新世紀エヴァンゲリオン-And become Joseph-   作:さえもん9184

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小説も書きたいし、見たい映画もあるし、ドラマも見たいし、……仕事してる場合じゃない。

と叫びたい今日この頃です。


破-起動実験-

「エヴァ参号機の起動実験は、予定通り明日執り行います」

 

『うむ、四号機、伍号機が失われた今、最新鋭機たる参号機の運営は急務だ』

 

「しかし、いささか性急過ぎるかと……」

 

『碇、解っているはずだ。最も優先するべきことがある』

 

『左様。我らの望む真のエヴァンゲリオン。その誕生とリリスの復活をもって、契約の時となる。それまでに、必要な儀式を執り行う事こそ、最も重要なことだ。人類補完計画のために』

 

「解っております、全てはゼーレのシナリオ通りに」

 

ゲンドウがそう言い終わると、グリーンバックの室内が露わになり、傍らにいた冬月が現れる。

 

「……焦っているな、老人たちも」

 

「ああ、リュウジの矛先が奴らに向く前に、一気に時計の針を進めてきたな」

 

「そのせいで、Mark6の建造計画までも、前倒しで進めているようだしな」

 

「……我々も、初号機の覚醒を急がねばならん」

 

 

第三新東京市の繁華街にある飲み屋にて、

 

「な~にが、巻き込みたくないよ。こちとらアンタの上司だっつーのよ!」

 

ミサトは飲んだくれていた。

 

「そう怒るなよ。碇三尉の秘密主義は、今に始まった事じゃないだろ?」

 

「だとしても。さんざん私のこと隠れ蓑にしといて、今更すぎるわよ!」

 

リュウジが何も話してくれないことに、ミサトは苛立っており、その苛立ちに、加持が付き合っている。

 

「……所詮。あの人から見れば、私なんて、未熟な小娘に過ぎなかったってことか……」

 

「それは俺も同じさ。大事なことは、なんにも話しちゃくれないしな」

 

「なら、剣崎君から、何か聞いてない?」

 

「いや。兄か弟、どちらかは知らないが、何か密命を帯びて動いてる。それを話すほど、剣崎も甘ったれた奴じゃないさ」

 

何としても、リュウジが知っている情報を知りたいミサトは、加持に最後の望みをかけていたが、結果は芳しくなかった。

 

「……一体、リュウジさんは何を知ったの……。ゼーレとかいう、うちの上層組織?それとも、人類補完計画?」

 

「それは……、俺も知りたいところさ……」

 

そういうと、加持は手に持つコップを煽った。

 

「ただ、君を巻き込みたくないと言ったのは、恐らく碇三尉に、ついに矛先が向き始めたからだろうな……」

 

「ゼーレ?それとも碇司令?」

 

「それは解らん。だが、こと、この状況においては、俺や君が介入できる範疇の話じゃ無いな」

 

「そんな!」

 

「葛城。……俺も全容は知らないが、ゼーレは絶大な力を持っている。それこそ碇司令ですら、基本的にはその意向に真っ向から逆らうことは出来ない。だが碇三尉は、図らずともそれをできる程の力が、その手中にある。その力のぶつかり合いの中に、君や俺が入っていけると思うか?」

 

今回の参号機の件も、時間がないから無理なだけであって、根回しができる状況であれば、ゼーレの指令を、リュウジは覆すことができるのだ。

それほどの力を持つ人間を、ゼーレがいつまでも野放しにしておくわけがない。

 

「君だけじゃない。シンジ君だって、俺だって、あの人は巻き込みたくないのさ」

 

「……なら、もしあの人が負けたら、どうなるの?」

 

「その時に備えて、あの人は君にできる限りを伝えてきたんだろ?」

 

「馬鹿言わないで!私なんて、リュウジさんの足元にも及ばないわよ!」

 

少ない情報から、敵の習性や弱点を見抜き、少しでも戦闘を有利にする戦略眼、それを踏まえた、初戦の戦闘指揮は、ミサトは今でも閉口してしまう。

 

「碇三尉には、多くの弟子や、教え子がいるが、恐らく、指揮官としての教えを受けたのは君だけだ」

 

リュウジは何度もミサトに、

 

「貴方は、私より優秀な指揮官になれる」

 

と言ってきていた。

だが、当のミサトはまったくそうなれるとは思えないのだ。

それは能力だけでなく、リュウジの人としての強さ、それも狂気染みた強さを目の当たりにしてきたからだ。

 

「……だからって、リュウジさんみたいになれるわけないじゃない」

 

「別に碇三尉みたいになる必要はない、あの人の強さは常軌を逸している。あれ程の狂気と優しさの狭間には、常人は正気を保ったままじゃいられない」

 

加持の言葉を受け、ミサトは空いている手で、頭を抱えた。

そうすると、リュウジの狂気が彼女の脳裏をよぎる。

 

「……よく、あの人のことバケモノって言ってからかってたけど、半分は本気でそう思ってる。私たちなんかじゃ想像もできない死地を経験してきて、何であんなに優しいのよ」

 

「……あの人に肩を並べられる人がいないからさ。だから、バケモノに成り果てでも、一人でずべて守ろうとしてる。だが君はそこまでなる必要はない、助けてくれる仲間がいるだろ?周りをもっと頼れよ」

 

リュウジはいうなれば、孤高の存在であった。真に仲間や友人と呼べるものはいない。対等な存在は、リュウジが知る限りでは、もうこの世にはいない。

死んでいった彼らのためにも、リュウジはがむしゃらに走り続けてきた。そして気が付けば、周囲に人はなく。彼の遥か後ろから、沢山の人々が彼に助けを求めるようになったのだ。

その助けを求める声を、リュウジは無視できなかった。

その声にこたえるには、彼はバケモノになるしかなかった。

だが全ては、助けられない、そう気づいたとき、リュウジは狂気に染まるしかなかった。

そうして、彼は、

 

伝説の軍人(碇 リュウジ)

 

になるしかなかった。

 

(葛城が、そうまでなる必要はない。……いや、なってほしくない)

 

リュウジがそうなったのは、セカンドインパクトの直後、不幸にも周りに頼れる存在がいなかったからである。

そう考えると、加持はリュウジに対して憐れみを感じずにはいられなかった。

 

「碇三尉も、恐らく葛城に自分のようになってほしいとは思っていない。周囲を頼りながら、違う指揮官として、自分を超えてほしいのさ」

 

「……じゃあ、加持君に、頼っていいの?」

 

突然そう言ったミサトの酔いが回った顔に、加持は鼓動が早まった。

刹那、加持の心にためらいが生じるが、

 

(まだ好きなんでしょう?あの人のことが、彼女もそうですよ)

 

リュウジの言葉が、彼の脳裏をよぎった。

 

(愛する人がいるなら、その人の元へ帰るべきです。仮に短い時間しか、一緒にられないとしても、後悔するより、マシなはずです)

 

そして、ためらいを掻き消していく。

 

(彼女を、葛城一佐を悲しませるようなことはしないでください)

 

「……ああ、頼ってくれ。葛城」

 

その飲み屋の個室で、二人は大人同士のキスをした。

 

 

「それじゃ、行ってくる」

 

「うん……」

 

松代に向かうアスカを、シンジは浮かない顔で見送る。

 

「まったく、シャキッとしなさいよ。たかが起動実験よ?そんなこの世の終わりみたいな顔しないでよ」

 

「だって、四号機があんな事故起こしたんだよ?アスカに何かあったら……」

 

シンジも三号機が日本に来た顛末は聞かされていた。

そんないわくつきの代物に、アスカが乗るのは気が気でなかった。

 

「そうならないために、リュウジもリツコも、いの一番で松代に行って、参号機の点検してるんでしょ?なんにも起こりっこないわよ」

 

「でも!」

 

「デモも、ストライキもないの!今更変更も何もできないんだから、いい加減聞きわけてよね!まったく」

 

そんなことはシンジも百も承知である。

だが、あの叔父が、どこか思いつめながらも、一足先に松代に行ったことを考えると、嫌な予感がまとわりついて仕方ないのだ。

 

「……ゴメン」

 

「解ればいいのよ……」

 

「そうじゃない!……君を、アスカを守りたいって言っておきながら、……ボクは、何もできない」

 

あの夜、アスカに言った言葉は決して嘘偽りはない。

だが、シンジはアスカのことをこんなに心配しておきながら、黙って見送るしかできないことに忸怩たる思いを拭えないでいた。

 

「ゴメン。アスカ……」

 

「あのねぇ!前も行ったけど、アンタに守ってもらう程、私は弱くないの!どうしてそんな風に思ってるのか知らないけど、有難迷惑なのよ!」

 

「それは!……その……、えっと……」

 

シンジは言葉を続けようとするが、言わんとしている言葉の意味に思い至り、口ごもってしまう。

 

「……なによ!はっきり言いなさいよ!あんたそれでも男なの!?」

 

そのアスカの言葉に、シンジは半ばムキになった。

 

「おじさんに言われたんだ!好きな子を愛したいなら、その人を守り抜く覚悟がいるって!!」

 

「へ?……」

 

「だから……その……」

 

ムキになった流れで飛び出た言葉の意味に、アスカもシンジも気づくと、一気に二人の顔が紅く、紅く染まる。

 

「ボクは……その……、君が……アスカが……好きなんだ」

 

だが、シンジはその思いを声に絞り出した。

 

「だから、……心配なんだよ。守りたいんだよ!」

 

そして、まっすぐにアスカを見つめた。

 

「……つまり、守りたいのは、好きだから、てこと?」

 

「うん!」

 

力強くシンジは頷く。

 

「じゃあ、レイは?」

 

「え?…あ、綾波?」

 

だが、レイの名前が出て、その力強さは鳴りを潜めた。

 

「レイも守りたいんでしょ?好きなの?」

 

「綾波のことは、……その……」

 

力強さが鳴りを潜めると、シンジは再び口ごもってしまった。

そんなシンジを、アスカはジト目で見ると、

 

「……好きなのね?」

 

と、核心をついた。

 

「……はい」

 

最低(サイッテイ)!!」

 

アスカの言葉に、言い返すことなどできず、

 

「……ごめんなさい」

 

と、シンジは謝罪を口にするしかなかった。

 

「アンタがこんなチャラ男とは思わなかったわ。レイにも伝えてやろうかしら」

 

そんなシンジへ、アスカは若干侮蔑を込めた視線を送る。

 

「………」

 

それをシンジは甘んじて受け入れる。アスカの言う通り、いかに自分が最低か解っているからだ。

 

「……なんてね」

 

「え?」

 

だが、アスカの雰囲気が変わり、シンジに向けられた視線が笑顔へと変わった。

 

「こんなことだろうとは思ってたのよ。……むしろ、そんなアンタだから、好きになったのかもね」

 

「アスカ!」

 

アスカは、シンジの底抜けの優しさをよく理解していた。それが自分と、レイに向けられていることもよく解っていた。

その優しさが、シンジの守りたいという思いと、彼の強さに直結しており、シンジをシンジたらしめている。

なればこそ、レイのことも好きなことは承知していた。

 

「アンタの口から、ちゃんとあの子にも言いなさいよ、好きって」

 

「うん!」

 

「それと、一つだけ約束して」

 

アスカの笑顔が消え、篤実な表情になる。

 

「もし、アタシとレイ、どちらかか一方しか守れない時が来たら、アンタは、レイを守りなさい」

 

「アスカ、そんなの……」

 

「約束して、……お願いだから」

 

アスカの瞳に、シンジと同じ光が宿っていた。

同じ男を好きになったレイを、アスカも失いたくなかったからだ。

 

「……それは約束できない」

 

だがその思いが、シンジの覚悟を、より強固にする。

 

「シンジ!」

 

「どっちも守るよ。何が何でも……」

 

シンジは迷うことなくそう言ってのけた。

 

「……ふ~ん。本気なのね」

 

「でなきゃ、二人とも、好きにはならないよ」

 

「無理しちゃって。……ま、とりあえず、当てにしておいてあげ……」

 

そしてシンジの唇が、アスカの言葉を遮った。

 

「……守るよ、絶対」

 

「……もう少し雰囲気考えてよ。初めてなんだから」

 

「そう?いい雰囲気だと思ったんだけど」

 

「やっぱアンタチャラ男だわ。サイテー」

 

「……『サイテー』でもいいから、無事に帰ってきて。アスカ」

 

シンジはアスカを自分の腕で抱き寄せた。

 

「りょーかい。それまで、食事会の準備頼んだわよ」

 

「うん。いってらっしゃい」

 

「いってきます」

 

後にシンジは、叔父の言葉がどれだけの重みがあるかを知ることになる。

 

 

『テストパイロット到着』

 

『輸送中に医学検査終了、問題なし』

 

起動実験当日、リュウジはギリギリまで参号機につきっきりであった。

アナウンスを聞きながらも、参号機仮設ケイジ内で、ワイヤーガンを駆使しながら、機体を飛び回り、ウェアラブルコンピューターを各部に接続しながら、つぶさに異常がないか確認していた。

 

『教官。地上作業員は総員退避の命令が出てます。もう時間がありません』

 

そこに管制室にいる剣崎から連絡が入った。

彼も今回の実験における情報管理、治安維持のために同行していた。

 

「解ってる。これが終わったら戻る」

 

『間もなくテストパイロットもそちらに到着します。お急ぎください』

 

「……そうか、解った」

 

リュウジはワイヤレスイヤホンから連絡を切ると、今度は守秘回線をつなげる。

 

「……アスカ?今いいか?」

 

『何よ、まだ辞退しろなんて言う気?』

 

「ああ、こんないわくつきなガラクタ、乗るべきじゃない」

 

そう言いながらも、アスカが辞退しないことは、リュウジも解っていた。

子どもではあるが、エヴァのパイロットとしての責任から、アスカは逃げるようなことはしないからだ。

 

『アンタって、結構幼稚よね。今更そんなこと通るわけないでしょ?』

 

「君が拒めば、中止まで行かなくても、延期ぐらいはできる。そうすれば、その間にこいつをもっと綿密に調べられる」

 

『……リツコから聞いた。こっちに来てから、参号機にずっとつきっきりだったんでしょ?』

 

「そうだ。だが……何も異常は見受けられない」

 

『赤いカビ状の付着物、アンタが見つけたって聞いたけど?』

 

「あんなもの、見つけてくださいと言っているようなもんだ。なのにここの連中ときたら、これでもう安心と思ってる。話にならん」

 

リュウジはコンピューターの接続を切ると、ワイヤーガンで、エントリープラグ挿入位置まで飛ぶ。

 

「……まだコアを調べられてない。だが許可が下りなくてな。どうにかハッキングしたいんだが」

 

『サラッと怖いこと言うんじゃないわよ。そんなの許可降りるわけないじゃない』

 

「だからハッキングしてるんだろ?」

 

そのとき、ちょうどゴンドラがこちらに到着した。

 

「あんたばれたら死ぬわよ?解ってんの?」

 

そして、テストプラグスーツに身を包むアスカがリュウジに攻めよる。

 

「……大丈夫だ。俺はまだ死ねない」

 

険しい顔のアスカと対照的に、リュウジは微笑みながらアスカを撫でる。

そして、ゴンドラに乗らずに、下に降りていくスイッチを押した。

 

「ちょっとリュウジ!」

 

「何もなければ、後で俺が赤木博士に怒られればいい。だが何かあれば、俺はすぐさま飛んでいく。だから下りない」

 

そういうと、リュウジは回線をリツコに繋ぐ。

 

「今ゴンドラに乗りました。そちらに向かいます」

 

『了解。もう時間だから、悪いけどあなたがこちらに到着する前に始めることになるわ』

 

「ええ、かまいません。……では」

 

そんなリュウジに半ば呆れながらも、ここまでしてくれるリュウジにアスカはうれしくなった。

 

「……ねぇ、リュウジ」

 

「ん?」

 

「アンタに言っておきたいことがあるの。……今度の食事会のことなんだけど」

 

だがからこそ、この人にも何かしたい、とアスカは思うようになった。

 

「あれね、本当はレイが貴方と碇司令を仲直りさせたくて私とシンジが協力した企画なの」

 

そう言われ、リュウジは愕然とした。

そのことに気づかなかったからではない。子供たちにそこまで気を遣わせてしまった自分に、一気に辟易とした感情が押し寄せたからだ。

 

「アンタはいつも自分のことは二の次。傍から見れば、周りのことを優先させてすごいと思う。でもね、それを理由に、本当に向き合わないといけないことから、眼を背けてない?」

 

アスカの言う通りだった。

本来であれば、最も身近な存在であるはずのゲンドウから、リュウジは逃げている。

 

「アタシはさ、初めてできた家族が結構いいやつらだったから、逆に仲の悪い家族って良く解らないんだけど。兄弟のつながりって、たぶん切っても切れないものなんじゃない?」

 

「ああ、そうだな……」

 

「切っても切れないんなら、そのつながりを多少は良いものにした方が、多分貴方のためになると思う」

 

アスカは、家族をリュウジから教えてもらった。まだ戸惑うこともあるが、なんとなくいいものであると感じることができる。

だから今度は、それを教えてくれたリュウジの兄弟を、大切にしてほしかった。

 

「………」

 

そのアスカの気持ちに、リュウジは何も返すことは出来なかった。

 

「リュウジの性格からして、中々難しいとは思うけど、いい加減自分のことを優先させてよ、お願い……」

 

アスカはリュウジの頬に手を当て、優しく撫でた。

 

「……切欠は作ってあげる。だから、後は『碇リュウジ』次第よ」

 

そういうと、踵を返し、エントリープラグへと向かう。

 

「……アスカ!」

 

このままではダメだと思い立ち、リュウジはアスカに駆け寄る。

 

「これが終わったら、ちゃんと兄と向き合う。約束する。……だが……その……」

 

だが思い立ったはいいものの、こと兄弟関係となると、リュウジはどこか弱気になる。

 

「長年いがみ合ってきたから、正直どう向き合えばいいのか良く解らん。……だから」

 

「大丈夫。言ったでしょ?そのために食事会セッティングしてやったんだから」

 

その弱気なリュウジが、アスカは嫌いではなかった。

この人も、一人の普通の人間の部分があると思うと、世話を焼きたくなる。それが楽しいと感じるのだ。

 

「ありがとう、アスカ。そのためにも……」

 

「生きて帰ってこい、それが何よりの戦果、でしょ?」

 

「ああ。ま、今回は実験だから、実験成功かな?」

 

そういうと、リュウジは若干意地悪な笑顔を浮かべる。

 

「いちいち揚げ足取るんじゃないわよ」

 

「すまん、……それと、ついでといっちゃなんだが」

 

リュウジはアスカの体を指差し、

 

「見えすぎじゃないか?そのスーツ」

 

セクハラ発言をしてしまう。

 

「フン!!」

 

見事なまでの金的が、リュウジに炸裂した。

 

「変態オヤジ!」

 

「いや、すまん……つい」

 

男の痛みにリュウジはたまらず、もだえ苦しむ。

 

「はぁ、早く離れなさいよ。もう始まるから」

 

そうしていると、アスカは手を振りながら、エントリープラグに乗り込む。それを確認すると、リュウジもその場を後にし、ゴンドラの発着地点から少し離れた場所へと足を運んだ。ここならば実験の邪魔にもならず、様子を伺えると考えたからだ。

 

「ゲンドウと向き合う、か……。確かに、まずはそこからかもしれないな」

 

ゲンドウを止めるだの、望まない結果にするだの、いろいろと考えているが、そもそも自分は、ネルフに来てから、兄と面と向き合ってきたことがあっただろうか。

許せないという思いだけで、向き合うことを頑なに拒否してきた。

 

「……負うた子に、教えられるか。……いいものだなぁ」

 

―――だが、その時参号機に異変が起こった。

 

「……くっ!!」

 

リュウジはすぐさま駆け出した。

だが無情にも参号機の咆哮が響くと、

 

「グオッ……!」

 

リュウジの視界が白く染まった。




今回は原作キャラの背中を押してきたリュウジが、ついに自分の背中を押してもらいます。

だというのに、運命は残酷にも迫ってきます。

そして伝説の軍人の名は、呪いとして一生リュウジに付きまとうことになります。

ご意見、ご感想をお待ちしております。

誤字、脱字等ございましたら、お手数ですが、お知らせくださると幸いです。

これからも応援、何卒よろしくお願いいたします。
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