ガンダムビルドファイターズトライの世界でがんばる話 作:キャプテンキャップ
1
さて、GPベースへの登録も終わって、お昼ご飯も食べた。となれば、早速ガンプラバトルをしにプラモ屋『茨の園』に行こう!
GPベースをポケットに、ミミックガンダムをガンプラ専用ケース(中が低反発クッションで覆われていて、蓋を閉めると低反発でサンドイッチされることでガンプラとその付属品を守ることができる)に入れてしゅっぱーつ!
体中を駆け回るワクワクに背中を押されながら、家から商店街まで走り見えてきたのはプラモ屋『茨の園』。
「デラーズさーん! ガンプラバトルやりにきたよー!」
自動ドアを抜けるや否や、すぐにカウンターにいるデラーズさんの下へと駆け寄って声を掛けた。
「ほう、もう完成させてきたか」
「うん! ほら、これが俺のガンプラ、その名もミミックガンダム!」
ケースからミミックガンダムを取出し、デラーズさんの方に向けてカウンターに置いて見せる。
「? レンよ、儂にはこのミミックガンダムとやらが
「ふふん、見た目はね! ……
「えーひゃー? ……ああ、沖縄の方言か。分かった、手に取るのはやめておこう」
そう言って、俺がカウンターに立たせたミミックガンダムに触れずに、様々な角度で眺めるデラーズさんだったけど、しばらくしてから口を開いた。
「ふむ……ミミック、とつくからには
こうして眺めるだけでは皆目分からぬ。とデラーズさんが遠回しに褒めてくれた。
「ふっふーん、そりゃあ頑張ったからね! それでデラーズさん――」
「うむ、ガンプラバトルがやりたいのだったな。勿論いいとも」
「やった!」
「しかし一つ困ったことがあってな。今は誰も
言って、ちらりとカウンターの後ろにあるGBブースに顔をやるデラーズさん。確かに見た感じ、店内にはお客さんが一人もいないみたいだけど……え、それってつまり対戦相手がいないってこと? しょんぼりと気が萎える。体中を駆け回っていたワクワクがしぼんでいく。
「そうなるか。シミュレーションモードでもバトルの気分は味わえるが……それは本望ではあるまい?」
「モチロン!」
勢いよく首を縦に振ると、わが意を得たりとばかりにデラーズさんがニヤリと笑う。
「ならば儂が相手となろうぞ!」
「ええええ! デラーズさんが相手!?」
「不服かな?」
まさか! 『バズーカ卿』の二つ名を持つデラーズさんと戦うことに不服なんてあるわけないさー!
「なら決まりだな」
「でもお店の方はいいの?」
「構わぬ。見ての通り今は客が一人もおらず、暇でな。そのミミックガンダムに備わるギミックにも興味がある」
ならいっか。いいのか? デラーズさんが良いと言うんだからいいんだろう。
ついて来い。というデラーズさんの後を追って店の奥にあるガンプラバトルブースへ移動する。気づけば、しぼんでいたワクワクがまた俺の体を駆け回っていた。
2
ガンプラバトルブースにある、バトルシステム。六角形の形状を持つ台座状の機械を4台連結したハニカム構造を1組みとしている大型機械。更に連結拡張することも可能で、連結すればするほどバトルフィールドも広大となっていく。
『茨の園』にあるのは2組連結した物だ。言っておくけど個人経営のお店でこの規模は結構スゴいことなんだよ?
ソレを挟んで対峙する俺とデラーズさん。
「既に知っているかとは思うが、ここで今一度ガンプラバトルのルールのおさらいをしておこうか、レン」
「オッケー。確認は大事だもんね」
・試合時間は15分。
・ダメージ度は軽度の損傷で済む【C】設定。
・バトルフィールドはシステムAIによるランダムで決定。
・勝利条件は相手の撃破。時間超過の場合はダメージ量の少ない方の勝利。
「――以上だが、何か質問はあるかね?」
「ないよー」
「アームレイカーの操作は?」
「公式サイトで予習済み。動かすのは初めてだけど、やりながら慣れるよ。だから
そうか、では始めよう。とのデラーズさんの言葉とともにバトルシステムが起動を開始。
『Please Set your GP-base.』
そのシステム音声に従い、バトルシステムにGPベースをセット。
GPベースを認識したバトルシステムの上部から、青い光とともに同じく青い粒子が立ち昇る。
同時に俺の四方を長方形の
ここがファイターのコクピットだ。
『Beginning Plafsky particle dispersal.Field “Torrington-Base”.』
バトルシステム上にフィールドが成型。
『please set your Gun-Pla.』
続いてGPベースにミミックガンダムをセット。スキャンが開始される。
1秒も経たずにソレが終われば、ミミックガンダムのツインアイがピンク色に光り、
『BATTLE START』
ミミックガンダムの立つ場所がカタパルトデッキへと景色を変え、発進を待つ状態へと移行する。
すぅー……。目を閉じて息を吸い込む。
とうとうこれを言う時が来た。遂にこれを言えるココに来れた。
さあ――言おう。
「アムロ・レン! ミミックガンダム、行きまーーーっす!」
ふおーー! 言えたーー!!
謎の感動に身を震わせた俺を載せてカタパルトが加速。最高速に達したところでミミックガンダムを射出。
しばしの飛翔を経たあとは重力に引かれて地上へ着地。した瞬間、上半身が前方へ
その甲斐あって、各部のアクチュエーターが音を上げて姿勢を持ち直した。
「ぅおっとー……
無意識で出てしまう沖縄
「これ、戦闘に響くかねー?」
激しく動くと上半身が流れそうな感じがする。流石に
だけど、うおぉー。知ってたけど本当に機体の駆動音も原作に忠実なんだなー! 生で聞くとこれはテンション上がるぞこれは!
どうどう、落ち着け俺。今はバトル中だぞと自分に言い聞かせながら、フィールドがどこか確認する。最初にシステム音声でステージ名を言ってたけど、緊張と興奮で聞き逃したんだよね。
今わかっているのは、明るいから朝か昼ってことぐらい。上を見上げれば頂点で輝く太陽の姿。今は真昼間のようだ。
次に周りをぐるりと見渡せば、全面アスファルト敷きの広大な敷地に大小さまざまな建物が建っているのが確認できる。
その中でも一際デカイ横長の建物の真ん前に、俺は突っ立っているようだ。
少し離れたところには
さらに幾つかの建物の屋上には、これまた巨大なパラボラアンテナがあって。建物の前には何輌もの迷彩柄のジープが駐車している。
それらを
「ここは基地か?」
どこの基地か分かるようなモノがないかと辺りを見回すと、遠くに巨大な円筒状の建物が斜めに傾いて倒れそうになっているのが見えた。ピサの斜塔ではないな。随分デカくてボロッボロだし、アレ。
「……って違う、建物じゃないっ。アレってコロニーだ! コロニーが大地にぶっ刺さっているんだ! ってことはここ、トリントン基地か!?」
トリントン基地。
1年戦争でジオン公国がコロニーを落としたオーストラリアにある地球連邦軍の基地。
【機動戦士ガンダム0083】(以下0083)では、エギーユ・デラーズが率いる『デラーズフリート』に所属するアナベル・ガトーによってガンダム試作2号機『サイサリス』を核弾頭ごと強奪される舞台でもある。
「そんな所でデラーズさんと戦うなんて、何の因果かな?」
そんなデラーズさんの姿は目視やレーダーでもまだ確認できていない。
今のうちに操作の確認をしておこうかな。
3
あれこれ試しながら動作の確認。アームレイカーに付いてるボタンの確認も済んだところで――
「慣らし運転は終わったようだな、レン」
「その声、デラーズさんか!」
建物の一つの屋上に立っている
こちらを見下ろすのはドム。
MS-09 ドム。
頭頂高18.6m。重量62.6t。
【機動戦士ガンダム】に登場する重MS。『黒い三連星』の異名で知られるガイア、オルテガ、マッシュの乗騎で有名。彼らにあやかって黒い三連星のパーソナルカラーの黒と紫が機体色として採用された。
武装はジャイアントバズーカ。のちの作品では、ラケーテンバズーカやシュツルムファウストなども持つようになる。
しかもあの配色って――デラーズ専用試作ドムのヤツか!
0083第1話の冒頭でちょこっとだけ登場した超マイナー機体。一応その後はいくつかの媒体にて登場を果たしているけど、やっぱりマイナーであることには変わりないだろう。
「それがデラーズさんのガンプラ?」
「いかにも。名を『バズってるドム
「ネーミングセンスゥ!」
あまりに酷い名前を聞いたぞ今! 感性の欠片もないな!? にしても、
「特にはないな。Ⅲにしたのは、単に
「Ⅲの意味よ……」
「格好よかろう?」
それは分かり味しかないけどさぁ。あとバズってるドム
まあいいや、デラーズさんのネーミングセンスは置いといて。今はデラーズさんの、バズってるドムⅢを観察して少しでも情報を集めよう。
元になっているガンプラは恐らくHGUCのドム。その割には両肩がノーマルの物より若干大型化されてるし、それはスカート回りやフレアスカートもそう。上腕も一回りは太くなってるかな?
頭部もより胴体に埋まるように襟元(?)パーツが盛られている。それでいて見た感じ、首の可動範囲も確保されているようだ。これだけでもデラーズさんの工作技術の高さが分かる。
防御に特化した改造で火力で押し切るタイプのガンプラなのかな?
あとは両の脇の隙間から見えるジャイアントバズーカが2挺、砲口を下に向けた状態で背中に
だけどそのせいでドム特有の竹刀のようなヒートサーベルは装備できなかったようだ。
他の武装も見えないところから察するに、背中に背負うジャイアントバズ2挺のみの装備とみた。
流石バズーカ卿と呼ばれるほどのバズーカ狂。
思い切りが良いと見るか、ただの馬鹿と見るかは人次第だけど……
「それを平然と出来る人は――きっと強い」
「ふふ、儂を強いと評すか。そうと
今は、ね。後で評価が変わる可能性もあると。んで後っていうのはもちろん、これからやるバトルの内容次第ってことなんだろうな。
「それじゃあ、デラーズさん――」
「うむ、レンよ――」
自身のガンプラを介して対峙する俺たちは、声を合わせて言う。
「「戦おうか!」」
バトルが、始まる!
4
先手必勝!
建物の上にいるバズってるドムⅢ(以下バズドム)に向けてビームライフルの引き金を数度引く。
バッフォーン! とアニメと同じ効果音とビーム粒子の尾を引き連れて、4発の
「偏差射撃のない、バカ正直なビームに当たってやるほど儂もお人よしではないのでな。躱させてもらおう」
そう言って建物からホバークラフトで滑り降りたバズドム。そのままホバー移動でこちらと距離を取ろうってんだろうけど、そうは問屋が卸さない!
「偏差射撃をご所望ならこれでどうよ!」
ビームライフルを横に構え、射撃時の跳ね上がりを利用して平行撃ち。横一列に並んだビーム。これなら左右に回避してもどれか一発は当たるでしょ!今度は!
「見え見えだな。素人が考えそうなことだ」
素人ですけど悪い!?
俺が悪態を
追い打ちをかけようと、こちらもバックパックのノズルに火を入れて追いすがる。追いながら照準をバズドムに合わせ、合わせ……照準がブレて合わせられない!
「
「上半身のバランスが悪いと見える。腰との接続が甘いのだろう。そんな事ではすぐに落とされるぞ、レン!」
「知ってるよ! それ込みでやってるんだ、こっちは!」
狙いが定まらないまま撃つ、撃つ、撃つ! 数撃ちゃ当たる作戦だ! ……当たりゃしねえ! 全弾回避ですかそうですか! バズドムに躱されたビームが、次々と近くの建物たちを穴だらけにして倒壊させていく。響く轟音、立ち昇る土煙。
「甘いと言ったぞ儂は!」
ですよねー! でもさ!
「そのマッシブな巨体、こうも撃ってればそうそう背中のジャイアントバズに手を回して取れないでしょ!」
バズーカの砲口を下に向けて懸架してるんだから、どうしても上から抜き取らないといけないはずで。そうはさせじと撃ちながら接近を試みる。
ジャイアントバズは中距離を得意とした武装。
ほかに武器を持っていないバズドムなら近寄ってビームサーベルによる格闘戦にもちこめれば!
「それが素人考えだと言っている! これはガンプラバトルだぞ!」
そう言ってバズドムの脇の下から独りでにせせり出てきたのは、背中に懸架されているはずのジャイアントバズ2挺。それのグリップを握るバズドム。
「いい!?」
どうやって!? などと思う暇もなく、脇にしっかりと抱えられたジャイアントバズから放たれた弾頭が迫る。
こなくそ!とバーニアを目一杯吹かして横に回避。上半身が流れる。
「バランスゥ!」ミミックガンダムが足を踏ん張ってこらえる……こらえた!「ナイスゥ!」
安心したのも束の間、いつの間にか目前まで迫っていた新しい弾頭。慌てて横に回避しようとするも、建物に激突。
「うげっ! 躱せない!?」
これが偏差撃ちっていうの!?
仕方なくシールドで防御――衝撃。爆発。余波でとなりの建物が倒壊。それに巻き込まれないようサイドステップ。
爆炎と爆風がシールドを伝って物語るのは、ジャイアントバズの絶大な威力。それに俺とミミックガンダムの身体が震える。
今のは一瞬の駆け引きだった。追い詰めていたとおもっていたのに、実は俺の方がいつの間にか建物のそばまで追い詰められていて、避けられない状態に持っていかれた。
面白い。
これがバトル。ガンプラバトルか!
「そうだ! これがガンプラバトルだ! レンよ、常に
「はい!」
あ、思わず返事しちゃった。だって先生みたいな物言いするから! あ、でもこの状況、ガノタなら――
「っ! ええいっ、儂は貴様の敵だぞ!?」
ほらやっぱりー。でもそれガトーのセリフだからね? デラーズさんが言っていいセリフじゃないぞ。
はい! おふざけはここまで!
「そもそもジャイアントバズをどうやって――っアレは!?」
バズドムをよくよく見れば、脇の下にレールが敷かれていて、それの上をジャイアントバズが走っているのだ。
「F91のベスヴァーの取り回しと同じ仕組みか!」
というかパーツも流用しているみたいだから、基部の可動範囲も広そうですね!
「そうだ! だからこうして背中に手を回す必要がない!」
バズドムがジャイアントバズを2挺
しかもそれだけじゃない。おもむろにジャンプしたかと思えば、そのまま空へと昇っていくんですけどおおぉぉ!?!?
あれってまさか――
「プラフスキークラフト! 重MSのドムが空を飛ぶっていうの!?」
その為のスカートとフレアスカートの大型化だったのか! さてはあの中にフライトユニットを仕込んでたな!?
「いかにも!」
俺の驚愕に声を返しながら、デラーズ専用ドムが上空から2挺バズを撃ちまくってくる。
煙の尾を引きながら迫る弾頭を必死に躱す、躱すっ、躱せ俺ェ! バーニアを小刻みに吹かしながら縦に横に回避運動。
その甲斐あって標的を見失った弾頭がアスファルトと熱烈な
「あがあああああ!!!!」
四方からの衝撃に、アスファルトの
ウィンドウの1つに表示されるミミックガンダムの平面図。そこに警告音とともに次々と赤く塗りつぶされた箇所が付いていく。無視のできない深刻なダメージを負ったという報せだ。
それにしてもこの弾幕、わざと直撃を外しているように見える。それはつまり――
「手加減されてるってわけね!」
悔しいけど、それで助かっているのも事実。けど、このままじゃ削り殺されるだけだ。
「チィっ! これ以上やらせるわけには!」
上空でホバリングしながら、未だジャイアントバズを乱射してくるドムへとビームライフルを向ける。しかし、降りやまない弾雨と爆風による衝撃で
「くそ!」
悪態を吐きながら、苦し紛れに数発撃つ。周囲をただよう黒煙に穴をあけながら直進していくビームはしかし――
「狙いが甘いわ! そんな下手な鉄砲で儂を撃ち落とせると思うてか!」
ひらりと躱され、叱責を受ける。
同時に放たれたジャイアントバズの弾頭――直撃する!? 回避は間に合わないとシールドで防ぐ。衝撃。
一際けたたましく鳴る警告音に機体ダメージを確かめると、左腕が真っ赤に染まっていた。
「ちぃ!」
舌打ちしつつ前を向けば、いつの間にか急降下してきたドムの強烈な蹴りをシールドに受け、その衝撃に盾が吹き飛ばされる。
「ぐぅ!? しまったっ、狙いは最初っからシールドか!」
盾を失った代わりに、せめて一太刀浴びせようと頭部バルカン砲を撃つ。だけどその時には既にデラーズさんのバズドムは上昇、距離を取っていて。
くそっ、後手後手じゃないか!
「レン君、儂と戦うには君はまだ――未熟! だからこうして一店長でしかない儂に後れをとることになる!」
「言い訳はしない……でも、俺にだって言い分はある!」
だって俺初心者よ!? これデビュー戦よ!?
「言い訳をしないと言った舌も乾かぬうちに
その言葉とともに放たれたジャイアントバズの一撃をもろに受けた頭部が爆散し、ペナルティとして前方を映すウィンドウに大きくノイズが走る。有効視界度は60%減といったところ。
でもまだ視えるっ、なら戦える! そうだろ、ミミックガンダム!!
「まだだ! たかが頭を吹き飛ばされただけだ!」
「メインカメラを潰されてなお、吠えることができるのは素直に称賛しよう。しかし、目を失った
デラーズさんが困惑の声を上げる。恐らく頭部が吹き飛んで空いたその隙間から、胴体の中が見えたんだろう。
そうか、中を覗ける位置にいるってことはデラーズさんは今、ほぼ頭上にいるってことだよね? こっちのモニターが死にかけているのを知って接近してきていたんだろうけど、そいつは好都合ってもんだ!
上を見上げる。頭上のモニターも死にかけだけど、どうにかドムを捉えることができた。ぃよっし、射程距離!
「中が気になるっていうなら見せてあげるよ!」
アームレイカーを操作して『SP-SPECIAL WEAPON-』を選択。
ミミックガンダムがビームライフルを投げ捨て、両手
「ぬ!?」
「上半身角度調整! ターゲット、デラーズ専用ドム! ――調整完了! ターゲット・ロックオン!! 喰らえ! ロケット・パーァンチ!!」
バックパックのバーニアが火を噴き、バンザイのままの
「何いいぃぃ!?!?」
俺のあまりな突飛な行動に反応が遅れたバズドムに、バンザイAパーツがぶち当たる! いよおっし!
中身が
「ぐぬ……くっ、まさか上半身を切り離しての万歳アタックとは恐れ入った。ダメージは甚大、しかも動作不良によるシステムダウンで20秒間の行動不能ペナルティときたか……。だがしかし、儂は健在しておる。下半身のみとなった貴様に攻撃の術はもはや残って――……なんだソレは!?」
デラーズさんが
まあそうなるよね、なんせミミックガンダムの腰の上によく分かんない物が突き立っているんだから。
「それはコアファイター……いいや、形状が違う。将棋の駒に丸いクリアパーツを貼り付けて立てたようなあの形、だが見覚えのある形でもある。……そう、まるで
「そのまさかさ、デラーズさん! プラフスキーコンプレッサー始動! コア・ボールへとエネルギーの注入を開始!」
ミミックガンダムの股下に仕込まれたプラフスキーコンデッサーが、デラーズさんの言う膨らます前の紙風船――コア・ボールへとエネルギーを送る。
事実、デラーズさんの例えは的を得ている。
コンプレッサーからエネルギーを受けて、コア・ボールが形状を徐々に変えていく。
いや、
そして膨らみきった時、コア・ボールは真の姿を取り戻す!
「そ、それはRB-79! 改造したボールを、紙風船の要領で折り畳んで胴体に納めていたというのか!? レンよ!」
半分正解! 紙風船の要領じゃなくて、
プラやパテ以外の物で改造したガンプラでも、ガンプラバトルに出れるのは【ガンダムビルドファイターズ】のベアッガイ
そしてコントロールがコア・ボールに移ったことで、さっきまで大部分にノイズが入っていたモニター画面がクリアになった。
「しかもこのコア・ボールこそがミミックガンダムの本体だったりする!」
「ほ、本物の紙風船を使ったなどと! しかもソレが本体だと!? 正気か貴様は!?」
「どっかの誰かが言ってたよ、ガンプラは自由であると! そしてあえて言おう、いつからミミックガンダムの本体がガンダムだと錯覚していた!」
「ぬう!?」
「このまま決めさせてもらうよ、デラーズさん! 低反動ショートバレルキャノン、ターゲットをロック!!」
胴体に収めるために砲身を切り詰めた、低反動ショートバレルキャノン。その砲口が未だ立ち直れていないドムへと向ける。砲撃の反動に備えて中腰となるミミックガンダム。
「このキャノンに装填されているのは、出来るだけ威力を高めた特別製だ。その代わり試合を通して一発しか撃てない仕様だし、射程距離も極端に短い。命中精度も最悪になっちゃったけど」
でも、
「目と鼻の先にいる動こうとしないドムを打ち抜くには充分さーねー!」
「!? しまったっ、既にペナルティ時間を過ぎておったか! ぬう……このデラーズ、戦いの中で戦いを忘れておったわ!」
「それはランバ・ラルのセリフでしょ!!」
ツッコミとともにトリガーを引く。
ズガオォンンッッ!!!!
下っ腹に響くような轟音と砲口から盛大に炎を噴き上げ、低反動にもかかわらずミミックガンダムを十数センチも後ろへと地面を滑らせながら放たれた砲弾が、圧倒的な威力を伴ってドムの上半身を跡形もなく吹き飛ばした。
「ジーク・ジオン!!!!」
デラーズさんの断末魔とともに、残っていたドムの下半身が爆発。
『BATTLE END』
| <BATTL E END> WINNER AMURO・REN |
同時にバトル終了を告げるウィンドウ画面とシステム音声が流れた。
「や、やった!! 勝ったァーーー!!!!」
初 勝 利!
バトルシステムが解除され、全てのホログラムが消えていく中で俺は喜びを爆発させるのだった。
バトルの描写って難しいですね……。
コア・ボールが本当にできるかは――すみません。流石に試していないですけど、何となくできそうな感じしません? かなりボールが細切れになりそうですけど。
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