~SAO with Yuuki~   作:うずつるぎ

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第123話 extra edition 前編

 アルファ「…んん…」

 

 ふと、窓辺から差し込むオレンジ色の光に、目を閉じたままでも気が付いた俺は、本日初めての発声を、寝起きで少し低くなった声で行いつつ、気持ちの良い睡眠の余韻に浸る。

 睡眠の中で一番心地良いタイミングは、朝の支度やらなんやらの時間の制約に囚われることなく、こうしてゆっくりと、暖かい布団に包まれたままのんびりしている時間なのでは無いだろうか……いや待て。今日は朝から、何か用事があったのでは…?

 

 アルファ「……ハッ!?」

 

 ユウキ「わっ!?朝からどうしたの!?」

 

 いきなりベッドの上で身体を起こすという、朝に弱い俺らしかぬ素早い目覚めに、俺の寝顔を今日もニコニコと眺めていたらしいユウキは、当然驚きを示した。そんな彼女に食って掛かるように、俺は矢継ぎ早に訊ねる。

 

 アルファ「ユウキっ!今何時だ!?」

 

 ユウキ「…今はまだ、八時半過ぎだけど…?」

 

 アルファ「……ふぅ、良かった…」

 

 ユウキは不思議そうな表情を浮かべながらも、俺の質問に答えてくれる。寝起きだとは言えども、少々遅刻を予感して焦っていた俺は、彼女の言葉を一言一句違えず聞き取り、それによってまだ予定の時間までは余裕のあることを理解し、安寧の息をつく。

 がしかし、余裕があるとは言っても、今から準備しなければ遅刻の恐れも出てくるので、そろそろベッドから動き出そうと身体に気合いを入れていく。

 

 アルファ「おはよう、ユウキ」

 

 ユウキ「おはよう、アルファ。そんなに焦ってどうしたの?」

 

 アルファ「実は、今日は午前中に、学校で臨時カウンセリングがあってさ。寝過ごしたかと思ったんだけど、大丈夫だった」

 

 ユウキ「へぇ、夏休みなのにカウンセリングがあるんだ」

 

 アルファ「いや、普通は無いんだけど、なんか今日は特別らしい。だから今からログアウトして、学校に行く準備しないとなんだ」

 

 ユウキ「分かったよ。じゃあ、また連絡してね」

 

 アルファ「おう、んじゃ、またあとでな」

 

 ユウキ「うん」

 

 本日は七月二十五日。何でも本日は、俺は学校でカウンセリングを受けないといけないらしく、それ故に、普段ならばもうしばらくゆっくりとユウキと共に過ごせた朝も、慌ただしく過ごさねばならないのだ。

 ユウキにそれを告げた俺は、別れの言葉を口にしてから、名残惜しくも早々にログアウトしてしまった。程なくして現実世界で目を覚ました俺は、昨日の残り物を温めながら、冷凍しておいたご飯も追加で温めておく。その他諸々の朝の支度をしてから、急いで家を飛び出す。

 駐輪場で自転車に跨り、そこからは安全運転をしながら、学校を目指していった。カウンセリングの開始時間は午前十時であり、結局十五分ほど余裕をもって学校に到着した俺は、ガラ空きの駐輪場にチャリを止めてから、校舎へと向かって行く。

 

 …全く、どうしてカウンセリングなど受けなければならないのだろうか。こんなものが無ければ、現実世界で最低限やることやれば、それ以外はずっとユウキと一緒に過ごしていられるのに…と、そんな愚痴を心の中で零しながら、だがその一方で、このカウンセリングが必要であることも、勿論理解はしている。

 何故なら、この帰還者学校に通う生徒は皆、二年もの間、現実世界の法理からは大きく逸れているあの世界の住民として生きていたのだ。

 この社会にとっては悪とされるような思想を持っている者がいるのならば、そういう奴らは、例えその思想が正しかろうとも隠密のうちに排除してしまいたいというのが、この社会体制を維持したいと願う支配者の発想であろう。

 …しかし、どうして俺が特別カウンセリングを受ける対象となったのだろうか。中学時代とは違って、比較的真面目に授業には取り組んでいるし、成績だって悪くはなかった。可能性があるとすれば、俺があの世界で五人の人命を奪ったからだろうか。

 これは誰にも語ってはいないことなのだが、俺が殺した五人の内、二人は俺が能動的に殺意を向けたし、三人は受動的に殺し合いになったとは言え、殺すと能動的な判断を下したのは俺だ。そんな俺の一転すれば間違いなく危険であろう行動真理が、カウンセリングを通して知らず知らずのうちに露見してしまったのだろうか?

 まぁ、それもそのうち分かることだろう。色々なことを頭で巡らせながら、長期休暇であるということで、やはり誰も居ない校舎の中を歩き続け、指定のカウンセリング室までやって来た。

 扉を軽くノックすると、中からカウンセリングの先生であろう人がどうぞと言ってくれたので、部屋に踏み入る。

 

 アルファ「失礼します」

 

 ガチャリと扉を開け、部屋の奥へと進んで行くと、そこにはかなり美人の茶髪な先生と共に黒縁眼鏡のあの人も居るではないか。その人に会うのは本当に数カ月ぶりで、一体どういうことかと頭を捻らせていると、彼が答えてくれた。

 

 「久しぶりだね、アルファ君」

 

 アルファ「…菊岡さん?お久しぶりです」

 

 あれ以来、特に連絡する用も無かった俺は、彼のメールアドレスをほったらかしにしていたのだが…まさかこんなところで再会することになるとは。カウンセリングで呼び出されたはずなのだが、総務省の人間がここに来るということは、どうやらそういう訳では無いのだろう。

 

 アルファ「今日は一体どうしたんですか?」

 

 菊岡「まぁ、もうちょっと待って欲しいな。ここにはもう一人呼んでるからね」

 

 俺の問いかけに対して菊岡さんがそう答えた直後、コンコンと扉をノックする音が聞こえた。すると菊岡さんは椅子をくるりと回転させ、俺側から姿を見えないようにした。

 美人の先生がさっきと同じようにどうぞと返事をする。そして扉が開く音がしたかと思うと、ここにやってきた人物は、いつもは真っ黒くろすけだが、今日は制服である白いカッターシャツを身に付けている彼であった。

 彼の反応を見る限り、どうやら美人の先生に見惚れているようなので、後でアスナさんに報告することは、これで確定である。因みに俺は、アイツほど分かりやすく見惚れてはいない…見惚れたかどうかを問われると…まぁ、それを正直に答えてしまっては、きっとユウキに怒られてしまうだろうし、見惚れてなどいないと言っておこう。

 

 アルファ「おお、キリトか」

 

 キリト「あ、アルファに…菊岡…さん?」

 

 菊岡「久しぶりだねえ、キリト君」

 

 キリト「総務省仮想課の官僚エリート様が、こんなところで何してる…んですか」

 

 菊岡「君たちにちょっと、聞きたいことがあってねえ。それでこんな場を設けてもらったという訳なんだ」

 

 俺と菊岡さんがここに居ることに、少々動揺しているキリトは取ってつけたような敬語を交えながら、菊岡さんに話し掛け続ける。

 

 キリト「じゃあ、臨時カウンセリングって言うのは…」

 

 菊岡「悪いねえ、そうでも言わないと、君は来てくれないんじゃないかと思ってね。アルファ君にもそう伝えたのは、騙すならまず味方から、という訳だ」

 

 俺の顔を見てそう言った菊岡さんは、眉を顰めたキリトに対して、俺と同じよう椅子に座ることを進めてくる。美人の先生は既に、隣の控室へと向かってしまった。呆れたように腰を下ろしたキリトは、菊岡さんに対して告げる。

 

 キリト「最初に言っておきますけど、この後約束があるから手短にお願いしますよ」

 

 アルファ「俺も同じく、お願いします」

 

 彼の言う約束とは、恐らくは今日の午後からALOの世界で集う約束なのだろう。勿論俺とユウキもそれには御呼ばれしているので、今日の午後は楽しみで仕方が無いのだが、まさかそんな時間まで掛かることは無いだろうとは思っている。

 もしかすると、何か他の用でもあるのだろうか。こんなことを言っては悪いが、俺も早くユウキと一緒に居たいので、手短に終わらせていただきたい。

 

 菊岡「努力するよ。実は、SAOとALOの一連の事件を纏めるに当たって、君たちから直接話を聞きたいと思ってねえ」

 

 キリト「その件についてはもう何度も話しましたよ。それに、行動ログを見れば大体のことは判るでしょう?」

 

 菊岡「それはそうなんだが、アルファ君と共に語ってもらったことは無いだろう?それに、行動ログだけだと、分かるのはだれがどの場所に居たかぐらいだからねえ。実際にそこで何が起きていたのかは、当事者に聞くしかないんだよ」

 

 そう言った菊岡さんは、仰々しい銀色のアタッシュケースを身体の前に持ってきたかと思うと、中から飛び出してきた物は…大量のお菓子である。チョコ類が多めなのは、彼の趣向なのだろうか。

 彼曰く、首謀者である茅場晶彦が死んでしまったせいで、事件の全貌が上手く掴めない為、俺達に協力を求めたいとのことだ。渋る表情を見せるキリトに対して、俺が口を開く。

 

 アルファ「まぁ、ナーヴギアを引き取らせてくれたり、アスナの病院を教えてもらったりしたんだからさ。これぐらいは良いんじゃねぇの?」

 

 キリト「まぁ、そうだけど…」

 

 菊岡「アルファ君は誠実だねえ。良い心掛けだと思うよ」

 

 キリト「…何処から話せばいいんですか」

 

 俺の後押しが功を奏したのか、キリトはアーモンドチョコを一つ口に放り込んでから、重々しく口を開いた。

 

 菊岡「まずは、事件初日のことを聞きたいなあ。えーっと、確か日付は…」

 

 キリト「2022年11月6日…もう二年半も経つんだなぁ…」

 

 アルファ「俺はまだ、あれが昨日のことのように思えるんだけどなぁ。…簡単に説明すると、ログアウトボタンが無くなったと思ったら、いきなり広場に強制レポートされて、そしたら茅場晶彦って名乗る赤いローブが空から出現したんですよ──」

 

 視線を落としながら、感慨深げにそう言い放ったキリトの言葉を聞いて、俺も脳裏にあの衝撃的な光景を思い浮かべる。彼と同じような感慨に陥りつつも、菊岡さんにはじまりの日について語り始める。

 アバターがアバターで無くなり、茅場晶彦に、これが紛れもない現実世界であると指し示されたことを説明したところで、一度言葉を区切った。

 …丹精込めて作り上げたアバターが無効化され、手鏡という配布アイテムによってそれを知らされた当時の、ある意味での絶望と憤慨を思い出す。何だか無性に腹が立ってくるも、もうこの気持ちをぶつけるべき彼は居ないのだ。…こんなことなら、あの時に一言言っておくべきだったな。

 

 菊岡「世界を鑑賞するためにSAOを作った。茅場先生は、そう言ったんだね?」

 

 アルファ「ええ」

 

 菊岡「それについて、二人はどう思った?」

 

 キリト「さぁ?その時は、突然のデスゲームに生き残るのに必死で、茅場の意図を考える余裕なんて無かったですから…」

 

 菊岡さんの問い掛けに対して、返す言葉に迷った俺とは違って、すぐに返事を返したキリトはそう言った直後、随分と悲しそうな眼をしていた。

 …キリトには、はじまりの日に何か決定的な出来事があったのだろう。だが俺は、それについては何も知らないし、別に無理に聞き出そうとも思わない。少し間をおいて、ようやくその当時の気持ちを客観的に思い出せた気がした俺は、苦笑いしながら答えた。

 

 アルファ「こんなことを言うのも恥ずかしいけど、俺はそもそも、SAOがデスゲームだなんて、ちゃんと認識出来てなかったんだろうな」

 

 菊岡「ふむ」

 

 キリト「どういうことだ?」

 

 アルファ「あの時は、茅場晶彦の言ったことが衝撃的過ぎて、あんまり上手く咀嚼出来てなかったんだと思う。…だってそうじゃなきゃ、初心者の俺がいきなりフィールドに飛び出すわけねぇだろ?」

 

 キリト「あぁ、あれか。確かにあれには驚かされたな。俺もまさか、何の予備知識もない状態でホルンカの森に辿り着く奴が居るとは思わなかったぞ」

 

 思えば、SAOを生き抜いたあの二年間の中で、俺の一番危ない時期は、案外はじまりの日だったのかもしれない。

 初心者が未開のフィールドでの先行者利益を求めようとする行動を、ゲーム用語ではスタートダッシュ勢と呼ぶらしく、勿論それに成功すれば莫大なアドバンテージを得られるのだが…そんなハイリスクなことをデスゲームだと宣言された手前やろうと思う奴など、命を何とも思っていない馬鹿野郎だけなのだろう。…まぁ、俺はそれに該当していたわけなのだが。

 しかし、俺は無論自分の命は大切であったわけで、その時以外では、最前線を攻略しているとは言えども、基本的に安全重視の生き方をしていたという自負はある。

 はじまりの日に俺があんな行動を取ったのは、紛れもなくデスゲームという事実を受け止め切れず、思考停止状態に陥っていたからだろう。思考を止めた者から死んでいったと言っても過言ではないあの世界で、よくぞ初日を生き残れたものである。

 …それが、はじまりの日にある程度の知識を分けてくれた、キリトのお陰なんだろうな。そして、俺が初めて、この世界がデスゲームであると認識出来たのは…25層での出来事なのだろう。

 

 菊岡「デスゲームと化したSAOで、多くのプレイヤーはパーティーを組んで行動していた。ところが、キリト君は終盤以外はほとんどソロで活動しているねえ。HPが無くなれば、本当に死ぬこの世界で、どうしてこんなリスキーな行動を取っていたんだい?」

 

 アルファ「……」

 

 キリト「俺だって、最初からそんなソロプレイヤーになるつもりは無かったですよ。でも──」

 

 次いで発せられた菊岡さんの問い掛けに、俺はそれを思い出し、当時の何も出来なかった自分の無力さと、そのせいで彼が傷付く羽目になってしまったことに胸が痛む。

 もしあの時、俺が場を好転させられていたら、彼が蔑まれるようなことは無かったのだろう。そんな俺の後悔を、あの城に閉ざされている間にキリトは笑って受け止めてくれたが、それでもやはりこの後悔が消えることは無いのかもしれない。

 対するキリトは、特に何も気にしていない様子で<ビーター>の発端について手短に答えた。

 

 菊岡「ほうほう、ビーターって言葉を創り出したのはキリト君だったんだねえ。悪役を引き受けることで、他のベータテスターが恨まれないようにしたわけなんだ。中々つらい役回りだねえ」

 

 キリト「別に、辛くはなかったですよ。…本当に辛いのは、心を繋いだ人を失うことだ…」

 

 アルファ「……」

 

 彼の口から発せられたその一言に、途轍もない重みを孕んでいるのが嫌でも伝わってきた。普段はのらりくらりと適当な菊岡さんでさえ、息を吞んだぐらいである。ふと横目でキリトの様子を伺うと、彼は先程以上に、黒く淀んだ眼をしている。

 …俺も、一度ユウキを失い、心が空っぽになったことがある。だからこそ、キリトの言葉の重みがヒシヒシと伝わってくるのだ。だが、彼がそんな体験をしたとは、これまでにも聞いたことが無い。

 …いや、人伝いに、その話は聞いていた。確か、キリトがかつて所属していた、中層ギルドが壊滅した話…だからこそ、アイツは蘇生アイテムを手に入れるために、心を殺してまで俺やクラインに剣を向け、単身でクリスマスボスに挑み、そしてその果てに手にした蘇生アイテムが、過去の人間を蘇らせられないという現実を突きつけられ、深く深く絶望していた。

 俺はその話を良くは知らないが、きっとキリトはそのギルドで、親友のような存在を、もしかすれば、大切な人を見つけたのだろう。

 …そう言えば、俺は一度…正しくは二度死んでいるわけだが、その内の一回は、その蘇生アイテムで復活しているわけだから、俺は実は、間接的にキリトに命を救われていたりするのか。これは感謝せねばな。

 

 俺がそんなことを考えていると、菊岡さんが、キリトの座標から考えて、キリトが珍しく最前線に行かずに中層で過ごしていた日には何があったのかを訊ねた。

 するとキリトが、その日はエイプリルフール限定のクエストをアルファ達とクリアしていたとか、この日は中層で悪事を働く犯罪者集団を牢屋にぶち込むために、しらみつぶしに中層を探っていたとか、あの日は武器作成のためのインゴットを集めに行ったら、その先でドラゴンに襲われて、ドラゴンの巣で一晩明かしたけど、結局ドラゴンのンコがインゴットだったとか、何だかんだで俺が関与している話ばかりではないか。

 …だが、まさかリズベットとインゴット集めに行っていたのがキリトだとは、俺も今日初めて知ったのだ。となると、その日、ユウキの剣を鍛えてもらうためにリズベットの店を訪れ、リズベットが珍しく儚げに、俺とユウキに対して語った失恋物語のお相手は…キリトということになるのだが、これはマジの話なのか?

 …いやだって、普通に考えて、これだとキリトがモテ過ぎじゃないか?アスナだけでも十分凄いのに、更にシリカ、飽き足らずリズベットまで誑かしてるってことだろ?この調子でいけば、まさかリーファもキリトのことが…いやいや、流石にそれは無いな。だってあいつら兄弟だしな。じゃあ次の標的は…ユウキ?それだけは絶対に許さん。何としてでも死守してやる。

 …と、俺がキリトのハーレム具合に驚きと怖れを抱いていると、菊岡さんが俺達を手招きして、パソコンに表示された座標情報を見せてくる。

 

 菊岡「ここに、高レベルプレイヤーが集まってるのは、ボス戦だからかい?」

 

 アルファ「まぁ、そうですけど…」

 

 キリト「それが何だって言うんだ…」

 

 菊岡「いやあ、最強ソロプレイヤーのキリト君でも、各階層のフロアボスとの戦闘では、レイドパーティーに参加するんだなぁと思ってね」

 

 皮肉なのか賛辞なのか、まぁ揶揄っているのだろう菊岡さんからの発言に、キリトは素っ気ない反応を返す。

 

 キリト「当たり前でしょう。フロアボスは、基本的にソロで攻略できる相手じゃない。それどころか、レイドを組んでも危ないボスだって少なくないんです」

 

 アルファ「例えを挙げるなら、まずは第一層のインファルグ・ザ・コボルドロードのソードスキルとかですね。あれでレイドが半壊しかけましたから」

 

 如何にボス戦慣れした強者がレイドを組もうとも、それをいとも簡単に崩壊させて来るのが、フロアボスという死の権化である。

 普段のフロアボスならば、ある程度の心身ともに鍛え抜かれた真の攻略組であれば、死亡者を出さずとも討伐することは可能であった。だがそれでも、そんな本物のトッププレイヤーでさえ、一歩間違えれば…いや、常にその場で最善の選択を選ぼうとも、死を呼び寄せるボスも存在する。

 それが、二十五層、五十層、七十五層の節目ごとのフロアボスであった。これら三つのどの層も、数多のプレイヤーの絶叫と怒号が入り混じる泥沼の死闘を繰り広げることになったのだが、やはり俺にとっては、二十五層のフロアボス戦が、一番絶望溢れるものであったと信じて疑わない。

 また明日も、俺とユウキとオウガとサツキの四人で、笑い合って馬鹿言い合いながらも、最前線を切り抜けて行けるんだ。そんな幻想を悉く打ち砕き、俺の甘過ぎた心を圧し折った元凶が、二十五層でのあの一戦なのだから。

 

 キリト「第七十四層のボス、グリームアイズも、奥の手の二刀流スキルを使ってどうにか倒したけど、危うく俺も死ぬところだった」

 

 アルファ「あれはヤバかったな。俺は撤退するつもりだったのにさ。お前らがやる気だったから頑張ったけど、今思い返してもみてもありゃ無謀だ。二度とやりたくねぇ」

 

 キリト「確かにそうだな」

 

 俺の軽い言い草に微笑を浮かべながら同調したキリトではあったが、次の瞬間には表情を引き締め、言葉を続ける。

 

 キリト「…でもアインクラッドには、フロアボスよりも恐ろしい奴らが居た」

 

 菊岡「ほ~う、それは?」

 

 キリト「プレイヤーですよ」

 

 菊岡「プレイヤー?」

 

 アルファ「…あぁ、キリトの言う通りだ…」

 

 フロアボスよりも恐ろしい存在、それに一瞬イマイチぴんと来なかった当事者であるはずの俺も、キリトの答えを聞いた時には、大いにそれに納得し、自然と頭の中に彼らを思い浮かべていた。

 

 キリト「ボスのパラメーターは強力ですが、所詮はそれはプログラムに過ぎない。攻撃パターンが分かれば対処できるし、ボス部屋から出てこないから、いざとなれば逃げられる。でも、レッドプレイヤーは同じ人間です。次々と新しいPK手段を編み出して、沢山のプレイヤーを手にかけた」

 

 …ユウキを襲おうとしたあの三人。そしてその三人の頭を務めていた、狂気的なカリスマの持ち主。そしてあの世界の魔王。殺した人数で言えば、俺も立派な赤色のプレイヤーなのかもしれない。

 一時は、そんな己の殺人という罪の意識が心を苛み、俺を狂わせた。だがそれでも、俺が単なる快楽に酔いしれた殺人狂でないとそう教えてくれたのは、俺の最愛の人であり、そして、そんな君の為に剣を振るうと誓ったあの日から、俺にとっては君が生きる意味となったのだ。だからこそ、俺はもう、血に濡れた己の刃を恐れることは無いのだ。

 …と言うか、今よくよく思い出してみれば、PoHってキリトに対して異常性癖持ってたよな。ってことは、キリトってあの三人に加えて更にもう一人引っ掛けてたのか?……もうここまで来ると、コイツのハーレム力には怖れを通り越して畏れを抱かざるを得ないな…。

 

 キリト「レッドプレイヤーとの闘いだけじゃなく、純粋な剣技を競うデュエルでも、俺は何度となく苦戦した。…だが、その中でも特に強かったのが…」

 

 アルファ「ヒースクリフってことか」

 

 キリト「…そういうことだ」

 

 菊岡「その凄腕プレイヤーの頂点が、ギルド血盟騎士団の団長ヒースクリフだったという訳だね?」

 

 キリト「ええ、そして皮肉にも、ヒースクリフとのデュエルが、奴の正体へと繋がるヒントになったんです」

 

 菊岡「なるほどねえ。まぁその話は後でもう一度聞くとして、キリト君、この日は何をしていたんだい?」

 

 菊岡さんがそう言って話を転換し、俺達の前に見せてきた座標情報によると…キリトは何故か、SAOクリアの数日前に、第一層はじまりの街で長い間滞在していたらしい。確かこの時期は、キリトはアスナと共に二十二層のログハウスで生活していた筈なのだが、何かあったのだろうか。

 

 アルファ「一層?なんで今更こんなところに行ったんだよ」

 

 キリト「あぁ、それは──」

 

 そしてキリトの口から語られた内容は、キリトとアスナがユイと出会った日のことであった。その話は、キリトが手短に話しただけでもかなり感動的な内容だったのだが…まず、第一層に地下ダンジョンがあるなんて全く知らなかったぞ。

 それもかなり手付かずの状態で、SAOはクリアしてしまったことだし、新生アインクラッドでは訪れてみたいものだ。地下ダンジョンが開放されるのは、五十層をクリアしてからとなるらしいので、今はまだ行けないだろうが…。

 …それと、システムコンソールを操作してユイを助けるとか、キリトってコンピューター系に強過ぎるだろ。ホントに俺より年下だよな?

 余りの彼のスペックの高さに俺が驚き通していると、菊岡さんが次いでキリトに訊ねた。

 

 菊岡「じゃあ、十月末から十一月の初めまで、キリト君は最前線に出ていないようだけど、この期間は一体何を?」

 

 キリト「…それは、別に伝えるようなことじゃないですから」

 

 菊岡「…なるほど、そう言うことか」

 

 その期間は、勿論キリトはアスナと新婚生活をしていたわけだが、キリトがそれを話すことを渋るような態度を見せると、菊岡さんは一度録音を終了し、キリトにそれを確認させる。

 

 菊岡「これで、キリト君も心置きなく話せると思うけど」

 

 キリト「いや、話すなんて一言も言ってませんけど」

 

 アルファ「俺も実際の所、お前らの馴れ初め気になるんだけど」

 

 キリト「…はぁ、仕方ないな…」

 

 俺と菊岡さんが真顔でキリトに迫ると、彼も観念したようにそれを話し始めた。まさか、キリトが俺と同じように、PKを端緒としてアスナとの関係を発展させたことには驚かされたが、やっぱりどう考えても結婚は飛躍し過ぎだろう。

 …まぁ、もう既に子供もいることだし、既成事実ってやつなののだろうか?キリトが馴れ初めを話し終える頃には、もうとっくにお昼を過ぎていた。

 一度二人に断ってからユウキに「カウンセリングが長引きすぎて、次にログイン出来るのは夕ご飯の後かも知れない、ごめん」と連絡を飛ばすと、程なくして「ボクは大丈夫だよ!頑張ってね!」と励ましの返信が飛んできた。

 キリトの馴れ初めを聞いて、早くユウキに会いたくなってきた俺ではあるが、ここまで喋ったのだから、もう最後まで走り抜けるしかないだろう。カウンセリング室へと舞い戻る。

 

 菊岡「いいねえ、若いってのは」

 

 菊岡さんがブラインドから外を眺めて、そんなことを呟いていたが、俺には全くその意味が理解できない。

 …なんだ?キリトがアスナとの初夜でも語ったのか?俺が戻ってきたことを確認した菊岡さんは、気を取り直して録音を再開し、話を戻す。

 

 菊岡「あの子たちが無事に現実世界に帰還出来たのも、アルファ君とキリト君の活躍あってのことだよねえ」

 

 キリト「俺は活躍なんてしてません」

 

 アルファ「俺もキリトに同感だな」

 

 菊岡「でも、キリト君がヒースクリフの正体を看破し、アルファ君が茅場晶彦の最後の一戦に勝利したのは事実だろう?」

 

 アルファ「…あれが、勝利と呼べるのならですけどね…」

 

 菊岡さんが、打倒ヒースクリフを成し遂げた俺達を褒め称えてくるが、俺達はその賛辞を受け取らない。菊岡さんはそれが謙遜だと思ってるようだが、実際、俺はそんなつもりは一切無かった。

 そもそも、あのヒースクリフとの一騎打ちに勝利できたのは、俺の死を肩代わりしてくれたユウキの力によるものだし、更には土壇場で力を貸してくれたオウガとサツキのお陰である。

 また、俺がヒースクリフと闘う前に、キリトがヒースクリフと闘ってくれたことで、ある程度ヒースクリフの戦いぶりが理解できたというのもデカかったのだ。要するに、俺一人の力なんてちっぽけなんだと、それが良く思い知らされた出来事であった。

 その他にも、あの闘いを何度思い出してみても、あれは俺が、ヒースクリフの大盾を考慮した戦略を打ち立てていなかったことが大きな敗因であった。だがもしあの大盾さえなければ、俺が勝利を掴むことが出来ただろうとも、未だにそう思える。

 とは言っても、俺はヒースクリフよりも、間違いなく反応速度に劣っていた。しかしそれを帳消しにするぐらい、俺はあの二年間でソードスキルに頼り過ぎない剣技を鍛え上げ、搦め手も沢山考案してきたのだ。

 

 …その全てが、ユウキとのデュエルに打ち勝つためだというしょうもない理由だったことはご愛嬌だが…またそのデュエルでさえも、元はPKに対抗する為であった。ならば、当初の目的は達成されたのかもしれない。

 これは後から知ったことだが、当時の俺みたいに、ソードスキルを極力使わない純粋な剣技でデュエルを行ったり、煙幕だとか投げピックだとかを戦闘の一環として使用するプレイヤーなど、他には居なかったとか。

 現実世界に戻って来てから、キリトやクラインらの最終決戦場に居合わせた奴らには、散々闘い方を褒められた挙句、「まるで魔術師だったぞ」とまで言われる始末ではあるが…そんなカッコイイ二つ名、是非とも俺がSAOに居る間に付けて欲しかったものである。

 

 菊岡「茅場先生は君との勝負に敗れ、自ら脳を試作型ナーヴギアで焼いたという訳だ。先生の検死結果と合致する話ではあるねえ。それにしても、相打ちとなって死んだはずの君が生還出来たのは、こう言っちゃなんだけど不思議だねえ。システム的な理由か、或いは茅場先生の意思か」

 

 アルファ「さぁ…ただ、茅場晶彦は、それがゲームクリアの報酬だと言っていました。なら、どっちとも取れるんじゃないですかね。こればっかりは、本人に聞くしかないでしょう」

 

 菊岡「なるほどねえ。ところで、茅場先生は立ち去る前に、このデスゲームを始めた理由について、何か言ってなかったかな」

 

 アルファ「…いえ、特には」

 

 菊岡さんにそう言われて、俺はあの最期の時を思い出し、深い感慨に襲われる。

 こうしてユウキやキリト達と共に、この現実世界を生きる今も、勿論素晴らしく楽しい毎日だと思えるが、同時に、もうあの瞬間に終わっても良かったのだと、そう思っている自分もまた心の何処かに存在している。

 ユウキはあの時、こんなに綺麗な終わり方は無いと、そう言っていた。確かにその通りだ。愛する人と寄り添い合いながら、共に終わりの時を迎えるそれがどれだけ素晴らしいものなのか、今となっては…いや、今だからこそよく理解できる気がする。

 

 そして、茅場晶彦が最期に語った、アインクラッドを創り上げたその理由。それを菊岡さんに語らなかったのは、その真なる答えを独占していたいという単なる俺のエゴか。それとも、こう安々と彼の描いた真なる異世界創造という夢を語ることは、彼の尊厳に関わると考えたからか。

 俺が菊岡さんと受け答えを交わしている間に、キリトは徐にポケットから携帯を取り出し、今この時が不満そうな顔でそれをチェックしていた。

 

 菊岡「誰からだい?ああ、君のお姫様からか。君たちも大変だったねえ。SAOから脱出したと思ったら、今度は…」

 

 キリト「ええ、本当に大変でしたよ。ALOの中で進行していた大犯罪に、誰かさんが気付かなかったせいでね」

 

 菊岡「いやあ、それについては釈明のしようもないよ。目を覚まさなかった三百人ものSAOプレイヤーが須郷信之の実験台にされていると知ったのは、一学生である君が、事件を解決した後だったんだからねえ」

 

 キリト「どうしてアイツの企みを未然に防げなかったんですか」

 

 菊岡「須郷は──」

 

 今度はキリトが腹立たしそうに、菊岡さんとの受け答えを始めたので、俺もその間に携帯を確認すると…もう午後二時半ではないか。

 これからようやくALO事件の話に突入するというのに、この調子でいけば、本当に夕方まで掛かることになりそうだな。こんな事なら、一日夏休みを延長して欲しいものだと、そんなことを考えているうちに、ドンドン話が進んで行く。

 何でも、俺はそのALO事件の首謀者と面と向かったことは無いのだが、そいつはどうやら社会的地位を確立したアスナの親族だったらしい。しかもその上、アスナの昏睡状態を利用して、事実上の婚姻関係にまで至ろうとしていたとか。

 全く、キリトとアスナの関係性を知っている俺からすれば、有り得ないの一言であるが、どうせ結婚したとしても、目が覚めたアスナに拒絶される未来は見えていただろう。

 そして今日まで、キリトが如何にしてアスナがALOに閉ざされているのかに気が付いたのかを、俺は知らなかったのだが、どうやらコイツは、アスナによく似たアバターの写真一つでALOに乗り込んだらしい。

 これには俺だけでなく、菊岡さんも少々驚いていた。コイツのアスナ愛は凄まじいものだと感心する一方で、まぁ俺も同じ立場ならそうしただろうし、実際、ユウキに一度振られた時も、性懲りもなく何度も彼女を探し続けたのだから、俺も人のことは言えないのだろう。

 

 菊岡「確か、そのリーファというプレイヤーは、君の妹さんだったね」

 

 キリト「ええ、俺もまさかALOでスグに──いや、妹に出会うとは思いませんでした」

 

 アルファ「マジか!?…世間は狭いってやつだな」

 

 菊岡「で、その妹さんの案内で世界樹に辿り着いた君は、須郷によってシステム的に不可能な難易度に設定されたはずのグランドクエストそクリアし、アスナ君を助けたわけだね」

 

 キリト「いえ、俺が一人でクリアしたわけじゃないです」

 

 そう言ったキリトが、自分一人で一度挑んだが、グランドクエストをクリアすることが出来ず、結局リーファ以外にも、シルフ領主とケットシー領主、そしてその種族のプレイヤー達からの手助けがあってようやく、グランドクエストを突破できたと語った。

 …全く、アレは俺の愚かさが痛感できる体験だった。かつてあの城で二年間を生き抜いた中で、自分は圧倒的な強さを誇っていないからこそ、誰かに助けてもらわないと何も出来ないのだということを悟ったはずだったのに、結局、三百人の人命…そして何よりユウキの命が掛かっているという状況で、焦りに身を支配され、また一人で突っ走ってしまったのだ。

 あれ以来、俺は極力誰かに頼るよう癖付けているつもりだが、実際それが出来ているのかは、今も分からない。

 

 菊岡「──でも、そこに妖精王オベイロンこと須郷が現れた。普通に考えれば、プレイヤーの君がゲームマスターである須郷を倒すことは不可能だと思えるけど」

 

 キリト「須郷は自滅したんです。与えられた力を過信したが故に」

 

 菊岡「なるほど、自滅ねえ…」

 

 キリトが、短くそう答えたその時には、既に夕陽が落ち始め、カウンセリング室はオレンジ色に染まり切っていた。キリトの携帯に電話がかかって来たかと思うと、彼はそれを穏やかな表情で眺めては、しかし二度も着信拒否し、徐に椅子から立ち上がった。

 

 キリト「その後の話は、菊岡さんも知っての話ですよ。もういいでしょう。この後、ALOでみんなと約束してるんで、これで失礼します。アルファ、行こうぜ」

 

 アルファ「おう。ってことで、俺も同じく失礼します」

 

 菊岡「アルファ君からは、まだALOの話聞いてないんだけど?」

 

 アルファ「前話したので全部ですよ。俺はただ、実験台になるところを助けてくれた神代さんにお願いされて、キリトと同じように世界樹まで辿り着きましたけど、それだけですから」

 

 キリトに呼び掛けられて、俺も椅子から腰を上げると、菊岡さんが俺にそう訊ねてくるが、もう午後六時半ということもあって、俺も流石にそろそろ、家に帰って晩御飯の支度とかしないといけないだろうと思い、本当に手短に返事をした。

 …神代凛子、まさかあの人がメディキュボイドの基礎設計者であったという衝撃の事実を知ったのは、ユウキへと辿り着くためのメディキュボイドに関する詳細なことを、キリトから教えられたあの時だった。

 だが今よくよく考えてみると、メディキュボイドはナーヴギアの発展形であり、尚且つ神代さんは茅場晶彦と同じ研究室で学び、そして彼女たちは恋仲であったということは、メディキュボイドの本当の基礎設計者は……まぁ、何だかんだで俺とユウキの運命の結びを引き寄せてくれたのは、アイツなのかもしれない。

 なんとも皮肉な話だが、やはりあの世紀のマッドサイエンティストには感謝せねばならないのだろう。

 

 菊岡「そうだ。最後に一つだけ…ザ・シードって名前、聞いたことあるかな?」

 

 キリト「ええ、もちろん」

 

 アルファ「まぁ、俺もそれぐらいは知ってますよ。それじゃあ」

 

 最後に何故、菊岡さんがそんなことを訊ねてきたのかは分からなかったが、それにも適当に返事をしてから、彼に別れの言葉を告げて、俺達はカウンセリング室から退出した。

 

 アルファ「…もう、夕方だな」

 

 キリト「…今日はアスナとプールで遊んで、美味しいお昼ご飯が食べられるはずだったのになぁ…」

 

 アルファ「そうなのか?」

 

 キリト「あぁ、今日はこの後、水中ダンジョンに挑むだろ?でも、スグのやつ水が苦手でさ。だから泳ぎの練習のために、今日は学校のプールに行く予定だったんだ…本当は」

 

 アルファ「俺も、昼頃にはまたユウキと一緒に居られると思ったんだけどなぁ…」

 

 キリト&アルファ「…はぁ…」

 

 ここを訪れた時はまだ朝方だったというのに、今となってはもう、学校の窓から真っ赤な夕陽が伺える。貴重な学生の夏休みが、こんなことに使われる羽目になったという事実に、俺もキリトも、深いため息を吐き出さずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 次話では、ユウキ視点でこれまでの物語を振り返って行きます。

 次回の投稿日は、二月五日の土曜日となります。

 では、また第124話でお会いしましょう!
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