出オチ丸奇烈伝   作:チャクラコントロールに全振りでござる

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帰里~田の国へ

半日振りの木の葉の里でござる。

 

日付が変わり、そろそろお月様に抱かれて草木も眠る時間に突入でござる。

 

静寂に包まれた夜の木の葉も、これはこれで良いモノでござるな。

 

捕虜の提出先はイビキ殿でござるが、彼は日勤でござる故に今はおやすみでござろう。

 

代わりに夜勤の班員に提出でござるよ……あれ? 何故かイビキ殿とイノイチ殿がまだいるでござる。

 

「お疲れ様、どうせ日帰りだろうから待っていたんだ」

 

「おぉ……ではお願いするでござるよ」

 

彼らからの信頼と真面目な仕事っぷりがありがたいでござるなぁ……。

 

「確かに受け取った。朝までには終わる、今日は帰って体を休めろ」

 

「お心遣い痛み入るでござる、イビキ殿やイノイチ殿も無理せずに頑張って欲しいでござるよ」

 

凄く癒されるやり取りでござるなぁ……尋問部隊は最高でござる!

 

さて、捕虜はイビキ殿達に任せて拙者はイタチ隊長に事の顛末を報告しないとでござる。

 

◇ ◆ ◇

 

朝日を浴びると一日を生き抜く活力が湧いてくるでござるな。

 

昨日の夜にチャクラ網でさっくりと捕まえておいたお魚を焼いて朝ご飯にするでござる。

 

のんびりとした釣りは楽しいでござるが、最近は色々と多忙でござる故、ついつい便利なやり方を選んでしまうのでござるよ。

 

さて、今日の予定はイビキ殿達から情報を受け取ってイタチ隊長に再度報告でござるな。

 

イタチ隊長の頭脳なら色々と名案が浮かぶ事でござろう。

 

で、そのイタチ隊長なのでござるが、何故か拙者の家にいるでござる。

 

「おはようでござるイタチ隊長……ところでどうして拙者のお家にイタチ隊長が?」

 

「おはよう、昨夜お前から受け取った情報を考えるに、お前は敵の恨みを買った可能性が極めて高い。

相手の能力が仮に無制限移動の時空間忍術ならば木の葉の探知結界や見張りは何の意味も成さない。

であれば、敵がお前の寝首を取らない理由がないからな、暗部で警護していた。」

 

「成程でござる、御迷惑お掛けしたでござるよ……でも部屋が荒れていないという事は来ていないのでござるな?」

 

「あぁ、お前個人の名前や素性はバレていないか、敵にも余裕が無かったかのどちらかだろうな」

 

「昨夜襲われていたら面倒だったでござるな、今夜ならむしろ大歓迎でござるが」

 

イビキ殿達が情報を掴んでくれているでござろうし、次こそ捕縛出来るでござろう。

 

さて、気を取り直して腹ごしらえの時間でござる。

 

「イタチ隊長も食べていくでござるか? こんぶのおむすびも出すでござるよ」

 

「そうだな……いただこう」

 

◇ ◆ ◇

 

甘味処巡りは楽しいでござるが、甘味を昼食にするのはちょっとどうかと思うのでござる。

 

まあ三軒もはしごをしたら何も胃に入らなくなるのは分かるでござるが、ミコト殿やイズミ殿に怒られても拙者は庇わぬでござるよ。

 

さて、イビキ殿達が徹夜で抜き取った情報でござるが大体こんな感じでござる。

 

・捕縛した者達は暁のリーダーとその傀儡六名と側近の小南。

・暁のリーダーは雨隠れの里を支配していた。

・すり抜け殿の正体はうちはマダラ。

・彼は時空間忍術の達人で自他の長距離転移が出来る。

・彼は連続五分程度無敵になれる。

・彼の無敵と攻撃と転移は両立出来ない。

 

マダラ殿はどうにでもなるでござるが、頭が痛いのは雨隠れの里でござるな、ここが空白地帯になったのは面倒極まりないでござるよ。

 

雨隠れの里は木の葉、砂、岩に囲まれた緩衝地でござる故、戦争をする時は大体この里が主戦線になるのでござる。

 

雨隠れを木の葉や砂、雲が取るのは岩を大きく刺激するでござろう、まぁ戦争の引き金になるでござろうな。

 

かと言って岩に取られたら雨隠れに強固な砦や拠点を築かれるのは明らかでござる。

 

木の葉は戦争の引き金を引くか、目の上のたんこぶを作るかの二択を迫られている訳でござるな。

 

おかげで上層部はお通夜モードでござる。

 

まあマダラ殿が霧を支配している事は分かっていたでござるし、雨も暁の手中に落ちている可能性の予想はしていたみたいでござるが。

 

苦渋の決断でござるが恐らくたんこぶ路線になるでござろうな、元々雨……もとい暁は岩と繋がりがあったそうでござるし、岩の裏工作が大っぴらになるだけでござる。

 

ただまあ……木の葉や砂はともかく、雲がそれを許す訳がないでござるが。

 

あれ? そうなったら結局戦争不回避なのでは? どの道第四次忍界大戦でござるか?

 

リーダー殿を別天神で洗脳してから帰国させても良いのでござるが、彼の輪廻眼はもう無いでござるしなぁ……。

 

輪廻眼の破片はあるでござるから、伝説の医療忍者と名高い綱手殿なら何とか直せないでござろうか……。

 

マダラ殿が雨隠れを支配してくれるのが一番良いのでござるが、彼は木の葉を恨んでいるでござるから正直期待は出来ないのでござる。

 

岩と組んで木の葉に戦争を吹っ掛けるぐらいはしそうでござる。

 

まあ岩はマダラ殿に恨みがあるでござるから、彼が里長な状態で岩雨同盟を組めるかは怪しいところでござるが。

 

……ん? 待てよ、まだ健在なマダラ殿を別天神すれば全て解決なのでは?

 

輪廻眼にも匹敵する強固な能力の持ち主でござるし、キレイになったマダラ殿は三大国家に囲まれた強固な中立国としての役目を果たしてくれるのでは?

 

彼が代表では角が立つから適当な忍者をマダラ殿が支配して、そのマダラ殿を木の葉が支配すれば完璧なのでは?

 

……といった話が上層部の間で固まったでござる、ちなみに会議にはイタチ隊長や拙者、シスイ殿も参加していたでござるよ。

 

つまり、拙者の任務はマダラ殿を半殺しにしてシスイ殿の前に差し出すだけでござるな、勿論他里には内緒で。

 

一時はどうなる事かと思ったでござるが、別天神のおかげで何とかなりそうでござるな、本当にシスイ殿の別天神は反則でござるよ。

 

◇ ◆ ◇

 

さて、そんな訳でマダラ殿捕縛作戦でござるな。

 

マダラ殿は所在不明でござる故、とりあえず雨隠れに行ったのでござるが当然のようにいないでござるな。

 

とりあえずリーダー殿が暮らしていた塔の内部を改めて調べてみたのでござるが、特に何もないでござる。

 

貴重品は全てマダラ殿が持って行ったのでござろう、彼が自主的に雨隠れの運営をしてくれるなら楽出来たのでござるが、これでは期待出来そうにないでござるな。

 

まあ別天神があるでござる故、彼の意思はどうでも良いのでござるが。

 

さて、小腹が空いたでござるし、挑発と休憩も兼ねて小南殿のベッドに寝転んで彼女が残したお菓子をボリボリと食べているのでござるが……。

 

……来ないでござるなぁ……。

 

きっとマダラ殿は激情と冷静さを両立出来る類稀な人物なのでござろうな、挑発は彼の神経を逆撫でするだけで無意味なのでござろう。

 

彼は拙者を確実に殺せる手段が揃うまで顔を出すつもりはないみたいでござるなぁ……。

 

時間の無駄でござる故、復讐はなるはやでお願いしたいのでござるよ。

 

◇ ◆ ◇

 

「事情は把握した、代わりに大蛇丸を連れてこい」

 

見つかりそうにもないマダラ殿探しに時間を費やすよりも、代わりの者を擁立する方が早いと上層部は判断したみたいでござる。

 

条件は色々あるでござるが、知力武力共に強者である事、五大国の所属でない事、ぐらいでござろうか。

 

ちなみに、思想はどうせ洗脳するからどうでも良いでござる。

 

角都殿でも良いのでござるが、居場所がはっきりしている大蛇丸殿の方が早いでござるな。

 

大蛇丸殿とは木の葉の抜け忍で、田の国を裏から支配している音隠れの長を更に支配している者の事でござる。

 

田の国は火の国北部に隣接している小国でござるな。

 

火の国と雷の国は大規模な交易を行っているでござるが、その交易路として田の国を経由した水路コースは行商人達にも大好評なのでござる。

 

ちょっと昔は何の取り柄もない火の国のおまけみたいな小国でござったが、今や交易の中継地点として大人気のスーパー観光国家にまで成長を遂げたのでござる。

 

ちなみに、音隠れの忍者の大半は交易路の護衛で生計を立てているでござる。

 

残りは忍者を半分辞めて港で店を出しているでござるな、何でもそっちの方が儲かるのだとか。

 

田が交易を後押ししてくれるのは火や雷にとっても有難く、火と雷と田は仲良しなのでござる。

 

大蛇丸殿は抜け忍な上に数多の犯罪にも手を染めている極悪人でござるが、そういった事情もあって見逃されているのでござるよ。

 

まあ流石に公に許す事は出来ないでござるが、彼は表舞台に立たずに裏から支配していくスタイルでござる故、木の葉もやり易いのでござる。

 

音隠れの里長も名目上は彼の部下でござるし。

 

いくら天下の木の葉でも他里に潜伏している犯罪者を発見する事は出来ないでござるなー、いやぁ見つかれば即処断でござるが、見つからないからしょうがないでござるなーって感じでござる。

 

まあ大蛇丸殿が火影様の元教え子という事も無関係ではないでござろうが……おっと、これ以上は拙者の首が危ないでござるな。

 

「伝説の三忍でござるな、承知したでござる」

 

「待て」

 

ん? イタチ隊長はまだ話があるみたいでござるな。

 

手招きするイタチ隊長の元に体を寄せ、巻物を受け取る。

 

「それを大蛇丸本人に届けろ、奴の話を聞いてこい」

 

「承知したでござる」




うちはミコト:イタチの母親
うちはイズミ:イタチの彼女
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