元トレーナーの育て屋さん。   作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)

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せめてキョダイリザードンVSメガリザードンが見たかった…(´;ω;`)


コラボ回! 先生VS育て屋VS異世界チャンピオン part10

 

「インテレオン!!! ボーマンダの翼に〝れいとうビーム〟だ!」

「インテ!」

 

 おいかぜをされたのは正直厳しい。しかしそれでも勝ちを諦めたくないのだろう、だからまずはなるべくサラメの機動力を削ごうとインテレオンはサラメの大きく発達した翼を狙って指先から先程よりも更に威力と速度を上乗せしたれいとうビームを放つ。

 

「躱して〝ぼうふう〟!」

「ボマ、ボーマァァッ!!」

(うっ、ぼうふう…)

 

 しかしどれだけ威力やスピードを上乗せしようがおいかぜに乗ったサラメの方が速く、れいとうビームを交わすとそのまま翼をはためかせてインテレオンを中心にぼうふうを発生させる。本来なら、威力が高いが命中率不安定なこの技には面白い特性がある。それは天候が雨ならば必中になるというものだ。そして回避がほぼ不可能なそれがインテレオンに襲いかかる。

 ちなみにクレハはぼうふうを見た瞬間こうてつじまでの地獄のような修行時代を思い出し…トラウマで顔を引き攣らせている。まぁ彼女の場合はぼうふうに加えてトリデプスのじしんもセットで付いていたが。

 

「インテ!?」

「!? インテレオン!!! 風の外側に退避だ!」

「インテ…!」

(これでインテレオンはもう動けない。ここで次にサラメ、いやリョウくんが取る手は──)

 

 避けられないならばならばなるべく風の影響が少ない場所へ退避するようにグレイブはインテレオンに指示するも、インテレオンの細身の体では動く事さえ難しく、抜け出すことが出来ずにいる。

 一方クレハはリョウの一手を予測する。同じ雨天候型としているカイリューを持つからこそ、予測できる手を。

 

「終わらせろサラメ! 全力で〝ハイドロポンプ〟!!」

「ボマッ! …ギュォォォォ!!」

(──やっぱりハイドロポンプ!)

 

 ぼうふうを維持しつつ、抜け出せずにいるインテレオンを上空から見据え、口の中で水を貯めながら狙いを定め…性格無比なハイドロポンプを放つ。

 

「やられてたまるか!!! インテレオン!!! 全力の〝れいとうビーム〟!!」

「インテ!!」

(嘘でしょ…? れいとうビームで拮抗してる!? 雨天候補正のハイドロポンプに!)

 

 負けたくない。その一心からか、グレイブはインテレオンに指示を出し、インテレオンも同じ気持ちなのか大きく鳴いて、今までで1番の…全力のれいとうビームを放つ。恐ろしい事にそのれいとうビームは雨天候の補正があるハイドロポンプと拮抗している。流石は他世界とはいえ、チャンピオンのポケモンである。これが次の自分の相手なのかと、クレハはすこしばかり戦慄すると同時に…楽しみだと闘志が沸き立つ。

 ……彼女も、なんだかんだトレーナーだ。

 

「いいや、勝たせてもらうぞチャンピオン…モーアとフェイが繋いでくれたんだ! ここまでお膳立てされて負けるわけねぇだろ!」

「ボォォマァァァッ!!」

 

 サラメはぼうふうを止め、ハイドロポンプへと意識を注ぐ。

 雨天候、というのもあってハイドロポンプの威力はバンギラスを一撃で屠るほど。徐々に、徐々に拮抗していたれいとうビームを押し返している事からも伺えることだろう。

 

「……インテレオン、ギリギリで避けろ」

「インテ…!? テェァァァァッ!!?」

(直撃した…いくらみずタイプでもあの威力は…)

 

 これはまずい。完全に威力負けしている。そう判断したグレイブは静かにインテレオンに避けるように指示するし、インテレオンもそれに頷いてれいとうビームを止めて回避しようとしたがハイドロポンプの勢いは予想以上に凄まじく、直撃してしまう。

 叫び声を上げながら吹き飛んだインテレオンを見て、流石にこれは耐えきれないだろう…とクレハは判断する。あれだけの威力だ、たとえ今一つだろうが受けきるのは厳しいし、だろうと考察したからだ。

 

「…どうだ…?」

「……」

 

 おいかぜの勢いはまだ続く。雨だってあと少しだ。もしこれで倒れないなら倒れないでまだ手はある。そんな様子でリョウは考え、サラメも油断を微塵もせずにインテレオンが吹き飛ばされた方をじっと見つめる。

 

「……!」

「これで終わるわけねぇだろ……なぁ? 相棒」

「インテ」

 

 吹き飛び、倒れていたインテレオン。しかしグレイブの言葉と共に静かに立ち上がってみせ、その体からは水色のオーラが滾っている。……説明するならば特性げきりゅうが発動しているのだ。そう、体力が一定数まで減っているならば、みずタイプの技の威力を底上げする、リョウやクレハも見知っているであろうその特性が。

 

(あれは…! もしかして特性げきりゅう!? ……あの子もしかしてガラルの所謂御三家ポケモン!?)

「げきりゅうか…けど、それはつまり…今、ピンチなんだな。

 ようやく届いた…喉元に」

「…」

 

 クレハはインテレオンがガラル地方の、自身の故郷であるシンオウ地方のポッチャマにあたる御三家ポケモンだと察する。何故ならばげきりゅうを含んだもうか、しんりょくの3特性は今現在各地方の御三家ポケモンの専用特性だからである。こうなると一撃でもインテレオンの攻撃が当たればサラメは一撃で屠られる可能性があり、そうなると残りは手の内を全て晒した手負いのフェイのみになってしまう。しかし、リョウの方は違う観点を見ていた。げきりゅうを発動しているということはつまりあと少しで倒れるということ。…もうすぐ勝てる。だからこそサラメは油断するなとリョウに視線を送り、当然だと気を引き締める。

 

「(相棒は恐らくあと1発でもくらったら即アウト、だからこそ一撃にかける)インテレオン!!! 全力全開で〝ねらいうち〟だ!!!」

「インテ! レェェ…!」

(なんてエネルギーの量…! げきりゅうが発動しているだけはある、あんなの食らったら一溜りもない…!)

 

 グレイブの力強く言葉に頷き、ありったけの力を指先に溜め込む。しかしすぐには撃たない。サラメの動きを待つ事にしたのだろう。

 

「なあ、チャンピオン。

 サラメの技、覚えてるか」

(サラメの技…? あまごい、ハイドロポンプ、ぼうふう…

 っ!? まだ1つ見せていない技がある!)

 

 リョウは唐突に、本当に唐突にグレイブにそう訊く。その問いに、見ていたクレハは首を傾げて考える。そうサラメにはまだ見せていない技がひとつあったはずだと。もしかしてそれが切り札なのだろうかと考える。考えた、が…何故か引っ掛かりを感じてもいた。何か大事な事を見落としているかのような、そんな感覚を。

 

「ハイドロポンプ、あまごい、ぼうふうだったな。

 ……あと1つ見せてない技があるが」

 

 グレイブの方は冷静そのもの。唐突なリョウの質問にも答えて見せながら周囲に気を配り、警戒を怠らない。

 しかし、やはり妙な引っ掛かりを感じていた。

 

「そう。だから今からそれを見せよう。見せてない技があるなら見せないと損だろ」

「ボーマ…!」

 

 その言葉と共に、サラメは追い風に乗ってインテレオンへと向かっていく。手を広げ、見せつけるようにドラゴン特有の鋭く、太い爪を突き立てて。

 

(──あ、あの構えはもしかして!)

「(爪? 何かしらの接近技か? 相手はドラゴンタイプだとすれば……)インテレオン!!! 〝ねらいうち〟発射!!!」

「インテ! レェェァァァ!!!」

 

 クレハも、グレイブもドラゴンタイプを持つトレーナー。インテレオンに向かっていくサラメの構えに使おうとした技にアタリをつけた。……そう、ドラゴンクローだと。

 結論づけたグレイブはインテレオンに指示を飛ばし、頷いたインテレオンは吼えながら限界まで溜め込んだねらいうちを発射する。当然ながらそのねらいうちの太さはかなりのもの。それが凄まじい勢いで放たれ、サラメにぶつからんとする。

 

 

「サラメ、〝まもる〟」

「ボーマッダ!」

「へ!? ドラゴンクローじゃな…ああ?!」

 

 ───かに思われた。

 そう、爪はブラフで見せただけである。思わずクレハは叫び、同時に抱いた違和感の正体に気付く。サラメはそもそもまもるを見せていた。あまりにもさり気ないためにに印象に残らなかった上、先に言っていたリョウのあの言葉だ。

 要は…クレハもグレイブも完全に騙されたのである。

 それからサラメの方はあと少し、本当にあと少しで当たるといった時に発生させたバリアを使い、ねらいうちを防ぎながらインテレオンに接近していき…

 

「〝ハイドロポンプ〟」

 

 防ぎ切り、インテレオンの間近に迫ったと同時にリョウから告げられた言葉。サラメはわかっていたように口元に水を貯めていて、サーナイトの時のように確実に仕留める。そう宣言するような、獰猛な表情である

 

「なっ!? 嘘だろ…」

「インテ!?」

「全部見せたんだから、見せてないもあるか! 詐欺師だろうと何とでも言えぃ! 記憶勝負に勝った俺の勝利だオラァ!! 発射!!!」

「うわぁ…うわぁ…」

「ボマァァァッ!!!」

 

 対面していたグレイブはクレハ以上に驚愕し、唖然とした表情となり、それはインテレオンも同様でポカンとしていた。

 完全に見落としていた。

 そして詐欺師…もといリョウは驚く2人と1匹にしてやったぜと言わんばかりでニヒルな笑みでそのまま発射を告げ、サラメの方は撃つ直前にごめんねとインテレオンに目で伝えてから最大威力のハイドロポンプを発射。驚いた表情で固まっていたインテレオンは声を上げる間もなく水流に飲み込まれて吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。…当然ながら目を回してダウン。リョウの勝利である。ちなみにリョウのやり口にクレハはドン引きだ。

 

「あんにゃろう…今度こっちに来れた際には確実にズタボロにしてやる…!」

「す、すごいバトルだった…! …色んな意味で」

 

 目を回してダウンしたインテレオンを介抱しながらグレイブはリョウにリベンジを誓いその為なら切り札を使うことも辞さないと言った様子で、クレハはすごいバトルだったと引き攣った顔で呟くのだった…

 

 




正に外道のやり口(褒め言葉)
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