今回で貴音編は終了です。
それでは本編をどうぞ。
数日後・・・。
「ホームルーム始めっぞ・・・」
先生睡眠時間1時間
「は~~~~~~い」
遥睡眠時間3時間
「ほ~い」
萌奈睡眠時間5時間
「はい・・・」
貴音睡眠時間後発表
「さて!とうとう明日に迫った学祭だが・・・」
「遥、連日の先生の家での合宿ご苦労だったね。ところで貴音はよく寝れた?」
「うん。12時間程」
貴音睡眠時間12時間
「遥、萌奈聞いたか・・・。こいつは俺達が徹夜で作業している間に自宅で
たっぷり12時間寝てたそうだ」
「私は5時間だけどね」
「お前は飽き性だからな。一つの作業に集中できないだけだ」
「今日は本番のために15時間くらい寝ときます。プレイヤー私なんで」
と一様三人に私は報告する。まぁ萌奈はまたすぐ飽きて寝るんだろうけど。
「ああ、そうだな」
「そうだ!!貴音っ!」
「ん?」
「ゲームのラスボスと隠しボス見てくれる?」
そう言うと遥は自分の鞄からスケッチブックを取り出し。何枚かページを
めくって私に見せてきた。
「じゃーん!!!貴音二号と萌奈二号(先生命名)だよ!!」
そこには私そっくりな絵と萌奈そっくりな絵が書いてあった。
「ゲームタイトルはヘッドフォンアクター。中盤まではモンスターのぬいぐ
るみが敵で・・・」
「これまんま私と萌奈じゃないですか!!せめて、カラーリングだけでも
・・・」
「貴音私も言ったんだけど先生が「なら、お前がやれ。お前ならこのくらい
簡単だろ?」の一点張りなんだわ」
「なんでアンタがやんないの!?」
「だってダルいんだもん」
「萌奈ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「まぁ萌奈もそう言ってるし別にいいじゃねぇか」
「リジチョウ!」
「かしこまりました。他のカラーリングご用意いたします」
まったくと深いため息を私はした。萌奈のカラーリングは恐らく萌奈がする
から先生には言わなくても大丈夫か。
「遥・・・」
「あっ!!そうだった!!貴音」
遥は急いで鞄からなにかを取り出した。
「これ・・・」
「何?」
「ゲームのコピーだよ。貴音にはこれで練習を・・・」
「いいか!!最後の客になるまで絶対に負けんなよ!!!」
先生がいきなりドデカイ声をあげ遥の声をかき消した。
「この出し物は最終的にお前の腕にかかってんだからな!!」
「大丈夫ですよ。「理事長の評価!!理事長の!!」でも・・・」
そこで私はニヤリと不敵に笑う。
「そんなに心配なら勝負します?」
45000 156000
LOSE WIN
同然の結果、見事貴音は先生に勝利した。
その後は学校でできる作業をし始めた。カーテンを黒く塗り、プロブラムの
制作の続き(先生担当)。ラスボス(貴音二号)隠しボス(萌奈二号)のカ
ラーリング編集(萌奈担当)。
と、学園祭の準備は着々と進んだ。
~学園祭当日~
「ええっ!?先生来れないの!?当日なのに!!?」
「んー・・・。お昼過ぎにはフラッと学校くるらしいけど・・・」
「ちょ・・・。完成版のゲームは!?」
「大丈夫大丈夫」
ガサコソと遥は自分の鞄の中をいじり始めるが・・・。
「あれ?おかしいなぁ~・・・」
「え・・・」
もしかして・・・。こいつ・・・。
「ちゃんと先生の家で鞄に入れたんだけどなぁ~・・・」
「あんた、もしかして・・・!!」
「うん。先生の家に忘れちゃったかな」
忘れたって・・・。今日本番だよ!!ったく!!あんたって奴は!!どう
すんのさ!?
「仕方ない!!今から先生家行くよ!!」
そう言って遥の手を取って教室を出ようとした直後・・・。
「遥・・・お前ゲーム先生ンとこに忘れ・・・」
教室のドアが無残にも開きゲームを持った萌奈が入ってきた。
「・・・ごめん。ホントにタイミング悪くて」
と言い残し教室を出ようとする萌奈を見て私は今、萌奈がどのような誤解を
しているのか理解した。
「ちょ・・・!!萌奈!!帰らない!!」
「そうだった。これ渡さなきゃ」
と言ってゲームを萌奈から受け取った。
「それじゃ・・・」
「萌奈あああぁぁぁぁぁ!!」
その後、萌奈の誤解を解くためかなりの時間をかけ話しどうにか萌奈の誤解
を解いた。
「それにしても・・・」
遥は暗い教室をキョロキョロと見渡した。
「い、いよいよだね・・・。なんか夢みたいだ本当に完成するなんて・・・」
「さて、そろそろ私も準備するか」
「結構いい出来になったじゃん・・・!頑張ったね遥、萌奈!」
そう言って萌奈の方を見て私は驚いた。
「萌奈!!アンタなにやってんの!?」
「なにって・・・。着替えてる」
特に気にもとめずケロっと答えた。
「いや・・・。なんで着替えてるのさ・・・」
「なにって、客引きのための服装だよ」
ちょっと待っててねぇ~。と言い萌奈は着替えを続けた。
「まったく。そんなことより本番前にちょっと練習しようかな・・・。昨日
さんざんやったけど」
そう言って私はゲームを起動させた。
「・・・。ねぇ、プレイをして夕べ思ったんだけどタイトル(これ)ってさ」
「ん?」
「この『ぬいぐるみを操る親玉』が私そっくりだし・・・。色変えてもら
ったけど」
「この青バージョンの貴音もかわいいよね」
「これって『ヘッドフォンを着けた私に操られてるぬいぐるみ(演者)を
倒せ』・・・って意味?」
「あ、うん!!そうそう!!」
後方からガサコソと音がする。まだ萌奈は着替えてるのだろう。
「なかなかかっこいいタイトルで―・・・ぶっ!!!」
「貴音。そんなに遥を殴るなさらに天然が進行する」
「でも、萌奈!!何でこんな自分を倒す悪趣味な・・・て、ててて、って
アンタ何ってゆう格好を・・・!!」
「何って着替えただけ」
「でも、アンタその格好・・・」
そこにはメイド服姿の萌奈が立っていた。一体どこからそんな服を・・・。
「フフ、そーでぇ~す。メイドさんでぇ~す」
「な、なんでその服装選んだの・・・?」
「いやぁ~、一回こうゆう格好してみたくてさ」
(まったく、萌奈の奇想天外な行動には呆れるよ・・・)
まぁ、そんな萌奈でも助けられたことも何度もあるし、今回の学祭なんか
萌奈がいなきゃこんなに早く出し物なんて終わんなかったし。
「そんなことより。まぁこのデザインに関しては百歩譲って許すとしても
・・・」
「どった?」
「なんでこれ、こんなにグロテスクなの?」
そう、私が夕べやってずっと気になっていたことだ。
「この要素必要なくない・・?ぬいぐるみかわいいのに肉片が散って・・・」
「あ、これはあれだよ」
「アンタが前に言ってたゲームを参考にして私と先生が作ったんだよ。アン
タはどうやらこうゆう感じが好きらしいから」
「あ、あんたら!!もしかして先生になんか聞いた!?」
「いんや、先生からは何も聞いてないよ。アンタが話してたの私が覚えてた
んだよ」
「そ、そっか・・・。いや、それにしてもこのエフェクトは明らかにミス
マッチだと思うよ?萌奈には申し訳ないんだけど爽快感まったくないよ・・・」
「あはは、ごめん。でもせっかくだから貴音の好きなものにしてあげたくて
二人で考えたんだ」
「―――ッ」
私はその言葉を聞いて今までにないくらいの感覚に陥った。
「べっ・・・。別にグロいのが好きなわけじゃないんだけど・・・」
「え!?そうなの?」
「はぁ・・・。あんたたち相当酷い勘違いしてたのね」
「勘違い・・・ね」
「いい?ゲームの良さってのは爽快感なの、主人公みたいにかっこ良く世界
を駆け回れたらいいな~って憧れるからやれるもんなの」
少なくとも私はそうだ。
「そっか・・・。なるほどね・・・」
「貴音、じゃあこのゲームはあんまり面白くないかい?」
「・・・まぁ・・・。結構・・・。好きだけど・・・」
「流石、貴音だね」
「・・・」
遥はその言葉を聞いてホッとしたようだった。折角、二人が作ってくれたん
だから面白くないわけないよ。
『間もなく学園祭を開催いたします』
「え!!?」
『各クラス実行委員の指示に従い・・・――』
「じゃあ、私は客引きするからもう外行くね!!」
「わかった。いってらっしゃい!!てゆうかもうそんな時間!?遥、準備
ってもう大丈夫だよね!?」
「う、うん。大丈夫!!あぁでも緊張してきた・・・」
「な、なに緊張してんの!萌奈のあの格好のせいでいっぱいお客様くるけど
私、絶対負けないし大丈夫だって!!」
「う、うん。それはそうなんだけど・・・」
遥は突然暗い表情をしてしまった。
「皆、楽しんでくれるかなぁ・・・。全然面白くないとか言われちゃったら
どうしよう・・・」
私が本番前の練習であんなこと言っちゃたからこんなに不安なのか・・・。
「大丈夫だよ。頑張って二人が作ったものなんだから!皆、楽しんでくれる
よ!!」
「あ・・・。う、うん!」
「わ、ちょっともうはじまっちゃうよ!!お客さんきちゃうからええと・・
・。教室の前で案内して!ちゃんと説明するんだよ!?」
「あ、ああうん!!わ、わかった・・・。ダイジョウブダイジョウブ・・・」
言った直後だった、遥はあまりにも緊張しすぎてしまい扉すぐ横の壁に爽快
な音をたて頭をぶつけてしまった。
「・・・あいつ本当に大丈夫かな・・・」
心配をしたが無事に教室から出て行ったので私は安心して席についた。
「フゥ・・・」
そして、一息ついたところだった・・・ガラッ。一番最初のお客様がきた。
「あ・・・。い・・・いらっしゃいませ!!」
あ、逆光で見えない。
「えぇっと、このクラスでは射的ゲームをやってます!私と対戦して勝つ事
ができましたら――」
「ふん。どんなやつかと思えば女子じゃねぇか」
「え・・・」
「客引きしてるやつも女子だったし、ドアの前に立ってた男のほうがよっぽ
ど倒しがいがありそうなもんだがな」
「あ・・・その・・・」
「やーお嬢ちゃん。災難だったね。知り合いの学園祭だっていうから来てみ
たらメイド服をきたお嬢ちゃんがシューティンゲームがあるって言ってたか
らさ。こいつシューティングゲーム上手いから景品なくなっちゃうよ?」
「あ、あの・・・。私も精一杯お相手しますので・・・」
「まぁいい。自作ゲームなんてくだらないもんだろうしな」
くだ・・・は?こいつ遥たちが一生懸命作ったゲームを・・・。
「最初に景品がなくなっちまうのはかわいそうだが、これも社会勉強だと
思って諦めな」
「・・・」
「いやぁ、残念だね。アイツ手加減とかしないからさ。お嬢ちゃん知らない
かもしれないけど『DEAD BULLT -1989-』っていうゲームの大会で準
決勝までいったんだぜ?」
「・・・」
「お嬢ちゃんじゃ手も足も――ひっ」
この男、私の顔見てビビるなんてだらしない男だな・・・。
「た、貴音ぇ・・・」
心配したのか遥が教室の中を覗いて私に声をかけてきた。
「ドア閉めて・・・」
私は遥だけに聞こえるように言った。
「あ・・・う・・・」
このゲーム負けたらおわり・・・。
「頑張って・・・!!」
絶対に負けるわけにはいかない。
「では・・・。最後に確認します。これは、ポイント制の射的ゲーム敵を
多く倒した方が勝ちです。難易度が設定できますがどうしますか?」
「最高難易度に決まってるだろ」
「わかりました」
「おいおい。ちょっとお嬢ちゃん。わかってるとは思うがイカサマはなしだ
ぜ?」
「もちろんイカサマなんてしません。なんなら私と場所を入れ替えますか?
ポイント制なのでどちらの場所で勝っても文句は言いませんよ?」
「おい。このままで構わんさっさと始めろ」
「・・・では、始めます。よろしくお願いいたします」
Ready・・・――GO!!!!!!!
ゲームのスタートと同時に私たちの学園祭が始まった・・・。
つづく
カゲロウプロジェクト 榎本貴音(Ⅲ) ~完~
最後までお読みいただきありがとうございます。
そして、本当に投稿が遅れて申し訳ございません。
前書きでも書いてあった通り今回で貴音編は終了です。
次回からは学園祭編となります。
それではまた次の咄しでお会いしましょう。