アタイは木乃舞椛
2年前、SBが主催する
格闘技の大会にM M Aルール
で出場した
相手はSBの選手で
女子世界アトム級チャンピオン
高岡 美希
とても勢いがあって
人気のある選手だった
だけど彼女にとって
初めての総合の試合
試合は5分3R
1R目は様子を見ながら
の攻防だった
案の定、高岡美希は
打撃で勝負に出ていた
アタイは彼女の打撃をさばき
ながら寝技にもちこみ体力を
奪っていった…
2R目はアタイは勝負に出た
ロープ際まで引き込み
三角絞めを極めた時…
気づけばアタイはリング下で
左足の激痛にもがいていた…
試合はノーコンテスト
後味の悪い終わり方だった…
アタイはすぐに救急車に運ばれ
左足の手術を行った
復帰は難しいと医師から
言われてアタイは途方に暮れた…
多分攻防の際にバランスを崩し
リング下に落ちたんだと思う
その時、高岡美希は
各団体やマスコミに叩かれていた
〜SB高岡美希 木乃舞椛を
リング下に突き落とす‼︎〜
アタイは格闘技雑誌を見て
呆然とした…
「なにコレ…間違ってる…」
アタイは各団体やマスコミに
この記事は間違ってると伝えたけど
この話題が拡散するまで
時間はかからなかった…
高岡美希は自らの責任をとり
ベルトを返上しSB界から
姿を消した…
そして2年が経った
アタイは故郷に戻り
リハビリをしながら
コンビニでアルバイトを
している
たまに高校でお世話になった
柔道の道場で汗をかいている
まだ…引退はしていない…
また試合がしたいから…
「ありがとうございました〜
また宜しくで〜すっ」
「木乃舞さんっもっと
笑顔で爽やかにお願いします!」
「だったらもっと時給上げて
くださいな!ってことで時間なんで
あがりま〜す!」
ハゲ店長を1人店に残し
アタイは速やかに退散した
帰り際、祭囃子が聞こえてきた
「あっ今日から祭りだったねぇ」
アタイは久しぶりに地元の祭り
を見に行った
すると大きい小屋から
賑やかな声が聞こえて
アタイはその小屋に近づくと
大きい看板に
見世物プロレス
「ヘェ〜面白そう!アタイも見てこよ
エヘヘ…」
中に入ると歓声と笑い声が
響き渡っていた
リングは手作りでいびつだけど
4人のミゼットレスラー達は
思いきりファイトしていた
1人女子のミゼット選手がいた
日本人形のような髪型で
ボロボロの着物のような
コスチュームを着て
ラフファイトをしている
他の3人のミゼットレスラー達は
怪獣のような着ぐるみを着ていた
「何かいいなぁ…めちゃくちゃ
だけどアハハ」
すると選手のプロフが載ってる
紙をもらった
「アハハ面白い名前!」
女子ミゼットレスラー
阿修羅姫
必殺技 上からグシャ（ブルドッキングヘッドロック）
凶獣 ガバラ
必殺技 プラッシーのように(噛みつき)
触手怪獣 ムチドン
必殺技 お仕置き(両手のムチで叩きまくる)
岩石獣 ヘッドバーン
必殺技 誰かの手を借りてのダイビングヘッド
レフェリー
本谷 一志
見世物プロレスの親方
「オイ！ガバラ！反則だぞー！
1・2・3…！」
阿修羅姫がハリセンを手にして
レフェリーの本谷のケツを
ぶっ叩く！
そしてムチドンがヘッドバーン
を担ぎ本谷の顔面目掛けて
ヘッドバーンの石頭を炸裂
させた！
鼻血を出しもんどり打って
倒れた本谷…
その時突然、叫びながら
180㎝くらいの黒人女子レスラー
が乱入してきた…‼︎
椛はあまりのデカさに
空いた口がふさがらない
黒人女子レスラー
ザ・グレートリッパー
180㎝ 97kg
ＷWPA世界ヘビー級チャンピオン
「オーマエラ、ザーケンナヨ‼︎
コレイジョープロレスヲオチョクンナヨ
コーノターコスケドモ‼︎」
トチ狂ったグレートリッパーは
ミゼットレスラー達に襲いかかった！
「プロレスヲオーシエテアゲマース‼︎」
すると、あの巨体のグレートリッパーが
思いきり倒れた…
なんと椛が後ろから片足タックルで
倒したのだ
「早くリング下に逃げて！
君達じゃ敵わない」
「オマエ！ダーレヨ⁉︎」
「その辺のコンビニ店員だよ」
椛は素早く足を首に巻き付け
三角絞めを極めた！
その光景を見た本谷は
「あの娘はまさか…
グラップリングの女王 木乃舞椛」
隣にいた阿修羅は
「木乃舞椛？」
「あぁそうだ、あのブラジリアン柔術
の選手でさえ彼女とやりたがらないくらい
だ…」
するとグレートリッパーは
椛の三角絞めで絞め落とされた！
椛は左足を心配しながら
「うんっ大丈夫、いける！」
会場内は歓声と拍手に
包み込まれた
木乃舞椛、新たな格闘ロードが始まる！
」