ガンダムビルドファイターズトライの世界でがんばる話 作:キャプテンキャップ
1
プラモ屋『茨の園』を後にした俺は今、近くの100均ショップに来ていた。
デカール貼りで使うピンセットに、スミ入れ用にメラニンスポンジ。あとはHGUCリバイヴ版ガンダムで使う物を買いにきたのだ。
ピンセットはデラーズさんも勧めていた、先曲がりタイプのでっと。先曲がりタイプとは、読んで字のごとく、ピンセットの先が角度をつけて曲がっているタイプ。先端までまっすぐのタイプよりも物を摘まみやすい。人によるだろうから断定はしないけどね。どんなタイプでも、自分に合うものを使うのが一番。
ピンセットを選んだら、今度はリバイヴ版ガンダムで使う予定の『ある物』をっと……あったあった。これも
ホント、ガンプラは金が掛かるなぁ。
あ、何を買ったかは後のお楽しみにー。
さあ、買い物が終わったら急いで帰るぞー。
2
ぜぇー……ぜぇー……か、帰ってきたぜぇ。あ、いや、違う。こほん――我が家よ、私は帰ってきたー!(精一杯の大〇明夫ボイス風味で)
むふー! 玄関先で満足しながらまだ誰も帰ってきていない家の中へと入り、手荒いなどを済ませつつこれからの作業に必要なものを準備し、自室へ。
さて、早速ガンプラバトル用のリヴァイブ版ガンダムを作る――といきたいところだけど。
その前にνガンダムVer.Kaから先に完成させてしまおうか。
勉強机兼作業机の上に今日買ってきた荷物を置いて、その中からマークセッター、ピンセット、塗料小皿、綿棒、ガンダムマーカーのスミ入れペンとメタリックシルバーを。それから机の引き出しを開けてデザインナイフを取り出す。あとは一階の水道から適当なペットボトルに入れてきた水。
ほかの物はいったん脇に除けてっと。
昨日頑張ってゲート処理を終えたνガンダムVer.Ka(バラシ中)の入った箱を目の前に持ってきて――
「さてっと、スミ入れやらデカール貼りの前に、取りあえず組み直すかねえ……そのついでにバーニアの内部をメタリックシルバーで塗ってしまおう」
あえて声を出して気合いを入れる。パーツに組まれているポリキャップの類は外していないから、あとは文字通り
面倒だからといって、このパーツとこっちのパーツ形が同じだから嵌めちゃえ、とかやると後で、あ、こっちの組んだパーツを合わせるのが先だった……orz、みたいな事が起きたりするから確認は大事。よっぽど作り慣れている物以外を組むときは、ちゃんと説明書を見よう! 後悔するし時間も余計に喰うゾ!(体験談)
足裏のバーニアは中の黄色いパーツにメタリックシルバーが付かないように、それ以外の内部を慎重に塗って……うん、イイ感じ。バックパックの4つのバーニア……ちぃっ、4つのバーニアか! 逆シャアのアムロの雑な物まねしながら、4つのバーニアも同じように塗る……んだけど、どうしよう。内部だけじゃなくて、外も塗るか悩むなあ。前世では塗らなかったんだよねぇ。外は黒、中は黄色とシルバーのツートン。そのコントラストも良かったんだけど……うぅ~ん。前世含めて2体目のνガンダムVer.Kaだし、前世とは違う風にしてみたい。……うーんう~~ん…………あ、そうだ。
こういう時こそSNSの出番じゃないか。他の人が上げているだろうνガンダムVer.Kaを見てみよう。きっとバーニアをシルバー塗装している人がいるはず。
そうと決まれば携帯デバイスをっと。ポケットに放り込んでいたのを取り出して、しげしげと見つめる。
記憶の統合が済んで忘れていたけど、ここってガンダムビルドファイターズトライの世界なんだよなあ。だって携帯デバイスってさ、細長い板状なんだもの。それだけ言うとスマホでしょ?と思うかもしれないけど、それよりもっと細い。んでもって液晶パネルがない。あるのはいくつかのボタンのみ。記憶に従って本体側面にあるボタンを押せば、ホラこの通り。空中に浮かぶディスプレイが現れましたよ。ホログラムってやつだ。スゲー。
驚いている前世の俺と、当たり前のことと受け止めている今世の俺がないまぜになって名状しがたい感情になる。
でも少しすると既知の技術と認識している今世の俺が勝ったようで、あっという間に興奮が治まった。……あ、そうだ、検索しなきゃ。
というわけで、検索検索~。
この世界で広く普及している、モデラーご用達アプリ『ツクッター』を起動。
νガンダムVer.Kaで検索して、画像タブで表示っと――おお、沢山出る。流石大人気のνガンダムVer.Kaだ。さす
にしても数が多い。…………ううーん、流し見してるけど、この中からピンポイントでバーニアのことを書いている人を探すのは、流石に骨が折れるな。
検索に“バーニア”も追加っと……おし、バーニアのことを触れてる写真が出てきたぞっと。流石人気のνガンダムVer.Ka。さす乳……って、ここでも誤変換だと? やるなブライト(違う)
メタリックシルバーで塗ってるのあるかなー。と思いつつ画像を流し見していく。
…………ほほう。これメタリックレッドで塗ってるのかー。キラリと光る赤ってのもイイネ。うおっ、この人のバーニア
…………って違う。思わず観賞してしまったけど、目的のメタリックシルバーで塗ってる写真探さなきゃ。……あっ、あった! おおー、いいじゃんいんじゃん! バックパック自体が黒いからいいアクセントになってる! ぃよし! 決めた、俺もメタリックシルバーで塗ろう! ……あ、閉じる前にイイネ押してっと。
携帯デバイスを邪魔にならないところに置いて、いざ塗装。
ガンダムマーカー・メタリックシルバーをまずは蓋をした状態でカチャカチャよく振ってから蓋を外して、一気に塗っていく。この時、ペンを持った手を動かすんじゃなくて、バーニアを回した方が楽に塗れるぞ(バーニアはダボ穴に爪楊枝を
バックパックの分が終わったら、ふくらはぎのバーニアも同じ要領で塗る。クルクルぺたぺたー。ほい終了。
あとは機体各所にあるアポジモーター(以下アポジ)のパーツだけだけど……うーん、これはそのままでもいいかなあ。特に肩側面にある大型アポジは弄らない方がバランス良さそう。背面のバーニアは全部、外も中もメタリックシルバーで統一したからね。アポジはそのままにしとこ。
あとは組み直すぞー。
3
う~ぃ、組み直し
さてさて、まずはスミ入れから。さっきまで持っていたガンダムマーカー・メタリックシルバーから、ガンダムマーカー・スミ入れペン(極細ペン先)に持ち替えて。
まずは胴体から。持ちやすいしね。
……うーん、スミ入れする箇所があまりない。楽と言えば楽なんだけど。胸の上部のモールドなんて、パーツ自体が黒いんだから塗ってもわかるのか? ……塗ってみたけど、微妙? まあ塗らんよりはいいでしょ。こういう所もガンプラバトルの時に評価値として上がるかもしれないしね。
あとは首回りや腹回りの胴体、背中側もスミ入れしてって。うし、完成。塗り残しもナッシング。
一通り塗り終わったら、ここで取り出したるは100均で買ったメラニンスポンジですよぃ。
手ごろな大きさの正方形にカットされているから持ちやすいんだよね。しかも複数個入っているのでお得。
これを使って、モールドからはみ出したスミ入れペンを消すのだ。やり方は簡単、はみ出した部分を、消しゴムの要領でただ
消すといっても実際は研磨しているようなものなので、パーツ全体にかければ、プラスチック特有のテカりを抑えることもできるよー。俺はプラのあのテカりが結構好きだからそこまでしないけど。でもVer.Kaはカトキ氏のイラストの印象もあってツヤ消しの方があうかも。まあそこはお好みでってことで。
この調子で他の部位もスミ入れ&修正していくぞー。
あい、終わり―。所要時間は1時間くらい?
喉乾いたし目も疲れたから、いったん休憩じゃーい。
4
休憩終わり―。
いよぅし、遂にデカール貼りだー。好きなんだよね、デカール貼り。水転写式もドライ式も貼ってて楽しい。うふふ。
若干トリップしながらも準備をしていく。
さっきまで使っていた道具を片付け、今度はデカール貼りに必要な道具を取り出していく。
デカールを切り出すときに使う、デザインナイフとカッティングシート(大)、デカールをつまむピンセット。デカールを浸ける水の入った小皿に、その水分を拭き取る
これで準備は完了っと。
あとは、主役のνガンダムVer.Ka付属の水転写式デカール。そして、他のガンプラで余ったドライデカールとシールだ!
なんで他のデカールとかも出したのかって?
説明書通りに貼るのもいいけど、自分で考えて貼っていくのも面白いよ? だから用意してみた。
デカールとシール貼りは、素組み派の俺が唯一
元々はそこまで拘っていなかったんだけど、『G.F.F.』*3が発表されたのを、模型誌で見てからだ。
第一弾の『フルアーマーガンダム』を見た瞬間のあの衝撃よ。フォルムのカッコよさに、あのデカールの斜め貼りが映えていたのを今でもよく覚えている。超かっちょよかった。語彙力が幼児化するくらいに、でーじヤバかった。
あと全身にセンス良く配置されたコーションマークとか、赤いラインのデカールとか……好き(小並感)
そんなことがあって、俺はデカールの
とりあえずまずは説明書通りにデカールを貼っていく。大きい物は置いといて、先に
ここはやはり胴体から。番号をよく確認しながらデカールシートから、デザインナイフで切り離す。この時できるだけ余白を出さないようにすると貼った後で見栄えがよくなるぞ。
切り離したらピンセットでつまんで、水の入った小皿へイン。水につけるのは、台紙に張り付いているデカールの
その間にデカールを貼りつける場所に、マークセッターを付けておく。まずマークセッターをよく振って、
んでマークセッターを塗ったところに台紙ごとそっと乗せる。でもまだピンセットを外しちゃダメ。そしたら、もう片方の手の指、もしくは爪楊枝の先で軽くデカールの端の方を押さえて少しだけズラしたら、ピンセットで台紙を滑らせるように抜き取る。デカールの方を滑らせてもいいけど、下手したらデカールが歪んだりひび割れたりするから、台紙の方を抜くのがおススメ。
マークセッターが乾かないうちはデカールを動かせるので、その間に位置決め。位置が決まったら、綿棒でデカールの中心を押さえて、綿棒を寝かせた状態で外側へ向かって転がしていき、空気が残らないよう水分を押し出していく。
綿棒は転がす、これ鉄則。
転がさないで空気と水分を押し出そうとすると、デカールが動いたりするし、下手したら傷つく。小さい傷だったらリカバリーもできるけど、手間を増やさないためにも綿棒は転がした方がいい。
それを2~3回やって水分が抜けたらデカールを綿棒で軽く押さえつけてパーツとより密着させる。んであとは完全に乾くまで触れない。乾いた後で
気泡が残ってても慌てない、これも鉄則。
乾いたらそのままでも大丈夫なんだけど、トップコート*4を吹かない場合は、もう一度マークセッターを軽くデカールの上から塗ると、保護膜となって耐久性が上がる。……ような気がする。個人の感想であって確実ではないから自己責任でお願いね。
細かいデカールを貼り終えたら、今度は大物デカールに取り掛かろう。大物は右のフロントアーマー、リアアーマー、左ふくらはぎ側面と、シールド表面の計4つ。内リアアーマーとふくらはぎ側面はモールドをまたぐから、その部分は乾いた後で再度マークセッターを塗布して、デカールを柔らかくすることで自然にモールドの凹凸に密着させる。それが済んだら、モールドに沿ってデザインナイフをいれてデカールを切る。特に左ふくらはぎ側面は、装甲がスライドするギミックが仕込まれているから綺麗に切り込みを入れたいところ。
最初から分割されているデカールも用意されているけど、位置のすり合わせが大変そうなので切れ込みを入れた方が楽だと思う。でも、わざとズラすのもデザインとしてはアリか? ……アリアリのアリだな。よしそうしよう。
いよーぅし。ようやっと終わったー。
ちなみに現在、夜の0時です。あの後、夕飯を食べた以外ずっとデカール貼りしてたよ。疲れた……。他のガンプラで余ったデカールを貼るところまでやりたかったけど……それは明日にしよう。もう風呂入って寝よう。そうしよう。
5
うい、翌日です。放課後です。すでに帰宅して着替えも済ませてます。学校パート? そんなもんスキップじゃい(メタ発言)
それじゃ、デカール貼りを続けまーす。
今日やるのは昨日言ったように、他のガンプラで余ったデカールを好きに貼っていくゾ。
まずはコレ。MGの旧νガンダムのドライデカール。ロンド・ベルの部隊マークが余ってたから、それを右肩の右上部付近にペタリ。ドライデカールは貼りたい場所に置いて、保護フィルムの上から爪楊枝の頭などでゴリゴリ
それにしても、ドライデカールって今では当たり前になったけど、凄いアイデアよねぇ。当時はびっくりしたもんだよ(後方古参面)
ロンド・ベルのマークを貼ったら、そのマーク――ベルを囲う台形に沿って、適当な注意書きのシールを文字列ごとに切り離して貼っていく。そしたら自然と斜め貼りになるっていう寸法よ。ドヤア!
そんな調子でデカールやシールをそのまま貼るだけでなく、好きなようにカットして加工したり、さらには貼ったデカールの上にシールやデカールを重ねたり。ペタペタゴリゴリ。イメージ通りになるまでシールとドライデカールを貼っていけば――
「完・成!!」
大量のデカールとシールによる情報過密のνガンダムVer.Kaの出来上がりじゃーい! ひゃっほーい!!
というか、バラして処理して組み直してスミ入れして貼るだけで3日掛かったのか―。ちかれたー。でも満足ー!
最後に全部位を合体させてっと。ビームライフルとシールドを装備し、ニュー・ハイパー・バズーカも背部ラックに
机の上に置いて、いろんな角度から眺めつつ携帯で写真を撮っていく。ううーん、イイ感じイイ感じ! ゲート跡もきれいに処理したし、デカールも問題ない! 素組みとは言え、素体の良さもあって、
そういや前世だと、こうデカールを大量に貼ったガンプラをSNSに上げると、一部の人から「貼りすぎなのでは?」みたいなことを言われたりしてるのを見たことがあるけど、そんなの気にする必要はない。
ガンプラ……というかプラモデルは自由に作るべきだ。
その人が好きなように好きに作る。
だからこそ個性が出て面白いし、他の人の作品を見てても面白い。その上刺激にもなる。
工作に
ガンプラの可能性は無限大。それを自分で
あ、でも工具の扱いには本っ当に気をつけてね!
というわけで、皆もデカールを貼って貼って貼りまくろう! 自分で配置を考えて貼るの、