夜明けの火種達   作:ゲイツ

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『えっ、ペンギン急便一番の凄腕は誰かって?うーんあたしを含めて皆相応に実力はあると思うけど……突出していると言われたら、キールだと思うよ』

                  ――ペンギン急便の実力者についてエクシア


ロドス誕生後
Get Wild(龍門)


 龍門の環状道路にてあーあと数人が乗り込んでいる車の中で男は至極残念そうに溜息を吐く。隣では同僚たるラテラーノ人、エクシアが後方に向かって銃をぶっ放していた。

 

「だー!ゴムじゃ全然効果ないんだけど!」

 

「そりゃ、装甲車なんて物にゴム弾じゃどうしようもないだろうな、というかよく偽装してこの龍門に持ち込めたもんだな、荷物検査は厳しいだろうに」

 

「そんな呑気に言ってる場合じゃないでしょ!キール!手伝ってよ!」

 

「なんでもいいから早く対処してくれ、このままだと追いつかれるぞ」

 

 後方の座席で呑気に追いかけてくる装甲車を見学するキールとそのキールに手伝いを要求するエクシアの二人をインナーミラー越しに見ながら、テキサスは苦い顔をして早く対処するように要望した。

 

「まっ、確かにこのまま追いつかれて荷物奪われたじゃ、ボスにどやされちまうか」

 

 キールは呟いてから、自身が座っている席の下に置いておいたアルミケースを取り出し、開ける。そこに入っていたのはフレアガンと呼ばれる拳銃と二つの特殊な弾を取り出した。その銃はエクシアの興味を引いたのか珍しいものを見るような目を銃に向けていた。

 

「へー、見た事ない銃だね、どんな使い方するの?」

 

「最近出てきだしたミサイルの攪乱に使うのが本来の使用の銃だな、だがこいつはちょいと弄っててな、この特殊な弾を撃つことができるのさ」

 

「へぇ!その弾ってどんな感じの物なのさ」

 

「見てからのお楽しみだ」

 

 そう言ってキールはフレアガンに特殊弾頭を装填して、窓の外の敵を後部座席から確認した後にテキサスの方へと顔を向けた。

 

「テキサス、これからアイツを止めるからそうなったら、最速で走り抜けてくれ」

 

「分かった」

 

 ぶっきらぼうにテキサスが返事をしたことを確認したキールは窓から身を乗り出そうとして、追いかけてくる相手が銃を向けてくるのを目撃した。

 

「やっべやっべやっべ、エクシア身を乗り出すなよ!」

 

「見えてるからだいじょーぶ」

 

 その言葉を聞いてキールがエクシアの方を向けば、何やら笑顔なエクシアがいた。その姿に何かを言おうとした瞬間、相手が射撃を開始した。派手な被弾の音が響く中にいつの間にやら二人は後部座先の隙間に身を移してもしもの事がないようにしていた。

 

「おい、テキサスこの車持つのか?」

 

「一応持つと思うが、特注して頑丈に作ってあるからな」

 

「なら良いんだがな、エクシア攻撃がやんだら牽制してくれよ」

 

「りょーかい、任しといてよ」

 

 そう話しているうちに被弾音が止む、その隙にエクシアとキールが素早く窓から身を乗り出しエクシアが牽制の射撃を行う。

 

「素早い、急げ!」

 

 エクシアが銃を向けたと同時に素早く指示を出し装甲車に乗っている隊長格の男と部下はエクシアが舌を巻くほどの速さで装甲車内へと避難していった。しかし、それはキールにとって予定通りでありフレアガンを装甲車のフロントガラスに照準を定めて、弾を発射する。

 

「来るぞ!備えろ!」

 

 発射された直後、着弾する一瞬で装甲車に乗り込んでいる者達全員がもしもの時の為の姿勢を取り、運転手はブレーキペダルに足を向けたと同時に着弾し、着弾と同時にとりもちのような物がフロントガラスを覆った。

 

「なん、だぁこれは!?」

 

 驚きながらもブレーキペダルを踏み、後ろを巻き込まないように路肩の端に車を停めた。その隙にテキサスは車の速度を一気に上げたことにより、装甲車の者達が車から降りた頃にはキール達が乗った車はもはや見えなくなっていた。

 

「チッ、逃げられたか」

 

「だが奴らの行き先は郊外だ連絡を入れる、お前たちは撤収の準備を」

 

「了解」

 

 そうして、降りた者達がフロントガラスに貼りついた、とりもちらしき物を撤去している間に隊長の男は通信機を取り出た。

 

「こちらリジガー、目標が郊外に向かった、“切り札”の用意を」

 

 

 

 

 ◇────────◇

 

 

 

 

「いや~、撒けたねー」

 

「そうだな」

 

「やれやれ、後は荷物を届けるだけだな」

 

 装甲車を振り切った三人は龍門郊外に到着し、指定された目的の場所へと車を走らせている途上にて一時の平穏な時間を過ごしていた。

 エクシアが持ってきていたスナック菓子の袋を開き食べ始め、テキサスは車を運転しながらカップホルダーに置いていた菓子箱の棒状のチョコレート菓子を一本口に入れ始め、キールは自身の愛銃を弄り始めた。

 

「しっかしさー、あんな物まで持ちだして来たアイツらって一体何者なんだろうね」

 

 ふと、スナック菓子を食べていたエクシアが好奇心がわいたのかそのような疑問を口に出した。

 

「さあな、ローゼンクロイツ財団はここ数年で大企業となった企業の一つ、なら恨みやらライバル視してる連中は大勢いるさ、その大勢の誰かがこの荷物を狙ってきたんだろうさ」

 

 

「だろうな、急成長したローゼンクロイツの技術力や秘匿情報はどの企業にとっても欲する物だ、相応に金をかける価値はある」

 

 二人がそれぞれに推察を出しながら、キールは今回の依頼された荷物を見る。特に何の変哲もないダンボール箱に果たして何が入っているのか、キールも少しばかり興味をひかれていた。

 

 

「ん、キールはその荷物の中身が気になるの?」

 

「まあな、ローゼンクロイツがどんな物を運ばせてるのかってのは興味があるな、お前はどうなんだ」

 

「うーん、特にないかな、それに顧客の荷物を勝手に覗き見るのはうちの信用に関わるしね」

 

「……何だかんだ、職業意識持ってたんだなエクシアは」

 

「えっ、なら今まで無責任な奴って思ってたってこと!?」

 

「いや、そこまでは思ってねぇよ!」

 

 ギャーギャーと後方座席で二人が言いあうのをテキサスはインナーミラー越しに眺めながら菓子を取る、キールと言う男が入って早数年、すっかりと馴染んだなと思いながら。

 その時、ほとんど車が見えない郊外の道路にあって馴染みのないトレーラーがテキサスの目に映った。

 

「……トレーラー?」

 

「んー、どうしたのさテキサス」

 

「いや、後ろから、トレーラーが接近してきているのが気になってな」

 

「トレーラー?なんでまたこんな郊外なんかに、キールちょっと後ろにふり返って見て見てよ」

 

「なんで俺が、自分でやれよな、たく」

 

 ぶつくさと文句を言いつつも、エクシアに頼まれた通りに後ろを振り返って窓越しに見て見れば、確かにトレーラーがそこにいた。

 

「あー、なんか怪しいな?郊外だから実弾はOKだったか」

 

「うーん、そうだねぇ、郊外はあの鼠王の力の及ばない場所ではあるって言われてるけど」

 

「近衛局もここまではカバー出来てはいないが、郊外のスラムには支援のための常駐員が配置されている、派手にやれば目をつけられるかもしれないな」

 

「そんなの、いつものことじゃん!」

 

「一応、準備だけはしておくか」

 

 キールが言って実弾を自信の愛銃たるコンバットマグナムに装填していく。その様子をエクシアは暇潰しの感覚で見ていた。

 

「相変わらずリボルバー使ってるんだねー、オートマにしたら?装填が楽だよ?」

 

「うるせー、俺はリボルバーが好きなんだよ」

 

「ふーん、そういうものなのかな」

 

「拘りと言うものだろう、それよりもトレーラーのハッチが開く警戒しておいた方が良い」

 

「やれやれご苦労なもんだな、トレーラーから何が飛び出してくるやら」

 

 テキサスがハンドルを握り直して、キールとエクシアも準備を終わらせて再びトレーラーの方を見る、トレーラーはハッチを開け終えたようだった。そして開け終えたと同時に勢いよく何かがハッチから飛び出すのがキール達から見えた。

 

「ハッ?マジ?」

 

「おいおいおい、そんなもん持ってたのかよ!?」

 

「これは、予想外だ」

 

 驚きを示した三人の目線の先に映るもの、それは歩行戦車と呼ばれる兵器、その中で最も安価であるステッペンウルフと呼ばれる機体だった。

 

「歩行戦車って、龍門で使っていいもんだっけ??」

 

「いや、バレたら近衛局に即刻拘束の後に極刑食らう程度には重罪だ」

 

「郊外とは言えあんなもん持ち出すか普通、来るぞ!」

 

 キールの警告の叫びに反応したテキサスはインナーミラーでステッペンウルフが手持ちのミッドマシンガンを構えながらジャイロスピナーによる高速機動により三人が乗る車に迫ってきていた。

 

「流石に速いな、このままだとあっという間に追いつかれる」

 

「分かってるって、キール牽制するよ!」

 

「アイアイ、エクシアからやってくれ俺はその後やる」

 

 高速機動中のステッペンウルフにエクシアは素早く窓から身を乗り出し、ステッペンウルフに向けて射撃を開始する、それに反応するようにエクシアの射撃を素早く回避し死角になる方の方角へと機体を付けようとして――キールの射撃がステッペンウルフを襲った。

 

「くっ、よく当ててくる」

 

「へっ、速いだけの相手にゃ慣れてるんだよ」

 

 キールの射撃の当たりどころが良かったのか、ステッペンウルフの勢いが殺され、車がステッペンウルフを引き離しかけた。しかし、それを許す程敵も甘くはなく装備されていたマシンガンを発射した。

 

「チッ、掴まっていろ」

 

 警告を聞いて二人が慌てて車の取っ手を掴む。そして銃の動きから察していたテキサスが撃たれる前に車を荒っぽく動かし、銃撃を回避する、しかし銃撃は一回では終わらず、再び機動しながら銃撃を何回か行いながら車に迫っていった。

 

「何とか被害は軽微か、が。中々引き離せないな、二人とも早く何とかしてくれ、このままだと車が大破して終わりだ」

 

「分かってる!だが相手さん今度ランダムな機動でこっちかをかく乱してやがる、ちぃっとばっかしな」

 

「キールなら何とか出来るよ、射撃の腕ならあたしよりも上だしさ!」

 

「かんたんにいってくれるなぁ」

 

「四の五の言ってないで早くやって見せてくれキール」

 

「ええい、何とでもなるはずか!エクシア援護!」

 

 りょーかいと軽い返答と共に準備を終えていたエクシアが狙われにくいようにランダムで動き回るステッペンウルフを照準器に来るタイミングを捉えて――

 

「アップルパイ!」

 

「なっ、まずい!?」

 

 いつもの掛け声とともにぶっ放した、そしてぶっ放された銃弾は吸い込まれるようにステッペンウルフへと向かっていったが操縦者もそれに気づいたのか慌てて照準器に重なるタイミングのギリギリで機体を横にズラす様に動かした、だが。

 

「ナイス、エクシア」

 

 その一言と共に横にズラす様にやってきたステッペンウルフの脚に一瞬で照準を合わせて、一発の弾丸を発射する。発射された弾丸は吸い込まれるように脚に向かって一直線に向かっていった。

 そして向かっていった弾丸は命中し、ステッペンウルフの脚に静かながらも鈍い音を立て、機体の情報表示モニターに警告の文字が表示された。

 

「なっ、致命打だと!?だが、まだ行ける!」

 

「あと一息ってところか」

 

 脚に一発当たる直後に銃弾を装填し再び脚に照準を合わせる、今度は当たらぬように機体を更に激しく動かすステッペンウルフに惑わさらぬことなく正確に精密に動きを予測することにより軌道を見抜いて、一気に全弾発射した。

 

「――ジャックポット」

 

 その一言共に連射された全ての弾丸が脚の装甲の弱い一点に集約し、ミリ単位の誤差なく撃ち貫かれ、貫かれた脚が機能を停止し、膝から崩れ落ち派手に火花を散らしながら擱座する。

 

「クソ!やられた!!」

 

「よし、テキサス!」

 

「ああ、このまま一気に依頼人の所まで突っ切る」

 

「ゴーゴー!」

 

 ステッペンウルフを故障させた一行は一気に郊外の道路を走り抜け、依頼人が待つ場所へと向かう。それを敵対者は見ていることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 ◇────────◇

 

「くそ!なんなんだアイツらは!歩行戦車をああも撃ち抜けるのか!?」

 

「そう叫ぶな、まだ時間があるとはいえ近衛局に捕捉される、早く離脱するぞ」

 

「分かっている、分かっているさ、だが」

 

「ああ、ペンギン急便、どうやら戦力を増やしていたらしい、しかも特級のな」

 

「まさか、アレが噂に聞く?」

 

「確証がないがな――カオスフレア、もしあそこに所属しているなら戦力評価を改めなきゃならん」

 

 ◇────────◇

 

「ボスー、戻ったよ~」

 

「おう、ご苦労さん」

 

 ペンギン急便の拠点の一つにしてバーとして経営されている店、その場所に配達を完了したエクシアとテキサスが帰還し、ペンギン急便の社長たる人物、エンペラーが迎え入れた。

 

「しかし、まさか歩行戦車と戦う羽目になるとはな、おかげで少し疲れたな」

 

「今日の仕事はいつもより大変に感じたよね、ボスー、今日は他に仕事あるの?」

 

「ああん?今日はもうねぇな、残ってた奴はランサム達が片したしな」

 

 そう言うとエンペラーはカウンターの隅でパソコンを弄るランサムの方に目を向ける。その目線に気づいたのかパソコンを弄るのを一旦やめてエンペラーの方に顔を上げた。

 

「何か社長?」

 

「いや、なんでもねえよ」

 

「そうか、ならいい」

 

 最低限の返答をしてから再びパソコンに顔を向けて、弄るのを再開する。それに対しエンペラーはため息を吐いてエクシア達の方に向かい直した。

 

「たく、相も変わらず陰気な奴だぜ、仕事はしっかりこなすんだがな、しかもいると楽だ」

 

「ああ、ランサムがいると配達が幾分か楽になる、あの時キールと一緒に雇ったボスの選択は間違いではなかったろう」

 

「だろ?あの時ビビっと来た俺の直感は間違ってなかったわけだ」

 

 そうしてエンペラーは思い出す、キールとランサムと出会い、直感でバイトを任せた結果の騒動とそれを解決した彼等の実力から、ペン急に雇用した時のことを。色々大変だったが今すぎて見ればいい思い出だなとエンペラーは思って――

 

「いや、アレはクソだったな、全力でクソだった」

 

「いきなりどうしたのさボス」

 

「キールとランサムを雇用した時のことを思い出してたんだよ、あの時本当に死ぬ思いしたんだぞマジで」

 

「アレは社長の因縁の集束の結果だ、こちらのせいではないだろう」

 

「俺のせいかよ!」

 

 さらりと入ってきたランサムの言に激しくエンペラーは反応し、それからランサムに対し色々と言いだすがランサムはそれらの言葉をスルーして再びパソコンを弄りまわした。それからしばらくして言いたいことは言い終えたのか、エンペラーも不満気に口を閉じた。

 そのような中でバーの扉が開く気配にエクシアが反応して見ればキールがバーに入ってきた。

 

「あっ、キールようやく戻ってきたんだ」

 

「ああ、野暮用が終わってな、それでボスが不機嫌そうだが何かあったのか?」

 

「いつもの言い合い」

 

「言い合い、どちらかと言うとボスが一方的に言ってスルーされてるってのが正しいと思うがね」

 

 そう言ってキールもバーのカウンター席に陣取った、そこにエンペラーがやってくる。

 

「たく、アイツは相変わらず……んで何にするんだ?」

 

「適当な奴を、あとランサム銃弾を頼む」

 

「ついでにあたしのもお願い~」

 

 エンペラーがバーに注文されて酒を取る間に銃弾の補充をキールが頼み、それに乗っかる形でエクシアもランサムに対して自身の銃弾を注文する。

 それに対しランサムは無言のまま砂をカウンターに置き何かを弄るような動作をすると、一瞬のうちに砂が頼んだ二人に対応する銃弾に書き換えられていた。

 

「……相変わらず不思議なアーツ?だなそれ、一体どんな手段使えば砂を銃弾なんぞに出来るんだ」

 

「現実を書き換えてるんだとさ、詳しい話は俺にも分らん」

 

「あたしとしては弾代が浮いてくれるから助かるんだけどね、けれど本当に不思議だねそのアーツ、そう言うことできるのってこのテラでも、ほとんどいないだろうし」

 

「こいつはこの世界にはない物だ、この世界で担い手がいないのも道理だろう、自分達と同じ奴らがいるなら別だがな」

 

 パソコンを弄りながらぶっきらぼうにランサムは呟いた、その事にエクシアとエンペラーは珍しいものを見るような目をしながらランサムの方を向き、キールは弾を回収してからいつの間にか持っていたテレビのリモコンを使ってテレビをつけた。

 

「あっ、テメいつの間に」

 

「さっき見つけてな、別にボスはあんまり見ないから構わないだろ?」

 

「今日は俺様がプロデュースしてた奴がライブ番組に出るんだよ、その姿を見てやろうと思ってな」

 

「だが、その番組は7時からだったなそれまではこっちで使わせて良いだろ」

 

「しょうがねえな、時間になったら変えろよ」

 

「了解」

 

 そうしてキールがチャンネルを選ぶ、次々と色々な番組が映し出されて変わっていき、最終的に選ばれたのはニュース番組だった。

 

「なんだよお前、面白みがねえ番組選びやがったなあ」

 

「いいんだよ、ニュースさえ見てれば最低限ボケることはないからな」

 

「キールでもボケは気にするんだね、意外な感じがする」

 

 エクシアの一言に心外そうな顔をしながら、エンペラーが持ってきた酒をグラスに注ぎ流されているニュースを肴にしながら飲んでゆく。

 

――本日、ローゼンクロイツ財団が新薬開発が成功したと発表されました、詳細は後日改めて発表されるとのことです

 

――ボリバル統一政府が公共事業の為の大規模な補正予算が成立されました、これにより以前から着手されていた大規模なインフラ整備がさらに加速されると思われます。さらにこの予算には感染者関連の政策に対する予算も含まれているとのことです。

 

――ネフィリム社をスポンサーとして当社の警備部門とカジミエーシュ当局共同で行っている郊外地域及び辺境地区の巡回が今年も開始される運びとなりました、これに対し各騎士団も協力を申し出ているようです。

 

――移動都市イリアスで行われている感染者迫害政策に対して、感染者達からの抗議が相次いでおり感染者団体も抗議文を発するなど今後の動きが注目されます

 

「ふむ、中々興味深い話題が多いな、こうやってニュースを眺めているのも趣がある」

 

「よくまぁ、ニュース番組なんかを楽しめるな、俺にはその感性がさっぱりだぜ」

 

「まぁ、そこは人それぞれということだ」

 

「そうそう、楽しみは人それぞれってね」

 

 ニュースを見ながら仲間達と他愛のない会話をしながら酒を飲む、そのように楽しい時間が過ぎていくがニュース番組が速報を流す。

 

――速報をお伝えいたします、只今近衛局の発表によりますと、龍門郊外において歩行戦車が使用され戦闘が発生していたとの発表がありました。

 

 瞬間、キール、エクシア、テキサスの三人の顔が引き攣った。

 

「……おいおい、終業後の面倒事は勘弁だぞ?」

 

 エンペラーが三人の表情を見て察した直後、バーの扉が開きバーにいる全員が扉を開いて入ってきた人物に目を合わせた。

 

「失礼します、ペンギン急便の皆さん」

 

 入ってきた人物はホシグマ、龍門近衛局特別督察隊のエリート兵士であり、チェンの実質的右腕と言っても過言ではない人物だ。

 

「あー、ホシグマさん?一体どんなご用事で?」

 

「ええ、今回の歩行戦車との戦闘の件で事情聴取についてご協力をお願いしたいのです、貴方方が怪しい装甲車との戦闘が目撃されていますので、それ関連ではないかと隊長は思われていますので」

 

 その言葉を聞いた瞬間、三人は苦い表情を作り出し、エンペラーはワインを取り出し知らんぷりを決め込むのであった。




NAME:「キール・バーニック」
〇クラス:執行者 ミーム:デイブレイカー ブランチ:スイーパー
経歴:TOKYOパンデモニウム、降魔都市シンジュクにてデスズハウンドの常連たる凄腕の傭兵。オリジンへの界渡りだが本人は変わらず活動していた
   カオスフレアとしては界渡りする前に覚醒、それでも変わらずに仕事を受けて活動していた。
    金さえもらえれば善悪問わず仕事を行い、相応の金さえもらえればダスクフレア殺しすら請け負う。

    テラでは龍門に転移し暫く放浪していたもののとある騒動でペンギン急便の社長、エンペラーにアルバイトとして雇用され解決と共にとして正式雇用された。
    採用されてからもこのテラと言う大地にていつもと変わらずに仕事に精を出している。



NAME:「ランサム」
〇クラス:星読み ミーム:パンデモニウム ブランチ:リアリティハッカー
経歴:TOKYOパンデモニウムにてストリートで暮らしていた反体制派。自由に生きることを弾圧されることが気に入らないが故に圧政に立ち向かっていた。
   カオスフレアとして覚醒したのは反体制派としての活動中、アーミーに瀕死の重傷を負わせらた際に覚醒、カオスフレアになったことにより更に自在に情報を操れるようになったため、体制側の脅威へと成り上がっていた。

   テラに転移してすぐに自身の活動場所をリアリティハックによって確保し、情報を集めていたものの、とある騒動に巻き込まれ、ペンギン急便のバイトとなり騒動解決後、ペンギン急便に正式雇用された。
   雇用後はそのリアリティハッキングを生かして仕事をこなしペンギン急便に利益をもたらしている。



〇TIPS

「ローゼンクロイツ財団」
 クルビアに存在する大企業であり、主に工業、医療、通信、製造、軍事に進出しているコングロマリット。
 起業から数年で一気に大企業へとのし上がった企業であり、その資本、資金、技術力はクルビア企業の中でも屈指のものであり、各企業とも積極的に提携を行っている。
 その圧倒的な企業力からクルビアでも有数の地位を築いているものの、その急成長に疑問を持つ者も多く、他企業から積極的に探られている模様。
 会長の意向により感染者及び差別者への救済が掲げられており、ロドス製薬に対し提携と多額の出資を行っている。
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