モンスターハンター ─異世界転生英雄伝─ 作:桜樹斗
リリィに連れられてたどり着いた場所は桜並木の先にある村だ。
村の中にも沢山の桜の木がある。
村の建物は和風な建物が多く、そのほとんどが瓦屋根だ。
村の中心の広場から北側に伸びる桜並木の先にお城の様に大きな建物があった。
その見た目は天守閣の様だ。
「あれがハラル村のハンターズギルドだよ。」
リリィがそう言って私の手を引っ張る。
大きな扉は開かれており中は板間になっていた。
6角形のホールになっており北側には受付の様な物がある。
その隣にはコルクボードがあって反対側にへ酒場の様な場所が併設されている。
「ここが、エントランスホール。2階にスタンバイホールっていう場所があってそこには加工屋や雑貨屋もあるんだ。
私達の用があるのは最上階・・・5階にあるギルドマスターの執務室だよ。」
そう言って入り口すぐ左側から壁に沿って伸びている階段を登っていく。
ぐるぐると外周を沿って作られた階段を5階まで登るとエントランスホールと同じ大きさの1室に出た。
5階は丁度1階と入り口が同じ位置で突き当たりに執務机と椅子があり、左側には応接用と思われるローテーブルとソファが。
右側の壁には一面の本棚。
執務机の前には女性がいた。
「ギルドマスター!」
リリィの声で女性がこちらを見る。
濃紺色の髪は太めの三つ編みに結われておりキリッとした鋭い目付きで碧眼。赤いアンダーリムの眼鏡をかけている。
しゅっとした端正な顔立ち。
Fはありそうな大きな胸に括れた腰、スラッとした手足でまるでモデルのような体型。
服装は着崩して胸が半分くらい出てる上部が白で足下が桜色のグラデーションになっている浴衣に白い羽織を肩から羽織っており赤い帯には扇子が差し込まれていて手にはパイプタバコを持っており煙を吹かしている。
そして、この女性の耳も尖っており、タバコを持つ手の指は4本だった。
つまり、彼女も龍人と言う事になる。
「おかえりなさい。リリィ。
あら・・・?見ない顔ネ。」
そう言って女性が立ち上がる。
座っていても身長は高そうだったが立ってみると180cm程度はあった。
「アリスは森で見つけたの。
記憶が無いんだって。」
リリィが言った。
「記憶が・・・ねぇ・・・
それは・・・大変ネ・・・」
ふぅ、とタバコを吹かして言った。
「アリス、この人がここ、ハラル村ハンターズギルドのギルドマスター、シエラさんだよ。」
「あ、えと、アリスと申します。」
「ここを預かってるシエラよ。一応研究者と言う事になるかしら。
それで、ご用件は?」
シエラさんはそう言って微笑むとふぅ、とタバコを吹かす。
「アリスのハンター登録をしたいの。
アリスは凄いんだよ!1人でリオレイア亜種を倒しちゃったんだから!」
リリィが興奮して言った。
「まぁ・・・それは・・・
わかったワ。
アリス、あなたのハンター登録を認めましょう。
そうネ・・・
リオレイアを倒したのならハンターランク7相当ね。
いきなり7で良いワ。
リリィが言うならその実力は確かなんでしょう。」
ハンターランク?
なんだろう?
「あの、ハンターランクって?」
「そうネ・・・
記憶が無いなら知らなくて当然ネ。
ハンターランクとはハンターズギルドがハンターの力量を測る為に設定したハンターのランクよ。
高ければ高いほど優秀なハンターって事ネ。
このハンターランクによって受けられるクエストも変わるワ。
1~3までが下位。4~7までが上位、8以上がマスターランクと分かれていて基本的に自身のハンターランクと同じランクのクエストまでしか受けられないワ。
同じモンスターでも下位、上位、マスターランクで強さも変わるの。
基本的にハンターは下位で終わることが多いワ。
上位と言えばエリートネ・・・
更に上のマスターなんて大陸に数人レベルよ・・・
だから、あなたの実力はかなり高い事になるかしら。」
シエラさんはそう言って微笑む。
私のハンターランクは7。
つまり、上位ランクで一番上って訳だ。
あと一歩でマスターランクと言うのはかなり高いのではないだろうか?
「やったね!シエラさんが認めると言うのはかなり凄い事なんだ!
シエラさんってこの大陸でも有数の学者先生でね。
ここはモンスターの生態調査の為に学者も多く所属するハンターズギルドなの。」
「フフ、褒めすぎよ・・・
そうネ・・・
アリス、あなたはここら辺について知らないでしょうし1人でハンターをやるのも大変よね。
上位以上のハンターにはパートナーとして編纂者がつく事が多いの。
丁度良いワ・・・
リリィ、貴女がアリス専属の編纂者になりなさい。
いつまでもソロはキツいでしょう?」
シエラさんが言った。
そういえばリリィは編纂者だって言ってたよね。
「わぉ!それは良いよ!と言うことで、相棒!これからよろしくね!」
リリィがそう言って握手を求める。
「うん。よろしくね、リリィ。」
握手をするとその手をぶんぶんと振る。
「そう言えば、リリィの持ってるモンスター図鑑丁寧に作られてるよね。それも編纂者の実力?」
「リリィの図鑑は特別製ヨ。
他の編纂者は他の編纂者が作ったデータも纏めているのだけどリリィの図鑑は彼女の完全オリジナル。
絵も、図鑑説明も全てリリィのお手製ヨ。」
へぇ、リリィって凄いんだなぁ。
「さて、そうと決まればクエストの準備をしてらっしゃい。」
「そうだね!相棒!村を案内するよ!」
そう言ってリリィは私の手を掴むと走り出した。
こうして私はリリィと共に村を回ることにした。