ガンダムビルドファイターズトライの世界でがんばる話   作:キャプテンキャップ

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 νガンダムVer.Kaを完成させた翌日の学校。その昼休み。

 

「ほー。凄い情報量だな、このνガンダムVer.Ka」

 

「ふっふーん。そうだろうそうだろう。むふー!」

 

 ハールーに昨日撮りまくったνガンダムVer.Kaの写真を見せて(自慢して)いる俺、アムロ・レンです。

 

「でもよーレン」

 

「んー?」

 

「この右腕のとこの地球連邦軍(E.F.S.F.)デカール、後ろのパーツの色が暗いせいで目立ってなくね?」

 

「……そうなんだよなぁ」

 

 デカールの文字も黒、パーツの色も暗い灰色とあって、デカールが目立たなくなってしまってるんだよなあ。

 

「この連邦のデカール、確か白Ver.もあったろ? それだったら……って腕が白いから無理か」

 

「なんだよねー。それを貼ったら今度は白パーツに同化して、デカールが見えなくなる問題が発生するんよ」

 

「んじゃあ、この暗い色のパーツに乗っかっているデカール部分だけ、白Ver.を貼るってのはどうよ? それだったらちゃんと連邦軍のロゴも見えるようになるし、なによりなんかオシャレじゃね?」

 

「ほっほーう。なるほど、それは確かに」

 

 俺の頷きに「だろ?」と得意げな顔のハールー。

 

「でもな、ハールー。俺にそんな繊細な位置合わせとか、できると思うか?」

 

「……Oh」

 

 なんで英語で嘆いたし。

 

「んじゃあ、デカールをもとにしてテンプレートを作ってみたらどうだ? それならガンダムマーカーでも行けそうじゃね?」

 

「テンプレートって、あのテンプレートか?」

 

 ここでいうテンプレートとは、製図などで使われる、ステンレス板やプラ板に〇や□の形の穴があけられているモノを指す。一枚のテンプレートにサイズの異なる穴が設けられているので、モデラ―にとってもスジ彫りなどで重宝するらしい。他にも、〇や□といった単純な記号の物以外に、複雑な模様を描いたテンプレートもある。別に必要ないけど、見てるとちょっと欲しくなるよね、アレ。

 

「そう、それ。そのテンプレート」

 

「それを自作するの? どうやって?」

 

「王道なのはやっぱ、プラ板にE.F.S.F.のデカールを貼って、それをデザインナイフでくり抜いて作る――ってんのがアレだけど」

 

 この暗いパーツの部分、一段落ちてる上に蛇腹状なんだよなあ。プラ板テンプレートだと白いパーツに乗っけて使うことになるし、上手い人ならそれでも問題ないんだろうけど……レン、いけそうか? とハールー。

 

「……う~ん、どうだろ? 一段落ちてるって言っても1㎜くらいだろうし、いけそうな気もする……」

 

「確実じゃないなら、軟質プラならどうだ? 100均とかで売ってるクリアファイルあるだろ? アレを使って作れば、凹凸にも対応できそうじゃね?」

 

「おー、確かに! ……でもあれって、ちょっと厚みがあるんだよねぇ。柔らかいとはいっても厚みが邪魔しそうな気がする」

 

「あー、確かに。少し浮きそうか……マスキングテープみたいに薄くて密着するのって他にあったっけか」

 

「っ! それだ!」

 

「どれだ!?」

 

「マスキングテープだよ! それでテンプレート作ればいいんだよ!」

 

 俺の言葉にハールーも「あ、そっか!」と気づく。

 マスキングテープなら文字をくり抜くのも容易だし、貼るのも剥がすのも楽。よし、これでいこう! 幅は50㎜もあれば足りるだろう。帰りに100均寄ってあれば買う、無ければ世界最大手のネット通販『ジャブロー』で取り寄せようっと。

 

「にしてもハールーよー。最初っからこういうの教えてくれてもいいのにさー。はっしぇ(ホントに)、ハールーハールーさー」

 

「いや、ビルダーの端くれなら自分で気づけ。あと何で名前を2回言ったし」

 

「え? 呆れた時とかってその人の名前2回言わん?」

 

「言わんけど。それも沖縄の方言みたいなもんか?」

 

 言わんのか。いやでもどうだろう? これって沖縄特有の言い回しなのか? 父さんとおじーが良く使ってたから普通のことだと思ってたんだけど。……思えば、おばーも向こうの友達連中も使ってなかったな? もしかしてコレ、安室家(の男衆)特有だったのか!? あぎじゃびよーい(なんてこったい)

 

 

 

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 13年目の真実が発覚した昼休みを経て放課後。んで帰宅。

 

「よーっし、こんどこそ完成!」

 

 (ひたい)に掻いてもいない汗を拭う仕草をしつつ、満足げに見るのは目の前のνガンダムVer.Ka。

 帰りに100均に寄ってマスキングテープを購入。それを使ってE.F.S.F.のデカールを元に作ったマスキングテープ製テンプレート。それをνガンダムVer.Kaの右腕にペタリ。

 そしたらガンダムマーカーEXのホワイトとブラックの出番。

 暗いパーツ部分にはホワイト。白いパーツ部分はブラックで塗り分けていく。テンプレートを使用しているので、はみ出す心配もなく大胆に塗っていくよ。まあ塗り分け個所からはみ出ないようには気を付けないとだけど。あとは塗る順番かな? ホワイト→ブラックの方がリタッチしやすいかも。んじゃシャカシャカ―っと。それにしてもこのホワイト、隠蔽力(いんぺいりょく)強いよねぇ。暗いパーツが下地なのに、透けてないもの。さすがクレ〇ス。さすクレ。

 

 塗り終わったら、塗り残しがないか丹念に調べて、大丈夫そうだったらマスキングテープを剥がす。ぺりぺりー。この瞬間が最高に気持ちいい。

 剥がしたら出来栄えをチェック。ラインに()()()()があったらリタッチしたりデザインナイフやカッターの刃先で削って修正。それが済めば終了!

 というわけで、完成したのがついさっき。

 

「ふぃ~。長かったぜー」

 

 昨日で完成と思ったら思わぬ延長戦になるとは。まあ作業そのものは、そんなに時間かからなかったけど。

 昨日と同じく独り撮影会をしたら、νガンダムVer.Kaは一旦箱に収めてっと。……その内、完成したガンプラを飾る場所が欲しいなあ。壁は両方とも積みプラを収めるラックに占領されてるし。かと言って窓際に飾るのは退色が怖いし。……まあ積みプラを崩せって話だよな。暇見てどんどん作ってこ。んで空いたスペースにガンプラを飾ろう。

 よーっし! それじゃ今からは、ガンプラバトルのデビュー戦で使う俺の愛機、リバイヴ版ガンダムの制作に入るぞー!

 

 

 

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 機体のコンセプトはもう決まっているから、まずは普通に組んでくよ。

 説明書を見ながら丁寧にパーツを切っていく。もちろん二度切りだ。ア〇ティメットニッパーのお陰でストレスフリーでチョッキンチョッキン。前世でも欲しかった。

 それが終わったら、ポリキャップを仕込むところは仕込んで、隙間ができないようにギュッとパーツ同士を挟み込む。

 

 いやー。にしてもこのリバイヴ版ガンダム、前世を含めて初めて作るけど、上等だ(すごい)ねー。

 パーツ数を抑えながらこの分割の妙よ。モナか割りってふくらはぎのパーツのみじゃない? それだって(かかと)パーツに直線モールドが入っていることによって、ふくらはぎから続く一連のモールドに見えるように処理されている――と思うのは穿(うが)ちすぎ?

 んでもって可動範囲も広い広い。作中のポーズなら殆どできるんじゃないかな。正座だってできちゃうもの。保持力高いのも二重丸。このサイズでこの出来は脅威だよ。シャアだって言うね。「バ〇ダイは何てプラモを作ってくれたんだ!」って。

 あとこれは個人的な評価ポイントだけど、(あご)が引けて、腰が少し前に倒せる上に足の大腿部(だいたいぶ)に可動軸が設けられているからカトキ立ちがピタッと決まるし、狭いけどひざ関節に前方への可動域があるから、安彦立ちもできるのよ! あいえーなー(ビックリ)*1

 ニーアーマーを大腿部にくっつけるようにすると、難なくS字になるのを考えると――さては狙ったな?

 あ、バックパックのバーニアも塗ろう。中をガンダムマーカーのメタリックシルバーでぬりぬり。外は――メタリックレッドだ! ふっふっふ……実は学校帰りにプラモ屋『茨の園』に寄って買ってきてたのだ。この前SNSで見た、メタリックレッドで塗られたバーニアを見て、俺もやりたくなったのよね。

 塗る前にカチャカチャ振って、いざ塗装。おりゃおりゃー。……ほい終わり。足裏バーニアも同じように塗ってー……ほい、こっちも終わり。

 んでスミ入れしてー……はみ出た部分をメラニンスポンジでごしごし消して―……他のガンプラからサイズの合いそうなデカール&シールをぺたぺたー。

 最後に各部位を合わせれば――

 

「完成! リバイヴ版ガンダム!」

 

 全工程含めても2時間かかってないくらい? やー、組みやすい。

 

 でも、今回はこれで終わりじゃないのです!

 むしろこれからが本番!

 ガンプラバトルのデビュー戦にふさわしいガンプラにすべく、初の改造を施していくぞい!

 

 まず用意するのはこちら、【HGUC 1/144 RB-79 ボールツインセット】。

 

 RB-79 ボール――

 

 【機動戦士ガンダム】に登場する、所謂(いわゆる)やられメカ。元は宇宙作業用ポッドだったものを改修して戦争に投入。

 特徴はその丸っこい本体に大きな単眼お目目――ではなく、コックピットキャノピーと、頭上(?)に備えられた低反動キャノンが唯一の武器。本体の両脇から生える細っこいアームがさらに脇役感を演出。

 派生機に【機動戦士ガンダム 第08MS小隊】登場のRB-79Kがある。こっちは低反動キャノンの代わりに装備された180mmキャノン×2が主武装。加えて本体前方下部に追加されたワイヤーがある。

 脇役ながらも根強い人気があり、まさかのMG化、しかもVer.Kaとしてのデビューだった。

 

 そんな名脇役のボールを2個セットにしてHGUCで商品化したのが、このキット。

 武装もノーマルの低反動キャノンだけでなく、180mmキャノン×2も付属しているので【08小隊】のK型にする事が可能なのは嬉しい。……まあ本音を言えば、単品にして単価を下げてほしかったなぁ。ボールに千円以上出すのはちょっと躊躇しちゃうよね。買ったけど。

 あと残念なのは、折角180mmキャノン×2が付いてるのにk型の特徴であるワイヤーが付いてないこと。限定品を買えってことか。

 まあ愚痴は置いといて、早速1個組んでくぞー。

 

 ほい完成!

 

 ポリキャップレス仕様でパーツも少ないからあっという間だった。アームを動かしてみたけど、保持力も問題なさそう。まあポリキャップと同じ材質で出来てるみたいだから保持力に関しては大丈夫なんだろう。マニュピレーターアームは動かないけど。でもまあ、今回の改造には問題ない。別に動く必要ないしね。

 色分けもほぼバッチリ。キャノピーもクリアパーツだし。モールドも申し分ない。

 

 ただ問題があるとすれば――

 

「いや思ったよりデカイな」

 

 リバイヴ版ガンダムと並べると大きさがわかる。ガンダムの胴体と同じかちょい大きい? なんかMGボールより図体デカいような……あれってMGガンダムと並べても、ここまでじゃなかったような気がすんだけど。

 う~ん、でもまあ何とかなる……か? なるといいなぁ。

 さて、と。改造には未組立のヤツを使うとして。組んだ奴は予備パーツにしよう。またバラすの面倒だし。

 

 次に用意するのは、ハイこちら! 100均で買った折り紙(50枚入り)!

 あと学校でプリントアウトしてきた、紙風船の折り方。

 ボールと紙風船。この2つが俺の秘策。

 対戦相手の度肝を抜いてやんぞ!

 

 ってことでまずは紙風船を折らなきゃなんだけど…………結構むずいな。

 …………おん? ここどうなって? こうか?

 ……分からん。動画で検索して、それを見ながら折ろう。……あ、なるほどこうか。

 

 

 んでこの穴から息を吹き入れて……ぷぅーっ! できたー!

 でも思ったより四角いなあ。まあ問題はない。と思う。

 ボールと比べると……紙風船のほうが一回り以上小さいなぁ。できれば同じくらいの大きさの方がいいから、もっと大きいサイズの折り紙で次は折ろう。あとなんか紙風船のできが悪い。初めて折ったからこんなもん?

 数をこなせばそのうち綺麗に折れるだろうし、練習あるのみだ。というわけで折りまくるぞー。大きいサイズの折り紙で。

 

 …………あれ、何回やっても折ったときにキレイに端がそろわないんだけど……ってもしかして、100均の折り紙って正方形じゃない? おおう、マジかー。

 取りあえず折り終わった大きいサイズの紙風船をボールの横に置いてっと……うん、同じくらい。この折り紙でいくか。

 あとはこの折り紙を正方形になるほうにカットして――折ってってー……ほい完成。

 うん、今回は折り目も揃っててキレイな出来栄え。よしよし上等やっさ。

 試しに膨らませても……うん、キレイ。

 紙風船を横に置いたら、未組立のボールをランナーから切り離していき――

 

 

 1時間後――

 

「……ふいー。こんなもんか」

 

 手に持ったHGUCボールを、あらゆる角度から()めつ(すが)めつ見定め、施したギミックを試しては問題点がないか確認していく。

 

 出来は――まあ大丈夫。()()()()()()()()()RB-79ボールだ。

 耐久性は――んなもん無いってくらいに脆弱(ぜいじゃく)だけど、ギミックの関係上仕方ないので問題なし。

 ギミックは――思ったよりも上手くいったんじゃないかな?

 

 というわけで、合格点をあげよう。仕込んだギミックのせいで、ちょーっといびつな丸い形状になってしまったボールを、そー……っと脇に追いやる。本当に耐久性皆無だからね。動かす時は慎重にやらないと壊れるのよ。

 

 さて、お次はガンダムの方に取り掛かりますかー。

 んーっと伸びをしてから、まずはガンダムを上半身と下半身に分ける。腰側に着いたピンと、胴体にあるポリキャップのみで接続されているので抜くのは簡単。MGやRGのように、コアファイターが収納されているわけじゃないしね。

 そうしたらまずは、胴体の中身――ポリキャップを受ける部分とその敷居を、デザインナイフを使って削り落としていく。慎重にパーツの縁を何度も何度もなぞり、中を伽藍洞(がらんどう)にする。今からやろうとしている事に、胴体内部の空洞化は必須条件だからね。

 これで腰のくびれ部分の可動域が死んでしまったけど、今から仕込むギミックのための必要な犠牲だ。正直すまん。

 

 胴体の中をくり抜いたら、今度は腰の接続ピンに加工を施すよ。

 ピンの先端にまずは針を刺す。針を回しながら、ゆっくりと。針の先程まで入ったら抜いたら、今度はハンドドリルタイプのピンバイスドリルを使って、穴を大きくしていく工程へ移る。

 使うのはタ〇ヤの精密ピンバイス。まずは0.1㎜径で針で開けた穴をある程度まで掘り進めたら、最後は0.2㎜径で穴を拡げる。それが済めばピンの加工は終了。

 

 お次は股下だ。そこにアクションベースに接続するためのダボ穴があるんだけど、今度はそれを加工するぞ。

 加工に使うのはコレ。3㎜プラ棒。アクションベースのピンの径がこれと同じなのだ。つまりこの3㎜プラ棒はガンダムの股下にあるダボ穴にキレイに入るってわけ。

 袋に大量に入っているプラ棒を1本取り出して、ガンダムの股下ダボ穴にブスリ。お、きれいに入った。試しにプラ棒から手を放すも抜ける様子はない。ぷらんぷらんしてる。なんか面白かったので写真に撮ってハールーに送り付ける。

 速攻で返ってきた。えーっとなになに――

 

『やめてさしあげてwww』

 

 そいつは無理な相談だ――っと、送信。携帯を放り投げて続きをっと。ごめんねガンダムちゃん、そんな恰好で放置して。

 メールを打つために机の上に寝そべらしていたガンダムを手に取り、ダボ穴のふちをなぞるようにプラ棒に適当なペンで線を引き、プラ棒を抜き取る。

 あとはこの線に沿ってプラ棒を切り、ダボ穴に差し込めば、ピッタリと塞がるだろう。

 だけど俺が作りたいのは、ただダボ穴を塞ぐためだけのプラ棒ではなく、それを()()()()を持ったモノにしたいんだ。

 その役割を担うのが、このプラ棒。

 さっき腰の接続ピンに穴をあけた要領で、プラ棒の先端にも針とピンバイスでもって0.2㎜の穴をあける。そして先程ペンでつけた線に沿ってアルティ〇ットニッパーでプラ棒を切る。

 んでもって股下のダボ穴に挿す。ギュムっとな。

 ……ん、抜け落ちてこないな。振ってもー?……大丈夫。ふぃー……。ひと段落。

 あとはー……ガンダムとボールの()り|合()わ|せ()だけだな。

 ようやく終わりが見えてきたぞーっと。

 

 でもその前に休憩ー。座りっぱで疲れたー。お腹も空いたー。もうすぐ母さんが帰ってくるころだし、続きは夕飯の後だな。明日は土曜で休み。少し遅くまでやっても大丈夫だろうから気のすむまで調整しよっと。

 その間に宿題とかバリバリ片づけますかねー。バリバリー!(口だけ)

*1
沖縄方言

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