新世紀エヴァンゲリオン-And become Joseph-   作:さえもん9184

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更新が遅れて申し訳ありません。

なんとか合間を縫って、少しずつ描いて、できあがりました。


破-Here's to you-

碇リュウジの死と、長年使徒の浸食をうけていたことは、ネルフ内に広まった。

だが、彼の遺体が行方不明になったことは、情報操作によってゲンドウ、冬月をはじめとする、数人が知るのみにとどまった。

 

 

怪我を押して、リツコは自身のラボへと来ていた。

案の定、書類は散乱し、机の引き出しと言う引き出しが、掻き回されたであろう跡が見て取れた。

碇リュウジを観察していたリツコのラボから、彼に関する資料を手当たり次第持って行かれたことは、リツコはある程度予想していた。

そして、その散乱している書類の隙間から、メモを見つける。

 

『種まきの継続を』

 

それを見た後、メモに火をつけ、煙草の吸殻が敷き詰められた灰皿へと隠す。

 

「大丈夫なの?リツコ」

 

そんな時、その部屋にミサトが来訪した。

 

「休めるものなら休みたいけど、そうも言ってられないから」

 

リツコが煙草に火をつけながら言う。

 

「……言っておくけど、あなたが欲しい情報は、ごらんのとおりもぬけの殻よ」

 

「予想はしてたわ。恐らく碇司令は、リュウジさんの秘密を前から嗅ぎつけて、殺すタイミングと、資料を持ち出す機会をずっと狙っていたんでしょう。そのためにカバーストーリーまででっち上げて」

 

リュウジが死んでしまった今となっては、ミサトは彼への敬称を付けることに迷いはなかった。

 

「私は、碇リュウジに手篭めにされて、脅されて、仕方なく協力していたか弱い被害者、てことになってるわ」

 

どちらかと言うと、リツコの方がリュウジをモルモットにしていたのだが、リュウジは文句一つ言わず、協力し、仕事上もリツコやミサトのサポートに手を抜くことはなかった。

 

「ところで、アスカの容体はどうなの?」

 

「細胞組織の浸食跡は消えているけど、精神汚染の可能性も否定できない。暫くは、隔離して経過観察することに決まったわ。貴重なサンプルだしね」

 

「サンプルって、リツコ!」

 

「そうでも言っとかないと、アスカがモルモットにされかねないのよ!」

 

リツコの言葉に、ミサトは何も言えなくなってしまった。

各国に向かって、

 

『貴重なサンプルなので、研究中です』

 

と言わなければ、アスカを守ることができない状況なのだ。

 

「私だって、『うちの大切な子どもに、指一本触れるな!』って言ってやりたいわよ!!でも、私にはそんな力はない。それとも、あなたが守ってくれるの?無理でしょう!?リュウジさんみたいに、黙らせる力は私達にはないのよ!」

 

リツコは一気にまくしたてると、頭を抱えながら、椅子に座りこんだ。

それこそ、リュウジがいれば鶴の一声で、黙らすことが容易だったろう。だが、そんな力は自分たちにはない。

自身の無力さを、否でも痛感させられる。

 

「リツコ……ゴメン」

 

「こちらこそごめんなさい、あなたも辛いわよね」

 

リツコの言葉を、ミサトは無言で肯定した。

碇リュウジがもういない、と言う現実は、ある程度成長したミサトは受け止められる。

だが、師とも、親とも思い、尊敬していた人物の余りの扱いに、悔しさを拭えない。それも彼の実の兄が、そう扱っている張本人なのだ。

 

「以前リツコは言ってたわよね、あの兄弟の仲の悪さに、大した理由なんてないって」

 

「……ええ」

 

「その意味が、今回のことでようやく分かった。大した理由がないからこそ、実の弟にこんな扱いができるんだって……」

 

弟を弟とも思っていないからこそ、冷酷に、しかも彼の教え子に、態々リュウジを殺させた。

だがそのことに周囲は誰も文句は言えなかった。リュウジが使徒であったかはともかく、彼がその浸食をうけていたのは、本人から言質を取れているし、それに対処できるのが、現場にいた剣崎にしかできなかったことは、まぎれもない事実である。

 

「……リュウジさんは負けた。ゼーレ、碇司令、そのどちらにとっても、一番の障壁が消えた。使徒への対応だけでなく、世界がどうなるかも対応しなくちゃいけない」

 

ミサトは、加持に言われたことを思い出す。

 

『その時に備えて、あの人は君にできる限りを伝えてきたんだろ?』

 

だが、まだ教わりたいことは山ほどあった。

と言うより、ミサトは心のどこかで、いつの日か、リュウジがゲンドウにとって代って、ネルフの総司令官になることを願っていたのかもしれない。

 

「考えても仕方ないわ、私もできる限り、あなたのサポートをする。今は、前を見るしかないわ、そうでしょ?ミサト」

 

「ええ、ありがと、リツコ」

 

「……それで、シンジ君と、レイは?」

 

今度はリツコが質問をしてきたが、芳しくない表情をミサトは浮かべる。

 

「……シンジ君が目覚めないのよ。まるで、閉じこもっているみたいに」

 

「レイは?」

 

「起きて、シンジ君に付き添ってる」

 

「話したの?リュウジさんがどうなったか」

 

ミサトは無言でうなずいた。

いずれ知ることになるのだから、隠せるわけがない。

 

「最初は、本当にショックを受けているようだった。でも、その後は妙に落ち着いて、そのまま、シンジ君の病室に向かったわ」

 

傍から見れば、レイのショックは少ないように見える、だがリツコは、

 

(やはり……リュウジさんが危惧した通りかもしれない)

 

かつてリュウジがレイを見ての所見を思い出していた。

 

『戦うことになった子供は、大人より勇敢になり、大人より深く心に傷が残る。……彼女はそうなりかねない』

 

(トラウマによって、逆にレイの心に勇敢さが一気に芽生えたとしたら?今度は、自分がシンジ君を守ろうと、強固な決意を固めるかもしれない……)

 

リュウジが何を考えていたのかは、今となっては知る由もない。だが子供が戦う事を彼が嫌っていた理由は、かつて少年兵と戦線を共にし、凄惨な結果となってしまったからだ。

レイにとって、初めて自分を人間として向き合ってきたリュウジの死は、なお一層、その凄惨な結果を招くことになるかもしれない、とリツコは考えた。

そしてその考えは、望んでいないというのに、当たっていた。

 

 

シンジの病室で、レイは目覚めないシンジをただ見つめていた。

 

「碇君。私、今までちゃんと理解していなかった。大切な人がいなくなるのが、どういう事なのか」

 

ミサトから、リュウジの死を聞いたとき、レイは己の浅はかさを感じずにはいられなかった。

ゲンドウとリュウジのどちらも、レイは慕っていた。その思いは嘘ではないし、だからこそ、仲直りしてほしかった。

だが彼女が思っていた以上に、二人の軋轢は凄まじいものだった。にもかかわらず、リュウジはレイやシンジのために、ゲンドウに歩み寄ろうとしていた。

そんな思いを知らないとはいえ、ゲンドウは踏みにじるかのようにリュウジを殺した。

 

「こんなに……、こんなに苦しいものなのね……、胸が……、ギュウ、ギュウ、て締め付けられて……苦しいの」

 

自分がこんな思いをしているのは、あの兄弟を理解せずに、自分の思いを押し付けてしまったからなのではないか。そんな思いが、さっきから頭をよぎるたびに、胸が苦しくなる。

 

「だから……、もう、こんな思い、したくないから……」

 

そういうと、レイは穏やかな寝顔をたたえる、シンジの顔を、愛おしそうに撫でる。

 

「碇君や、式波さんが、エヴァに乗らなくていいように、私が戦うわ」

 

今まで、リュウジが、シンジやアスカのために唯一できなかったこと。

それは、代わりにエヴァに乗り、使徒と戦う事だった。

レイにはそれができる。

大好きなシンジと、アスカのために。

 

「大丈夫。碇三尉のように、私は強くないけど、きっと生きて帰るわ。それが、何よりの戦果だから」

 

 

ミサトが作戦課のオフィス前を通りかかると、リュウジの机の前に人影が立っていた。

 

「日向君?どうしたの」

 

「ああ、……一応、片づけておこうかと思いまして」

 

日向がリュウジのデスクだった机にあった、荷物や書類をまとめていた。

 

「と言っても、諜報部の人が粗方持って行ってしまいましたから、片付ける物も特にないんですが」

 

そう言って、日向が物悲しそうに、段ボール一つに収まるほどの荷物を、間もなくまとめ終わろうとしていた。

 

「……最初に、」

 

「え……?」

 

だが日向の手が止まり、ミサトに背を向けながら話し始める。

 

「リュウジさんが来たとき、ここに最初に使徒が襲来した時だったじゃないですか」

 

「ええ」

 

「正直、こんな緊急事態に、最高司令官のコネで、ネルフに入ってきた、厄介な人、って思ってたんです」

 

傍から見れば、そう思われても仕方なかった状況だったろう。

そんな得体のしれない、兄の七光りの男が、好き勝手に指令室に入ってきて、ミサトやリツコに指示を出している。

混乱するなと言うのが無理な話だ。

 

「でも、葛城一佐や、赤木博士が、リュウジさんの指示を受けていたときの表情は、真剣そのもので、それに、急遽エヴァに乗ったシンジ君の心拍数って、最初はかなり緊張していましたけど、リュウジさんの声を聴いて、一気に落ち着いたんですよ。それを見て、『ああ、この人は信頼されてるんだな』て、思ったんです」

 

その後の顛末を、日向は昨日のことの様に思い出せる。

エヴァンゲリオンを本格的に実戦投入した、世界初の戦闘において、あそこまで終始落ち着いて、パイロットへの的確な指示を出して見せた。結果的に見れば、最後の使徒の爆発以外では、大したダメージもなく、戦闘を終わらせられることができた。

 

「それに、いかに碇司令の弟と言っても、あそこまで真っ向から意見が言える人が、この世に存在するのかって、本当に驚きましたよ。だから、この人が僕らや、葛城一佐の上に立って、作戦指揮や、上層部への意見の具申をしてくれるようになるんだな、って、期待してたんです」

 

そこまで言って、日向はハッとして、ミサトを見た。

 

「あ、いや、その……決して葛城一佐が悪いとかそういうわけじゃ……」

 

「いいのよ、実際、私もそれを期待してたしね。でも……」

 

「ええ、蓋を開けてみれば、まさか僕らより下の階級で、何の権限もなしに配属されるとは、夢にも思いませんでしたよ」

 

それでも、リュウジは鬱屈した様子もなく、仕事に従事した。

年齢もそうだが、リュウジと比べれば、経験など零に等しい日向の指示にもしっかり従い、出来る範疇で、様々なアドバイスをしてくれた。

 

「正直、嫉妬してました。貴方の信頼を、短時間で得て、加えて、ボク以上に仕事ができる。……でも、当たり前ですよね。それだけの能力も実績もあるんですから。だから、憧れもしていたんです」

 

でも、と言うと、日向の表情が暗くなった。

 

「今になって痛感してるんです。あの人のようになるのは……ボクには無理だって」

 

「どうして?」

 

「……リュウジさんは、子供たちを、シンジ君を守るために、本当に命を張ってました。でも、いなくなった今になって、『リュウジさんがいなくて、どうやって子供たちを守るんだろう』としか、考えてない自分がいたんです。『ボクらで守らなくちゃいけない』て、真っ先に思えなきゃいけないのに……」

 

そういうと、日向は沈み込むように、床に座り込んだ。

 

「日向君……」

 

ミサトもその思いは同様だった。

子供たちを守らなくてならない、とは思っていても、果たして彼の様に守れるだろうか。

シンジのために、厳罰を覚悟で司令官の命令を無視できるか?

レイのために、体を張って囮として矢面に立てるか?

アスカのために、浸食を受けた参号機に入り込めるだろうか?

無論、ゲンドウの弟であることや、事前に使徒の浸食を受けていた、等、自分らとは違うこともある。

だが、それを差し引いても、命を懸けて、子供たちを深く愛していた。

 

「……教えてください、葛城一佐。……リュウジさんは、使徒だったんですか?」

 

「……資料を見た限りだけど、パターン青は検出されてない。精神汚染もなかったらしいわ。……あくまで、使徒との同化実験により、肉体への浸食が進んでいただけ」

 

「なら、あの子たちを……守ったり、ボクらに教えてくれたことに、何もウソはなかった、てことですよね?」

 

「……ええ」

 

「じゃあなんで殺されなければいけなかったんですか!!?赤木博士を脅してたなんてウソ、みんな解ってますよ!!どう考えたって……」

 

「それ以上はやめなさい!日向二尉!!」

 

日向が立ち上がり、まくし立てた言葉を、ミサトは遮った。

リュウジがいたこのオフィスに、未だにどんな監視の目があるか知れない。

 

「……貴方の言いたいことは解るわ。でも、リュウジさんはあくまで敵性存在として処分された、そこに私達の考えをさしはさむ余地はない」

 

「敵?それは誰にとっての敵なんですか?我々人類ですか?……その敵が、本来ボクらが守らなくてはならない子供たちを、死に物狂いで守ってたっていうんですか!?」

 

リュウジの机に、日向は拳を叩きつけ、悔しさをあらわにした。

 

「……もう解んないですよ……。何が正しくて、何が間違いなのか……」

 

「正しさは問題じゃない、我々がなすべきはただ一つ、敵に勝つことよ」

 

ミサトとて、この理不尽を全て許せているわけではない。

だが、理不尽を感じていても、前に進まなければならない。

 

「死んだ人間にこだわっていては、成すべきを成せない。死を悲しむなら、全て終わってからにして」

 

「解ってます……。ですが……」

 

「……比べる事じゃないのは解ってる、でも私達以上に傷ついた子がいるのよ?それを忘れないで」

 

そう言って、ミサトは自室へと向かった。

今はまだ、目を覚ましていないが、シンジが全てを知れば、一体どうなるのだろうか。

母親は既になく、実の父親は生きているというのに、彼に殆ど見向きもしない。そんなシンジにとって、リュウジは最後の肉親だった。

そのリュウジをを殺したのが、直接ではないが、シンジにとっての実の父親なのだ。

当事者でもないミサトとしても、考えるだけで残酷すぎる現実だった。

 

 

「こちら、報告書です。お目通し願います」

 

そしてミサトの向かった自室では、剣崎が今回の件に関する報告書を、この数日でまとめ書類で上げてきた。

 

「……ご苦労」

 

そんな剣崎に、なんとか仕事上の表情を向けて、ミサトは書類を受け取る。

先の一件における、剣崎への風当たりは強い。

リュウジの教え子であることを、知るものは少なくないので、すぐさま師匠殺しのレッテルが張られたのだが、その師匠殺しを命じたのは他ならぬ最高司令官であるし、更にいえば、剣崎が責められるいわれはない。リュウジが敵性存在であったことは、揺るぎようのない事実なのだから。

などなど、もろもろあるが、当の剣崎はその鋼の心臓故に、その鉄面皮が揺るぐことは毛ほどもなかった。

 

「……一ついいかしら?」

 

だがミサトは聞かずにはいられなかった。

 

「……教官を殺した理由ですか?」

 

「それは任務だからでしょう?今更、そんなことを聞く気はないわ。―――あなたは、碇司令に使い捨てられる駒になることを決めたというの?リュウジさんではなく」

 

「ええ、……結果的には」

 

『パン!!』

 

剣崎がそう言うが早いか、ミサトの平手が飛んだ。

 

「結局あなたは流されてるだけじゃない!主体性もなく、唯言われるがままに動く人形じゃない!!」

 

そして、剣崎の胸ぐらをつかむ。

 

「あの人は!……あの人こそ、上に立つべき人だった!あの人こそ生き残るべき人だった!!多くの人を導き、多くの人を愛し、多くの人を助ける!……そんな……英雄だった」

 

そして行き場のない怒りを、涙に変えて、剣崎の胸ぐらの濡らす。

 

「なのに……何で……」

 

「……すべて、押し付けるつもりだったんですか?」

 

剣崎の言わんとすることに、ミサトは理解が追い付かず顔をあげる。

 

「教官が、優しい笑顔で全部引き受けてくれるからと言って、全部押し付けるつもりだったんですか?」

 

「……なにを……」

 

「英雄と言う言葉は聞こえはいいですが、実のところ、全てを押し付けられた人物に他なりません。押し付けられたが最後、その全てどころか、さらなる義務を押し付けられて、全て大成功にするのが当たり前。成功じゃダメです、大成功でなくては。失敗?もってのほかです。彼も人間だ、失敗もある、だというのにみんなこう言う『英雄なら何でもできて当たり前』とね」

 

剣崎は、静かな眼でミサトを見据えていた。

 

「この人は、碇リュウジの何を知っているんだろう」

 

と、恨みを込めた言葉を受けても、そんな冷めた感情しか湧いてこなかった。

なぜ教官が英雄にならなければならないのか、彼はそんなもの望んじゃいない。ただ単に、大人として当たり前のこと、すなわち子供を守るという義務を果たそうとしたにすぎない。

ただ、それが今この時代、この場所(ネルフ)において、当たり前でなかった。それは、結局のところ剣崎もそうなのだが。

 

「私がやった事を正当化するつもりはありません。そもそも人殺しが正当化される時代などない。ですが、私が殺したのは少なくとも英雄じゃない、旧世界における、ただの男。そして今の世界おいては、狂った男です」

 

子供が大人のために戦うという、普通の世界において、子供を守るという狂気を成そうとした男。それだけで英雄にされる理不尽に、剣崎は怒りすら湧いてこなかった。

 

「これからです。葛城一佐」

 

そういいながら、剣崎は静かにミサトの手をほどく。

 

「貴方は、教官から学んだことで、成すべきことを成してください。私自身ですら、永遠に正当化することの無い、濡れ仕事(ウェットワーク)でなく。あなた自身が、成すべきことと信じたものを」

 

リュウジから学んだことで、リュウジを殺す。それがどんな思いかは、剣崎以外に知る由もない。だが、何かを感じるには、剣崎の心は、余りに死んでいた。

剣崎は、ミサトにそうなってほしくなかった。少なくとも、リュウジがミサトにそんなことを望んでいたはずが無いからだ。

 

「私は留まるしかない。使い捨てられるまで。それを選んだのは他ならぬ私です。貴方はどうしますか?留まりますか?」

 

「私は……」

 

リュウジの言葉を信じるなら、なるしかない、

 

「戦うわ。例え、どんな最後が待っているとしても……」

 

リュウジ以上の指揮官に。

その時、警報が響いた。

 

『総員!第壱種戦闘配置』

 

『地対空迎撃戦用意』

 

そして、緊張を帯びたアナウンスが続く。

 

「……行くわ」

 

「……ご武運を」

 

そういうと、剣崎は、部屋を去るミサトを見送った。

 

 

「まーったく、何が私の駒になるだよ。打ち手に黙って死んじゃう駒なんて、駒じゃないじゃん」

 

寒さを感じながらも、マリは人気のない弐号機が封印されたドックにて、出撃準備をしていた。

 

「結局、碇教官でも、ゲンドウ君は如何ともしがたいか、なら、私で何とかするしかないにゃ」

 

最新のプラグスーツを纏い、せりあがってくる弐号機に、エントリープラグをドッキングさせる。

 

「でも、まずは、この状況を何とかしなきゃ、ってね」

 

そう言うと、マリはエントリープラグに乗り込み、操縦桿を握る。

 

「……ユイさん。教官……。大丈夫。私が、なんとかする。だから、安心して」

 

そう言ったマリの頬に、一筋の光が伝った。




後、一話〜二話程で、破は終了の予定です。

更新ペースが戻せるかは、プライベートと仕事次第ですが、なんとか頑張ります。

ご意見、ご感想をお待ちしております。

誤字、脱字等ございましたら、お手数ですが、お知らせいただくと幸いです。

これからも、応援よろしくお願いいたします。
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