出オチ丸奇烈伝   作:チャクラコントロールに全振りでござる

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暗部のお仕事~うちはシスイ救出

何時食べてもおむすびは最高でござるな。

 

熱いお茶と塩おむすびのセットが出てくるこのお店は拙者のお気に入りでござる。

 

さて、お食事中の拙者でござるが、チャクラで耳を強化している故、この状態でも諜報活動は可能でござる。

 

最近はうちは一族の動きが怪しいでござるな。

 

今もうちは一族の頭首であるフガク殿が、イタチ殿にアレコレ指示を飛ばしているみたいでござる。

 

もう怪しいを通り越えて、完全に謀反でござるな。

 

まぁそれだけならフガク殿を暗殺するだけで良いのでござるが、事態はそんなに単純ではないみたいでござる。

 

どうもこの謀反は個人間での温度差はあれども、うちは一族全体の総意みたいなのでござる。

 

つまり決してフガク殿の個人的な考えではなく、むしろフガク殿は暴走寸前のうちは一族の押さえ役……みたいな感じでござった。

 

まぁ士気が滅茶苦茶高いって事でござるな、指揮官の手に負えない程に。

 

この状況でフガク殿がいなくなれば、うちは一族は確実に暴走するでござろう、頭首暗殺は悪手でござるな。

 

でもそれだけなら一族を丸ごと消せば良いだけでござる……まぁちょっと勿体ないでござるが。

 

しかし、火影様が平和的な解決を望んでいるのでこちらからも手が出せないのでござる。

 

火影様はお優しいでござるからなぁ……粛清を主張する他の上層部も火影様が抑え込んでいるみたいでござる。

 

まぁ拙者に政治は分からんでござる故、今まで通り諜報と報告をするだけでござるな。

 

◇ ◆ ◇

 

水面に映る空の色が綺麗でござるなぁ、まるでもう一つの世界が向こう側にあるみたいでござる。

 

そんな水面に釣り糸を垂らして、今日の晩御飯に思いを馳せる時間は最高に充実した時間でござる。

 

沢山釣れれば明日の朝ご飯にも回せるでござるな、朝のおかずが一品増えて、拙者の笑顔も一つ増えること間違いなしでござる。

 

さて、今はシスイ殿が刺客に襲われているみたいでござるな。

 

いつも通り、うちは警務部隊に通報したいところでござるが、これはちょっと政治的な理由でマズいでござるな、流石に拙者でも分かるでござる。

 

とりあえずカカシ隊長と……火影様に連絡でござるな。

 

そうそう、通報用に鳥を何匹か捕まえて口寄せ契約を結んだのでござるよ、口寄せ動物は便利でござるな。

 

取り急ぎ、拙者は現地に向かうでござる、釣り竿とバケツは置いて行くしかないでござるなぁ……。

 

とほほ……でござる。

 

◇ ◆ ◇

 

超音速瞬身には四つ重大な問題点がござって、一つは衝撃波で全身がむちうちになることでござる。

 

故に、音速以上の移動はチャクラか風遁で膜を作る必要があるのでござる、まぁ潤滑剤兼緩衝材みたいな感じでござるな。

 

そして二つ目でござるが、衝撃波は大変に煩いのでござる、超音速でござるから奇襲には問題ないのでござるが、近隣住民に大変な迷惑が掛かるのでござる。

 

騒音問題はどうしようもない故、住宅街では音速ギリギリで抑え、森に入れば加速でござるな。

 

さて、そんな感じで大急ぎでシスイ殿の元まで駆けつけ、そのままの勢いで刺客達の手足を一本ずつ丁寧に切り飛ばすでござる。

 

衝撃波に巻き込まれて断面がぐちゃぐちゃに潰されるでござる故、もうぴったんこは出来ないでござるが、これは仕方のないことなのでござる。

 

なーに、直ぐに止血すれば死にはしないでござるよ、首さえ残っていれば尋問は出来るでござるし何の問題もないでござるな。

 

「ッ!? ……この手口は出オチ丸か、すまない助かった」

 

突然の加勢にシスイ殿は戸惑っていたでござるが、すぐに冷静さを取り戻したでござる、流石でござるな。

 

殺し殺されは忍の常でござる故、助け合いは何よりも大切なのでござる。

 

お互い様故、礼はいらぬでござるよ、生き延びたその命で今度は拙者を助けて欲しいでござる。

 

「シスイ殿も大変でござるな、怪我はないでござるか?」

 

「ああ、にしてもこいつらは……根の者か」

 

「すぐ傍にダンゾウ殿がいるでござるよ、撤退中みたいでござるが……捕まえるでござるか?」

 

気軽に聞いただけなのでござるが、シスイ殿はしばらく考え込んでしまったでござる。

 

シスイ殿は聡明故、拙者では思いも付かない深謀遠慮を張り巡らせているのでござろうな。

 

さて、シスイ殿が長考している間に拙者は気絶している刺客達の止血と自殺防止の猿轡を噛ませるでござるよ。

 

四肢切断からの猿轡でも死ねる方法を用意しておかないとは、ダンゾウ殿も詰めが甘いでござるなぁ。

 

「いや……ダンゾウは腐っても木の葉上層部だ、無策で手を出すのはあらゆる意味で危険だろう」

 

確かに政治的に危険でござるな、了解でござる。

 

「では、拙者は刺客達をカカシ隊長と火影様の元に運ぶでござる……手伝ってくれるでござるか?」

 

「あぁ、行こう……」

 

火影様も水晶で見ている筈でござるし、刺客達も全員生き証人になってくれるでござる故、何も心配はいらぬでござるな。


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