元トレーナーの育て屋さん。   作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)

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遅れて申し訳ありません。……最近モチベーションが上がらなくて…


コラボ回! 先生VS育て屋VS異世界チャンピオン part22

 

「わかった」

 

 食事を済ませてからというリリィの正論に急ぎがちだったグレイブは落ち着いたのか、自らボールから出したそのポケモンに身を預けるように寄りかかって、静かに待つ。

 ちなみに待つのは当然クレハもであり、やはりというか…その視線はずっとグレイブが出した謎のポケモンに釘付けである。無理もないだろう、グレイブの話から察するにあの威厳溢れるポケモンは自力でウルトラホールを作り出せるというのだから。

 

「ええ、では食べますのでお待ちを」

「(それでも急がない辺りに高貴さを感じる)

 ごちそうさま。…グレイブ、そのポケモンなんて名前なんだ?」

 

 一方リリィとリョウの反応は異なるものであまり急がず丁寧に食事を続けており、一足先にリョウが食べ終わり結局聞けなかったからとグレイブにそのポケモンの名前を訊く。

 

「……私はカイリューと一緒にフェイちゃんの事見てるね

(白い体色で四足…シルヴァディ元気かな)」

「すぅ…すぅ…」

 

 あのポケモンの名前は正直自分も気になる。が、しかしグレイブの様子から聞いてはいけないのかもしれないと考え、気を使って、抱きついて自身の胸を離さないフェイを抱えたカイリューの近くまで歩いていく。あの威厳ある姿になんとなくナナカマド博士の元に預け、今は療養の身となっているかのポケモンを想起しながら…

 ちなみにカイリューに抱きかかえられているフェイはまだ眠っており、可愛らしい寝息をたてているもカイリューに抱きついたままだ。

 

「……ソルガレオ」

「はえー、そんな名前なんだなぁ」

 

 グレイブはリョウの問いに対してそのポケモンの名がソルガレオだと伝え、再び口を閉じる。一方リョウの方は結構普通な反応である。無理もないだろう、ここにいるグレイブ以外、アローラ地方の事はウルトラホールとエーテル財団が有名なことしか知らないのだから。 ソルガレオの名を聞いてもいい名前だな。としか思えないのである。

 

「りゅん」

「わかってるよ、静かにしてる。…気持ち良さそうに寝てるし」

 

 カイリューが(無いだろうが)一応の注意をして、言われた本人であるクレハも頷いてから起こしちゃ悪いしね。と続けて言う。フェイに付きっきり故にリョウとグレイブの会話を気にする素振りさえなかった。

 

「御馳走様です」

「…あ、リリィちゃん食べ終わったみたい。カイリュー行こう」

「りゅん」

「そんじゃあ庭に行くか」

 

 そうして数分後…リリィが食事を終えた。ご馳走様が聞こえたクレハは静かに立ち上がるとカイリューに行こうと伝え、カイリューもフェイを抱えたまま起こさないように静かに立ち上がり、グレイブもやっとかとばかり立ち上がり…庭に行くか。と全員を促して、そのまま一同は庭まで歩いていき…別れになるからと全員でグレイブに声をかけていく。

 

「素晴らしいバトルでしたわ。

 ほんの少しの気持ちですが…グレイブさん、これをどうぞ」

「おっこれはどうも。(いやいやほんの気持ち所じゃないだろ)」

 

 素晴らしいバトルを見せてくれた礼にとリリィはグレイブにふしぎなアメ10個とハーブ系の道具を差し出した。グレイブは内心ツッコミを入れるも、感謝を言ってそれらを受け取り、バッグに入れていく。

 

「……うわ、ふしぎなアメだ…。会えるかはわからないけど、またね」

「グレイブ、また会えたら今度は全力のお前を見せてくれよ。フルバトルでな」

「そうだな……また会えたらその時もバトルしてくれ」

 

 バトルをした2人も続けてグレイブに伝える。ちなみにクレハはふしぎなアメに顔をひきつらせ、リョウはそれらから目を逸らしたりと対照的である。

 

「…あとリョウくんには負けないから」

「俺は次はどっちにも勝つ」

「ああ、二人とも楽しみにしてる」

「…では、お元気で。無事に帰れることを祈っていますわ」

「すぅ……えぅ…? える~?」

 

 ちゃっかりリベンジ宣言するクレハに乗る形でグレイブも宣言。リョウはそれらを笑顔で受け取っていき、リリィがそう言っていると、フェイがぱっちりと目を覚ました。周りを見てからグレイブを見て、どうしたの? と首を傾げる。

 

「フェイ…少し離れることになった。でもまた会えるから元気でいるんだぞ〜」

「えぅ…? える~~」

 

 あやす様に撫でながら優しい声色でフェイにそう伝えてから…グレイブはソルガレオの背に乗る。

 フェイは撫でられて、寂しそうにしながらも抱き着いて、またねと伝えるように頬擦りをしてからリョウに飛び移り、抱えられてから、ソルガレオの背に股がっているグレイブに手を振る。

 

「えるる~!」

「じゃあ、またな」

「お気をつけて、今度は私も戦えるようになってますわよ!」

「またね!」

「りゅおん」

 

 手を振るフェイを合図にするかのようにリョウ達も手を振る。事の成り行きを黙って見守っていたカイリューもまたな、と伝えるように鳴く。

 

「それじゃあみんなまたな!」

 

 手を振られる事に照れを感じながら、ソルガレオに頼むぞとだけ伝え…目の前にウルトラホールを発生させ、そこに突入していった。こうなればもう、無事に元の世界に帰還出来る事を祈るのみである。

 

「行ったな。…クレハさんはどうします?」

「まだここにいますか? 観光はここからでも出来ますが」

「えるぅ…」

「……私はもう少しだけいようかな。…ほらカイリューが、ね?」

「りゅ〜、りゅおん」

 

 見送ってから、リョウはクレハにどうするかと訊き、リリィはここに居ても構わないという旨を伝える。クレハはどうするかと考えるも…フェイの寂しそうな様子に耐え兼ねたカイリューが抱きしめ、よしよしとあやすおじいちゃんの姿には思わず苦笑いだ。

 

「えう、えう~!」

「はは…フェイは甘えん坊ですから、許してやってください」

「まだまだ子供ですものね」

「…なんか家のバンギラスに近いものを感じるなぁ……」

 

 慰められて、抱き着いて頬擦りなどして鳴くフェイ。カイリューにまで言って欲しくないのだろう。リョウやリリィの言う甘えん坊の子供という事もあり、クレハはバンギラスを想起した。ちなみに当のバンギラスはボールの中でお昼寝中である。甘えられているカイリュー自身も流石に少しだけ困った様子で、クレハを見てきている。

 

「……いや本当にどうしようかな、これ」

 

 いっそ今日泊まる予定のホテルをキャンセルしてリリィ達がガラル地方に行くまでリベール家のお世話になろうか…とも思った等色々考えるクレハ。しかし当然ながら結論は出なかった。…まぁリリィならば頼めば喜んで止めてくれそうなものだが。

 

「えるる~…」

「フェイ、クレハさんとカイリューが困ってるからおいで」 

「…ぇうっ」 

「聞き分け自体は出来る子ですものね」

「うん、モーアと同じで賢い子だからな」

 

 助け舟のようにかけられたリョウの言葉に、フェイは俯きながらも従い、大人しく抱えられる。

 

「……まぁ、私達はしばらくこの街にいるから、会おうと思えばいつでも会えるから大丈夫だよ〜?」

「りゅん!」

 

 それが見ていられなかったのだろう。クレハは思わずそんな言葉をフェイにかけた。カイリューも同意するように鳴いた。最悪ホテルからここに通えばいいと無理やり結論づけたりもして…クレハの人の良さがよく出ていた。

 

「るふ? …えう~!」

「調子いいんだからなあ…」

「ですわね」

 

 それを聞いたフェイは嬉しそうに顔を綻ばせてから、クレハに抱き着く。そのもふもふした体を存分にクレハに押し付けていく。現金なフェイに流石の2人も呆れ気味だが…

 

「わわっ! ……うーん、すっごいもふもふぅ…」

「りゅん…りゅおん」

 

 クレハの方はあっさり陥落である。抱き返しながらももふもふを存分に堪能しており…それを見ていたカイリューは思わず苦笑い。しかしリョウとリリィの方を向いてからしばらくよろしくと伝えるように鳴いてから、2人にお辞儀した。長生きだけあってとても丁寧なお辞儀だ。

 ……これにて、リョウとリリィがガラル地方に行くまでの少しの期間に、もう1人居たのは語るまでもない




続くように見えますが、グレイブが居ないので一応コラボはこれで終わりです。(番外編という形でこれの後日談をやるかもしれませんが)

というわけで次回からはカロス修行編か番外編のどちらかにに入ります。
ロザミアさん、愛月花屋敷さん、コラボにお付き合い、ありがとうございました!
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