出オチ丸奇烈伝 作:チャクラコントロールに全振りでござる
釣り糸を垂らしてお魚を待つ時間は最高でござるな。
以前は釣り竿や釣り糸といった、釣り道具一式を用意していたのでござるが、今はバケツ以外は全部チャクラでござる。
釣り糸と釣り針と疑似餌をチャクラ糸で代用している訳でござるな。
砂隠れの里の忍者達をみていたらピーンっときたのでござるよ。
荷物が減るでござるし修行にもなるのでござる、釣りは最高でござるな。
さて、どうやら今朝に提出した干柿鬼鮫殿から情報が取れたみたいでござる。
流石に早いでござる、イビキ殿はプロでござるなぁ……と思ったのでござるが、途中からはイノイチ殿が担当したみたいでござるな。
イノイチ殿は頭の中を直接覗くという、尋問どころではない反則級の能力を持っている山中一族の忍者でござる。
干柿鬼鮫殿は霧隠れの抜け忍でござるから、霧の内情がある程度は分かるでござろう。
まあ鬼鮫殿が抜け忍になってから結構時間が経っていた筈でござるから情報としてはかなり古いでござろうが。
それでも貴重な情報でござるな。
霧は自里の上忍ですら里の内情を良く知らないでござるからなぁ……秘密主義って奴でござる。
トップは水影でござるが、本当に水影が実権を握っているのかさえ誰も知らない有様でござる故、外交がとんでもなくやりにくい里でもあるのでござる。
もうどんだけだよって感じでござるな。
さて、鬼鮫殿から得られた大事そうな情報を要約するとこんな感じでござる。
・四代目水影は傀儡だった。
・霧隠れの里はうちはマダラが支配している。
・干柿鬼鮫はマダラに誘われて傭兵組織『暁』に所属している。
・マダラの目的は『月の目計画』、それは全人類の幻術支配。
・その為に全ての尾獣を手中に収める予定である。
・『暁』の資金源の一つに岩隠れの里がある。
ま、大体こんな感じでござるな。
うちはマダラは大昔のうちは一族の頭領でござる、故人でござる故、たぶん偽物でござろう。
さて、拙者は取り急ぎイタチ隊長に報告でござる。
◇ ◆ ◇
イタチ隊長を通じて木の葉上層部に情報が行き渡り、情報の真偽も含めて議論が進められたのでござる。
その結果、木の葉は暁を危険組織と非公式に認定、構成員全員をビンゴブックのSランクに載せる事が決定したでござる。
非公式なのは霧と岩が関わっているからでござるな、公に認定してしまえばたぶん雲隠れの里が嬉々として岩に戦争を仕掛けるでござるからなぁ……。
そうなれば木の葉も砂も三里同盟として一蓮托生でござる故、直ぐに第四次忍界大戦でござる。
岩と霧が上手い具合に言い逃れしてくれたら良いのでござるが、あまり期待は出来ないでござろうなぁ……。
いざとなれば雷影をどうにかしてシスイ殿の別天津神で洗脳する事も視野に入れるそうでござるが、そちらも色々と危ういでござるなぁ……。
ま、暁の存在が雲に露呈する前にさっさと始末するのが無難でござろうな。
そんな訳で、拙者はイタチ隊長から構成員全員の速やかな抹殺を命じられたでござる、捕縛ではなく抹殺でござるな。
ただ例外として、暁のリーダーとうちはマダラは捕縛して欲しいとの事でござる。
ちょっと長旅になりそうでござるが、拙者頑張るでござるよ。
◇ ◆ ◇
さて、暁は小国の攻略や賞金首狩り等で小銭を稼いでいるとの事でござるし、まずは近隣諸国から当ってみるでござる。
異文化にもたくさん浸れそうで拙者ワクワクしてきたでござる。
ただあまり時間が無いでござる故、道中は超音速でかっ飛ばしているでござる。
拙者、頑張れば一時間で五千キロ程進めるでござる故、移動はすぐでござるな。
ただ超音速移動は空気の流れが特殊過ぎて耳も鼻も殆ど機能しなくなるのでござる。
世の中そうそう上手く行かぬでござるなぁ……。
さて、いくらか国を巡ったのでござるが、そこである小国が数日前に爆破されたという話を聞いたのでござる。
恐らく爆遁使いのデイダラ殿でござるな、その相方のサソリ殿にも期待出来るでござるな。
早速行ってみるでござるよ、現場に臭いが残っていれば一発でござるからな。
さて、そんな訳で現場に到着したのでござるが、これは見事な手口でござるなぁ……。
デイダラ殿が街の壁を全て爆破して、その間に城の殿や重鎮をサソリ殿の傀儡で暗殺したみたいでござる。
カラクリの油の臭いがまだ城内に残っているでござる故、これを辿れば追いつけそうでござるな。
追跡速度は亜音速が限界でござる故、少し時間が掛かるでござるが……ま、晩御飯には間に合うでござろう。