新世紀エヴァンゲリオン-And become Joseph-   作:さえもん9184

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思ったより早く投稿できました。

次回もこうだといいな〜。


Q-綿密な真実-

光学迷彩が解除され、突如現れた4+3号機(ジュニア)に、その脅威を知るアスカは顔をしかめる。

一方のシンジとカヲルは、初めて見るその機体に混乱を極めた。

 

「いったい……」

 

「アンタ!なんでここにいんのよ!!」

 

その言葉に、ジュニアは半ば呆れていた。

 

「オイオイ……。狙っていたとはいえ、本当に俺が動けないと思ってたのか?……こう言っちゃなんだが、つまらない大人になったな、アスカ」

 

そしてため息交じりで、そう言葉を吐いた。

その物言いに若干腹立たしく感じながらも、アスカは油断なく構える。

 

「何しに来た!」

 

「そうだな、目下の目的は時間稼ぎだ」

 

そういいつつ、二本の槍に目を向ける。

 

「今、お前が13号機にやられるのも困るが、かといってあの槍を抜かれても困る」

 

尤も、と言葉を繋げると、今度は13号機(カヲル)に視線を向ける。

 

「あれは、君にとってのお目当ての品物じゃないがな」

 

その余裕のある態度に、アスカの怒りが込み上げていく。

 

「アタシが、誰にやられるって?」

 

「お前が、13号機にだ」

 

だが煽るように、ジュニアはその態度を貫く。

そしてその言葉に、アスカは切れた。

 

「アスカ!ストップ!!」

 

「どおおりゃああああああああ!!」

 

マリの言葉にアスカが止まるはずもなく、4+3号機(ジュニア)に一気に襲い掛かる。

ジュニアは対照的に、落ち着いた様子を崩さない。

 

「おおおおお!!」

 

その刃が4+3号機(ジュニア)に襲い掛かった瞬間、身をひるがえしながら刃の根本を掴むと、一気に弐号機(アスカ)の構えた得物をからめ奪り、すぐさま刃の峰が弐号機(アスカ)の脇腹を強かに打ち据えた。

 

「グホッ!?」

 

思わずわき腹を抑え込み、前かがみになった瞬間、今度は膝が弐号機(アスカ)の顔面を蹴り抜いた。

そして、再び刃の峰で、その脳天を殴打する。

その一連の動きを、ジュニアは一呼吸でやって見せ、奪った両刃を興味なさげに捨てる。

 

「ウゥ……」

 

(我慢が足りないのは、変わってないな)

 

まだ何とか意識は保てているようだが、しばらく動けないとみて、ジュニアは今度は13号機に眼を向ける。

 

「さっき言った通りだ、お前たちに槍を抜かせるわけにはいかない」

 

「……誰だか知らないけど、邪魔しないでよ」

 

シンジの言葉に、先程の様に半ば呆れてしまう。

 

「お前もか、でもま、好都合だな」

 

そういうと4+3号機(ジュニア)は、両手に盾の様にATフィールドを展開する。

そして襲い掛かるATフィールドビットに向けて、素早く投擲した。

ATフィールドそのものが刃となって襲い掛かるが故に、命中すると中和されつついとも簡単に破壊されてしまった。

その隙をマリは見逃さなかった。

だがマリからわずかに漏れ出た殺気を、ジュニアも見逃さず、直撃を避ける。

この時、マリにはいつものふざけた様子は微塵も無かった。

眼前において最も脅威となる存在の排除、それのみに今の彼女は冷徹に従事していた。

だがその攻撃の悉くをジュニアは避けると、突如左手をかざす。

その行為の意味がわからず、一瞬マリは止まるが、すぐに狙いをつける。

スコープの越しの4+3号機(ジュニア)は、かざした左手で何か引き寄せるような仕草をしていた。

 

「なっっ!!?」

 

その直後凄まじい衝撃が八号機(マリ)の背中を襲った。

訳がわからず、そこまま遥か下の地面へと放り出される。

マリの脳内は一瞬混迷を極めるが、投げ出される中、その訳を理解した。

 

(ATフィールド!?)

 

落下していく中、自分が待機していたすぐ後ろに、ATフィールドをその目に捉えた。

八号機(マリ)の背後に展開されたATフィールドが、その場から宙へと押し出したのだ。

だがマリもすぐさま空中で体勢を持ち直すと、なんとか着地を決めた。

 

「流石は真希波マリ」

 

そう言いつつも、ジュニアは目端に槍へと向かう13号機(シンジ)を捉える。

 

「いい判断だが、無視は困るな」

 

再び手をかざすと、

 

「ぐっ!?」

 

今度は13号機(シンジ)の前にATフィールドを展開し、行手を阻む。

 

「クソッ!」

 

「言っても無駄だろうが、一応忠告しておく。あれはお前が考えているような代物じゃない」

 

「うおおおおおおお!!」

 

だがそんな忠告が、今のシンジの耳に入ることはなく、 4+3号機(ジュニア)に襲いかかるが、鋭いジャブが、13号機(シンジ)の顔面を打ち、すぐさまその勢いは止められる。

顔が跳ねあがった13号機(シンジ)のガラ空きのボディに、 4+3号機(ジュニア)の左右の拳が返す手で13号機(シンジ)の両脇腹に突き刺さる。

 

「グゥッ!?」

 

たまらず前屈みになる13号機(シンジ)の腕を、 4+3号機(ジュニア)は掴み取ると、捻りあげると共に、自分の背後へと投げる。

 

「しまっ!!」

 

そこには背後から襲いかからんとする八号機(マリ)が肉薄しており、急に投げられた13号機(シンジ)の下敷きとなってしまった。

その直後、Mark9(レイ)が拾い上げた鎌で、 4+3号機(ジュニア)に飛びかかる。

だが振り下ろされたと同時に、 4+3号機(ジュニア)は鎌を奪い取ると、鎌の柄でMark9(レイ)の足を払い倒すと、無防備な腹に拳を叩き込んだ。

 

「カハッ?!」

 

たったの一撃だが、鳩尾に的確に入った一撃に、レイは咽せこむしかできない。

 

「フンッ!」

 

そこへ紅い影が、 4+3号機(ジュニア)にお返しとばかりに飛び膝蹴りを喰らわす

 

「回復が速いな」

 

4+3号機(ジュニア)はたまらず後方へと跳ぶ。

あたりこそしたものの、ジュニアは後方へと大きく跳ぶことでダメージを散らした。

そしてすぐさま弐号機(アスカ)と、 4+3号機(ジュニア)は共に構え、対峙する。

 

「第二ラウンドよ」

 

その言葉を皮切りに、拳と蹴りの応酬の火蓋が、切って落とされた。

それを目端に捕えながら、シンジはなんとか立ち上がろうとする。

 

「ごめん、シンジ君。足を引っ張ってしまって」

 

カヲルは知っているが故に、余計に混迷していた。

 

(あれは一体なんだ?なんで僕と同じ……)

 

「ううん。それよりも、あのエヴァは……」

 

「四号機のS2機関をコアに、参号機と四号機を掛け合わせた機体。解っているのはそれぐらいだニャ」

 

その時、シンジの耳に聞き覚えのある声が届いた。

 

「君は確か……マリ?」

 

「ハハハ……、嬉しいにゃぁ、覚えててくれるなんて」

 

「忘れないよ。初デートの相手は」

 

(ま、またこういう事を、こんな状況で)

 

今のマリの顔をシンジが見たら、

 

「風邪引いたの?」

 

とでも聞かれそうなほど、歳不相応に紅く染まっていた。

 

「それに、もう一回デートしたいって言ったしね」

 

その一度だけの初デートが、マリの中のかがり火となっていた。

シンジはマリに手を差し伸べると、力強く立ち上がらせる。

 

「さて、シンジ君。戦っていてわかったと思うけど、あのガキの戦闘能力は常軌を逸してる」

 

「うん。あのアスカがまるで子ども扱いだ」

 

拳と蹴りの応酬を見る限りでは、弐号機(アスカ)が攻めている。

だが、その悉くを読みきり、4+3号機(ジュニア)は完璧にいなしている。

にもかかわらず、4+3号機(ジュニア)は攻めない。理由は単純である。彼の目的は時間稼ぎであって、弐号機(アスカ)を倒すことではないからだ。

 

「君は気絶していて気付かなかったかもしれないけど、洗脳された状態とはいえ、アイツの技術は生身の教官とも互角に渡り合えるレベル、この意味わかるよね?」

 

その言葉にシンジはゆっくりと頷く。

 

「おじさん並の戦闘能力を持ったエヴァ、ってことだね」

 

「そ、今の君にもいろいろと思うところはあるだろうけど……」

 

「まずは、協力してあのエヴァを倒す」

 

そうしてひとまずは休戦が成立した。

マリは一緒に落とされた装備の中から、パレットライフルを拾い上げる。

 

「まずは、Mark9(レイ)を助けて、4対1の状態を作り上げる。アスカは私が援護するから。あの子の確保任せたよ?」

 

「了解。カヲル君」

 

「ああ、あれからは嫌な予感がする」

 

八号機(マリ)4+3号機(ジュニア)に向けて射撃を開始すると同時に、13号機(シンジとカヲル)Mark9(レイ)に向かって走り出した。

 

「ったく、また援護遅れてるじゃないの!」

 

「メンゴ~。シンジ君に押し倒されちッテ」

 

軽快な会話のさなか、4+3号機(ジュニア)八号機(マリ)の銃撃をよけるためいったん下がると、再度両手にATフィールドを展開する。

盾のように展開されたATフィールドは、一見すると防御範囲が狭く、不便に見えるが、その分機動力があり、接近戦を得意とするジュニアにとってはそのまま殴打武器とも、切断武器ともなり、勿論防御にも使える、融通の利く使い方であった。

そしてそれを振るって、八号機(マリ)からの銃撃を防ぎながら、それでもなお弐号機(アスカ)との近接戦を展開していく。

 

「フフン。それぐらい想定内よん」

 

その離れ業を見てなお、マリもアスカも冷静沈着であった。

ジュニアはあくまで時間稼ぎと言っていることから、無理な攻めはしてこない。

ならば、こちらもそれを利用して4対1の状況を整えそこから一気呵成に責め立てればいい。

 

「一つ聞いていいか?なぜそこまで俺を憎む?」

 

「ムカツクのよ!強いからって、アンタみたいに余裕こいて、全力を出さない奴が!!」

 

「それは間違いだ。俺は全力だぞ?……全力で手加減してる」

 

その物言いに再度、

 

「ふっざけんなあああああぁぁ!!!」

 

アスカは切れた。

 

「まずい!!」

 

八号機(マリ)は駆け寄ろうとするが、既に遅かった。

怒りがこもった弐号機(アスカ)の拳に、4+3号機(ジュニア)は肘を合わせ、その気勢をそぐ。

 

「うぐぅあっ!!」

 

当然激しい痛みが拳に走る。

その隙に弐号機(アスカ)の腕を捻りあげ、足を蹴りバランスを崩す。

4+3号機(ジュニア)は片膝をついた弐号機(アスカ)の背後から、ATフィールドをその喉元に付きつける。

またもやその一連の動きを、ジュニアは一呼吸でやって見せた。

 

「さっき言ったことは訂正しよう、アスカ。つまらない大人どころか、お前も所詮ただのガキだな」

 

「アスカ!!」

 

「動くなよマリ、後ろの三人もな!」

 

シンジはレイを助け起こしながらも、その言葉に歯を食いしばった。

そして間に合わなかったマリも、悔しさをその表情に浮かべるが、その場に立ち尽くすしかなかった。

 

(戦闘能力が高いなんてもんじゃない。バケモノ染みてる)

 

マリはこれ程の技術を、実戦でやってのける人物はリュウジ以外には見たことが無かった。

それも、生身ではなく、エヴァをシンクロさせながらと言う離れ業である。

 

(あり得ない、シンクロ率がどれ程かは知らないけど、100%に近くなければ、これほどの動き……)

 

『……た、…………こう。……す、……う!』

 

その時、ノイズ交じりの通信がジュニアに入った。

 

「……時田さん?」

 

『…返す!……の、……ヤの救助……、…ア!応答願う』

 

いきなりの通信に、他のパイロットも訳が解らず、耳をそば立てた。

 

『ジュ…ア!…ちら時田!応答願う!!』

 

「こちらジュニア!」

 

『よかった!やっと通じた。こちら時田!救出目標である、剣崎キョウヤの救助に成功!これより離脱する』

 

 

「なんですって!?」

 

一方のヴィレでは、ミサトが予想外の人物の名前が傍受されたことに、驚愕の声を上げた。

 

「今の通信は、確かにネルフ本部から発信されたものです。また声紋分析も、時田シロウのもので間違いありません!」

 

分析結果が報告されるが、それでもミサトは訳が分からなかった。

 

(なぜ、剣崎キョウヤを?恨みを晴らすために、リュウジさんを見つけるならまだわかる。なのにわざわざ剣崎キョウヤをなぜ……)

 

そもそも、生死不明、行方知れずの剣崎キョウヤがネルフ本部にいると、なぜ時田もジュニアも知っていたのか。

困惑が拭えないミサトの横で、リツコはついに自分の中にあった仮説が完成し、膝をついた。

 

「……リツコ?」

 

その表情に、ミサトは余りのリツコの表情に言葉がつまった。

 

「ハ、ハハハ……」

 

そしてリツコは弱く、乾いた笑いが自然とこぼれた。

 

「……すべて、…すべて、手のひらの上だった。……私達も……碇、ゲンドウも」

 

「リツコ!しっかりして!!」

 

だがそのまま、リツコは手を地面につく。

 

「……碇リュウジじゃなかったのよ」

 

「何を言っているの?」

 

「私たちの目の前に現れていたのは、洗脳された碇リュウジじゃない」

 

力が入らないのか、リツコは机にしがみ付くと、なんとか立ち上がる。

 

「洗脳され、……顔を変えられた、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……剣崎キョウヤだった」

 

 

その通信を聞いたジュニアは、アスカを思わず解放した。

 

「このっ!!」

 

アスカはすぐさまジュニアの足を払うと、倒したジュニアに渾身の踵落としを繰り出す。

それらを全く抵抗することもなく、ジュニアはその身に受けた。

だが、

 

「は、ハハハ……、ハハハハハハハハ!!」

 

まったく気にも留めることもなく、ジュニアは狂ったように笑い出した。

その様子に、アスカだけでなく、マリも、カヲルも、シンジも、レイまでもがその不気味さに動けなかった。

 

「よかった……。よかった……、剣崎。すまなかった」

 

今度は笑いが止まったかと思ったら、ジュニアは安堵と謝罪の言葉を繰り返した。

 

『アスカ!マリ!応答して!』

 

「ミサト!?」

 

『4+3号機のパイロットの正体がわかった!私たち全員、思い込みの盲点を突かれていた。だから解らなかった!』

 

「ようやっと気づきましたか。結構ヒントは出していたつもりだったんですがね」

 

「どういう事よ……」

 

『私たちの目の前に現れた碇リュウジは影武者、それに仕立て上げられていた男こそ剣崎キョウヤだった!』

 

「じゃあ、私たちの目の前にいるこいつは……」

 

『4+3号機に乗っているのは……』

 

「そう、俺だよ。アスカ、マリ」

 

そういうと、ジュニアはゆっくりと立ち上がる。

 

「……おじさん、なの?」

 

「そうだ、シンジ。……俺が、碇リュウジだ」

 

そういうと、4+3号機(リュウジ)13号機(シンジ)へとゆっくり視線を向ける。

そして再度通信を繋げた。

 

「時田さん。救出ありがとうございます。流石は14年間、ネルフからもヴィレからも逃げ続けた男」

 

『貴方を抱えながらな』

 

「それではこちらも作戦を決行します」

 

『了解。すぐさま離脱します』

 

「離脱を確認次第、フォース・インパクトを発動させます」




こんな事言うのもなんですが、決して思いつきの展開ではありません自分なりに伏線を張っての展開です。

あ……、でも結構バレバレだったかもですね。
伏線張るのって本ッ……当にムズイです。

ご意見、ご感想をお待ちしております。

誤字脱字などござましたら、お手数ですがご報告いただけると幸いです。

これからも応援、よろしくお願いします。
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