都会的な街並みから外れ、自宅の近所までやって来た。
スラム街とまでは言わないが少しダーティーな雰囲気もある街だ。スプレー缶等で落書きをされた壁、所狭しと並ぶ屋台。賑わう人々
「とりあえず何か買っていくか……」
空腹を満たす為に辺りを見渡す、そこまでガッツリと食べれる気はしないが、適度に腹を満たせるものは欲しい。
「ホット・ドッグか……」
たまたま視界の隅に入った。特別好物と言う訳では無いが、手軽に食べれて丁度いいと思った。
「1つください この紙幣は大丈夫かな?」
「ああ……構いませんよ どうぞ」
「ありがとう」
コロニーでの勤務の時は知らずに、通貨を間違えたこともあった。地球であっても聞く癖が、ついてしまっている。
「後はデザートが欲しいのだが……」
ホット・ドッグを頬張りながら、歩いていると記憶に新しい人物が瞳に映った。
「ギギ……?」
まただ。あのブロンドの少女に反応してしまう。僕はどうしてしまったんだろう。
彼女知っている訳は無いのに。
「あっ 待ってくれ!」
彼女を追い掛けよう そう思った途端、激しい銃声が鳴り響いた。
叫び声や悲鳴が聞こえる。普段の日常の風景が一瞬のうちに地獄と変化する。
「とりあえず今は逃げなきゃ……!」
手に持っていたホット・ドッグのことも忘れ、一目散に走る。とりあえず自宅に戻るしかない。あの辺りなら安全……だと思う。
「そこのお前 居住許可証!」
「これで構わないか?」
「……早く行け」
できるだけ目を合わせないようにして、その場を去った。
噂には聞いていたが、間近で見たのは初めてだった。
「まるで軍隊の真似事だ……」
最近は連邦軍の、払い下げのMSさえ使用している。
ハンターに捕まれば、強制送還され、二度目は遠島刑と呼ばれる辺境のコロニー送りにされるらしい。詳しいことは分からないが、ハンターのやり方は異常だ。きっと普通に送還されるとは思わない。
「連中こそ、掃除しなければならない相手……だな」
僕自身が送還されることはない。だが現実を目の当たりにして、いい気はしない。
「現実は単純じゃない……」
僕に力があれば……なんて思ったが、何もできることはないんだ。自分に言い聞かせるしかなかった。
「はぁ……食欲なんか無くなってしまったな……」
爆音と銃声、そして悲鳴が混ざり合った不協和音が徐々に消えていった。静寂に包まれつつある街を背に、重い足を引きずり帰り道を辿っていく。
見ただけなのに……暴力は後味が悪いな……
こんな調子で続きます。
多分