元トレーナーの育て屋さん。   作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)

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今回からカロス地方編、始まります。


カロス地方編 ACT1 プラターヌ

 

「おーい? 聞こえてるー? 聞こえてるなら一旦降りて欲しいなー!?」

 

 クレハは自身を〝吊るしながら〟飛行しているポケモンに降りて欲しいと頼むも…ポケモンは聞き入れずに無視を決め込み、水流を放出しながら何処かへと飛んでいく。

 

「はぁ…なんでこうなっちゃったんだろ…これも外れないし…はぁ〜……」

 

 無視されたクレハはため息をつきながら腹に巻かれた鉄製の輪を指でつつきながら何故こうなったのかと再びため息をつき、同じ輪が巻かれたポケモン…ボルケニオンを見つめるのだった。

 

 何故このような事態となったのか、それは十数分程前に遡る……。

 

 

「カロス地方へようこそ、クレハちゃん! 僕はプラターヌ! ここカロス地方のポケモン博士さ。話はカツラさんから聞いているよ? 修行ついでに僕の仕事を手伝って貰うからね」

「はい! よろしくお願いします!」

 

 色々あったイッシュ地方を後にして、ジムリーダーになる為に修行先であるカロス地方の大都会ミアレシティまでへとやってきたクレハを出迎えたのは、世界に名だたるポケモン博士の1人…プラターヌだ。

 どうやら彼の仕事を手伝いながら、修行をするらしくクレハはやる気十分に頷いてみせる。

 

「ははっ、中々に元気のいいお嬢さんだ。じゃあ早速フィールドワークに行こうか! ちょうど行こうと思っていた場所があるんだよ」

「はい! ところでフィールドワークといってもどこに?」

「ああ〜…行く場所はね、ネーベル草原という所さ。広く、のどかな場所でね。ポケモンも沢山居るからクレハちゃんの修行にもなると思うよ!」

「あ、ありがとうございます!」

「どういたしまして! では行こうか!」

「はい!」

 

 どうやらクレハの修行が捗る場所を仕事先に選んでくれたらしくそれにすぐ気づいたクレハはプラターヌに礼を言い、プラターヌは笑顔で言葉を返してから改めて行こうかと訊き、クレハも元気よく頷く。少しの準備をしてから2人は早速ネーベル草原へと向かっていった。…ちなみに移動はカイリューでである。

 

 

「わぁ…」

「どうだい? 綺麗な景色だろう!」

「はい! ポケモンもいっぱい…」

「気に入って貰えたようでよかった。…さて、フィールドワークに取り掛かかろうか! …まぁ手伝いと言っても野生のポケモンに襲われた時のボディーガードを任せてもらうんだけどね」

「わかりました!」

「はは…っ(本当に元気のいいお嬢さんだ。カツラさんが気にいる訳だ)」

 

 目に広がる広大な草原にヤヤコマ等の様々なポケモン達。プラターヌは大げさに両腕を広げ、クレハはただただその景色を見入る。それほどまでにネーベル草原は美しかった。

 プラターヌは見入るクレハに、仕事をしようと伝える。クレハもやると決めたからには出来る限りするつもりだと意気込んでいる。プラターヌは元気のいい返事を聞く度にこれは確かにカツラが好きそうなタイプの娘だとしみじみと感じるながらもフィールドワークに勤しんでいく。しばらくしてから昼となり、大きな湖の前で昼食をしようとするのだった。

 

『ネーベル草原のある場所』

 

「ボルケェェェ!」

「くそっ、待て! 金蔓ぅ!!」

「ドクター! 落ち着けって…!」

「うるさい雇われが! 雇い主の言う事を聞かんか…! 

 ああ、金蔓が、儂の金が逃げてしまう…!」

 

 肥え太った老人が大きな腹を揺らしながらかなりのスピードで走るジープから立ち上がり、水を噴射しながら空へと逃げ出す赤く、巨大な体躯のポケモン…ボルケニオンに待てと叫ぶ。かなり興奮してる様で、今にもジープから飛び降りてしまいそうだ。

 隣の金髪、サングラスが特徴の大男が慌てて老人の手を引っ張り、座らせて落ち着かせようとするが、老人の気は収まらず止めた大男を罵倒する始末だ。

 

「どうか落ち着いて冷静になってください、ドクタープルート」

「なんだ!? 貴様も儂に…!」

「そうじゃありません。ボルケニオンはそろそろ水を切らす筈です。ブソン、この辺りに湖がないか調べて下さい」

「おうよ! 任せな、バショウ! …ああ! デカい湖がある、奴が水を補給するならそこしかねぇ。待ってな、今すぐルートをそっちのカーナビに送ってやる!」

 

 しかしジープを運転していた銀髪の優男…バショウが冷静に状況を判断しながら雇い主…プルートを宥め、大男…ブソンに指示を出す。

 ブソンは粗野な言動と外見と違って機械に強いようで、端末をテキパキと操作し、ジープに取り付けられたカーナビに送信する。

 

「……なぜスマホロトムではないのだ。わざわざ古めかしい端末等使って…」

 

 今のやり取りを見てようやく落ち着きを取り戻したプルートは時代遅れとも言うべき端末を使用する、自らが雇ったポケモンハンターのコンビに問いかける。

 

「スマホロトムじゃあな、足がつきやすいのさ。だからこういった場合はこれらの機械の方が向いてるって訳よ! なぁ、バショウ!」

「その通りです。ボルケニオンを追いましょう」

 

 隣のブソンが得意げに答え、バショウはブソンから送られたルート通りに車を走らせる。

 元ギンガ団の科学者と元ロケット団の特殊工作員という地方を超えた悪達との邂逅は近い…

 




遅くなってすみませんでした。これからはなるべく早く更新がしたいです(切実)

クレハ
ジムリーダー修行中。ほのおタイプのジムリーダーになるならファイアローを真っ先にゲットすべきだと作者は思う

プラターヌ博士
皆さんご存知な言わずと知れたカロス地方のポケモン博士

バショウ、ブソン
元ロケット団の特殊工作員。ロケット団解散後は現在ポケモンハンターとしてあちこちの地方を飛び回っている

プルート
数年間の逃亡生活で若干痩せた元ギンガ団の科学者のおじいちゃん。幻のポケモン、ボルケニオンを捕まえる為にバショウとブソンを雇った模様。行動原理は昔と変わらず金
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