出オチ丸奇烈伝   作:チャクラコントロールに全振りでござる

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暗部のお仕事

里の住民を見ていると仕事のモチベーションがもりもり湧いてくるでござるな。

 

拙者に割り振られたお仕事は里内の警備と諜報でござる。

 

チャクラで目、耳、鼻を強化すれば一歩も動かずに里の中の情報を集める事が出来るのでござる。

 

チャクラコントロールが得意な拙者にはもってこいのお仕事でござるな。

 

まぁ警備の専門はうちは一族でござるから、拙者は通報するだけでござるが……。

 

後はスパイとか抜け忍の発見もお仕事の内でござるな、所謂諜報でござる、対象は里内でござるが。

 

こちらの方は大事そうな情報をそのままカカシ隊長に渡すだけでござるな、所謂通報でござる。

 

拙者、通報しかしとらんでござるな。

 

◇ ◆ ◇

 

夜風は少し寒いでござるな。

 

森の中はマイナスイオンたっぷりの素敵空間でござる故、プライベートであれば虫の声を肴にお酒でもちびちびとやっているところでござるが、今日の拙者はオフィシャル暗部でござる。

 

風流で枠のあるお楽しみタイムはおあずけでごさるな。

 

さて、今日のお仕事は木の葉の抜け忍を抹殺する事でござる。

 

本人達の話によると下手人は二人組で、木の葉に保管されている適当な禁術の巻物を二三本盗んで、雲隠れに亡命するつもりのようでござる。

 

拙者は頭よわよわ故、その計画が上策なのか下策なのかは分からんでござる、分からんでござるが……。

 

雲隠れを亡命先にするのはちょっと微妙だと思うのでござる、あの里はブラックだと噂になっているでござるが故。

 

他所の里を見ても、やっぱり木の葉が一番良いと思うのでござるが……まぁ、木の葉もブラックなところはあるでござるからなぁ……。

 

どこも世知辛いでござるなぁ……。

 

なんて事を考えていると、噂の彼奴がやってきたでござる。

 

一応貰った人相書きと比較してみるでござるが、間違いないでござるな。

 

それにしても、流石カカシ隊長でござるなー、逃走経路を予測して予め部下を配備するとは……恐ろしい神算鬼謀でござるよ。

 

生死は問わないと言われている故、さっくりと首を落としておしまいでござる。

 

「……ェ?」

 

必死に走る男達の首に赤い筋が走り、零れ落ちるように首がポトリと転がる。

 

抜け忍の証である、傷が一本入った額当てが地面に転がり、ドクドクと脈打つ血潮に沈んで行く。

 

「よしよし、しっかりと死んだでござるな」

 

清浄な森が一気に生臭くなったでござるが、これはもうしょうがないでござるな。

 

連絡用の花火を空に一発上げて、拙者の任務は終了でござる。

 

後は死体回収班に引き継いで、簡単な書類を書いておしまいでござるよ。

 

死体の傍でチャクラを弄りながら待っていると、すぐに死体回収班と、カカシ隊長がやってきたでござる。

 

わざわざ遠くまでご苦労様でござるな。

 

「お疲れ様、このぐらいは楽勝か」

 

「カカシ隊長、お疲れ様でござる。奇襲は拙者の最も得意とするところでござる故、やりやすかったでござるよ」

 

適正な仕事を振って貰えてありがたいでござる、今後ともよろしくおねがいするでござる。


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