新世紀エヴァンゲリオン-And become Joseph-   作:さえもん9184

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コロナきつかったです。

更新のペース上げられるよう頑張ります。


Sin-重き思い-

リュウジのユーロネルフ基地内への移動準備は、ミドリ、サクラ、

 

「そんな、遠慮がちに見ないで下さいよ、伊吹整備長」

 

「す、すいません……」

 

そしてマヤの責任の下、着々と進められていた。

 

「はぁ~あ~、14年前は私を顎で扱う鬼の先輩だったのにな~」

 

「え?やっぱり伊吹整備長って、昔から厳しかったんですか?」

 

サクラがリュウジのふざけた口調を、若干本気で捉えてしまう。

 

「ちょっと、リュウジさん!」

 

「そりゃあもう……。私は当時伊吹整備長の下でシンクロテストのお手伝いをしていたんですが、初めてで右も左もわからない私をしごきにしごいて、あれは今思うとパワハラなのではないかと……」

 

「私がいつそんなことしたって言うんですか!!」

 

必死でマヤは否定するが、演技とは到底思えないリュウジの身体の振るわせ方に加え、日常的に部下に厳しいマヤを知るミドリとサクラは、少し信じ始めており……

 

「怖いでしょう?本人は自覚無いんです。それに伊吹整備長は当時から艦長や副長の信頼も厚く、上司に相談しようにも私の言葉など信じてもらえず……」

 

それを面白がるリュウジが、更に嘆くように言葉を漏らして見せたことで、『マヤは昔から鬼』という出鱈目を面白がりながら盛る。

 

「そんないじめてたみたいな言い方やめてください!」

 

マヤからしてみれば陰でこれ以上『鬼の整備長』などと言われたくないので、更に必死に否定するが、目の前のミドリとサクラの表情は畏怖の色に染まりつつあった。

 

「二人とも、確かにこの人は当時階級としては私より下だったけど、私は別に……」

 

「ですが……」

 

マヤが必死で弁解を図ろうとする言葉を、リュウジは演技をやめ静かにさえぎった。

 

「当時エヴァも、使徒も解らない私を、彼女は助け、いろいろご指導くださいました。そのお蔭で、私はネルフ内に辛うじて籍を置くことが出来た。―――そしていつも、仕事に対して真摯に向き合っていました。私にとっては、今も昔も尊敬している先輩ですよ」

 

そしていきなり謝意と尊敬を伝えてきたことに、マヤは今度は気恥ずかしさを感じてしまい、

 

「ふ、二人とも、ここは良いから向こうの隔離室の整備に行って」

 

「え……でも」

 

「いいから!」

 

ミドリの言葉を強引に遮ると、無理やり部屋を退室させた。

 

「ハァ……。もう、変なこと言うのやめてください」

 

「すいません。少しふざけ過ぎました」

 

「それもそうですけど。……尊敬しているとか、そんな思ってもないこと……」

 

「それは本心ですよ」

 

リュウジのその表情には、ふざけた色など微塵もない。

 

「あなたも、己を犠牲にして、覚悟をもって今日まで戦ってきた。それは部下に厳しく向き合っていることからも解ります」

 

マヤはそんなリュウジから目が離せない。

彼の見た目も声も、大きく変異してしまっている。眼の色すら紅く染まりきっているにもかかわらず、その奥底にある何かは、14年前と寸分違わず、マヤを見つめていた。

 

「こんな絶望に染まりきった世界で、すぐに『ダメです』なんて言って諦めているようじゃ、話にならない。そんな泣き言を言う前に、手を動かせ、手が無いなら足を動かせ、足が無いならその歯で最後までくらいついて、生きるために全力を尽くせ……それが、『鬼の整備長』でしょう?」

 

言い当てられた。

マヤは己の中にひた隠しにしてきた覚悟を、リュウジに正鵠を射られ呆然としてしまった。

 

「自分がどう見られるか、それを完全に無視することは難しい。ですがそれよりも、あなたはこの世界で、次の世代が生きていけるよう懸命に向き合っている。そんな伊吹整備長を、私は心から尊敬します」

 

「―――私は、あなたのように優しくなれませんでしたから。厳しくするしか無かったんです」

 

リュウジにとって予想外の言葉だったのか、彼は一瞬目を見開いた。

 

「私は、優しかったですか?」

 

「覚えてないんですか?第八の使徒の時の事」

 

だがマヤの言葉に、すぐに合点が言った。

 

「あなたは、いつも優しく諭してくれました。私もそうできたらいいですけど、私にはそんな余裕ありませんでしたから」

 

「……だからなんです?」

 

「え?」

 

「結果が全てです。あなたの厳しさに、皆ついてきた。ならば、私の優しさとやらは、この世界にあったところで何の役にも立たない」

 

マヤの知る限りではあるが、リュウジは兄以外を否定するのを見たことが無い。

いつもこんな風に、自分以外の人の背中を優しく押してくれる

 

「あなたは、あなたのやり方で皆を生かしてきた。ならば、あなたが憧れた『優しさ』は無用の長物です」

 

そういうと、リュウジは静かに立ち上がった。

 

「自惚れるわけではないが、あなたが私に対して憧れを持っていることは解る。ですが、そんな憧れは捨ててください。私の優しさとやらは、何も助けることもできなかった。シンジも、葛城さんも、誰も……。ですがあなたは違う。その厳しさで、確かに今日まで生き抜いた若者たちがいる。ならば、正しいのはあなたです」

 

立ち上がったリュウジを直視できず、マヤは思わず背を向けた。

 

「なんですかそれ……パワハラが正しいっていうんですか?」

 

「パワハラはただの自己満足です。ですが、あなたの厳しさは……生きてほしいという切実な願いだ」

 

リュウジの言葉に一間あけ、小さくマヤは溜息をついた。

 

「だとしても、正直今の子たちはついてくるのがやっとです」

 

それがある種の理不尽であることは、マヤも理解していた。

だがマヤは思わずイラついてしまう『若い男』の体たらくと、目の前の『碇リュウジ』を嫌でも比べてしまう。

 

「大丈夫。いつか私以上に頼もしいと思える日が来ますよ。何せ次は、その若者たちの時代なんですから」

 

そんなイラつきを見透かしているかのように、リュウジは諭すように言う。

正しいことをしているのなら、自ずと結果はついてくる。マヤの役目はその日まで、彼らと共に生き、ミサトやリツコを支える。

ある意味で最も厳しい立場かもしれない。だが彼女は大丈夫だとリュウジは思う。

そうしてこの絶望の世界で、今日まで生きているのだから。

 

「……そうですね。次につなぐのが、私たちの役目ですから」

 

だがマヤにはこの後、悲劇に見舞われた。

14年前から『伝説の軍人』をパワハラで苛め抜いていたという噂が『どこからか』流れてしまい、事情を知らぬ者達から完全に恐怖の対象となってしまったのだ。

 

 

「渚カヲル。至急艦長室まで」

 

一方カヲルとシンジの部屋にマリが徐に顔を出すなりそう口を開いた。

 

「え?ボクを?……シンジ君ではなく?」

 

「アンタに用がある人が、艦長と一緒に待ってる。―――悪いねシンジ君。ちょっちこいつの事借りんね~」

 

そういうが早いか、カヲルを無理やりに部屋から連れ出してしまう。

 

「……え?」

 

残されたシンジは、しばし呆然としてしまった。

 

 

「いや~。悪いね急に。何せ艦長も人使い荒いから」

 

「別にいいさ。やることもないし」

 

テンション高めなマリに少し引き身なカヲルは、距離を置くような態度である。

そんなカヲルを面白がるように、マリは横からまじまじと見る。

 

「……なんだい?ボクの顔に何かついてるのかい?」

 

「いや~……。ただ、ゲンドウ君の後釜を務めてた人がどんな人なのかにゃ~?って思っただけ」

 

その言葉に、カヲルの顔をしかめた。

 

「……あまりそのことは言わないでくれ」

 

「はいはい、モチのロンで言いませんとも。……シンジ君にもね」

 

「彼は関係ない」

 

「おっと失礼いたしました~。渚指令」

 

マリのからかいに眉間のしわがより深くなる。

 

「それよりボクだって艦長室はどこか知ってる。君はボクのことが気に入らないようだから、さっさとシンジ君のところでもいったらどうだい?」

 

「ニャハハ。そうしたいのは山々だけどね~」

 

そういうと、マリの目が弱冠の鋭さを帯びる。

 

「艦長室にいる奴は、アンタ以上に気に入らないやつなんだよね」

 

 

「艦長、お連れしました」

 

「ご苦労」

 

艦長室にいたのは勿論ミサトであり、そして、

 

「……はじめまして、渚カヲル」

 

碇リュウジ……の、体となった剣崎キョウヤであった。

 

「もっとも、あなたは調整槽の中の私をよくご覧になっていたかもしれませんが」

 

予想外の人物に、カヲルは呆気にとられた。

 

「マリ、もういいわ。戻ってよろしい」

 

そう言われたマリは、無言で扉の前に立つが。

 

「ハァ……」

 

一息つくと、ズカズカと部屋へと戻り、

 

「……マリ」

 

ミサトが止めるのも聴かずに、剣崎を睨みあげた。

 

「……なにか?」

 

「……いや?ゲンドウ君も、随分とえげつないことするニャ~って思ってさ」

 

「マリ」

 

ミサトは今にも襲い掛かりそうなマリに声をかける。

 

「だいじょ~ぶ。確かにこいつは戦闘技術だけなら教官に匹敵する。そんなキョウヤ君の頭とみためをいじれば、確かに誰も解らないニャ」

 

一方のマリも殺気こそ放っているが、勿論襲い掛かる気は毛頭なかった。

彼女程ともなれば、彼我の実力差は十分すぎる程把握していた。

 

「でもこれだけは言っとく、アンタは碇リュウジにはなれない。どんなにみためが同じになっても、例え教官を殺せたとしても」

 

その恨みを剣崎に向けることが理不尽であることは、マリも理解している。

 

「悪いね。教官の策謀だったとしても。私はアンタが教官を殺したことは許せない」

 

そうは言うが、マリは剣崎を見た時から理解していた。もしリュウジと殺し合いをするとして、勝てる可能性があるのは剣崎キョウヤだけだと。

 

「それだけですか?」

 

「随分と余裕だね。自分が教官の最高傑作だからかな?」

 

そう言われた剣崎は、思わず笑いをこぼした。

 

「そんなにおかしかった?」

 

「ええ、……あなたは何もわかっちゃいない」

 

そう言いながら、剣崎は笑いをこらえるような表情で続けた。

 

「教官からしてみれば、私は失敗作ですよ。だからこそ、私は碇リュウジを殺せた」

 

そしていつの間にか彼の表情からは笑みは消え、どこか篤実なものへと変わっていた。

 

「あなたは、恩師の死を悼み、その仇に対し、恨みを募らせた。それはあなたが、立派な人間である証拠です。ですが、私は違う」

 

そういうと剣崎は己の手を見つめた。

かつて、リュウジに向けて拳銃を向けていた己が手を。

 

「14年前、教官を……あの人をこの手で殺したとき……私の人としての心は、既に死んでいた。でなければあんな……あんな過ちを犯すことなどできはしない」

 

その言葉に、マリは剣崎の言葉の正しさを認めた。

自分が本当に何もわかっていないことに気づかされたからだ。

リュウジが狂気に侵されているのは先刻承知ではあるが、そんな人物はゲンドウ以外にいないと思い込んでいた。

だが違った、目の前のリュウジと同じみためになった男は、その恩師を殺したのだ。それことリュウジ程の狂気を帯びていなければできない。

そしてリュウジが、そんな狂気を孕んだ存在を、自分の手で作りたい訳がない。

剣崎はそれを良く解っていた、だからこそ自分を『失敗作』と言ってのけたのだ。

 

「……ですがあなたは違う。あなただからこそ、教官はシンジ君を託したんです」

 

「その顔で、そういう事言うのやめてくれる?」

 

先程ああは言ったが、まさにリュウジに言葉を掛けられているかのような錯覚を振り払うかのように、マリは剣崎に背を向けた。

 

「申し訳ありません、艦長。あなたの旧友に失礼な態度を取って」

 

「……あなたも、少し休みなさい」

 

「りょうか~い。それじゃ、シンジ君に癒してもらお~っと」

 

マリはわざとらしく明るいテンションで、

 

「はぁ……、教官が頼りにするはずだにゃ」

 

艦長室を後にした。

 

「……お待たせしました。渚さん」

 

自身の吟味を終えたマリを見送ると、剣崎はカヲルに向き直った。

 

「……それで、ボクを呼んだ理由は何です?」

 

「それこそ、彼に聞いてほしい。私も理由は聞かされていない」

 

ミサトも剣崎に、

 

『渚カヲルを呼び出してほしい』

 

としか聞いていないため、その理由は何も知らなかった。

 

「……お二人に、ある人物の最後の思いをお伝えする為です」

 

そう言われても、二人ともピンとは来ない様子であった。

 

「そしてこのメッセージのお蔭で、私は自我を取り戻すことが出来た」

 

そう言うと、剣崎はカセットプレイヤーを机に静かに置いた。

 

「……この中には、私が聞いた……加持の最後の言葉が入っています」

 

 

……これをあなたが聞いているということは、私が任されたことは無駄には終わらなかった、ということでしょう。

 

まことにそれは喜ばしい。

 

……ですが、まずは謝らせてください。

 

どうやら、葛城を悲しませることになってしまった。

 

いや……悲しんでくれるのかな、あいつは……。それは私の願望かもしれません。

 

そう思うってことは、やっぱりあいつのことがまだ好きみたいだ。

 

……だからと言っちゃなんですが、今度は、俺の頼みを聞いてくれませんか?

 

むろん、あなたにはあなたの思惑があるでしょう。

 

ですが、あなたの頼みの代価を、まだもらってなかったのでね。

 

……どうか、私の代わりに、葛城を守ってほしいんです。

 

師として、信頼していた人物がいなくなって、それでも彼女は胸を張って戦ってます。背中を丸めてはいけないと、自分に言い聞かせているんです。

 

それと、申し訳ありませんが、もう一人助けてほしい人物がいます。その人は、あなたと同じく、シンジ君を思い、ずっと戦ってきた人物です。

 

……渚カヲル。彼をどうか助けてください。

 

あなたにしてみれば、誰の事かとお思いでしょうが、彼は何度も、シンジ君を助けようと戦ってきた。

 

だからこそ、彼がシンジ君を選び、生命の書に名を書き連ねた。

 

……彼は第一の使徒であり、第13の使徒となる人類のはざまを紡ぐ存在。

その使命を果たした今、もう報われていいと私は思うんです。

 

どうか、……どうかお願いします。

 

……リュウジさん。

 

 

 

そう言い終えると、加持はカセットの録音ボタンを離した。

彼の目の前には、リュウジに頼まれ秘密裏に運びだし隠した、彼自身の遺体があった。

 

「この人の言った通りだった……」

 

加持は余りに安らかに眠るリュウジを見ながらそう呟いた。

 

「『愛する人がいるなら、その人の元へ帰るべき』……この期に及んで、葛城とカヲルを守れなかったことが、悔しくてしょうがない」

 

そう言うと、徐にカセットプレイヤーを机に置いた。

 

「……すまん。お前さんにこんなことを言うのは酷だな」

 

傍にいた剣崎に繕うように、加持は言葉を吐いた。

守りたいと思っていた唯一の存在を殺すことになった目の前の旧友と比べれば、その存在がまだ生きている自分はまだましな状態であると感じたのだ。

 

「気にするな。お前は早く葛城一佐の元へ行け。後は俺がなんとかする」

 

だが剣崎はそんな加持の思いを受けながらも、ミサトの元へ行くよう促す。

 

「今度こそ、後悔するな。加持」

 

「すまん……。いや、ありがとう」

 

 

そうして最後に抱擁を交わしたのを、剣崎は昨日のことのように覚えていた。

 

「加持は……。私の目の前でこのメッセージを、残しました。あいつは最後まで、お二人を残して逝くことを悔やんでいました。ですがそれでも、サード・インパクトを止めるために、死地に赴いた」

 

最後の加持の言葉が、剣崎の頭から離れなかった。悲しみ、後悔、そして覚悟。あらゆるものが込められていた気がしたからだ

 

「その覚悟がどれ程か……私などでは知る由もありません。ですが加持にとって、サード・インパクトを阻止することこそ、お二人を守ることになると考えたんだと思います。たとえ世界が変わり果てたとしても、その覚悟を二人の為に……二人を愛した自分の為に、貫いたんだと思います」

 

その想いが込められた言葉があったからこそ、剣崎は己を取り戻すことが出来た。

だがその想いは、本来目の前にいる二人にこそ向けられるべきものだ。

自分のような死人が受け継いだろことで、何の役にも立たない。

 

「……申し訳ありません。もっと早くにお二人に伝えるべきでした。ですが……」

 

「いいのよ、剣崎君」

 

いつの間にか立ち上がっていたミサトが、優しく彼の肩に手を回し、

 

「ありがとう。……加持の最後の思いを教えてくれて」

 

優しく抱き寄せた。嘗ての加持のように。

 

「あなたには、あなたの使命があった。だから……だからいいのよ」

 

「……光栄です。葛城艦長」

 

カヲルは一人、恐る恐るそのカセットを手に取った。

 

「彼は……、リョウちゃんは本当に、ボクをカヲルと呼んだんですか?」

 

ミサトはゆっくりと剣崎との抱擁を解いた。

 

「ええ。……確かに。そう言いましたよ」

 

いつの間にか、カヲルの頬には涙が伝っていた。

 

「あなたに会えてよかったと言っていた。誰かの為に戦う事の意味を、貴方から教わったと」

 

シンジの為に、無限の時間を戦い続けてきたカヲルに、加持が何を思い、感謝していたのかは剣崎は知る由もない。

だがカヲルの戦いが、何か加持の中に残したのは確かだ。

だからこそ、容易に本人の前で『カヲル』と親しみを込めて呼べなかったのかもしれない。

 

「艦長……」

 

剣崎は、ゆっくりとミサトと向き合う。

 

「申し訳ありません。あのカセットは一つしかないんですが……」

 

「いいわ。彼にあげて」

 

カヲルは、その言葉に一間、涙すら止めた。

 

「……い、いいんですか?」

 

「ええ、加持も喜ぶ。それに私は、アイツからもらったものが、別にあるから」

 

ミサトはその時、自身で己の成すべきを気づいた。

なぜ大切なものと距離を置こうとしたのか、今となっては嘗ての自分に拳を喰らわせたくなるほどだった。

 

「私は、大切なものと向き合う。だからあなたは、大切なものを、大切にして」

 

艦長としてやるべきことはやってきた、ならば最期ぐらい人としてなすべきを成す。

そうミサトは思い立ったのだ。

 

「ありがとう……、ございます」

 

カヲルは深く頭を下げた。

確かにこれは、カヲルにもミサトにも向けられた言葉ではない。

だが、だからこそ本人には向けられなかった思いが詰まっていた。

加持がどれだけミサトを愛し、カヲルを思っていたか。

それを14年越しに知ることができた奇跡を、二人は噛み締めた。

そして剣崎は、その積荷をようやく下ろすことができた。

 

(もう、充分だな……)

 

この瞬間剣崎は、リュウジと同じく、自身の中に何も無くなった。




私ごとで恐縮ですが、メチャクチャ嬉しいことがありました。

以前述べたように葉巻が趣味なんですが、ついにビッグボスが作中に吸っていた葉巻のモデルと言われている葉巻を手に入れました。

そんなことはいいから早く投稿しろって話ですよね。頑張ります。

ご意見・ご感想をお待ちしております。

誤字・脱字等ございましたら、お手数ですがご指摘いただけると幸いです。

これからも応援よろしくお願いいたします。
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