新世紀エヴァンゲリオン-And become Joseph-   作:さえもん9184

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投稿が遅れ、申し訳ありません。

書けば書くほど、直したい部分や追加したい描写が増えてしまって。

かといってだらだら書き連ねても、まとまりがなくって、を繰り返してばかりいました。

性質が悪いのは、それが楽しくてしょうがないことです。

待ってくださる方には申し訳ありませんが、どうかお付き合いください。お願いします。


破-生の価値-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

各部署への最終確認をするミサトの為に、リュウジは一足先に、司令室へと戻っていた。

 

(司令、副指令、同時に不在とはどうなんだ?)

 

普段はふんぞり返っている二名が不在であることに、心の中で悪態をつく。

軍事組織を運営するうえでは、あるまじき状態だ。

 

「あの、碇三尉……」

 

そんな事を考えていると、マヤが申し訳無さそうに話しかけてきた。

 

「先程は申し訳ありませんでした」

 

「色々と気を遣っていただいたのに、葛城一佐から余計な叱責まで受けることになってしまい、本当にすいません」

 

日向も頭を下げてくる。

 

「私が勝手にやった事ですから、お気になさらず」

 

「そもそも、なぜ葛城一佐に弁解しなかったんですか、あんなの、いくらなんでも理不尽です」

 

青葉は、納得していないのがありありと分かった。

 

「青葉ニ尉。自分勝手な行動で、仮にうまくいったとしても、それは手柄にはなりません。指揮官の預かり知らぬところで、結果の良し悪しに関わらず、戦局や、情報が変わるのは、思わぬ混乱を生むことがあります。戦略的観点からすれば、葛城一佐は何も間違っていません」

 

「ですが……」

 

「これは、生死をかけた戦いであり、互いの存亡をかけた、我々と使徒との戦争です。その前で、私が『理不尽な扱い』を受けるなど些末なことです。一番大切なのは、皆んなで生きること。いいですね?」

 

「「「はい」」」

 

思わず指揮官のような物言いをしてしまったが、三人の表情を見ると、心を切り替えられたようなので、結果としては、良しとしておくことにした。

 

(相変わらず、言ってることと真逆なことしてるな……)

 

「―――ああそうだ、もし先程の私の扱いを申し訳ないと思っておいでなら、一つ、三人に頼みたいことがあるんです」

 

リュウジは三人が席に座る前に、思いついたように声をかける。

 

「何でしょう?」

 

「……葛城一佐のことを、嫌わないでください。あの人も、自分の役目を果たそうと必死なんです。どうか、お願いします」

 

そう言われた三人は、思わず顔を見合わせた。

 

「何言ってるんですか、碇三尉」

 

マヤはそんな事か、と微笑む

 

「大丈夫です。別に嫌いだなんて思ってません」

 

日向もさも当然と言う表情だった。

 

「言っときますけど、あの人との付き合いは、我々の方があなたよりも長いんです。お忘れですか?」

 

青葉も理不尽を感じてはいたが、それだけでミサトへの信頼は少しも無くしていなかった。

 

「……失礼。余計な事を言いました」

 

リュウジが思っていた以上に、ミサトは指揮官として部下の信頼を受けていた。その事を見誤っていた。

 

「さ、葛城一佐が来るまで、するべき事をしましょう」

 

そう言うと、三人は持ち場に戻り、リュウジはモニターされている初号機に眼をやる。

 

(……ユイさん。あなたが何を思って、そこにいるのかは解らない。マリに全てを託し、私にシンジを託してまで、一体何をしたかったのか……)

 

ユイはリュウジにシンジを託した。実の父(ゲンドウ)ではなく、叔父(リュウジ)に。

ゲンドウと何かあったのか、リュウジでなければならない理由があったのか。今となっては、知ることは出来ない。

 

(だが今は、シンジはあなたの傍だ。だからこそ、あなたが……この時だけは、あなたが守ってください)

 

今、この時だけは、リュウジには何もできない。

シンジだけではない、レイにも、アスカにも何もできない。

その時、司令室の扉が開き、

 

「ごめん。遅くなったわ」

 

「状況は?」

 

実質的に、今のネルフ内におけるツートップ、リツコとミサトが入室する。

 

「現在、目標の軌道を計算中」

 

「エヴァ各機、充電率105%。準備完了です」

 

「ご苦労、目標は?」

 

「間も無く、作戦展開高度に入ります」

 

そして、モニターが切り替わる。

 

「おいでなすったわね。……エヴァ全機、スタート位置」

 

エヴァ三機が、スタート体制に入る

 

「二次的データは、当てにできない。常に、目標や周囲の状況変化を見逃さず、現場各自で判断をすることになる。……まかせたわよ」

 

『『『了解』』』

 

「目標接近。距離、およそ2万」

 

「……では、作戦開始」

 

ミサトの静かな合図の元、

 

「……発進」

 

三機共に一斉にスタートを切る。

 

「現状の軌道では、落下地点Cが濃厚です」

 

三機とも、眼を見張る走りをする中、指令室では、軌道計算を、こちらも目を見張る速度で、各オペーレーターが叩きだす。

 

「まだ結論付けるには早いわ、敵との距離は?」

 

「19000を間もなく切ります」

 

リュウジの最初の予測に反して、確率が他と比べて低い、C地点の落下が計算結果として出る。

 

(そう計算通りにはいかないか。……アスカ、頼むぞ)

 

「……!?待ってください、初号機が」

 

その突如、初号機が方向を転換した。

 

「シンジ君!?」

 

「目標のATフィールド変質!軌道変わります!!」

 

「まさか……」

 

モニターには、形態を変形させ、ATフィールドを使いながら、使徒が軌道を変化させていた。

 

「この状況で、変化にいの一番に気づいたというの?」

 

「目標、さらに増速」

 

さらなる変化に対応するため、三機とも必死に大地を駆ける。

 

「くそっ!結局最初の予想通りってわけ!?」

 

アスカもいきなりの初号機の変化に戸惑ったが、すぐさま軌道が変化した使徒を確認し、それに対応しながら疾走している。

 

(シンジのやつ、なんでこんな状況で気づけるのよ!)

 

アスカは知る由もないが、使徒との初戦でリュウジに言われた、

 

『どんな変化も逃すな』

 

その言葉をシンジは忠実に守っていた。

当初、C地点からもっとも初号機が離れていたからこそ、気付けたというのもある。そして、ミサトやリュウジの期待通り、柔軟に迅速に対応して見せた。

 

「大丈夫!こっちで対応できる!!」

 

対応の早さから、初号機は一気に目算で目標の落下予測地点へと駆けていく。

 

(……大した度胸だ)

 

シンジの気づきと、そこに身を委ねる度胸に、リュウジは心から賛辞を呈する。

変化を敏感に感づくことは出来ても、その変化から結果を予測し、そこに身を投じることは、並々ならぬ度胸を有していなければ無理だ。

 

「初号機、落下予測地点、半径200メートルに到達!!」

 

「零号機は?」

 

「B地点範囲から間もなくでますが、距離が離れすぎてます!!」

 

「緊急コース形成!1314から1302!スタンバイ!レイ!!」

 

『了解』

 

零号機が間に合わないと見たミサトは、障害物を乗り越えるべく足場を形成させる。

 

「次!772から702!!急いで!!」

 

「はい!!」

 

(このままいけば、初号機が持ちこたえている間に、弐号機も零号機も間に合う)

 

リュウジは一人、マップでの三機の距離と、移動速度を注視し、状況を見守る。

 

「目標変形!距離12000!!」

 

結果的には、リュウジの予測はほぼ的中していた。

箱根、もとい第三新東京市の典型的な山岳の地形に、使徒は狙いを定める。

 

「……来た!」

 

そこに待ち構えていた初号機が、

 

「ATフィールド全開!!!」

 

今まで見たことが無い規模のATフィールドを展開させた。

 

「目標の落下速度、一気に減速しました!!」

 

その嘗てないほどのATフィールドが、使徒を空中で停滞させるほどに押しとどめていた。

 

「ぁぁああああ!!!!」

 

「初号機。ATフィールドで持ち堪えています」

 

「すごい……、ここまでのATフィールドを……」

 

リツコも、使徒を停滞させるほどのATフィールドに目を見張るほどだった。

 

「距離、10000で止めています!」

 

「零号機、目標まで25秒!!」

 

「弐号機、あと20秒です!!」

 

使徒をATフィールドで止めると言う離れ技を見せた初号機。

機体へのダメージもなく、後は零号機、弐号機の到着くまで持ち応えればいい。

 

「シンジ君!後少しよ!!」

 

誰もがそう思う中、

 

「まずい……」

 

リュウジがポツリと呟いた。

 

「碇三尉?」

 

「初号機は持ち堪えられるでしょう、だが地面が……」

 

その途端に、初号機が踏みとどまる地面が、陥没しだした。

 

「ATフィールドがあるとは言え、今全重量が初号機にのしかかってる。その足元がもたない!!」

 

使徒はエヴァを撃破する必要はない。リリスに到達しさえすればいいのだ。

初号機がいかに持ち堪えようとも、そのまま押し通せれば、目的は達せられる。

 

「距離!9000!!」

 

「零号機、あと15秒!!」

 

「弐号機!10秒!!」

 

司令室にいる全員が、この世で最も長い10秒を実感していた。

 

「二人とも…速く……」

 

その重量を、シンクロしているシンジが、息も絶え絶えに、なんとか耐えている。

 

「距離!8500!!」

 

「シンジ!!」

 

その10秒が過ぎ、ついに二号機が間に合った。

 

「くぉんのおお!!」

 

プログレッシブナイフをコアめがけて、突き刺す。

だが、

 

「なっ!?」

 

突如出現した、使徒本体がそれを阻んだ。

 

「コイツ!!邪魔すんじゃないわよ!!」

 

だがすぐさま本体の背後から、別のプログレッシブナイフが貫いた。

 

「エコヒイキ!?」

 

間に合った零号機の攻撃が、使徒本体に届いた。

 

「式波さん!コアを!」

 

「解ってる!!」

 

零号機が使徒本体を釘付けにし、弐号機がコアに迫る。

 

「これで!終わり!!」

 

だが、

 

『キイィィン』

 

と、コアを貫いたとは思えぬ音が響く。

 

「外した!?」

 

使徒本体を中心に、コアが高速で動き出した。

 

「往生際が悪いわね!!」

 

(後30秒!)

 

全力疾走をしたエヴァは、三機共に普段以上にエネルギーを消耗していた。

だが焦れば焦るほど、不規則に動くコアに狙いが定まらない。

シンジも重量に耐えながら、その状況を見守っていた。

 

(クソ!どうすれば……)

 

『シンジ!一旦ATフィールドを解除しろ!』

 

そこにリュウジから思いがけない言葉が届く。

 

『どちらにしろ、地面が重量に耐えられない。賭けになるが、一気に接近して、お前がコアを止めろ!』

 

「了解!」

 

『レイはATフィールドを展開したまま、そいつを釘付けにしろ。絶対に離すな!!』

 

「はい!」

 

『アスカ!タイミングを合わせろ。シンジがコアを止めたら、間髪入れずにぶっ壊せ!!』

 

「オッケー!」

 

その間も、容赦なく、使徒は攻勢を仕掛けた。

 

『今だ!!』

 

それを待っていたかのように、リュウジは合図を出した。

初号機はプログレッシブナイフを装備しながら、一気に使徒へと肉薄する。

鍔迫り合っていた、ATフィールドが消えたことで、攻勢を仕掛けていた使徒との距離が一気に縮まる。

 

「そこだ!!!!」

 

シンジは片手でコアを止めると同時に、ナイフを突き刺し完全に止める。

 

「アスカ!!」

 

「いっけええええええ!!!!」

 

遂に弐号機のナイフがコアに突き刺さる。

 

「これで!とどめえええ!!!」

 

更にもう一本のナイフが、コアを襲い、砕けちる音が、エントリープラグ内にも、指令室にも確かに響いた。

そして、すぐさま形状崩壊を始めたのを見て取り、全員が安堵した。

 

「状況終了」

 

「……ハァ。ありがとう、みんな」

 

指令室にいるミサトも、安堵したかのように息を吐き出した。

 

「電波システム回復。碇指令から通信が入っています」

 

「お繋ぎして」

 

そういうが早いか、ミサトは姿勢を正す。

 

「申し訳ありません。私の独断で、エヴァ三体を破損させてしまいました。責任は全て私にあります」

 

『構わん、むしろ破損ともいえぬほど軽微なものだ。これ程の相手によくやってくれた』

 

『ああ、いつかの初号機の損傷に比べれば、全く問題にならん。よくやってくれた、葛城一佐』

 

そのいつかの損傷の原因に、ミサトは思わず目を向けるが、リュウジはあえて無言を貫く。

 

「……恐れ入ります」

 

『初号機のパイロットに繋いでくれ』

 

そして、エントリープラグ内で、息を整えるシンジに通信がつながる。

 

『話は聞いた。よくやったなシンジ』

 

「え?……はい」

 

『では葛城一佐。後の処理は任せる』

 

「はい。パイロット三名の回収、急いで」

 

ミサトが指令室で指示を出し始める中、リュウジもパイロット三人を回収するべく、いの一番に指令室を後にした。

 

「待って!碇三尉」

 

その背中を、ミサトが廊下に出て呼び止める。

 

「……先ほどの碇指令の言葉なら、特に気にしていませんよ」

 

「そうじゃない。ちょっと頼みがあって」

 

「なんでしょう?」

 

「三人を回収したら、後処理はやっておくから、あの子たちのために、ごはん作ってあげて」

 

そう言われ、リュウジは一拍置いて、微笑むと。

 

「了解です。葛城一佐」

 

敬礼をし、その場を後にした。

 

 

その日の夜。

 

「はい。お待ち同様」

 

「やった!から揚げ」

 

「ちょっと!あたしのハンバーグ、小さくない?」

 

「どれも一緒だっての」

 

「煮っ転がし」

 

三人のリクエストの他、葛城宅のテーブルには、所狭しと料理が拡げられていた。

 

「レイには、肉を使わないハンバーグを作ってみた。こっちはから揚げに見えるが、お麩を揚げて作った、から揚げもどきだから、試してみてくれ」

 

「すごい、本物みたいだ」

 

「ネットで検索して、試してみたが、結構いい感じにできてな。食べたかったらまだあるぞ」

 

「へ~、やるじゃない。後でもらうわ」

 

「よし、それじゃ食べるとするか」

 

そう言うと、炊きたてのご飯をよそい始める。

 

「あれ?ミサトさんは?」

 

「後処理があるから、今日は徹夜になるってさ」

 

「じゃあ、なんでリュウジはここにいんのよ」

 

「俺は戦闘と料理しか能がないからな。それ以外じゃ役立たずなのさ」

 

そういうと、湯気が立ち込めるご飯を、三人の前に並べ、リュウジも椅子に腰掛け、

 

「……さて、君たちのお陰で、こうして、また飯が食べられる。本当に、ありがとう」

 

三人に向かって、深々と頭を下げた。

 

「そして、……三人とも、よく生きて帰ってきてくれた。それだけで、俺にとっては、何よりのデブリーフィングだ」

 

温かな微笑みを零しながら、リュウジは心から三人の生を喜んでいた。

 

「……さ。しんみりするのはここまで、食べるとしよう」

 

「うん!もうお腹ぺこぺこだよ」

 

「まーったく。いちいち大袈裟なのよリュウジは」

 

「でも、式波さん。嬉しそうな顔してたわ」

 

「はぁーー!!?いつしてたってのよ!」

 

「ハイハイ、式波も、綾波も、食事の席で暴れないの」

 

そして、この三人が、徐々にではあるが、絆が芽生えていることも、リュウジは心から嬉しかった。

説得力はないが、リュウジは戦闘行為を、良しとしていない。戦闘が起きれば、必ず被害者を産む。現に今回の戦闘でも、少なからず被害は出た。

戦闘行為など、ないに越したことはない。

それでも、その過程で共に生死を乗り越えて生まれた絆は、いつも素晴らしいと思う。

その絆で育まれた、友情、愛情、を少なくない数を見てきた。

それらは、多くの悲劇を生む中で、唯一生まれる希望だった。

 

「ほら、せっかくの料理が冷めちゃうよ。早く食べよ?」

 

「ええ、碇君」

 

「解ったわよ」

 

「じゃ、お手を拝借」

 

乾いた音が、リビングに響き、

 

「「「「いただきます」」」」

 

四人で、生きている喜びを、噛み締める。

 

 

その夜、アスカはベッドに入りながらも、眠れずにカーテンの隙間から、夜空を覗いていた。

 

「……ハァ~……」

 

アスカはほとほと参っていた。

彼女の14年間は、まさにエヴァに乗るためにあった。それは、日本に来ても、仮にかつての想像通り、伝説の軍人に認められていたとしても、それは永遠に続くと考えていた。

というより、彼女にそれ以外の考えを思いつかせるのは、土台無理な話と言える。なぜならエヴァのみで、彼女の世界は完結してしまっているからだ。

だがここに来て、急に世界が広がりだした。

 

「アタシ、何でエヴァに乗ってるんだろ……」

 

それが、今までの彼女からはありえない疑問を投げかけてきた。

 

(そういえば……シンジは……)

 

気づけばアスカは、シンジの部屋の襖を開けていた。

若干微睡んでいたシンジは、少しの間を置いて、入ってきたのがアスカであると認め、

 

「し、式波?!」

 

一気に眠気が吹き飛んだ。

 

「しー、静かにしてよ。リュウジに気づかれるでしょ?」

 

因みにアスカが部屋を出た時点で、リュウジのセンサーは感づいている。

アスカはそのまま、シンジのベッドに背を向けて入り込んだ。

 

「あ、あの……」

 

「コッチ見んな」

 

「え?あ、うん」

 

急な展開に追いつけないシンジは、アスカの言う事を素直に聞いてしまう。

 

「あんた、何で呼び方戻してんのよ」

 

「え?」

 

「今日、戦闘中にアスカって呼んでたでしょ」

 

「そ、それは、その場の空気っていうか、テンションと言うか……」

 

「アタシがシンジ、って呼んでるんだから。アンタもアスカって呼びなさい。特別に許してあげるから」

 

「……そっか、ありがとう。アスカ」

 

この時、シンジはアスカが自分を受け入れてくれたことに、たまらなくうれしくなった。

それと同時に、新たなアスカに向けられた感情も芽生え始めた。

 

「……ねぇ、一つ聞いていい?」

 

「え?」

 

「……シンジは、守りたいものがあって、そのためにエヴァに乗ってるって言ってたわよね」

 

初日に、ミサト宅に一緒に帰ったとき、あの時の一変した表情と、シンジの迷いのない言葉の理由を、アスカは知りたくなった。

 

「なんなの?シンジの守りたいものって」

 

「……やっぱりおじさんかな」

 

「リュウジのこと?」

 

「うん。最初、父さんやミサトさんに、エヴァに乗れって言われて、迷ってた時、おじさんだけは、乗らなくていい、って言ってくれたんだ。―――あの時、おじさんは世界より、ボクを選んでくれた。それで、代わりに傷だらけの綾波が、ボクの代わりに乗ろうとしたんだ」

 

その二人をきっかけに、シンジの守りたいものはどんどん増えていった。

 

「それで気づいたんだ。いろんな人が、ボクを助けてくれる、守ってくれる。そんな人たちが、この世界にいる。だから、ボクは戦う。エヴァに乗る」

 

シンジはゆっくりと起き上がり、アスカの方を見る。

 

「ちょっと、こっち見るなって言ったでしょ」

 

だが構わずに、向こうを向くアスカを、優しく仰向けにした。

 

「な、何よ……」

 

「アスカ。ボクは、キミも守りたい」

 

そして、アスカも、シンジのエヴァに乗る理由となった。

 

「ア、アンタに守ってもらう程、弱くないわよ」

 

「そうだね。でも、守りたい。お願い」

 

優しい笑みと共に、シンジはアスカを優しくなでた。

アスカは、自分の体温が上がるのを感じ、それを振り払うように起き上がった。

 

「アスカ?」

 

「まったく、このままいたらアンタに襲われかねないわ」

 

「しないよ、そんなこと」

 

だが当のアスカが、シンジのあどけない笑顔を意識せずにはいられなかった。

 

「…………バカ」

 

そのまま、アスカはシンジの部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ベランダで、リュウジはペンペンのコップに、葉巻を咥えながらハイボールを作っていた。

 

「お待たせ」

 

ストローをさして、ペンペンの前に置くと、うれしそうにそれを飲みにかかる。

リュウジは、夜空を見上げながら、紫煙を吐き出す。

 

「いや~、若いってのはいいね~」

 

「……ク」

 

そんなリュウジに、ペンペンはジト目を向ける。

 

「なんだよ?そんなオッサンを見るような目をして。いいだろ?オッサンなんだから」

 

そう言ってはいるが、自分の老いも同時に感じており、虚しさも感じるリュウジだった。

 




だんだん、シンジ君が女たらしになってる気がします。

そのうちミサトさんまで手を出したり?

ご意見、ご感想お待ちしております。

誤字、脱字ございましたら、お手数ですがご報告いただければ幸いです。

これからも、応援何卒よろしくお願いいたします。
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