ガンダムビルドファイターズトライの世界でがんばる話   作:キャプテンキャップ

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 ガンダムビルドファイターズトライの世界に転生したと気づいたのは、統合された記憶の中にあった去年の全日本ガンプラバトル選手権・中高生の部の優勝チームの名前が『トライ・ファイターズ』だったからだ。

 試合の模様はテレビで生中継されてたから、かぶりついて見てたしね。

 高校名も聖鳳学園だったし、優勝した時のインタビューに出てたのも、アニメの主人公であるカミキ・セカイ、ホシノ・フミナ、コウサカ・ユウマだったから間違いない。

 

 というか去年、全国優勝してるってことは今は原作の1年後ってことか。ヒロインのフミナは高1になってて、セカイとユウマは中3。ラルさんは36歳か。

 主人公たちとは2つ違いってわけね。まあ県が違うから会えそうにないけど。なんかの機会に会えるといいなあ。まあ住んでいる県が違うから確率はかなり低そうだけど。

 

 ……にしても、ガンダムビルドファイターズトライの世界かー。

 

 ガンダムビルドファイターズトライ。

 詳しいストーリーの説明は省くけど、要は自分だけのガンプラを作って、それをなんか凄い機械で読み取ることで実際に戦わせることの出来る世界で、中学生の主人公――カミキ・セカイは全国大会優勝を目標に、チームメイトたちとともに頑張っていくという、数あるガンダム作品群の中でもかなりの異色作シリーズ。

 ちなみに、ガンダムビルドファイターズトライはシリーズ2期目の作品だ。

 

 あ、も一つ説明しておくと、ガンプラを読み取る機械は【GPベース】といって、スマホをゴツくしたようなデザインのデバイス。

 それを【バトルシステム】と呼ばれる六角形の台座にセットすることでガンプラバトルができる仕組みなんだけど、詳しい説明はまた今度。

 以上、簡単な説明終わり。

 

 自分の、自分だけのガンプラ。

 そいつで戦うことができる。

 

 ガノタなら燃えるだろう。プラモデラーなら憧れるだろう。なんせリアルプラモ狂四郎だからな。

 俺も前世ではガンプラを(たしな)んでいたから憧れたし、アニメを見てるときは燃えたなあ。

 だからこの世界のこの時代に転生出来て幸せです。

 ……まあ前世で死んだ時の記憶がないんだけどねー。まあいいさ、多分急死の類だろうし。生まれ変わったもんは仕方ない。

 前世の死因を考えるより、今を楽しんだ方がよっぽど建設的だ。ぶっちゃけ前世に未練はないし。

 

 さて、そうと決まればアレだ。

 ビルドファイターズの世界に生まれたからには、やっぱガンプラバトルがしたい!

 んでもって発進シークエンスの時に「アムロ、いきまーーす!」とか「F91ガンダムはアムロ・レンで行きます!」とか言いたい! だって今生ではリアルでアムロ(安室)なんだよ? 言いたいに決まってる!

 

 てかなんで名前がレ()なのか。両親よ、そこはレ()でしょ。このニアミス感というかパチモン感よ。……まあ両親はガンダムに興味ないっぽいしなあ。レン君の記憶の限りだと、テレビ中継されているガンプラバトルを両親と観てても、2人とも「なんかロボットが戦ってる番組」程度の認識だったっぽいし。

 ガンプラバトルがメジャーなこの世界で、その認識は結構レアなのでは?

 

 まあいいや。両親のことは置いといて、俺はゴソゴソと後ろポケットから財布を取り出して中身を確認。……よし、記憶通り1万円と小銭が少々。

 レン君ってば中学生の割にけっこうなお小遣いを貰ってんのよね。一月(ひとつき)1万5千円。それとも最近の子はこれくらいが普通なのかね? 前世の俺だと、この時分なら確か千円くらいとかだったような? ……悲しくなるからやめよう。

 

 ともあれ、これくらいあれば余裕でガンプラとかその他の物が買えるな。

 と言っても、レン君もガンダム好きだったようで結構な数のガンプラが家にあるんだけどさ。しかも未組立のやつが。

 どうやらこのレン君、買って満足する派だったようで作ったガンプラは少ない。……前世の俺も30歳そこらから仕事の忙しさを理由(いいわけ)にあまり作ってなかったなあ。記憶にある限り、レンも学校を言い訳に積んでたみたいだし。

 うん、やっぱこの子俺だわ。

 

 とにかく、積みプラがあるのはいいことだ。何を買ったかはまだ記憶の統合がちゃんと済んでいないのか、それとも単に覚えていないのかよく思い出せないんだけど。とりま、この位お金があるんだったら問題なし。欲しいガンプラがあれば、近所のプラモ屋『茨の園』で買えばいい。……茨の園て。

 

 というわけで、今日帰ったら目当てのガンプラがあるかの確認。あったら作る。無かったら買いに行く。

 よーし、予定も立ったことだし、授業に復帰しますかー。せんせー。

 

「あら、安室君。もう起きて大丈夫なの? ……そう。なら今日は大事を取って帰っていいわよ」

 

 おっと、もう帰っていいんだって。やったー!

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