴らしいですわ!まさか、リベール家にご興味が?」

 

リベール?……なんかどっかで聞いたような…? 

 

「──?」

 

「リッター、やめましょう? 

この方々は警戒すべきでもありませんわ」

 

「これは……中々お熱い事で」

 

リッター……あれがあのポケモンの名前なのかな?いやもしかたらニックネームかもだけど。後どうやら警戒していたのはお互い様らしい。……それなら私がやることは…

 

「──ゴウカザル、駄目。この人達は大丈夫だよ」

 

「……ウキ」

 

ゴウカザルを嗜める事。だってあの子や男の人からは全くという程害意を感じないし。特に好奇心全開で初々しい反応してる女の子。

 

「何やら困惑しているご様子ですし、一度落ち着くためにも中に入りませんこと?リーベル家はあなた方を歓迎しますわ」

 

「ちょ、リリィ……いいのか?」

 

「ええ、様々なトレーナーから教わるのもまた修行ですわ」

 

「──」

 

 ……女の子(リリィっていうらしい)が意外な提案をしてきた。いや私もうトレーナーじゃ……いやジムリーダーになる予定だからトレーナーではあるのかな? 

 どうしようかな……。

男の人の方もどうぞって歓迎してるし、ここは……

 

「ならば……遠慮なくお邪魔しますかね。アーマーガア! 大人しくな?」

 

「……お言葉に甘えさせて貰いますね。…ゴウカザル、行こう?」

 

 空から落ちてきた男の子も行くらしいし、お言葉に甘えよう。……それにしても改めて見てもすごい豪邸……フタバにあるリリカの家(正確には別荘らしい)とは比べ物にならない。

 ……なんか今更緊張してきた…

 

 ────────────────────────

 

そうして豪邸に案内された私と男の子とポケモン2匹。

応接室?に入れてもらってめっちゃ柔らかいソファーに座らされてます。…回りを見ると高そうな画に家具がある。…なんか今更緊張してきた……(2回目)

 

「私はリベール家の次期当主、リリィ・リベールです。まだまだ新米のトレーナーで、ガラルへの入国を予定してますの」

 

「俺は先生を任されてるリョウ。こいつは俺のポケモンのギルガルドのリッターだ。リッター、挨拶を」

 

 「──」

 

あー……なるほど新米さんかぁ……。どうりで反応が初々しかった訳だ……あとちょっと気だるそうな男の人…リョウくんはあの子、リリィちゃんの先生らしい。

私にとってのトウガン先生みたいなものなんだろうなぁ… 

後あのポケモン、ギルガルドっていうんだ。……すっごい礼儀正しく挨拶してきてまるでリリカのエンペルト…もとい執事さんみたいだ。

 

「こりゃご丁寧に、俺はグレイブこことは少し違う所のガラル地方でポケモントレーナーをやっているものだ。少しの間よろしく」

 

男の子の方はグレイブくんっていうんだ。……少し違うところのガラル地方? あれかな、めっちゃ田舎って意味かな? …おっと、私も名乗らないと……

 

「私はクレハと申します。カントーのトキワシティで育て屋を営んでいる者でしゅ。……者です」

 

 ……やっちゃった。……うぅ……恥ずかしい、穴があったら入りたい……

 

「いったぁ!?」

 

「先生、犯罪ですわ?」

 

「……」

 

「いや何もしてないじゃんっ!?」

 

なんかなんでかリョウくん責められてる……ちょっと涙目になってて可愛い……

 

「こほん……グレイブさんは少し違うところのガラル……と言ってましたが、どういうことか、ご説明を頂いても? 無論、他言は致しません」

 

ふぇ?それは田舎から来たって意味じゃないの??? 

 

「まぁ簡単に言えばウルトラホールに吸い込まれたと言えば説明出来るか」

 

……いやウルトラホールって何!?しかも吸い込まれた?! 

 

「ウキャ?」

 

ほらゴウカザルもわからなくて首傾げてるし!……私もだけどさぁ!? 

……こほん。とりあえず落ち着こう。そんで傍観を決め込んで話を聞いていこう……

 

 

「ウルトラホール……アローラの?」

 

「聞いたことがある。

エーテル財団が全面的に調査していたって話だったな。詳細は良く分からないけど……」

 

あー、なるほどアローラ地方の……いやどっちにしても分からないや……ホールっていうくらいだからなんらかの穴なんだろうけども。

 

「まぁ概ねそんな所だな。俺はそれに吸い込まれて気づいたらこの屋敷の前に放り出されていたという訳だ」

 

「……なぁにそれぇ」

 

思わず声を出した私は悪くないと主張したい。

だって事情を聞いても全く意味がわからないんだもん……わかったのはそんな危ない穴があるアローラ地方が危険地帯かもってくらいだよ!? 

 

「待て待て、説明になってない。もっと分かるように説明をだな……エーテル財団の人間じゃないだろ、君」

 

そうだそうだ!リョウくんの言う通りだよ!ちゃんと説明して欲しい! 

 

「……いえ、何となく分かりました。

とても考えられませんが……並行世界から来たということですの?」

 

「──!?」

 

「はっ!?」

 

「おお〜その通り!」

 

「……ヘイガニ世界?」

 

……なんかシザリガーがいっぱい居そうだなー(おめめぐるぐる)

 

「ええっと……並行世界……あれか、隣の世界ってことか?」

 

となりのせかい……? 

 

「はい。

世界的には似ているけど、様々な点が違うのです。例えばですが……少し質問です、ガラル地方のチャンピオンは、ダンデさんですか?」

 

様々な点が違う……あ!要するにグレイブくんは異世界から来たって事?! (ようやく理解)

 

「ガラルのチャンピオン? 今は俺だけど」

 

──!!? 

 

「……え、待ってっ。君がガラルのチャンピオン!?」

 

リリィちゃんやリョウくんの会話のお陰でなんとか理解できたけど、グレイブくんの衝撃的な言葉に思わず声が出ちゃった……だってこれが狂言じゃないなら……いやこれは狂言じゃない。

──わかる、わかるんだ……グレイブくんは間違いなくリーグを制覇したチャンピオンだって。あのアーマーガアから感じる圧はシロナさんの手持ちから感じた圧と同じものなんだから……! 

 

「やはり……となると並行世界論が成立しますわ。ですが、困りましたわね……ウルトラホールが帰るための穴だとすれば、今は閉じてますし……アローラに向かうしか……」

 

「いやいや、今から向かうなんて無理だ無理!ガラル入国もあるんだぞ?」

 

「……確かに、そうですわね……」

 

「ふぅ説明が簡単でよかった」

 

「────……」

 

いや全然簡単じゃないと思う。……でも異世界のチャンピオンかぁ……なんだろうね、思わずグレイブくんに挑みたくなった私は育て屋である前にトレーナーだって自覚しちゃったよ。

 

「あ、そうですわ。それなら一つ今、疑問が浮かびましたの」

 

「え"」

 

「……疑問とな」

 

「?」

 

……唐突にどうしたのリリィちゃんや?…なんだろう、リョウくんの反応のせいで嫌な予感しかしない。

 

「ええ、先程の鳥ポケモン…アーマーガア、でしたわね? 

見たところ、全身が鋼の鎧。

……ええ、エアームドもなのですが…

なぜ、『飛べますの』?」

 

「うわぁぁぁぁっ! 確かにそうだ!飛行機のようなジェットでもない、ただの筋力というには無理がある!だからといって風を捉えるにしてもある程度の浮上は必要なはずだ!」

 

「……なーるほどやな予感的中だな。そんな事俺が知るわけないでしょうが」

 

「そうだよ……なんで飛べるの…!?」

 

そうだよ、エアームドはどうやって飛んでるの!?全身鋼じゃ重すぎて浮かぶことすらままならない筈だよ?! 

 

「駄目ですわ!知るわけ無いで終わらせるのは良くありません!アーマーガアを知る上できっと必要ですわ! 

例え絆があるといっても、より知ることで相手への思い遣りが出来るのです! 

他にも道具についてですわ! 

何故こだわり系の道具を持たせると各能力が上がるんですの?こだわるだけなら別に道具は要りませんわ!」

 

「それ前に諦めたやつぅ……!」

 

「──……」

 

「そうだよ、なんでスカーフ巻いただけですばやくなるの!? 

あときあいのタスキとか一体どういう仕組みなの!? 

なんで明らかに浮いてるジバコイルはじしんが当たるの!? 

図鑑の説明にはちゃんと浮いてるって書いてあるのに! 

……わかんない、わかんないよぉ…!」

 

「だああああ!!!そんなに知りたきゃ外でじっくり見りゃ良いだろうが!!!」

 

「え、ポケモンを見せていただけますの!?」

 

「あ、あー……うちのお嬢様は新米でさ。色々と見せてやってくれ」

 

「はぁ…………了解。ひとまず2人と一緒に外に行くぞ」

 

 ……ふぅ。……グレイブくんが大声出してくれたお陰で幾分か落ち着くことが出来た…いやうん、本当に助かった……

 

 ────────────────────────

 

……それから私達はリリィちゃん達に案内され、お庭にやってくる。

やってきたお庭はかなり広く、バトルフィールドにもなりそうなくらい。確かにこの広さなら体の大きいカイリューやバンギラスを出しても大丈夫そう。

 

「先生、お二人のポケモンを見られますわよ!」

 

「あーうん、そうだな……」

 

「まったく……お前ら!出てこい!!」

 

「うわ、トゲキッスとサーナイトしか知らないや……」

 

グレイブくんが繰り出した中で私が知ってるのは最初から出てるアーマーガアにリョウくんの手持ちらしいるリッターと同じギルガルドを除けばトゲキッスとサーナイトぐらい。

他は全く分からない。

ざっと見たところ羊みたいにモコモコしたポケモン(多分ノーマルタイプかな?)に二足歩行の細長くスリムな体をしたみずタイプっぽいポケモンの2匹。

 

一方の私も、既に出ているゴウカザル以外の5匹……バンギラス、カイリュー、ガブリアス、レントラー、ムクホークをボールから出していく。

 

 

「まあ……私の知らないポケモンが何体も。……あら、ガブリアスとカイリュー、サーナイトですわ!チャンピオンのシロナさん、ワタルさん、カルネさんのエースですわね。……ガブリアスといえば……」

 

え゛!? 

 

「ガブリアス、図鑑によると空を飛ぶらしいですわね。

そう、疑問でした。何故……『そらをとぶ』を覚えないのかが。ボーマンダとも空中戦をやれる程なのに、何故?」

 

「へぁっ!?……た、確かに……!」

 

「……ガブリャ」

 

そうだよ!なんでガブリアスは飛べるのそらをとぶが出来ないの!? 

いやぁぁぁ……頭の中が疑問でいっぱいになるぅぅぅ……! 

 

「飛ぶスピードが早すぎるんじゃねえか?まぁやろうと思えば飛行技のひとつくらいは覚えさせることが出来るけどよ」

 

う、うーん…それは確かに有りうるかも。

……ガブリアスってマッハの速度で動けるし…

 

「いえ、そうなるとカイリューがおかしいのです。

カイリューは世界一周が出来るポケモンですわ。それほどの持久力があるということはスピードもまたあるということなのですから」

 

あ、確かに!?……いつも遠くに行く時とか乗せてもらってたけど大して気にもしてなかった…!

 

「ふーんそこん所どうなんだ?クレハさんよ〜」

 

「ごめんなさい、わたしにもわかんないです。何年も一緒なのに、本当にごめんね。カイリュー、ガブリアスゥゥゥ……!」

 

そんなこと言われても答えようがない。どれだけ頭を捻っても全くわからない。そんな自分が情けなくて恥ずかしい。

だってそうでしょ?ガブリアスは勿論だけど、カイリューに至っては私がちっちゃい頃から一緒だったんだよ?

……それなのにわからないとか情けなさすぎて泣きたくなる。いやもう泣いてる。だって目の前が潤んでて見えないもの……

 

「……やはり、皆さん先生のように馴染んでますのね。ポケモンの常識が……」

 

「いやこれが常識っていうか……知るべきじゃないというか……」

 

「なぁ……先生とやら。お嬢様はいつもあんな感じなのか?」

 

「ああ、この前はなんだったかな……ルギアとカイオーガ、どっちが最初ですの?って話だったかな……」

 

「ひっく……ごめんね、ごめんね……!」

 

ごめんね……本当にごめんね……無知で情けない女でごめんね……! 

 

「……そう泣かないでくださいまし。

クレハさん、これから知ればいいではありませんか!私たちは、トレーナーなのですから!」

 

り、リリィちゃん……! 

 

「うん、ありがとう。私、頑張るよ……!」

 

そうだ……!その通りだ。知らないならこれから知っていけばいいんだ…!

 

「……いや現実的な常識を俺らトレーナーに押し付けないでくれ。それ俺ら以外のトレーナーにも弱点としてクリティカルヒットするからな」

 

止めて、グレイブくん。それは私にめっちゃ効いたから…(遠い目)

 

「ええ、そうですわ!」

 

「……えっと、それじゃ─」

 

「それで、次の質問なのですが!」

 

え゛(2回目)……待って?まだあるの!?…すみません、カツラさん。私はもしかしたらジムリーダーになる前に再起不能になるかもしれません……

 

 




長くなった…

クレハ
イッシュに来ておかしな騒動に巻き込まれてしまった育て屋兼ジムリーダー候補。この後どうなったかは次回をお楽しみに。

グレイブ
コラボ相手その1。詳しくは『ガラルワイルド散歩』
をお読み下さい。

リョウ
コラボ相手その2
詳しくは『お嬢様と先生』をお読み下さい。

リリィ
純粋な疑問が他を傷つける弾丸になる美少女。
詳しくは(以下略



……余談だがタイトルにダークライを追加したくなったのは内緒←悪ふざけが過ぎる
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