ゲッターロボ・王魔‹O-MA› ―獣の咆哮―   作:ヒモトラマンロープ・ダーク

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 アーク見てたら書きたくなったんだ。

 無関係な原作同士のクロスオーバー無しのオリジナルストーリーのゲッターです。

 げ、ゲッター線が足りない…!
 


怪獣大戦役

 暗雲…。

 

 稲妻と雷光を孕む曇天はまだ昼下りのはずの地上を夜のように暗がりで包み、激しく打ちつける雨で地面を濡らす…。

 

 

 

 この地は京都と呼ばれていたが、寺が並ぶ美しい景観など見る影もなく瓦礫とスーパーロボットたちの骸があちこちに積み上がっている。火の手と煙が叩きつけるような豪雨などものともせず、立ち昇り…この世の理から外れた巨大な獣たちの醜い雄叫びがあちこちから木霊してどれ程経ったか。

 

 

 …人々は項垂れ、迫りくる異形の腹におさまるのを待つばかり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲッタァァァビィーーーーム!!!!」

 

 

 

 

 ―― ドオオッ!!!

 

 

 

 

 

否ッ まだ足掻く者たちが縋る希望の閃光が暗闇の空を埋める異形の群れを斬り裂いた…! 

 

 自らが逆に蹂躪されるとは夢にも思わなかった獣たちの断末魔を置き去りにして、人類最後の希望となった赤き悪魔の翼『真ゲッター』が虚空を稲妻の如く飛翔する。小さい…されど、強く決して耐えぬ希望の火。生き残った撃墜されたスーパーロボットのパイロット… モニター越しで見る軍の指揮官やオペレーター… 逃げ遅れた人々が見上げる。

 

 

 ――まだ、絶望に負けたわけじゃない。

 

 

 手を握り、力の限り叫ぶ…ゲッター! ゲッター! ゲッター!! 負けるな! 勝利を、未来を掴めと人間たちは叫ぶ!

 

 

 

 

「ゲッタァァァ トマホォォーク!!!」

 

 

 真ゲッターも声に応えるように光の戦斧を振り回す。手に取ったゲッタートマホークは最初こそ等身大だったが、数秒後には山すら切り裂ける大きさになり、数キロに渡る化け物の津波を蒸発させた…。今度は悲鳴すら許さない。

 人々は打って変わって歓声をあげはじめる…!

 

 

 ――圧倒的だ…

 

 

 覆る戦局…

 

 

 

    ………かに思えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『グオオオオッ!!!』

 

 

 

 突如、バリバリと大地を粉砕して隆起する今までとは比べ物にならないほどの巨大な影。大蛇とドラゴンを足して割ったようなおぞましい巨体にズラリと牙が並ぶ口なら真ゲッターすら一呑みに出来そうな怪物が立ちはだかった…恐らく、この戦いでも元凶でもあるのだろう。その存在が影を落とすだけで、人々から先の活気は吹き消されていく……

 

 ……それでも、真ゲッターは止まらない。

 

 

「ダブルトマホーク!!」

 

 

 両手に戦斧を持ち、地面から生えてくる軟体動物のような触手を切り払いながら、一気に距離を詰める。一方の敵も口の中にエネルギーを溜め…さながら、ブラックホールのような球体を精製して迎え打たんとする。

 

 

 

「うおォォォォォォォォォォォォォ!!!!」

 

『グルァァァァァァァァ!!!!』

 

 

 激突しようとする両者…。しかし、彼等は気がつかなかった。

 

 自分たちの頭上に、破滅を告げる光が尾を引いていたことを…

 

 

 

 

 

 【――――新型ミサイル『アルテミスの矢』、着弾します。】

 

 

 

 

 何処かでオペレーターが呟くと、全てを融かす輝きが…街も、真ゲッターも、異形も、何もかもを呑み込んでいき…

 

 そして、全てが終わった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 20XX年、人類は早乙女研究所にて発見された未知なる宇宙線ゲッター線に新エネルギー源てして未来を感じた。しかし、時を同じくして、有史以来の生物を遥かに凌駕する巨体と生命力を持ち、人間を好んで喰らう巨大生命体『怪獣』が現れた。

 

 ゲッター線研究者の三柱のひとりである『早乙女博士』は開発中の宇宙開発用作業ロボットである通称・ゲッターロボを戦闘用に改造し応戦。また人類もスーパーロボット産業連合S.R.I.U.のバックアップの元で国連軍を組織した…

 

 俗に言う『怪獣大戦役』の幕開けである。

 

 

 

 

 そして、長きに渡る戦いの末に人類は勝利を掴む。

 

 

 

 

 ―――数多の民と居住圏に…人類最後の切り札 真ゲッターと

 

 

 ――――最後の日に真ゲッターロボに乗っていた3人の男たちの命と引き換えに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …それから、3年の月日が流れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本・首都 東京… 幾度となく、怪獣たちとの戦いの舞台となったこの場所も、怪獣大戦役を経て復興を遂げていた。破壊された高層ビル群も復元し、滅茶苦茶になった線路も敷き直されて今では最新鋭の新幹線が走っている。ついに戻った平和な日常を人々は昔と変わらず忙しなく過ごして…

 

 

 

「ヒャッハーー!! 金だろ、カネカネ!!」

 

 

 否、平和は簡単に蹴り壊された。

 

 現代のご時世に何を思ったのか、モヒカンに革ジャンの世紀末集団が銃火器を持って突撃してくるではないか。人々は逃げ惑い、そんな無防備な背中に鉛玉の嵐が飛び交って悲鳴があがる。混沌とする空気の中、モヒカンのひとりは銀行員に銃口を突きつけ…他のメンバーは取り残された客たちを跪かせ人質にとる。

 

 

「金庫は何処だぁ?」

 

「あ、あっちです…! い、今カギを…!」

 

「おおっと、心配は要らないぜぇ。自分でこじ開けるからな!」

 

 

 

 金庫の場所を聞き出すや否や、天井を突き破りガラガラと崩れ開く貴方にもからニュウっと伸びるロボットの腕。強引に壁から巨大な金庫を引き抜きいた…。元気はクレジットや電子マネーの時代に無くても、貴金属といった物質的な財産も扱うためスーパーロボットでも無ければ軽々と扱うなど不可能なはず。

 

 そう、例えば…

 

 

 

「ひゃーははははははは!! 流石、ゲッター様々だぜぇ!」

 

 

 

 『ゲッターロボ』ともなれば、いとも簡単である。

 

 

 銀行を半壊させ、金庫を担いでいるのはゲッター1…まだ宇宙開発用の作業ロボットに過ぎなかった機体を強引に戦闘用に改造したもの。後発のゲッターロボに比べればかなりシンプルなデザインが印象的…なのだが、このモヒカン強盗が乗るゲッター1は何を思ったのか、ダークグリーンとグレーに塗装されて顔には白く骸骨の化粧をされているという見る人が見たらブチキレそうなあまりにもカッコ良いとは言い難い外見…その上に、痛車さながらのセクシーな女性のイラストがあちこちに見受けられる。

 

 元より旧い機体であれど、ペイントした人間は何を思ったのか小一時間は問い質してやりたいところだが… 

 

 

「ははっ、金庫は頂いてくぜ! ゲッターウィング!!」

 

 

 何せ今はそれどころではない。マントより黒いボロキレといったほうがマシのゲッターウィングがバタバタとなびき、それに隠れるように備えられた背部ブースターが火を灯す…目的の物は手に入れたので逃げるつもりなのだろう。 …だが

 

 

「翔べ、ゲッター…! ………あれ、飛ばねぇ?」

 

「兄貴、出力が上がらねぇ! これじゃ推力不足だ!」

 

「やっぱ、こんなオンボロじゃなくてステルバーとかのほうが良かったんだ! 兄貴が金をケチらなければ…!!」

 

 

 どうやら、このゲッターロボ…かなりの年季が入ったものらしい上に間に合わせの改造でろくに動かせない有様。ゲッター1を操るリーダーのモヒカンへ下っ端モヒカンたちの文句が飛んでくるが、『うるせぇ! 節約したかったんだよ!!』と逆ギレ…

 

 チームワークもヘッタクレも無いようでは3人乗りのゲッターロボなどまともに動かせるわけもなく、初動こそ手早く金庫を確保したとしても、まあチンタラしていれば…あっという間にパトカーを駆る警官たちや機動隊員たちが駆けつけてきて集結、囲まれてしまう。そして、ひとりの機動隊員がメガホンを持ち、強盗たちへ呼びかけた…

 

 

「銀行強盗ども、大人しく投降しなさい! 君達は包囲されている!! 逃げ場はないぞ!」

 

「うるせぇ! 無いなら作ってやるまでだ、ゲッタートマホーク!!」

 

 

 しかし、腐ってもゲッターロボ。肩のホルダーからゲッタートマホークを取り出して機動隊目掛け振り下ろし、隊員は辛うじて避けるも車両はペシャンコ…文字通り切り拓いた道を悠々と金庫を担いだゲッター1が走っていく…。機動隊や警官も『撃て!撃て!』と拳銃を発砲するも、ゲッターの装甲の前では豆鉄砲も同じでカンカンと景気よく虚しい音とモヒカンの高笑いが響くのみ。

 

 

「ヒャッホーイ!! ゲッターを止めたきゃ、ゲッタードラゴンでも連れてくるんだなぁ!! ギャハハハハハハ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――テメェらみたいなバチあたりには、これで充分だ。

 

 

 

 

 

「あん?」

 

 

 

 その時、ゲッター1の前にバイクが飛び出し、弧を描いて急停止…ヘルメットを被るライダーはそのまま背中のロケットランチャーを構え、正確にゲッター1の顔面目掛けて弾頭をたたきこむ。ボシュッと放たれた弾丸は寸分たがわず眉間に直撃し、『『『グエッ!?』』』という悲鳴をあげながらゲッター1は音を立てて情けなく転倒する。

 その拍子にセンサー類が逝ったのか映像がブツリと消えコックピットは暗闇に包まれた。

 

 

「ま、まじかよ。メインカメラがイカれちまったのか? ええいくそ、ハッチを開け……ひっ!?」

 

 

 やむなく、コックピットのハッチを開けると…男が立っていた。

 

 狼のように凶暴そうで、悪魔もかくやという裂けるような笑みを浮かべる顔がこちらを見据える。ひっさげるロケットランチャーからして、コイツがゲッターを止めた奴だろう。

 

 

「ベロベロばぁ…!」

 

「な、なんだお前…!?」

 

「冨士原特務警備だ。テメェらみたいなスーパーロボットを使って悪さするバカどもをシバき倒してやるのが仕事なんでな…恨むなよ!」

 

 

 男はそのまま、モヒカンの顔面に蹴りを叩きこむと気絶させ…コックピットのキーボードを操作して他のゲットマシンのハッチを強制的に開けさせる。『『あれっ』』と他のモヒカンがポカンとするのも束の間、確保ォ!!と一気に警官隊や機動隊が雪崩込み一気に強盗モヒカンたちをあっという間に拘束…そして、男もまた警官たちに取り押さえられてしまう。

 

 

「おぉい、待て!? なんで俺まで!? 俺は、冨士原特務警備だって言ってんだろがぁ! 社長に問い合わせてくれ、『津上 覚馬』って言えばわかるからよ、おい!」

 

 

 男は叫び続けるも虚しく連行されていく…

 

 そんな様子をまるで溜息をつくように倒れたゲッターロボが顔を向けていた……一番、やれやれと悪態をつきたいのは彼であろう。一番、振り回された上に顔面にロケットランチャーを受けたのは彼だけなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ★ ★ ★ ★ ★

 

 

 

 

 

 

 

 

 太平洋 日本近海上空……

 

 

 分厚い雲のカーペットを巻き上げ、弾丸のように進む巨大な影。ジェット機もかくやというスピードで真っ直ぐに日本を目指すその姿が一瞬だけ、雲の合間から垣間見える…

 

 

『シャァァァ…!!』

 

 

 おぞましい獣の眼 血に飢えた牙

 

 

 回り始めた時計の針、厄災をもたらす凶鳥が運命のはじまりを告げようとしていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 この時間軸では、竜馬と隼人と武蔵は真ゲッターと共に行方不明に。

 敵対勢力は怪獣。人だろうがなんだろうが生き物ならなんでも食べる上に凶暴でデカいヤベー奴らって認識でオッケー。スーパーロボットやゲッターでなくては対処が難しく、場合によっては数にものをいわせたりする上に種類も多種多様。でも、知能は一般インベーダーレベルなケモノ畜生。世界的に大発生して人類と戦争になった期間を怪獣大戦役と呼ぶ。

 原作・公式の敵勢力は存在しない。



 
 
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