元トレーナーの育て屋さん。 作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)
「〜〜〜♪ はい、プラターヌ博士もどうぞ!」
「いやぁ、悪いね! おお、美味しそうなサンドイッチだ。いただきます!」
一方まさかトラブルが迫って来ている、等とは分からない二人は呑気に食事を取っていた。ちなみにサンドイッチはクレハが作って来たものであり、その回りにはゴウカザル達も出ていて一緒に食事をしている。
「ぎら! ぎらぎらー!」
「よしよし、ちゃんと食べれて偉いね、バンギラス」
「ぎらー…♪」
「中々にインパクトがあるねぇ、甘えん坊のバンギラスだなんてさ」
「あー…やっぱりそう思います? でもこの子はこの子ですから」
もきゅもきゅと特性のポケモンフーズを食べてからクレハに頬擦りをして甘えてくるバンギラスの頭をよしよしと撫でるクレハにプラターヌは微笑みながらそう伝えてきて、クレハはバンギラスを撫でるのをやめずに笑みを浮かべてそう言葉を返す。バンギラスは一般的には凶暴で知られるポケモンだから不思議な光景と言われても仕方ないのだ。クレハ自身、その反応はもう見慣れたもの。しかし家の子はこうなのだと答えていく。
「なるほど! きっと育て方がよかったんだろうね、流石育て屋さんだ」
「いや、まぁ…えへ…卵から育てたから本当に可愛くて可愛くて…」
「ははは、立派なママじゃないか」
「からかわないでくださいよ! あ、でもママって言われて悪くないかも…」
「ぎらー?」
「こままー」
それを聞いてプラターヌは育て方がよかったのだなと結論し、クレハは照れながら親バカのような発言をする。そこから更にプラターヌはからかうように立派なママと言うも、クレハは育て屋的には悪くないかもしれないと考える。
一方撫でられて夢見心地なバンギラスは二人の会話の意味がわからないようで、首を傾げていたが…そんな彼女の頭に一匹のヤヤコマがちょこんと座り込んだ。
「ぎらら?」
「あれ、このポケモンは…?」
「ヤヤコマだね。ご飯の匂いに釣られてきたんだろう。それにしても珍しい光景だ、ヤヤコマがバンギラスの頭の上に乗るとはね」
「ぎららー」
「こまま? こまっ、こまっ…」
「ぎら♪」
「うきゃきゃ、うきゃ!」
バンギラスは自分の頭の上に乗ってきたヤヤコマにどうしたのー? と声をかけるように一鳴きし、カロス地方のポケモンをあまり知らないクレハはやってきたヤヤコマに首を傾げ、プラターヌは来た理由を予測しながら珍しい光景だと言うも…プラターヌの言葉にお腹を空かせてるのかなと解釈したのか、バンギラスは自分のポケモンフーズをすっとヤヤコマに差し出し、ヤヤコマはすんすんとポケモンフーズの匂いを嗅いでから嘴でつっつくように食べ始める。 美味しい! と笑顔になる。それを見たバンギラスはでしょーとはにかむような笑顔を見せる。それを見ていた他の手持ち達はほっこりしながらもゴウカザルはヤヤコマに歩み寄って、僕のもお食べとばかりに自身のフーズも差し出し、ヤヤコマも嬉しそうに食べ始める。
「…仲良くなったみたいだね」
「ですね。ほっこりします…かわいい」
「ならあのヤヤコマをゲットするかい?」
「あの子が一緒に来ることを望むならそうします」
そこはやはりヤヤコマの気持ち次第だと言ってから、サンドイッチを食べ始める。そうかそうかとプラターヌは何度も頷きながらサンドイッチをいち早く食べ終えるとある資料を広げ始める。
「よし、そんなクレハちゃんに面白いものをみせてあげよう」
「面白いもの?」
「ああ、ほのおタイプを扱うジムリーダーになるなら絶対興味を示すだろうと思ってね。これを持ってきていたのさ」
説明しながらプラターヌは広げた資料をクレハに見せる。そこに描かれたそれは大きく、立派な四股と体躯に…背には巨大な輪のようなものを生やした赤いポケモンだ。
「このポケモンはボルケニオン、と呼ばれるポケモンさ。所謂幻のポケモンと呼ばれていてね、タイプは何とほのおにみず!」
「ほのおとみずの複合タイプ…! 確かに珍しいですね、こんなポケモンが手持ちに居たら凄く戦いやすいんだろうな…」
ボルケニオンが居たら戦いやすい、とクレハは称した。例外はあれど、これからはタイプをほのおで固めなければならないクレハからしたらボルケニオンはゲットしたいポケモンだろう、しかし…
「幻、なんですよね…それに会えてもついて行くかはボルケニオン次第だろうし…」
「(無理やりゲットしようと考えさえしない当たりこの子はいい子だな、本当に…)まぁ、仕方ないさ。そうそうボルケニオンはこの背中はいわばホースになっていてね──」
「……りゅん!」
ははっと笑いながらもプラターヌは説明を続けようとするも…のんびりと空を見つめていカイリューが立ち上がり、2人を守るように前まで歩き出す。カイリューだけではない、ゴウカザルやガブリアスを含めた手持ち達…更にはプラターヌのゲッコウガまでも警戒を顕にする。唯一バンギラスだけは仲良くなったばかりのヤヤコマを守るように抱いている。
「ゲッコウガ?」
「み、みんなどうしたの? ってええ!?」
「───ボル」
どうしたんだと首を傾げる2人はポケモン達が向けてる方に視線をやり、目を剥いた。そこには水を噴射しながらゆっくりとこちらに降りていくこちらを睨みつけているボルケニオンの姿が居たから──
なるべく週1、とまでは行かなくても投稿は早めに出来るように努力します