ガンダムビルドファイターズトライの世界でがんばる話   作:キャプテンキャップ

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 早退することを許された俺は脇目もふらずに即帰宅。

 学校からほど近い住宅街にある、コンクリート2階建。それが俺、安室(アムロ)(レン)の家だ。

 

「たっだいまー」

 

 玄関の鍵を開けながら一応声を出すも、返事はなし。まあ両親は共働きだしね。父さんに限っては、遠洋漁業(マグロ)で船長さんしているから年に一回くらいしか帰ってこないし。母さんはバリバリのOLで、帰宅は夜の7時くらい。

 なので、それまでは完全に独り。寂しいかって? んなわけない。むしろお一人様をバリバリ楽しんでましたとも。

 さあ今日も――いや、今日からは今まで以上に楽しむぞーー!

 

 2階にある自室に入る。8畳ほどと結構広めな部屋にベッドと窓際に置かれた勉強机。さらにその隣にはデスクトップパソコンが鎮座したパソコンデスクが並び。

 窓とベッドが置かれている壁を除く、両側の壁一面に並べられたステンレスラック(5段)にはガンプラの箱がぎっしり。

 

「おぉう。マジか……」

 

 しかもこれ、殆どが未組立なんだよ?

 記憶で知ってたけど実際に見ると凄いな。安室家ってけっこう裕福? 母さんは普通のOLらしいから、父さんの仕事が儲かっているのか……マグロ業スゲー。

 取りあえず両親に感謝。ありがとうパパン、ママン。

 

 さて、感謝の合唱も済んだことだし、今日の目標『目当てのガンプラを探す』をしますか。

 探すのは【(マスター)(グレード) 1/100 RX-93 νガンダム Ver.Ka】だ。

 俺の好きなモビルスーツ(以下MS)であり、しかも末尾にある“Ver.Ka”が示すように、メカニックデザイナーのカトキハジメ氏が旧【(マスター)(グレード) 1/100 RX-93 νガンダム】をリファインしたガンプラでもある。

 

 ――νガンダム。

 

 1988年3月12日に劇場用アニメとして公開された【機動戦士ガンダム 逆襲のシャア】(通称は逆シャア)にて、主人公であるアムロ・レイの乗騎として登場するMSの名称。いわゆる主人公機。

 

 機動戦士ガンダム(ファースト)から続く、アムロとそのライバルであるシャアとの因縁の決着を迎える今作は、マジで名作。

 メカオタクだったアムロが遂には自分でガンダムを設計して乗るんだっていうんだから当時は衝撃的だったししかもフィンファンネルっていうただのファンネルとは違うのだよ!とでもいう名前と形と性能でそれをアムロ(主人公)が使うのかよ!ってかその板ホントにファンネル!?ファンネルだー!って劇場で度肝を抜かれたし何かビーム打つたんびに粒子が飛んでるぅ!ビームサーベル斬りつけるまで刃が出てない何その演出ぅ!なにその丸っこい操縦桿?アームレイカーっていうの?超イカしてるー! ってなるよ。(オタク早口)

 

 そんなνガンダムのプラモデル。これまでも結構出てるんだけど、それまで語るとめっちゃ長くなるから割愛。フィン・ファンネルの存在が秘密だったとはいえ、公開後にフィン・ファンネル付きで出すのは当時小学生だった俺には痛い出費だったよバ○ダイさん(泣き)。ほらこんな感じで長くなるでしょ?

 あ、でもこれだけは言わせて? 旧キットの【1/100 RX-93 νガンダム フィン・ファンネル装備型】のパッケージイラストは控えめに言って神だと思います。

 

 

 

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 閑話休題。

 

 さてさて、お目当てのνガンダムは~っと…………あった! ってゲェ!? 通常版とチタニウムフィニッシュ版があるぅ!! た、確かチタニウムフィニッシュって1万7千円くらいしなかったっけ? ……おぉう、記憶掘り起こしてみたら確かに去年お年玉で買ってるな。凄いな昨今のお年玉事情。……あ、こっちにはνガンダムVer.Ka用の(ハイパー)(ウェポン)(システム)キットがある。これは……去年の誕生日プレゼントで強請(ねだ)ったのか。レン君、恐ろしい子! ……ってまあ俺なんだけど。

 

 と、取りあえず今は通常版のヤツにしとこう。チタニウムフィニッシュは俺には荷が重すぎる。というわけで普通のを~……ってあれ? なんか軽い?

 箱を手に取ったところ、妙に軽い。ちょっと傾けてみれば、中で何かが滑るような音と感触が。

 ……これってもしかして。

 とある予感を胸に箱を開けてみれば――

 

「あ、やっぱり作られてる」

 

 つい口に出してしまったが、箱の中には組み立て済みのνガンダムがあった。武器も全部作られてるようだ。

 なーんだ。完成させてたのか。

 記憶が統合して間もないからか、作った実感が全然ない。

 肩透かしを食らった気分で椅子に座り、箱からνガンダムを取り出して机の上に立たせる。

 おー、久しぶりに見るなあ。これは前世でも作ったんよ。一週間くらい掛かったっけ?

 

 あ、ちなみに俺は素組派です。改造とか塗装とかムリ。デカール張るのはめっちゃ好きなんだけどね?

 素組でも組み立てにかかった時間は一週間だったと思う。大体のMGが二日もあれば余裕で完成するというのに、いかにνガンダムVer.Ka(コレ)を作るのが大変か分かるというもの。

 

 まず部品が多い。ギミックが仕込まれている内部フレームだけでも結構なパーツ量。外装の分割が凄くてやっぱりパーツが膨大。

 でもその分、完成したら()()()上等。……おっと沖縄方言が出てしまった。沖縄出身の父さんが使う方言の影響か、ふとした瞬間にレン君()もたまに沖縄方言が飛び出すのよね。前世の記憶を思い出した今も、それは変わらない。

 ちなみに、“でーじ”っていうのは“凄い”ってこと。んで“上等”は沖縄では若者言葉の“ヤバい”と同じくらい用途が広いので、老若男女問わず、いろんな場面で使われたりする。別にヤンキーたちが使うような意味はないのだ。だからさっきの、でーじ上等は凄くカッコイイになるよ。

 

 おっと、また話が逸れた。

 引き続きνガンダムVer.Kaを見ていこうか。うーん、やっぱり超かっこいい。イボルム版νガンダムのデザインを取り入れたこのフォルムのカッコ良さよ。そして配色の妙。基本白と黒のツートンカラーなのに、その中間色である薄い灰色を要所要所に置くことで全体を引き締めるだけでなく、なんかオシャレ!って感じさせるところが(すっご)くカトキ。これも装甲の巧みな分割による細かな色分けがあってこその賜物だよなあ。流石カトキ。サスカト。

 

 んでもって腕のデザイン。ここのリデザインも凄い。νガンダムの前腕は左右非対称なんだけど、このVer.Kaでは前腕の上部以外は共通のデザインに変更してるんだよな。ここでも装甲のパネル割りが効いてて、まるであたかも前腕上部に拡張アタッチメントがあるかのようになってて、左腕にあるビームサーベルホルダーユニットを取り外すことも、その逆で右腕にもビームサーベルホルダーユニットを取り付けることが可能――とモデラ―たちに想像させることに成功してるんだよね。

 前腕が左右非対称に見えたのは、実はユニットの増設によるもの。νガンダムもあくまで工業製品。できるだけ生産ラインを抑える工夫をしつつ、武装の拡張を行えるようにしている。

 そんなアナハイムエレクトロニクスの企業努力が透けて見えてくる――なんて勝手な想像をしてニヤニヤするのがガノタ。

 

 そんな色んな意味で優秀なνガンダムVer.Kaなんだけど……残念ながら語っていたら明日まで掛かるので、最後に一言。

 νガンダムVer.Kaは名キット。俺も大好き。

 ……あ! ユニコーンガンダムを意識した本体ギミックの事とか語ってなかった! ……まあその辺は自分で買って確かめて欲しい。きっとどぅまんぎる(ビックリする)(沖縄方言)よー!(営業感)

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