モンスターハンター ─異世界転生英雄伝─ 作:桜樹斗
眼が覚めるとそこは雲の上だった。
ここは・・・どこ?
『眼が醒めましたか。
信じられないかもしれませんが私はこの世界を司る者。貴女方の言葉で言うなれば女神と言うことになります。』
女性の声が脳に直接響く。
こんな事が出来る時点で人間では無いのは分かる。
『貴女が今いるのは世界の狭間と言うべき世界です。
世界と世界を繋ぐ場所。
簡単に言えば天国ですね。
貴女はこの世界に迷いこんでしまったのです。
恐らく、時空の歪みに誤って入ってしまったのでしょう。』
女神様が言った。
時空の歪み?
そんなものに入った記憶など勿論無い。
『それはそうでしょう。
時空の歪みは人間には見えません。
ですから、貴女は無意識に時空の歪みが発生した場所を通り抜けてここに迷いこんでしまったと言うことになりますね。』
女神様が言った。
そういえば・・・
朝学校へ行こうと家を出た後の記憶が無い。
気が付いたらここにいた気がする。
私の家の前に歪みが出来ていたのだろうか?
でも、だとしたらもっと多くの人がこの世界の狭間に来るのでは無いか?
私の家の前は割りと人通りも多い道路だし今は通学時間だから学生が多い。
なのに私だけ?
『そうですね。普通なら歪みに触れてもなにも起こりません。
恐らく、貴女は歪みに干渉できる程の特別な何かを持っていたのだと思います。
その何かが何なのかは残念ながら私でも分かりません。
稀に存在するのです。
世界の狭間に迷いこんでしまう迷い人が。』
ふむ。
つまり私はその稀に居る迷い人って事か。
『そう言う訳です。
ただ、何時までもここに居るわけにはいきません。
ここはあくまでも世界と世界を繋ぐ場所。
貴女は本来どこかしらの世界にいなければいけない存在なのです。
本当なら元の世界に戻して差し上げたいのですが・・・
残念ながら私の力ではどうにも出来ません。
私に出来ることと言えば貴女に力を授け、今開いている歪みまでお送りする位です。
歪みは自由に作れるものではありませんし、次いつ、どこに地球の歪みが生まれるかも分かりません。
この世界に長居すればするほど貴女の存在は世界から離れ、最終的にはどこの世界へも渡ることの出来ないこの世界でただ漂うだけの存在になってしまいます。
ですから、地球の歪みが発生するのを待つよりも今ある歪みに入る方が良いのです。』
女神様が言った。
異世界転生と言うわけか。
なるほど、面白い。
私としてもそう言うのは嫌いでは無い。
ただ、大抵そう言う物語では最初に貰える力が重要になる。
それに、私は戦闘経験なんて無いから世界によってはかなりキツくなる。
『ご安心を。貴女に授ける力は生半可な力ではありません。
貴女方の世界で“ちいと”と言う能力です。』
チートか。
それなら面白そうかも。
それで、どんな能力なんだろう?
『能力はこちらになります。』
| 所持スキル ・情報眼 様々な情報を閲覧出来る。
・高速換装 武器を自由に素早く換装出来る。
・獣使い モンスターをテイム出来る。
・スキル果実化 防具を果実に作り替える事ができ、作り替えた果実を食べる事でそのスキルを習得出来る。
・剛腕 両手で扱うような武器でも片手で軽々と持てる。
・龍化果実生成 モンスターの素材を使用して一時的にモンスターの力を手に入れられる果実を生成する。 使用した素材により取得できる能力と効果時間が変わる。
・アイテムストレージ 通常では持ちきれない量のアイテムも持ち込める。 |
|---|
ふむふむ、これは中々強いスキルが揃っているのでは無いか?
モンスターが出てくるのは確定となったがそのモンスターの力を使えたり出来るのは中々だと思う。
それに、モンスターをテイム出来るならテイムさえしてしまえば一対一の戦いをしなくてすむ。
そうすればそれだけ有利な戦いが可能になるだろう。
『どうやら気に入って頂けたご様子。
時間も余りありませんし早速貴女を異世界へと導きましょう。
わからない事があったら情報眼ですよ。
それでは、頑張って下さいね。』
その声と共に私の意識は遠退いていった。