新世紀エヴァンゲリオン-And become Joseph-   作:さえもん9184

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こんな更新するぐらいなら、さっさと本編更新しろ、と自分に突っ込みを入れたくなりますが、どうしても書きたくなってしまったので投稿しました。

後先考えず、ただ殴り書きして投稿した代物です。

もしも、リュウジが間に合ったら……


外伝-if 碇総司令-

ネルフ、並びにゼーレへの決起。

それが無謀な選択だったことは、ミサトをはじめとした仲間は覚悟はしていた。

だが、サードインパクトを防ぐ為には、今自分たちが反旗を翻す以外に方法はなかった。

 

「ちと、無謀すぎたかしらね」

 

まともな戦力は応急処置をしたエヴァ弐号機と、

 

「八号機は?」

 

「ダメです、反応が途絶えたまま、もう30分も」

 

本来到着するはずだった、八号機。

だが突如洋上で反応が途絶え、状況の絶望さに拍車をかけていた。

ゼーレ傘下の軍隊―――とどのつまり国連軍と戦自であるが、それらに包囲され廃棄されたネルフ本部。その地下、セントラルドグマに自立型に改造されたエヴァMark6が到達するのは時間の問題であった。

 

「葛城一佐、ここはもう引くしかありません。戦力差は歴然です」

 

高雄が悔しさを浮かべた表情で、無念の言葉を放つ。

 

「いや、まだチャンスはある」

 

「加持?」

 

「サード・インパクトを再度発動することになれば、包囲している輩も退避するはずだ。……そこが、最後の……」

 

「バカ言わないで!戻ってこれないのよ!?」

 

「……俺が行く。君は、務めを果たすんだ」

 

ミサトは思わず平手を放ちそうになるが、加持の眼を見てしまうと、それすらもかなわない。

 

「……なら、アタシも行く」

 

眼帯を巻いたアスカが、静かに同道を志願する。

 

「どのみち、道を開くなら、弐号機が必要でしょ」

 

「それだったら私が乗る」

 

だがマリとて、アスカが犠牲になりかねない状況を座して待つなどできない。

 

「アンタは、八号機のために残って、どの道弐号機は満身創痍。それに……アタシは侵食されてる」

 

「そんなこと言わないで……」

 

その時だった、

 

「……待ってください」

 

マヤがレーダーに反応を捉えた。

 

「八号機が来たの?」

 

「いえ……、え?何これ……」

 

マヤは見るからに混乱していた。

その声音には、恐怖も含まれており、

 

「マヤ、どうしたの?」

 

ただならぬ様子にリツコもモニターを覗き込む。

 

「……これ」

 

「ま、間もなく、駿河湾近海に、米軍の太平洋艦隊が、その数、10、……いえ、30!まだ増えて……え!?」

 

「これは!!??」

 

リツコですら、その様相に困惑の声をあげる。

 

「今度は何!!?」

 

ついにミサトもたまらず、モニターを覗く。

 

「……これは、ユーロ空軍?」

 

「ユーロだけじゃありません、中国、ロシア、更に上空からは、なぞの巨大な機影も……」

 

「……なに、これ」

 

レーダーを覗いていないマリの肉眼には、海を覆い尽くす艦隊、空を埋め尽くす無数の戦闘機、戦闘ヘリ(ガンシップ)、ネルフ本部を包囲する国連軍、戦自をさらに包囲する戦車大隊や、無数の装甲車が周囲の山々をアリの大群と見まごうばかりに展開されていく様が映し出されていた。

 

「いったい何で!?」

 

「解りません!なんで、こんな、世界中の軍隊が……」

 

驚いている間にも、多くの兵士が周囲に展開していく。

そんな一行の目の前に、巨大な輸送ヘリが着陸した。

 

「世界中の軍隊……まさか!」

 

ミサトの眼には、そのヘリの後部ハッチがゆっくりと開いていく様子が映し出される。

そこから各国の軍隊の司令官と思しき人物たちが、ゆっくりと歩いて出てくると、入り口付近で綺麗に左右に分かれ、敬礼をする。

そして、一人の見知った、死んだはずの男が降り立った。

ミサトを含め、その場の誰も、

 

「なぜ生きているのか」

 

などと疑問を持つことは無かった。

なぜなら、現状況を誰もが理解したからだ。

文字通り、世界中の軍隊を導入、即時展開し、それらを完璧に指揮できる人物など、自分達が知る限り一人しかいない。

そして、その人物が地獄から甦って、自分達の目の前に現れたとしても、

 

「それぐらい、この人なら当たり前だ」

 

と言う、凄まじいまでの説得力があった。

忙しなく、多くの兵士が展開されていくが、その最中でも、その男が目に映れば、誰もが敬礼を示した。

男は足を進めながらも、澱みなく各国の軍に指示を出し続ける。

そしてついに、彼はミサトの前で立ち止まる。

 

「申し訳ありません、葛城一佐。急なことだったので、3分の1程度しか用意ができませんでした」

 

その男。

碇リュウジの物言いに、ミサトはこんな状況だというのにひきつった笑いがこみあげてしまう。

 

「ハハ……。これで、3分の1?」

 

「ええ。―――さて」

 

リュウジは後ろへ振り替えると、各国の言葉でそれぞれの司令官に、各軍の指揮に付くよう命令した。そして彼らは一様に敬礼を示し、その場を後にしていく。

 

「ボス!」

 

「高雄、葛城一佐への合力。よくやってくれた」

 

以前高雄に渡した部隊データは、はっきり言って時間稼ぎが目的だった。

ミサトが行動に出る可能性を考慮し、そちらにゼーレの目が向いている間に、リュウジは遂に行動に打って出たのだ。

 

「全て、お見通しだった訳ですね」

 

「だがそのきっかけは、お前だ。高雄」

 

リュウジは高雄の肩を軽く叩いた。

 

「あなたには敵いませんよ。ボス」

 

「……ボス、か……」

 

その時リュウジは、高雄からの呼ばれる愛称を、静かに反芻し、

 

「……そうだな。―――ボスに、戻る時だ」

 

静かに、覚悟の表情を浮かべた。

 

「リュウジ……さん?」

 

「葛城一佐。……いや、葛城……ついてくるか?」

 

その言葉に、ミサトの表情は一気に笑顔に変わる。

そして次の瞬間には、同じく覚悟を湛えた表情に変わり、

 

「は!!」

 

ついにリュウジへと敬礼を示す。

 

「……皆なはどうだ?」

 

その言葉に、高雄は勿論、マリも、アスカも、リツコも、加持も、マヤも、敬礼を示した。

そして彼らだけではなく、周囲の屈強な兵士たちが一様に、リュウジに対して敬礼を示していた。

コマンダー・オブ・コマンダー。

支配できぬはずの戦争を、自軍はおろか、敵軍ですら意のままに支配する、戦場の支配者(ロード・オブ・ウォー)

総司令官、碇リュウジが誕生した。

 

 

ならばこれより、この戦いは反乱ではなく、戦争となる。

 

なればこそ、皆に覚悟してほしいことがある。

 

それは、たった一つ。

 

俺達に、勝利は無い。

 

いかに敵を滅しようとも、戦争に勝者は存在し得ない。

 

だがそれでも俺達は戦わなければならない。何故が……

 

それは、ここで俺達が戦わなければ、その代償を次の世代が、子供達が払うことになるからだ。

 

俺達はこれより、いつ終わるともわからない戦場に赴くことになる。

 

その果てに待っているものは決して勝利ではない。……地獄だ。

 

だがここで戦わなければ、その地獄に落ちるのは次の世代の子供達となる。

 

俺達は、それを決してよしとしない。だからこそ戦う。

 

その為に俺達は、戦場の血にまみれ、戦場の泥を啜る。

 

死んだ仲間たちの死体を踏み越えて、前に進む鬼となる。

 

地獄の底で、敵を喰らい続ける悪鬼となる。

 

そして……。俺達の次の世代が、新たな時代を、世界を、そして平和を築いた時、彼らこそが勝者となる。

 

その未来こそ、俺達の正義。

 

俺達の、この猛りこそ、開戦の狼煙となる。

 

 

凄まじい鬨の声が、大地を、空を揺るがす。

そしてリュウジが拳を振り上げる。すると、嘘の様に静けさが戻った。

 

「今、この時より。俺達は、ゼーレ、並びにネルフに対して、宣戦布告する」

 

そして更なる鬨の声が星を震わせた。

 

「高雄!」

 

「は!」

 

「別働隊を指揮を任せる。監禁されたネルフ関係者をすぐに解放させろ!」

 

「了解!!」

 

高雄は敬礼を示すと、すぐさまその場を後にする。

 

「加持」

 

「は……」

 

先程の高雄とは打って変わって、加持の表情はどこかすぐれない。

 

「高雄と共にいけ」

 

だがすぐさまその表情に光がさす。

 

「助けに行きたいんだろ?渚指令を。……行け」

 

「了解!」

 

そして高雄と同じく、敬礼を示すとすぐさま高雄に続いた。

 

「葛城!」

 

「は!」

 

「これの艦長を、お前に任命する」

 

その声と共に、上空より巨大な影が下りてくる。

 

「確保したNHGシリーズの一隻、ヴーセだ。もしこの名前が気に入らなければ、好きに名づけろ」

 

「謹んで、拝命いたします」

 

そう言うと、ミサトはすぐさま乗り込もうとするが、

 

「それともう一つ」

 

リュウジがすかさず待ったをかける。

 

「時期が来たら、前線を退いてもらう」

 

「……え?」

 

「お腹の子のためだ。当然だろ?」

 

「それは……」

 

そうまで言われれば、ミサトは何も言えなかった。

 

「お前が次の世代に伝えろ!拒否は許さん。―――赤木!伊吹!」

 

「「は!」」

 

「赤木は、副艦長。伊吹は整備長に任命する。絶対に葛城に無茶させるな!」

 

「了解です」

 

「かしこまりました」

 

どこか納得いかないミサトに、リツコとマヤはつづく。

 

「何であの人知ってんのよ」

 

「あら?逆に知られてないと思ってたの?」

 

「あの人がその気になれば、隠し事なんて無理ですよ。艦長」

 

そんな三人をリュウジは見送ると、

 

「―――マリ!」

 

「は!」

 

今度はマリへ指令を下す。

 

「これが、お前の専用機だ」

 

その言葉とともにヴーセより、一つの巨大な影が投下された。

眩しく輝くピンクの機体。八号機が降り立つ。

 

「……すまんな。俺にはどうも、駒は性に合わんようだ」

 

その八号機を見上げながら、リュウジは申し訳なさそうに言葉を漏らした。

 

「教官……」

 

「これは、ユイさんが描いた運命とは違う筋書きだろう。それでもお前は……」

 

「なに辛気臭い顔してんのさ、碇司令!」

 

そんなリュウジに、マリは発破をかける。

 

「もしユイさんがここにいるなら、あなたにきっとこう言う。『やっちゃって』て」

 

「ふ……。そうだな」

 

再び司令官としての顔に戻ると、

 

「真希波!お前には初号機の確保を命じる。……シンジと、レイを頼む」

 

「了解!」

 

そして、

 

「式波!お前はすぐに弐号機に乗り込め!」

 

「了解!」

 

最後にアスカへと指示を出す。

 

「俺もVTOLで出る。……俺と、お前で、サード・インパクトを止める。いいな!」

 

「は!」

 

その指令に対し、アスカも敬礼を示した。

弐号機へと乗り込むアスカを見送ると、リュウジも用意されたVTOLに乗り込む。

 

『こう言っちゃなんだけど、ついてこれんの?』

 

「なめるなよ?こんなの、『棺桶』に比べたらおもちゃみたいなもんだ」

 

アスカと軽快な通信を交わしながら、リュウジは着々と準備を進めていく。

 

そして、離陸するばかりとなった時、自軍へのすべての通信へとつなぐ。

 

「全軍に継ぐ。これより俺達は、サードインパクト阻止。並びにゼーレ、ネルフ残党の殲滅を目的とした、戦争状態へと移行する。―――俺からの命令はただ一つ。全員、生きて帰り、その戦果を必ず持ち帰れ」

 

そして、離陸すると同時に、

 

「全軍、攻撃開始!」

 

戦闘の火蓋が切って落とされた。




細かいことは気にせずに読んでいただけると幸いです。

あと、本編はある程度書き上げてから更新するつもりですので、もう少しお待ちください。

加えて、活動報告で、この二次創作を作るに至った経緯や、碇リュウジの誕生経緯などを、少々気取った文書で書いていくつもりですので、お暇があれば読んでみてください。

ご意見、ご感想をお待ちしております。

誤字、脱字等ございましたらご指摘いただけると幸いです。

これからも応援、よろしくお願いします。
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