ーキングクロス駅ー
「(人多すぎだろ...)」
イギリスのとある駅。英国人が大勢集まって人混みを形成している中で日本人である俺は多少のアウェー感に苛まれながらあまりの人の多さにうんざりしていた。
俺は比企谷八幡、日本人の魔法使いだ。
何故、日本人である俺がイギリスの駅に来ているかと言うと、その要因は俺の両親にあった。俺の両親が日本で唯一の魔法学校である『マホウトコロ』で在学中にはっちゃけすぎたようで何故かその息子である俺が入学お断りと言う、何ともはた迷惑な理由であった。
そしたら母親が「イギリスのホグワーツっていう魔法学校に知り合いがいるからそっちにしなさい」とか言い出したのである。
確かに、昔から鼻の高い人が家に遊びに来るなあとは思っていたが、まさか俺の方からそっち側に行くとは考えてもみなかったから、当然英語なんてほとんどしゃべれない。
まぁもともと喋る事が少ないし、言語の壁なんてないようなものだが...
取り合えず両親がいつの間にかそろえていた荷物を持たされ、流れるように『姿現し』でイギリスまで連れられてきた俺はそうそうと日本へ帰ってしまった両親を恨みつつ、どうしたら切符に書いてあるプラットホームにたどり着けるのか頭を悩ませていた。
【9と4/3番線】と書かれた切符と番線の番号が書かれた看板を交互に見ていると、英語であるが多少聞きなれた単語が聞こえてきた。
「あぁ、もう。毎年ここはマグルが多いわねぇ。ささ、早く行きましょう」
「(マグル...確か非魔法族を指す単語だったような)」
恐らく魔法族であろう赤髪の一家を発見した俺は、声を掛けるでもなく無言でその後をついて行った。
すると、双子であろう青年たちが次々とプラットホームにある柱を貫通していったのだ。おそらく非魔法族感知不可魔法がかけられているのであろう、周りに居る非魔法族は見向きもしない。
その後、俺と同じく新入生であろう少年2人が柱に向かってカートを走らせた後。赤髪の親子がその場を去ったのを見計らって先ほど見た光景を見習って柱へとカートを走らせた。
迫る壁に少しビビりながら走りぬけた俺は、目を開けた。すると、そこには時代遅れな汽車が止まっていた。
先程の非魔法族の人混みと同じくらいの魔法族の人混みに辟易しながら、早々に汽車へと乗り込んだ。
汽車の中はコンパートメントがたくさんあり、そのすべてが相席となっておりなるべく会話、と言うかコミュニケーションをとりたくない俺は何とか誰もいないコンパートメントを見つけ、我先にと入った。
「(あぶねーこれでどこも開いてなかったら廊下で鞄に座る羽目になってたな...ってそんなことより誰も入ってこないように呪文かけとかないと。)」
なんとしてでも1人の空間を独占したい俺はつい先日新しく購入した自分の相棒を取り出し、家で勉強した呪文を唱えた。
「閉じよ扉、汝の秘密明かすことなかれ。」
俺がそう唱えると、ただでさえ鍵のかかっている扉に無数の錠前がかかった。その錠前は扉の開閉部分を上から下まで隙間なく埋め尽くしていた。
「これで誰も入ろうなんて思わないだろ」
そう、普通の人間ならこんなにも錠前のある扉を開けようなどとは思わないだろう。それが余程頑固な者でない限りは...
――――――――――
その後、汽車が出発し30分が経とうとしていた。八幡は早々にホグワーツの制服に着替え、家から持ってきた愛読書を読んでいた。
イギリスの広大な草原を窓辺に眺めながらする読書は八幡が思っていたものよりもなかなか良いもので、八幡は孤独な空間に気分を良くしていた。
...まぁそれはある少女によって破壊されるのだが。
ゴンゴンゴン!
突如部屋に鳴り響いた激しいノック音に八幡は肩を揺らした。八幡が音の元凶である扉の方を恐る恐る見ると、くせ毛を腰まで伸ばした頑固そうな少女と目が合った。
少女は口を開けて!(open!)と動かしており、八幡は無視をしようかと思ったが少女の引かなそうな様子に諦め、渋々呪文を解除し扉を開けた。
「解、汝の秘密を明かせ...」
「あなた!魔法を使うのね!私、教科書はすべて読んだけどこんな魔法知らないわ!」
八幡は早次に聞こえてくる英語を何とか知っている単語だけを聞き取り、相手に返す英語を絞り出した。
「あー、俺は、日本人だ、英語苦手、これは、日本の魔法」
「!!あなた日本人なのね!日本の魔法興味があるわ!」
「(いんたれすと?興味?)あー、日本語だから、難しい、と思う。」
「勉強すれば理解できるようになるわよ!あっ、そういえばあなたトレバーを見てない?トレバー、カエル、よ!」
「(カエル?入学案内に書いてあった、ペットのカエルか?)見てない、探してるのか?」
「えぇ!一緒のコンパートメントに乗っていたネビルのペットなの!それが逃げちゃったみたいだから、探すのを手伝ってあげてるのよ!」
「(なんて言ってるか早口すぎてわからんかったけど、とりあえずイエスって聞こえたから探せばいいのか)」
少女の返答を掻い摘んで理解した八幡はおもむろに杖を構え、呪文を唱えた。その様子に少女は日本の魔法を見れることに知的好奇心が刺激されている様子だった。
「我求む、影潜む物。その名はトレバー、我の目前に現れよ。」
八幡が呪文を唱えると、中を漂う様にカエルが飛んできた。
「凄いわ!こんなすごい魔法1年生の授業じゃ絶対出来るようになれないわ!」
「もういいか?、カエル、見つかった」
興奮する少女を横目に、なれない言語を扱いながら会話をする疲労感に襲われる八幡は眉を下げながら言った。
「そうね!読書の邪魔してごめんなさい。私はハーマイオニー・グレンジャー。貴方は?」
「俺は八幡比企谷。」
英語風に名乗った八幡は、やっと嵐が過ぎ去るというような気持で読書の続きをしようと目線を本へと戻した。
「それじゃあハチマン!また学校で、同じ寮だといいわね!」
「...」
カエルを抱えながら走り去っていくグレンジャー何某を見送りながら、八幡は再び扉に鍵をかけるのであった。それも先程よりも厳重に...
――――――――――
オリジナル魔法(適当)
日本だと割といい家の産まれの八幡君。小さいころから父親の書籍で魔法書を読み漁って、魔法使えるようになったらしい。
オリジナル魔法は文節が分かれるごとに難易度上がってく的なイメージ。
「閉じよ扉、汝の秘密明かすことなかれ」は2文節?(文節も曖昧で草)だから割と初級。
「我求む、影潜む物。その名はトレバー、我の目前に現れよ。」は4文節?だから中級くらい。この魔法は「我求む、影潜む物」が元で、その後に詳しい説明を加えてる感じ。
難しい奴だと10文節とかいくかも(もうよく分かんなくて草)