元トレーナーの育て屋さん。 作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)
○月✕日 晴れ
タマゴの研究資料にする為に記録として今日から日記を付けることにした。
フタバからコトブキまで歩いてみたけどタマゴに反応はなし。
○月△日 晴れ
ナナカマド博士からタマゴを預かって2日目にしてタマゴが孵化。生まれたのはジョウト地方で見かけたヨーギラスだった、よちよち歩きしててなんかかわいいし、私にすごく懐いてきてる。
ちなみにしっかりナナカマド博士には報告済みだ。すごく喜んでた。それで研究所に戻りますかと聞いてみたけど、そのまま君の手持ちに加えても構わないと言われた。
それは助かる。この子すごく懐いてきてるせいか、私の腕に抱きついて離れないし。
✕月●日 曇り時々晴れ
かわいい。ヨーギラスがひたすらかわいい。素直にいっぱい甘えてくるのが本当にかわいい。私以外の他の皆…ゴウカザル達とも仲良くやれてるみたい。あ、もうそろそろサナギラスに進化するかも。
✕月△日 雨
ヨーギラスがサナギラスに進化してくれた。だけど甘えんぼうなところはあんまり変わってない。進化してもかわいいとはこれ如何に。
ガブリアスなんて積極的にサナギラスを抱っこしてあげてるし。なんだろうね、進化してもかわいいとはこれ如何に。(大事な事なので2回言いました)
△月✕日 快晴
ついにバンギラスに進化した。バンギラスの生態上、凶暴化するかもしれないという話はジョウト地方を旅していた時から知っていたけど、この子はそんな事なかった。
ヨーギラスからよく知ってる、あの優しくてのんびりとした甘えんぼうのままだ。
嬉しさのあまり泣いてしまった。カントーで育て屋さんをやっているおばあちゃんもこんな気持ちだったのかな。
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ポケモン達を連れて無事にトキワシティにある祖母から引き継いだ育て屋兼自宅に帰ってきたクレハは手持ちを含めた全員にポケモンフーズを食べさせた後、休憩がてら机の引き出しにしまっている古ぼけた日記を開いていた。
「……ふふっ」
パラパラと開いた日記を読みながらその内容に懐かしさを感じて笑みをこぼす。その理由はこの日記の内容だ。この日記には自分が祖母の育て屋を引き継ぐ事に決めたきっかけになった出来事を綴っているのだ。
最初は嫌だった。だからトレーナーになった。ポケモン達と一緒に冒険するのが楽しかった。でもやっぱり同じくらい育てる事も楽しかった。ヨーギラスの件でそれを自覚した。
だから今こうして育て屋をしている。
日記を読み終え、引き出しにしまった後にクレハは久しぶりに家族に電話でもしようと思った。両親は勿論の事、腰を痛めて今はその両親の介護を受けているおばあちゃんの声が聴きたい。そう思いながらクレハは携帯を手に取るのだった。
クレハ
実はおばあちゃんの育て屋を引き継いでいた。
バンギラス
今も昔も変わらない子
ゴウカザル達
やたら子育てにノリノリだった。
しかし全員結構強面な為、ヨーギラスが恐怖で泣き出したという逸話がある。
ちなみにこの頃カイリューはまだいなかった。
ナナカマド博士
日記が研究資料じゃないて本当にただの日記で困惑したが同時にほっこりもしていた強面おじいちゃん。