元トレーナーの育て屋さん。   作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)

40 / 48
どうもSVはガチで楽しみな雑音です。遅れてすみませんでした。


コラボ回! 先生VS育て屋VS異世界チャンピオン part16

「止まるなギルガルドそのまま〝アイアンヘッド〟!」

「───!」

「ゴウカザル、〝だいもんじ〟!」

「ウキャァァァァア!!!」

 

 ゴウカザルは最早瀕死寸前。ならば接近戦はギルガルドに分があると判断し、アイアンヘッドでゴウカザルに突撃するも、すかさずゴウカザルが炎を吐いてギルガルドを牽制。もうかによって、上昇したその火力は当たればギルガルドを一撃でバトルフィールドに伏すレベルだ。

 

「(ちょうはつのせいでキングシールドが使えねぇ。いや、使えたとしてもサーナイトの時みたくゴリ押しされる隙を見せちまうか。なら…)躱して攻撃続行」

「───!」

 

 そう判断したグレイブの指示に従いギルガルドは爆炎による攻撃を避けつつ、ゴウカザルに接近していく…

 

 ───────────────────────

 

「ウキキ…!」

(どうする? インファイトが効かないギルガルド相手に接近戦は厳しい…このままじゃ…!)

 

 このままでは不味い。クレハはそう考え、打開策を必死で考えていた。考えて考えて…ふと脳裏に今も他地方を旅している、コーディネーターをしているライバルの姿が浮かぶ。

 

「(あ…! そうだ、一か八か…!)ゴウカザル、だいもんじを吐いたまま……思いっきり回って!」

「──ウ、キィィィィィ!」

 

 これしかない、とクレハは判断し、ゴウカザルもその指示の意図を理解すると…弱ってるとは思えないほど凄まじい回転をし、バトルフィールド全土を炎が覆い、接近していたギルガルドも飲み込もうとする。

 荒々しく、強引だが…それが彼女たちの持ち味なのだ。

 

「……ギルガルド、隙は一瞬だ。そこを撃て」

「───」

 

 ここで何もしないのは悪手だ。しかしあの炎の勢いで突っ込んだらギルガルドも危ない。ならばゴウカザルに隙ができるまで上空という安全圏まで逃げ、その一瞬の隙を見極めにかかる。

 

「ウキャァァァァ!!!」

「……ゴウカザル…」

 

 今この状況でクレハができることは苦楽を共にしてきた相棒に全てを託し、見守ることだ。雄叫びを上げながら回転し、炎を吐き続けるゴウカザルも相棒を勝たせたいという己の願いのために体に鞭打っている。

 

「(やっぱりあいつを連れてくれば良かったな。あのゴウカザルの根性と執念を甘く見ていた)……ギルガルド、お前のタイミングで撃て。俺はお前を信じる」

「───!」

 

 最終的な判断をギルガルドに任せることに決めたグレイブ。ギルガルドも何か言うこともせずに頷き、静かにただ時を待つ。

 グレイブもギルガルドも、これはもうトレーナーが介入する余地はないと判断したのだ。

 

「ゴウカザル、信じてるからね…!」

「ウキャァァァア!!!」

 

 祈るしかない。とクレハはそう呟いて、ゴウカザルも必死で炎を吐き続けるが…限界なのだろう。炎の勢いが少しづつ、少しづつ弱まっている。

 

「……!!!」

 

 ここだ。ここが好機だと悟ったギルガルドは盾を構えたまま、炎の海へと突っ込み、その中心に居た接近したゴウカザルに渾身のアイアンヘッドによる頭突きをしようと突撃し、ゴウカザルの腹に深々と突き刺さる。

 

「……ウキャ♪ ──ウキャァァァァア!!!」

 

 しかしゴウカザルはそれを受け止めた。気を抜けば今にも倒れそうな程の激痛が全身を駆け巡るが…そんなものは関係なかった。勝たせてやりたいのだ、相棒を。勝ちたいのだ、かつての自分達が目標としていた〝チャンピオンのポケモン〟に。その想いからゴウカザルは力を振り絞ってギルガルドをがっちりと捕まえ、そのままギルガルド目掛けてゼロ距離で炎を吐いた。

 

「…!!!!!!」

 

 まずい、盾を…否! それでは防戦一方になり、いずれは炎を浴びる事となる。…そこまで考えたギルガルドはならばせめて一太刀を…目の前の敵を倒す! 盾を投げ捨ててから、炎に身を焼かれながらも目を見開いて己の剣を振りかぶり、ゴウカザルに一閃。

 

「ウギィ!? ───ウキャァァァァア!!!」

 

 僕はここで倒れても構わない。ゴウカザルはそう考えていた。ギルガルドさえここで倒せば相棒の、クレハの勝ちになるからだ。だからこそ…だからこそゴウカザルはギルガルドの一閃を浴びても怯み、倒れることなく…だいもんじの爆炎を浴びせられた。

 

「……!!!」

「ウキャァァァァア!!!」

 

 ギルガルドはグレイブの、ゴウカザルはクレハの為に剣を振るい、炎を浴びせさせていく。ゴウカザルは当然ながら、ギルガルドも炎を浴び続けた事で既にひんしになってもおかしくない負荷を受けている筈だが…それでも2匹共倒れないのは意地とプライドだろう。しかしそれもやがて限界を迎え…

 

「……!!!」

「……う、き…!」

 

 同時に倒れ込んだ。見紛うことなき、ダブルノックアウトだが…2匹の心境は対極であり…ギルガルドは勝利をお届け出来ず、申し訳ありません…とグレイブに伝えるような目で、ゴウカザルは相棒たる少女に…やったぞと背を向けてのVサインを掲げたままで…

 

「…ゴウカザル、ギルガルド共に戦闘不能! 

 グレイブさんの手持ち0、よって勝者…クレハさん!」

 

 やがて試合の成り行きを見守っていた、審判を務めているリリィから試合終了の宣言が為される。結果は…クレハの勝利という形で…




ゴウカザル
ひんし寸前だったのにギルガルド相手に引き分けに持ち込んだ根性ありすぎる猿。おっとり系の熱血

ギルガルド
もうか発動下のだいもんじを至近距離から浴び続けても倒れるまで攻撃し続けたやべー剣盾。これだからギルガルドはやばいのだ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。