EVANGELION -夢の後にあるセカイ-   作:KYON-

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6,アイツは一番目

 アスカの住む地区の真反対、無人の団地が並ぶ過疎地区を、彼女は一人で歩いていた。

 人っ子一人おらず、カラスが赤い空を飛ぶだけの夕暮れ時は、都市の冷たさというものを如実に表している気がした。風に吹かれて振れるブランコが、泣き声を上げている。

 

 ――僻地に住んでるのね、アイツ。

 

 最寄駅からは徒歩二十分、便利の良くない地域だ。

 無人の団地の一部は、すでに重機での解体が始まっているようだった。

 近くにスーパーやコンビニは無く、人が住むのには十分すぎるほどの悪条件が重なっている。

 

 なぜ石狩ジン、とても優しそうな彼はこんな場所に住んでいるのか。

 アスカは歩きながら、その理由を彼女なりに考える。しかし答えなど出るはずもない、何故なら、二つの式で三つの文字の値を求めることなど、よっぽど好条件でなければできないからだった。

 

 地図に延々と続く団地の林。

 その中ほどで、アスカは足を止めた。

 

「C-13…ここね」

 

 ジンの部屋があるという、C-13棟。消えかかったその文字を、アスカは見つけた。

 

 東の空には、夜闇が迫りつつあった。

 

 

 

「402号室…」

 

 ひび割れた階段を上り、地図に書かれた住所へとたどり着いた。

 表札に目をやると、マジックで「石狩」と殴り書きになっている。

 

「不気味…」

 今思えば、よくこんな所へ1人でやってきたものだと呆れる。またこの前のようになるかもしれないのに、全く懲りてないと自省した。

 だが自分が届けにいくと言った時、彼女はこれまで感じたことのない何かを感じて、それに突き動かされたということを覚えている。

 

 まぁ、今はそんなことなどどうでもいい。

 早く届けて、帰りたい。それのみが彼女の希望だった。

 

 アスカはジンの家にインターホンがないのを確認すると、鉄製の戸を乱暴に叩いて呼びつける。どうせこの団地はほとんど無人だ、文句を言うとすれば。

 

「うるさいなぁ…誰…?」

 

 ジンがぼやきながら戸を開けた。寝間着姿で、髪はボサボサ。顔色は悪くなかったものの、これではただのヒキニートだ。

「式波さん!? 何の用で」

「プリント、届けに来たわよ」

 驚くジンの頭を、右手に持ったプリントで叩く。

「痛っ…まったく乱暴だな…」

 頭を押さえるジン、それを見て笑うアスカ。

 

 そんな二人の間を、一枚の紙がひらひらと落ちていった。

「そういえばアンタ、テストどうだったのよ」

 落ちて言った紙、それがテストの結果だとすぐにわかったアスカは、地面にそれが落ちる前に華麗にキャッチする。

「あ、ちょっと!! 見ないでよ!!」

「うるさい、この天才アスカ様が、直々に成績を見てやるってんだから感謝しなさい!」

 プリントを取り返そうとするジンの手を避けながら、彼女は中身を見た。

 

 

「学年順位…1位…」

 

 アスカの動きが止まった。




連続投稿です、5,6話は短いのであまり意味ないですが…。
なんだかベーキングパウダーを欠いたケーキみたいになっちゃいましたね。
最近すこし調子が悪い気がします。

来週はテストなので、たぶん更新はできないかもです(←といいつつも、自分の中でもやりそうな気がしますが…

アドバイス等ありましたら、遠慮せずによろしくお願いします。
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