リトルウィッチアカデミア~闇の魔女と11'sウィッチ~   作:宣伝部長

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心の中にあるモノ

「・・・アッコ」

 

「ほ、本当にごめんなさい!ごめんなさい!!ごめんなさぁぁぁい!!!」

 

 

 

煤まみれのルアナ。

何度も土下座をするアッコ。

そんな現場のルアナの部屋にやって来たのは、スーシィとロッテである。

 

 

 

「なにか凄い音がしたみたいだけど・・・っ、えぇぇっ!?ルアナ!?だ、大丈夫なの!?」

 

「イッヒヒヒ・・・ま~たアッコがなにかやらかしちゃった様子だね」

 

「新商品の開発をしていたんだ。扉には『御用の方はノックしてください』って書いたプレートを置いていたんだけどね」

 

「私が気付かなくて扉を開けたらルアナが真っ黒こげに・・・・・」

 

 

 

ロッテからタオルを受け取って煤を拭うルアナを横目にアッコは肩をすくめて両手を口元に持ってくるとガチガチと爪を嚙んでいた。

 

 

 

「別に怒ってないよ・・・逆にアッコに怪我がなくて良かったぐらいさ」

 

「うぅ・・・ル、ルアナァァァッ!!!!」

 

「だからって!泣きながらくっつかないでっ!!めっちゃくちゃ汚い顔だよ!アッコォォォッ!!」

 

「あはは・・・もうすっかり2人は仲良しさんだね」

 

「そんなの言ったらアッコに好かれるルアナが可哀想だよ」

 

 

 

仲睦まじい様子を見守る2人。

しかし、ルアナはとある事に気付く。

 

 

 

「アッコ!アタシになにか用があって部屋に来たんじゃなかったの?」

 

「そうだった!!ねぇ、ルアナ!私に箒の乗り方を教えて!!」

 

「あれ?アッコって箒に乗れなかったっけ?それにどうしてアタシが教えるの?ネルソン先生が居るじゃん」

 

「アッコは箒に乗れるようになったのはなったんだけど・・・・・」

 

「上に浮いて行くだけでぜんっぜん前に進まないんだよね」

 

「一応お願いはしてみたんだけど、ネルソン先生は忙しいみたいで断られちゃって・・・こ、これからちゃんと飛べるようになるんだってばっ!!」

 

 

 

アッコのお願いにしばらく腕を組み頬杖をするルアナ。

パッと右手を前に出すと部屋の奥から箒が1本呼ばれたようにやって来た。

 

 

 

「それなら感覚を掴んだら飛べるようになるはず」

 

「ねぇ、今のどうやったの!?ねぇ!ねぇっ!!」

 

「そんなのはどうだっていいから早く箒を持ってグラウンドに集合!!・・・わかった?」

 

「は、はいっ!!」

 

 

 

ちょっとだけルアナの視線にビクッとしたアッコはすぐさま部屋を出て行くのであった。

 

 

 

「ルアナ・・・どうやってアッコに箒を教えるつもりなの?」

 

「色々と方法はあるんだけど、やっぱり箒の扱い方を実感してもらわないといけないかな・・・?」

 

「へぇ~・・・っで、どう言う方法を使うのさ」

 

「・・・・・絆の魔法だよ」

 

 

 

 

 

「・・・・・どうしてギャラリーが増えているんだ?」

 

「別にいいじゃねぇか!ルアナが箒に乗ってるとこ見たことねぇしさ!!」

 

「私達はたまたま居合わせただけですのでお構いなく」

 

 

 

グラウンドにはアマンダ一行とダイアナ一行も集まっていた。

アマンダ一行は普通に箒の練習をしていたらしく、ダイアナ一行は普通にお茶を優雅に楽しんでいた様子。

 

 

 

「それで、それで!ルアナ!!これからどうやって教えてくれるの!?」

 

「あぁ~・・・一緒に飛ぶだけだよ」

 

「えっ??一緒に飛ぶって言っても私は上にしか飛べなくて・・・・・」

 

「そんなの気にしなくていいから・・・・・ジェミナ・フレーレ」

 

「・・・あの呪文は・・・・・」

 

 

 

ダイアナが何かに気付いた様子ではあったが、ルアナとアッコが光で繋がるのが全員の目に見える形で露わになった。

すると自然と箒に跨っていた2人はふわりと浮いたのだ。

 

 

 

「な、何もしてないのに・・・う、浮いてるっ!?」

 

「・・・落ち着いて。自分が動かしたいように意識を集中すれば箒が答えてくれるから・・・アッコの心のままに・・・」

 

「・・・わ、私の心のまま・・・に・・・・・よしっ!!」

 

 

 

ルアナの言葉にギュッと箒を握り締めると2人はすぅーっと円を描くように飛べている。

その姿にはずっと見て来た全員が驚きを隠せずにいた。

 

 

 

「すっげぇぇぇ!!あのアッコが自由自在に箒で飛んでやがるぜっ!?」

 

「凄い、凄い!!凄いよ、アッコ!!」

 

「・・・あれが絆の魔法」

 

「絆の魔法・・・って、なんですのダイアナ?」

 

「2人の魔女の力を合わせて一緒に空を飛ぶと言う特別な飛行魔法の一つだったと思いますわ」

 

「ならアッコはルアナの力を借りて飛んでる可能性がある・・・って事だね」

 

「えぇ・・・9割がた間違いないでしょう」

 

 

 

そんな事が言われているなど露知れず、アッコは嬉しそうに空中散歩を楽しんでいた。

 

 

 

「ルアナ!見てよっ!!私・・・こんなに楽しいの初めてっ!!」

 

「そんなに夢中になってたら箒から落とされるよ?」

 

「またまた~そんな事あるわけ・・・って、えぇぇっ!?!?」

 

「もう・・・言わんこっちゃない」

 

 

 

空気を読んだようにアッコの箒が機嫌を損ねた様に上下逆転させるとアッコは無防備に空中に投げ出されてしまう。

それを目の当たりにして呆れた様に箒の上に立つと放り出されたアッコをルアナはお姫様抱っこで受け止める事に成功した。

 

 

 

「箒にも命は宿ってるらしいから心を通わせてあげないと今みたいに愛想尽かされるよ」

 

「箒って生きてるのっ!?!?」

 

「まぁ・・・正しく言えば箒にも精霊が宿って生きている・・・みたいな感じかな?」

 

「それって・・・私にもどうにかなるモノなの?」

 

「それは・・・意識の問題だよ。箒の手入れをちゃんとしていればいつかは心を開いてくれるし、逆に雑に扱い続ければ心を開くどころか跨る事さえ許してもらえないケースもあるしね」

 

「私の・・・意識次第」

 

「アッコの気持ちが届けば、あの箒はアッコに応えてくれる筈だよ」

 

 

 

ゆっくりと地面に着陸すれば、アッコを降ろしてあげた。

すると下で見ていたメンバーはアッコを取り囲んでいた。

そんな光景を横目に魔法を解いて、部屋に戻ろうとするがハンナとバーバラが立ちはだかったのだ。

 

 

 

「んっ?2人共アタシに何か用かな?」

 

「「魔法属性テスト受けさせて下さい!!」」

 

「・・・・・ダ・イ・ア・ナ~?」

 

「私はただルアナとの昔話を2人にしただけです。そして・・・昔、貴女が執り行った魔法属性テストに2人が興味を持った・・・ただそれだけの事ですわ」

 

「それはそれは・・・信じ難い話ですこと」

 

 

 

目の前で期待に夢膨らませている2人に大きく溜め息をつく。

パチンッと指を鳴らすとルアナの手には複数の紙切れが現れた。

 

 

 

「それは・・・何ですの?」

 

「これは・・・魔導紙。これを手に魔力を流し込むと貴女達の魔法属性が露わになる・・・って代物だよ」

 

「ちなみにいくつの属性があるものなんですか?」

 

「基本的に火、水、風、土の4大魔法が一般的な属性になるよ。稀に上位の属性も生まれる可能性があるんだ」

 

「まずはやってみてのお楽しみ・・・と言う訳ですのね」

 

「まぁ・・・そう言う事になるね。あぁ・・・1つアタシが試そうか」

 

 

 

そう言ってルアナは一枚の紙切れを手に持った。

するとその紙切れは炎によって一瞬に灰となったのであった。

 

 

 

「今のは・・・火属性だね」

 

「・・・・・な、なるほど」

 

「ちなみにダイアナは氷属性・・・だったかな?」

 

「えぇ・・・私の場合は紙切れが氷結して粉々になりましたわね」

 

「色々とパターンがあるから・・・百聞は一見にしかず・・・やってみたら自ずと見えてくるよ」

 

 

 

そう言われた2人は紙切れに魔力を注ぐ。

すると2人の紙切れに変化が起き始める。

 

 

 

「これは・・・風でしょうか?」

 

「バーバラ、ちょっと手を放してくれますか」

 

「・・・はい!あっ、紙切れが浮いていますわ」

 

「おそらく・・・風属性ですね」

 

「私達とは紙切れの反応が違いますわね」

 

「人によってに変化は違うんだよ」

 

「あの・・・ルアナ、私の紙切れに変化がないんですけど・・・・・」

 

「んっ?どれどれ~・・・」

 

 

 

ぱっと見た感じハンナの紙切れに変化がないよう見えた。

しかし、ルアナは紙切れを受け取るとニィッと口端を上げる。

 

 

 

「みんな、ちょっと触ってみ?」

 

「これは・・・人肌のように暖かくなっていますわね」

 

「う~ん・・・となれば、これはアタシと一緒の火属性・・・かな?」

 

「ルアナと同じ火属性ですか!?」

 

「うん、アタシと一緒の火属性~♪」

 

 

 

ハンナは自分の両手を見て嬉しそうに笑みを浮かべる。

さっきの絆の魔法の消費を考えて、マジックシュガレットを咥えて火を灯す。

ふぅーっと煙を上に向けて吐いているとアマンダが手を差し伸べていた。

 

 

 

「アマンダ・・・その手はな~に~?」

 

「そんなの言わなくたって解ってんだろう!」

 

「それなら素直にやりたいって一言もらえないもんかねぇ~」

 

「あぁ、他の奴等の分もよろしく~!!」

 

「はぁ・・・全然聞く耳持たないのね」

 

 

 

そう言いつつも6人分の紙切れをアマンダに手渡すとおもちゃを手にした無邪気な子供のように元の輪の中に戻って行った。

ルアナは気にせずにマジックシュガレットを味わっていると6人が紙切れを持ってやって来た。

 

 

ロッテは風属性。

スーシィは上位魔法の闇属性。

アマンダは上位魔法の雷属性。

コンスは土属性。

ヤスミンカは水属性。

 

 

と言った感じに属性判断がされた。

しかし、アッコだけは不思議な雰囲気であった。

 

 

 

「私の紙切れだけなんの反応もないんだけど、どうしてだろう?」

 

「そりゃあ・・・ダメなアッコだからダメダメな結果って訳じゃないのか?」

 

「えぇぇっ!?アマンダ!ひっど~い!!」

 

「ハンナのようにただ反応が見えないだけかと思ったけど、少し違うみたいだね」

 

「ルアナ・・・アッコは昔の私と同じ傾向があります。ルアナに時間があるのなら一度アッコの身体を診てもらえませんか?」

 

「そうか・・・ダイアナと一緒でアッコも魔法ショーを・・・・・色々とアタシの中の疑問が紐解いて来たよ」

 

 

 

アッコの魔法に対する素質。

最初は一般家庭出身の娘だからと理解していたが、今のダイアナの言葉でルアナは過去のダイアナの一件を思い出した。

いきなり魔法が使えなくなったあの時の事を・・・・・。

 

 

 

「アッコ!時間がある時でいいから今度1人でアタシの部屋に来てくれないか?」

 

「えっ!?私・・・だけ?も、もしかして・・・まだ今朝の事怒ってたりしなよね!?」

 

「違う、違う!大事な話だよ!それもアッコにとっては大事な・・・ねっ?」

 

「・・・・・わ、わかった」

 

 

 

ルアナはチラッとダイアナの方に視線を向ける。

するとダイアナはお辞儀をする事で礼を示し、ルアナはそれに対して手を挙げて答えたのであった。

 

 

 

 

 

「昼食後なのに付き合わせてすまない、ハンナ」

 

「いえ、私がルアナのお手伝いをしたいっと自ら名乗り出たんですから気にしないでください」

 

「ふふっ・・・それは助かる」

 

 

 

昼食をみんなで済ませた後にバインダーを片手にルアナとハンナは購買部の調査に向かっていた。

購買部は2つあってもう一つはなんとバーバラとロッテがペアで引き受けてくれた。

珍しい雰囲気にも見えるが、2人は割と仲が良いとの噂だ・・・。

 

 

 

「それでルアナ、購買部で何をするんですか?」

 

「それは購買部に入るとすぐにわかるさ」

 

「はぁ・・・そうですか」

 

 

 

2人は購買部の中に入るとそこには珍しい人物が居た。

 

 

 

「こんにちは!アーシュラ先生!なにかお買い物ですか?」

 

「えぇ、ちょっと物珍しいモノがないか冒険にね!」

 

「何か必要なモノとかあったらそこにある箱に書いて入れておいてください。アタシがちゃんと仕入れときますから」

 

「まぁ、最近購買部の品揃えが良くなったって噂がルアナさんが裏で活動していたからだったのね」

 

「こう見えて商売人でもありますからこう言ったモノは敏感に反応しちゃいますね。ハンナ、箱の中にあるみんなからのリストをコレにまとめてくれないかな?」

 

「えぇ、わかりましたわ!」

 

 

 

ハンナは箱の中身の用紙の内容をルアナから受け取ったバインダーの用紙に1つずつ書いていった。

ルアナはそっとアーシュラ先生に近寄ると囁くようにとある事を口にする。

 

 

 

「魔法の力は戻りましたか・・・?シャリオ・デュノールさん」

 

「・・・・・えぇっ!?どうしてルアナさんがその事を・・・?」

 

「クロワさんから大事な親友を救ってほしいって言われましてね」

 

「クロワがそんな事を・・・馬鹿な子ね」

 

「まぁ、アタシ的には色々と暴露されて頭の中がパニックでしたけどね」

 

「ふふっ・・・ごめんなさいね」

 

「えっと・・・伺っている内容によるとワガンディアの花粉を浴びてしまったんですよね」

 

「えぇ・・・その通りよ」

 

 

 

思い出したくない事なのだろう俯いてポツリと返事をするアーシュラ先生。

そんなアーシュラ先生を目の当たりにしたルアナは真剣な表情を浮かべる。

 

 

 

「今ので理解出来ました。クロワさんがアタシに頼って下さったのは・・・アタシが魔力を復活させた前例があるからだと思います」

 

「それは・・・本当なのっ!?」

 

「えぇ・・・話すと長くなりますのでまた機会がありましたらその時お話します」

 

「そう・・・それならまた時間がある時にお願いするわね」

 

「・・・はい!」

 

「ルアナ!終わったわよ!!」

 

「ありがとう!それじゃあ・・・アーシュラ先生!失礼しました」

 

「えぇ・・・御機嫌よう」

 

 

 

購買部を後にした2人。

ハンナがどことなくご機嫌な様子にルアナは声を掛ける。

 

 

 

「ハンナ、何か良い事でもあったの?」

 

「いえ、こうやってルアナのお手伝いを出来るのが少し幸せなだけです」

 

「アタシの・・・?どうして?」

 

「・・・・・鈍感」

 

「ちょ、ちょっと!ハンナ!!」

 

 

 

そそくさと先に行くハンナに対して慌てたようにルアナは駆け寄るのであった。

 

 

 

 

 

「ワガンディア・・・・・か」

 

 

 

翌日・・・ルアナはアーシュラ先生の事もあり、ワガンディアについて色々と知らべていた。

かなり大昔からある伝説の木でまだ謎の多い存在である。

一番厄介なのが、ワガンディアの花粉であり、今回アーシュラ先生を苦しめているのもその1つである。

 

 

 

「ナインオールドウィッチでも解読出来なかったワガンディアの謎解きか・・・クロワさんからの依頼でもあるし、アーシュラ先生・・・いや、シャイニィシャリオを復活させる為にも頑張らないとね。このままじゃ悲しむ2人の顔が目に浮かぶよ」

 

 

 

タブレット端末にあるワガンディアの情報を確認しながらルアナはぼやいた。

 

 

 

「しっかし、クロワさんから聞いた10年前の魔法ショーがダイアナだけじゃなくアッコにまで影響が出ていたなんて驚いたわね。確か・・・【ドリーム・フューエル・スピリット】・・・人の夢見る力を強力な魔力に変えていたなんて本当にビックリだったもんね」

 

 

 

魔法ショーを楽しんで帰って来た幼馴染が急に魔法を使えなくなった日。

その日から幼馴染の為に独学で色んな魔法を勉強した日々。

あの悲劇があったからこそ今の自分が誕生している事に今でも後ろめたさがある。

しかし、また自分の力が必要となっているのは事実である。

 

 

 

「アッコの件はダイアナと同じ方法でどうにかなるはず・・・・・問題はアーシュラ先生の状態を知るとこから始めるのが妥当かな~?」

 

『・・・ルアナ様』

 

『んっ?なにかあったの?』

 

 

 

不意に頭の中に声が聞こえると頬杖をしながらルアナは返事をする。

 

 

 

『新月の塔に怪しい場所を見つけました』

 

『おっけ~また怪しいモノ見つけたら報告お願いねぇ~♪』

 

『・・・承知』

 

「・・・・・あの噂が本当でない事を祈らないとね」

 

 

 

大きく背伸びをして漏らした一言。

その表情は険しくなにかを信じたくない雰囲気であった。

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