お久しぶりです。約半年後の投稿になってしまい申し訳ございませんでした。
次の投稿はいつになるかわかりませんが、出来るだけ早目に投稿したいと思ってます。
それでは本編をどうぞ
私は冷たくなった遥にしがみつきながら泣き叫ぶ。
「助けて・・・」
遥に泣き叫んでも返事は返ってこない。
「誰か・・・。誰か・・・」
ただ、遥にしがみついて泣き叫ぶことしかできない・・・。
「遥・・・」
そこで、ガラッ!!教室の扉を力強く開ける音が聞こえた。
「大丈夫、落ち着いて」
そこには萌奈が息を荒くして教室に入ってきて、すぐに遥の
元に駆けつけてきた。
「貴音はそのまま遥を見てて!!私は先生を呼んでくるから!!」
「わ、わかった・・・!!」
萌奈はそう言うと私と遥の二人を残して先生を呼びに行った。
そして、数分後
「もう大丈夫だ」
そう言いながら先生が教室に萌奈と入ってきた。
「萌奈、お前も手伝ってくれ今から遥を病院に連れて行く」
「わかった」
「待って・・・」
「どうした?貴音」
「わ、私もついてく・・・」
私が意地張って遥をこうゆう姿にさせちゃった訳なのに・・・。
「貴音?あんたはここにいな?」
「で、でも・・・」
わかってる・・・。私がついて行く資格はないってことは・・・。
でも・・・。それでも私は・・・。
「わかった。貴音ついてこい」
「先生ッ!?」
「いいんだ、萌奈は留守番を頼めるか?」
「わ、わかった」
そして、私と先生は萌奈を学校に一人残し病院に向かった。
~学校~
私の背後に気配もしないで二人の人物が近寄ってきた。
「ようやく、計画が動きましたわね」
私の背後には学園祭にきていた『黒神姉妹』がいた。
だが、私は特に驚きもせず話を続ける。
「そうだね・・・」
「フフ、どうやってあの殿方の発作を誘発したんですの?」
「私の能力で誘発させたんだよ・・・。遥の最も怖がるもの
を見せた」
「そうなんだ・・・。萌奈の能力はまだ私たち姉妹にも理解
できてないし、“あの人”も萌奈の能力を怖がっている・・・。
だから、いつ萌奈が裏切ってもいいように、どんな時でも対応
できる私たち姉妹に萌奈の監視を依頼されたのは知ってるよ
ね?」
「知ってるわよ、茉季だから最初から説明しなくてもいいよ」
「でしたら、“あのお方”の言いたいことはわかっていますの
ね?萌奈?貴女は今から何をするべきなのか」
クスっと、愛未が小さく笑う。私はその笑いに歯ぎしりをした。
「わかってる・・・」
私が俯きながら言うと愛未が「では、ご機嫌よう」と言いまた
気配なく二人は教室から消えた。
「ごめん・・・。貴音、遥・・・。どうか私を許して・・・」
私の頬に一筋の涙がつたる、が・・・。それも関係なしに私の
目は赤く変わった、そして・・・。
「目にモノ見せる」
能力を発動した。
~病院~
私は先生と椅子に座って遥の診察が終わるのを待っている。
その診察室の扉が開き閉めされる度に遥だと思い見るも違った。
「先生・・・」
私は不安になり、いつもは頼りない先生を私は呼んだ・・・。。
「遥・・・。目を覚ましますよね?」
全く医学の知識を持たない先生に私は力強く聞いた・・・。
そして、そんな自分が嫌いになりそうだった・・・。私のせい
で私が意地を張ったから遥はこんなめにあってしまったんだ。
「・・・また・・・。元気になりますよね・・・?」
そこで私の目から涙が込み上がってきた。何であの時私は意地
を張ってしまったのだろうか、意地さえ張っていなければいち
早く遥の異変に気付たはずなのに・・・。
そう振り返ってみるとどんどん涙が込み上がってくる。
「おう!あいつも頑張ってんだし、きっと大丈夫だよ」
「・・・」
私は先生の発言に無言で返した。本当はこうゆうことを聞いた
ら安心するべきなんだが私は全然安心できなかった。
(私が知らない間に遥は、苦しんでたんだ・・・)
もしかしたらあの時、遥は私に助けを求めていたかもしれない。
なのに私が、構ってほしいだの、なんだのと、自分のことばっかり
こんなにどうしようもないくせに、目を覚ました遥に何て言って
やれるの?
「無事でよかった心配した」って?
萌奈が来てくれなかったら何もできなかった・・・。
無力で・・・。
ワガママなだけのくせして・・・。
こんな時にだけ、いつも大切に思っているようなフリして、綺麗
に取り繕って・・・――
(――そうだよ・・・)
こんな私、遥のそばにいる資格も心配する資格もない・・・。
「貴音」
「・・・」
私は先生に呼ばれて前を見るとそこには白衣を着た男性が二人
立っていた。
「あの・・・。手術は・・・」
先生は医師に遥の状態について聞く。
「・・・そうですか。どうか・・・よろしくお願いします」
「・・・」
医師の二人と会話が終わると先生はすぐに私の方に目を向けた。
「・・・今はまだ眠っているらしいがなんとか一命は取り留め
たってよ」
「・・・」
生きてる・・・。私はその一言でホッとした。
「とりあえず、遥の家族が来るまでここにいような、待ってる
間に目ぇ覚めるかもしんねぇし・・・」
「遥・・・」
はっ!!いきなり私の脳裏に遥の笑顔がフラッシュバックする。
あいつが目を覚ましたら、こんな勝手な私を見てどんな顔をす
るんだろう・・・。
「・・・先生」
もしかして、会いたくないんじゃ・・・。
「私、遥の荷物取ってきます・・・」
「ん?あぁ、そう言えばあいつの財布も携帯も置きっぱだった
か・・・でも、学校には萌奈がいるから・・・」
「いえ、萌奈にはこれ以上迷惑かけたくないんで・・・」
「そうか・・・、って、お前一人で大丈夫か?」
「大丈夫です・・・」
私がここにいちゃダメなんだ・・・。だから、少しでも遥の
役にたつことをしなくちゃいけないんだ・・・。
会うのはそれからだ・・・。
全て謝って、全て許してもらうまで私は遥には会わない・・・。
「先生は、遥が目を覚ました時の為に側にいてあげてください」
そう・・・私が側にいちゃダメなんだ・・・。
「お、おい。気をつけて行けよ・・・」
私は病院の出入り口でヘッドフォンをした。
私は学校に向かいながら学園祭のことを思い出した。
(そういえば、あの日・・・――)
教室の前に何十人も人だかりができたあの学園祭から、もう一年
近く経つのか・・・。
(あの日は、ホントに大騒ぎだったな・・・)
遥がオンラインゲームにハマったのもあの日だし・・・。
女の子の友達が一人増えたのもあの日がきっかけだった。
そう思い出しながら歩いているといつの間にか学校の中に入っ
ていた。
「あ、貴音さん!!」
そこで私は聞き覚えのある声に引き止められた。
「お久しぶりです。どうしたんですか?」
「あぁ、アヤノちゃん。久しぶり」
振り向くと学園祭で出会ったアヤノちゃんがいた。
「あれ?なんで学校にいるの?・・・もしかして、アヤノちゃんも
夏期講習?」
「いやぁ・・・。はは・・・」
「一年生なのに?」
「え、えぇ、そうなんです」
(成績が悪いんだね・・・)
「そういえば、貴音さんと遥さんも夏期講習受けてるってお父
さんが言ってたような・・・?」
「!!!ま、まぁそれについては触れないでおこう?」
奇遇なことにお客で来たあの二人が、同じ高校に入ることにな
り、その時の女の子アヤノちゃんとはすぐに仲良くなった。
「お互い、へこむところだろうし」
それにしても・・・――
(まさか・・・)
アヤノちゃんが、あの先生の娘だったとは・・・。
(わかんないもんだ・・・)
「?」
そして、私はあることに気付いた。
「あ、今日あいついないの?」
「シンタローですか?」
アヤノちゃんは私が言った「あいつ」とゆう単語だけで、すぐ
に誰だかがわかった。ホントに仲がいいんだな。
「いや~、あの子めちゃくちゃ頭がいいですから。夏期講習な
んて・・・」
(・・・。わかりやすい子だな~・・・)
私はアヤノちゃんは、とても“あいつ”のことが好きなんだな
ってすぐに気付いた。
「あぁ、そういえば頭いいんだっけ」
「はい。そうなんですよ」
「じゃあ、もう一人の和彦って子は?」
「和彦君ですか?あの子は普通ですよ。ただシンタローの頭が
いいだけです」
「普通、ね」
別に“普通”に憧れてる訳ではない。確かに“私は”普通じゃ
ない、時間関係なく寝ちゃうしグロゲー好きだし・・・。
(普通か・・・)
でも、心のどこかでは“普通”に憧れているのかもしれない。
こんな“私でも”いつか普通になれる時がくるのか。
こんな“私でも”アヤノちゃんたちみたいに普通に学校生活が
おくれる時がくるのか。
私はしばしそんなことを考えていた。
「でも、アヤノちゃんも大変でしょ?あんなワガママの面倒見る
の」
「え~。そんなことないですよ」
アヤノちゃんは笑顔で言う。
「意外と話してみるといい子なんですよ?和彦君や晴捺ちゃん
たちと違って、ちょっとシャイなだけで」
「なるほどねー。あいつはアヤノちゃんみたいな子が近くにい
て幸せ者だね」
「・・・いえ」
そこでアヤノちゃんは初めて私の前で、暗い表情を見せた。
「私じゃダメなんですよ・・・」
とてもトーンも低く、とても暗い・・・。
(私なんか言っちゃったかな・・・)
「あの子以上にワガママで、あの子を引っ張ってくれる元気な
子がいないと・・・」
いやまてまて。アイツよりワガママなやつなんてこの世に存在
しないでしょ。
(自分勝手で意地が悪くて、本音を隠すようなつかみどころの
ないやつ・・・――ってあれ・・・?)
数々の特徴をあげていたら、私は気付いた。
(それって私・・・)
そう、今まであげていた特徴は全て自分に当てはまっていた。
(流石にないわ~・・・)
「え・・・?なにか言いましたか?」
「あっ、え、いや!!なんでもないよ!!こっちの話!」
そんなことよりッ!!
「っていうか、ごめんね。アヤノちゃん引き留めちゃって」
「あ、いえいえ。そうだ貴音さん。一緒に帰りませんか?」
「あ・・・。いや・・・」
アヤノちゃんになら、言ってもいいかな・・・今日起きたことを・・・。
「ちょっと今日、遥が倒れちゃってさ。それで先生も今病院にい
るんだけど、遥の荷物届けてあげなくちゃで・・・」
「わ・・・。す、すみません!そうとは知らずに呼び止めてし
まって・・・」
「あ、や。全然!」
「遥さん。容態は大丈夫なんですか・・・?」
「うん!まだ意識は戻らないんだけど、命に別状はないらしい
先生もついててくれてるから大丈夫だよ」
だって、私がいても別に・・・。
「それに・・・。私が行っても迷惑だろうし・・・」
「貴音さん・・・。迷惑って遥さんがそんなこと思うわけない
じゃないですか。お二人を見ていればわかります」
「――うん。・・・でも、ダメなんだ。合わせる顔なくってさ・・・」
そうだよね・・・。私があの時ちゃんと意地張ってないで、遥を
見ていれば・・・。
「遥もきっと困るよ」
そうだよ、絶対迷惑にきまってる・・・。
「もうできれば、荷物も受付に渡して帰りたいくらい・・・。後
教室に萌奈がいるからさ・・・」
「貴音さん」
呼ばれて顔をあげたらそこには、怖い顔をしたアヤノちゃんの
姿があった。
「貴音さんは自分の気持ちに正直にならな過ぎです。詳しい事情
はわからないです。けど・・・」
「けど・・・?」
「遥さんのことが心配なんですよね?」
「そりゃ・・・」
「だったら、本当はどうしたいか決まってるくせに」
確かに決まってる・・・。でも、私はその行動を行う権利がない。
「ただ伝えるのが怖いから、遥さんのせいにしてるだけでしょ?」
「ち、違・・・」
「いいえ、違くありません。ちゃんと遥さんに会って正直に話す
べきです」
「・・・」
「それに・・・。伝えたくても、間に合わないことだってあるん
です」
アヤノちゃん・・・。一体何を言おうとしてるの?
「今ならきっと間に合いますよ」
「え・・・?」
「だから、勇気出してください!!」
「でも、教室に萌奈が・・・「萌奈さんには私から言っときます」はい・・・」
「だから、貴音さん」
「アヤノちゃん・・・」
アヤノちゃんの表情は明るく可愛らしい顔に戻っていた。やっぱ
その顔が一番だよ。
「まぁフラれちゃったら、私が慰めますから!」
こ、この子は~・・・――
「では、私はこれから萌奈さんの所へ行ってきますね」
「や、そんなんじゃないって・・・。」
私は手を伸ばしたが、アヤノちゃんは見向きもせず養護学級教室
へと向かって行った。
「な、な・・・。はぅ・・・言われちゃったなぁ・・・」
――私の正直な気持ち。
ワガママ言っちゃたことを謝りたい。でも、本当の問題はそれ
じゃないんだ。
本音を誤魔化すのが当たり前になってて、いつの間にか自分で
もよくわからなくなっていた。
だから、さっきもあんなことをしてしまって・・・――
でも、やっぱり私には難しすぎる・・・。別に今まで通り同じ
教室で同じように過ごせればそれでいい・・・――
なんてことない、いつもの日常があれば――
ガラッ。私は養護学級教室のドアを開けた。そして・・・――
「貴音、おはよう」
そこには、机に座っている遥の姿があった。だが、それがすぐに
幻覚だと気付いた。
「あ・・・」
教室には、既に誰もいなかった。アヤノちゃんが先に行ってく
れたおかげだ。でも・・・。
「はる・・・か・・・」
例え、萌奈がいてもこの教室に遥がいない・・・いや正しく言う
なら、もう遥はここに来られないかも・・・――
(やっとわかった・・・!!)
私が探していたもの。
私が今まで、ずっと伝えたかったこと。
ぐすぐすしていられない。病室に行こう!!
それで遥が目を覚ましたら伝えるんだ。
「さっきは、ごめんね」
ちがう、一番伝えたいのはそれじゃない・・・!!
一番伝えたいのは――
そこで私の体は気付いたら倒れ初めていた。まるで糸の切れた
人形のように。
「かっ・・・」
あれ?
「は・・・あッ・・・!!?」
息が・・・。私まで発作・・・!?
嫌だ・・・。動け!まさか、こんなタイミングで・・・!
「あれ・・・」
なんで二人が・・・?
(ダメだ・・・。もう意識が・・・。言わなきゃ早くあいつに
言わなきゃ)
私は、そこでアヤノちゃんが言ったことを思い出した。
『伝えたくても、間に合わないことだってあるんです』
(あぁ・・・。まさにアヤノちゃんが言った通りだ・・・)
こんな簡単なことなのに、時間かけすぎだよ・・・。
私のバカ・・・
そして、最後に見た人影は私のよく知る人たちのものだった。
つづく
カゲロウプロジェクト かけがえのない人 ~完~
皆さん。どうでしたでしょうか?
楽しんでお読みにいただけたら幸いです^^
次で二章の最終話になると思いますので次回をお楽しみにまっていてください。
それではまた次回でお会いしましょう。