カゲロウプロジェクト~裏メカクシ団~   作:kミント

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それでは本編をどうぞ


団員No.5モモ(Ⅰ)

八月十四日 午前九時過ぎ――

 

「ハァ・・・ハァ」

 

「おはよー、モモちゃん!」

 

「この前、テレビ見たわよー。実物はやっぱりかわいいわね!」

 

「確か、今日はCD発売だな!学校かい?がんばれよー」

 

「はは・・・。ありがとうございます・・・」

 

だめだ・・・。せっかく遠回りしたのに人がいっぱい・・・。

 

「遅刻だな、如月桃」

 

今日も遅刻だ・・・!!

 

「走ってきたとこ悪いが・・・。これが何だかわかるか」

 

「ええと・・・」

 

私は先生がヒラヒラと持っている紙を見る。

 

「生物Ⅰのテストですね・・・先週やった・・・」

 

「おお、そこはわかってるな。じゃあ、名前の横に書いてある数字

の意味はわかるか?」

 

「ハハ・・・。これはちょっと解らないですね~・・・って痛ぁ!?」

 

「お前なぁ・・・。『アイドル』だってことを言い訳にしないのは

いいけどさぁ・・・」

 

「はい・・・」

 

「二週間やって二点って、お前はアレか?満点取るのに百週間かか

るのか?」

 

「うう・・・。ちゃ・・・ちゃんと勉強したのに・・・」

 

「え!?何!?これ勉強したの!?」

 

「・・・はい」

 

「いやお前!!『哺乳類に分類される動物を一種類あげよ』に『

A・カニ・鮭』って・・・。何を勉強したの!?」

 

「は、母の実家が北海道なので・・・。いや!『鹿・熊』と迷っ

たんですが・・・」

 

「そっちだよ!そいつらだよ!!・・・ていうか何でここで郷土

愛発揮してんの!?」

 

「いけないんですか!?」

 

「当たり前だ!!そして、一種類って言ってるのに何でペアで出

てくるの!?」

 

「え!?だって一体じゃかわいそうじゃないですか!」

 

「何でテストで・・・かつ、この面子でファンシーな感じ出そう

とすんだよ・・・。そもそもこのペアじゃ鹿が熊に喰われるだろ!!」

 

「くっ・・・喰われ・・・る・・・!?」

 

私はその場で熊が鹿を食べているところを想像してしまった。

 

「そ・・・そうですよね・・・すいません・・・」

 

「とりあえず来週再試だな・・・。まぁ」

 

なぜか先生が言葉をくぎった。

 

「そんな気張らずにやれよ。まだ入学したばっかでいろいろ慣れ

ない時期だろうし・・・。今日もドラマの撮影とか言ってただろ?」

 

「はい・・・って。いや!授業はできますよ!まだ今なら二時限目

ですよね!!」

 

「ん・・・?あーあー補修の時間割みてねぇな・・・」

 

え?時間割・・・?

 

「今日は八月十四日だぞ。お盆に入るから一時限目でおわりだ」

 

「ええっ!?」

 

そうだ!!仕事がいっぱいでお盆のこと忘れてた!!

 

「そんな・・・!!」

 

「汗だくになって来たっつーのに悪いな。その様子じゃまた街中

で人の目に苦労したのか」

 

まぁ・・・そうだけど・・・。

 

「『普通じゃない(アイドル)』ってのも大変だな」

 

「は・・・はい」

 

途中・・・。あれに巻き込まれなければ・・・!!

 

「まぁ・・・何だ無理すんなよ。とりあえず次の補修は三日後だ!

!今度はちゃんと来れるようにな!!」

 

「あっ・・・はい・・・!」

 

そう言うと先生は職員室に戻って行った。

 

「失礼します・・・」

 

カサ・・・。

 

テストの点数を見てがっかりしてしまった。私って頭悪いんだ・・・。

 

「暑い・・・と・・・とりあえず飲み物・・・」

 

とりあえず外に・・・。

 

「あ・・・」

 

まただ・・・

 

(あ・・・良かった何でもないみたい)

 

私はよく人の『目』を惹きつけてしまう。

 

昔から周りの『目』がどんどん私に集まってくる気がした。

 

たまたま街でアイドルのスカウトをうけたとき、ちょうどお母さん

の仕事が不調だった時で少しでも生活費を稼ごうと今の事務所に

入った。

 

別にテレビも音楽もそこまで好きなわけじゃない、話だって得意

なほうではない。

 

なのに、ステージに一度立っただけで会場は大盛り上がり・・・。

 

そこから事務所にかかってくる電話の量はまさに異様だった。

 

理由や嗜好も一切関係なく、ただひたすらに人の『目』が集まっ

てくる。

 

(ホントは私も・・・さっきの子とたちみたいな友達作って普通

にお喋りしてみたいな・・・)

 

それが私の夢になってしまった・・・。

 

「はぁ・・・マネージャーくるの一時か・・・。ドラマの撮影だっ

け・・・。時間余っちゃったな暑いし帰ろう・・・ん?・・・」

 

私はテーブルの上の置いてある一枚の紙が目に入った。

 

「あの子たちが居たテーブル・・・。チラシが置きっぱなしだ」

 

私は興味本位でテーブルに置いてあるチラシを見る。

 

(こ・・・これは・・・!!)

 

そのチラシには期間限定で配布されている『ベニ鮭ちゃん』のスト

ラップの絵があった。

 

(かわいい!!)

 

私は周りを見る。

 

期間限定か・・・!!これはもう・・・今日は行くべきだ・・・!!

 

「あ・・・。駅前のお店なんだ・・・どうしよう人ごみ」

 

私は一回すぐそばの公園のトイレの中に入り、鞄の中にあった着

替えを取出しそのまま着替えた。

 

(よし・・・目立たないように地味目のカッコで・・・こうして

顔かくせばきっとばれない・・・)

 

私も普通になれるはず!

 

 

 

約数分後 駅前通りについた。

 

『如月モモ1stシングル本日発売!!切なげな歌声があなたの胸に

突き刺さる!』

 

(う・・・うわぁ・・・)

 

私は駅前通りの大型ディスプレイに映っている自分の声にがかっり

した。

 

(いやだなぁ・・・コレ風邪ひいたときの鼻声がそのまま使われ

てるよ・・・はずかしい・・・かくれたい)

 

でも・・・

 

(まぁこんなラフなかっこだし・・・フードで顔かくしてるし

見つからないよね)

 

私がそう思っていた矢先・・・。

 

ブワッ!!

 

いきなり物凄く強い風が吹き私の顔をかくしていたフードが取れ

てしまった。

 

「わっ風つよ・・・」

 

私が目を開けた瞬間、私の周りには人がわんさかいた。

 

「え・・・」

 

ちょっと待って・・・何でいつもこうなるの・・・

 

「モモちゃんだ!」

 

「わーモモちゃんがいる!」

 

「うわほんもの?」

 

「モモちゃんだ!!」

 

「かわいいー」

 

やっぱりさおかしいよ。普通じゃないよだって何で・・・

 

何でこんなにどんどん人が集まるの・・・!?

 

(私、何か悪いことした!?)

 

心の中で言っても意味がない。

 

(確かに駅前とかのこのこ行くなんて私も甘かったかもしれない

でも・・・)

 

言葉にできない、だが、言葉にしても意味がない。

 

(でも、私だってほんの少しだけ)

 

それが私の心に突き刺さる。

 

(普通の女の子らしく過ごしてみたかっただけなのに)

 

私は人だかりから逃れるため集まった人たちの間を抜ける様に走った。

 

どうしよう・・・こんな体質ないほうがよかった。

 

(こんなわけのわからない私なんか、消えちゃえばいいのに・・・

――!!)

 

そして、人けのない路地裏に入った直後だった・・・。

 

ピピピピピ・・・

 

私の携帯が鳴っている。

 

「はぁ・・・。もう走れない」

 

私はポッケに入っていた携帯を取り出し画面を見る。

 

「マネージャーからだ・・・」

 

私は恐る恐る電話に出る。

 

『もしもしモモちゃん!?今どこにいるの!?』

 

「わ、わかりません・・・あ・・・あのっ・・・私・・・」

 

『あなたの人だかりのせいで警察から連絡きて・・・今もう事務所

も大パニックよ!?ああ・・・この一番大事な時になんでこんな・・

・』

 

「ごっ・・・ごめんなさ・・・」

 

『あなた自分がどんな人間かわかってるの!?』

 

え・・・?今なんって・・・?

 

『いい?あなたは“普通”じゃないんだから!こうなることくらい

わかるでしょう!?』

 

「・・・ですか・・・?」

 

『え?』

 

「わ・・・私っ・・・!!そんなに普通じゃないですか・・・!?」

 

涙が私の頬をつたる。

 

「みんなっ・・・私のこと変なものでも見るような目で・・・!!」

 

またつたる。

 

「もっ・・・もう・・・!嫌です!!私っ・・・!!もう帰りま

せんから!!い・・・っ!!今までありがとうございましたっ!!」

 

『え・・・!?あっ!ちょ・・・――』

 

「私・・・バカだ・・・」

 

自分が今何をしたかわかっている。

 

たくさんの人に迷惑をかけ、たくさんの人の気持ちを裏切った。

 

わかってるんだけど、それでも私は・・・――

 

「なんかもう・・・散々だなぁ・・・――」

 

そして、前を見ると・・・。

 

「おい」

 

(!?)

 

足・・・!?待って・・・いつの間にこんな近くに・・・。

 

「大丈夫か」

 

「う・・・うわあああああああああああ!?」

 

私の今まで以上に突飛な出来事はここから始まった。

 

 

つづく

 

カゲロウプロジェクト 団員No.5モモ(Ⅰ)~完~




恐らく次でオリキャラがでます
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