Twitterで呟いたんですが、クロンシュタットが装置使うシーンの黒板にTu-95の写真が貼ってあるのを見つけました。
我らの時代が進んだ結果、あんなことになっているのかなぁ…と。
You tubeやってます。執筆に影響しないよう努力しますが、予期せず投稿が遅れる可能性もございますので、ご了承ください。
(https://www.youtube.com/channel/UCUn4CBwIg1kM4rdr-AkW3Cg)
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「はいはい。注目!」
筆頭秘書官の綾波改、エクセター改、リットリオを傍に置いた黒烏が壇上に立ち、そう言った。
《烏の巣》母港の一角にあるブリーフィングルームでは、所属するKAN-SENたちが陣営ごとに集まっていた。
これから、進撃中のロウリア艦隊撃滅に向け、作戦会議を行うのだ。
といっても、厳粛な雰囲気の下行われるようなものではない。
黒烏自身、KAN-SENに対して甘いところがあり、ちゃんと聞いてくれれば特に気にしないため、自由に食事しながらだったり、飲酒しつつの参加も認めている。
また転移前、陸軍第109師団と海兵隊第12師団との共同作戦会議時、2師団の幹部が焼肉しながら参加したことがあった。
食事しながらの参加は認められているとはいえ、焼き音と煙、臭いがあまりにも酷かったため、KAN-SEN『ワシントン』が食って掛かったのだが、食事を邪魔されて怒った孤狼に殴り飛ばされた事例があったため、陸軍と海兵隊に限り、食べ物の持ち込みは厳禁となっている。
「攻撃目標はロウリア海軍東方征伐艦隊4400隻。数だけなら驚異的だけど、敵は木造船ばかりだし、そんなに警戒することはないわ」
一口水を飲んで喉を潤すと、先を続ける。
「陣容は、旗艦を『ニュージャージー』、制空権確保のため『インディペンデンス』『バターン』を主力に、『アトランタ』『ジュノー』『サンディエゴ』『サンフアン』の編制で向かわせようと思ってる」
戦艦や空母は少な目にし、大量の小口径砲で武装したアトランタ級4隻で、大した防御力を持たないガレー船を沈めてやろうという魂胆である。
「オッケー!初陣の敵が小物過ぎるのはあれだけど…アイオワ級の実力、あいつらにたっぷりと見せつけてやるわ!」
ユニオン最強の戦艦――アイオワ級戦艦2番艦『ニュージャージー』が、右拳を左掌へ当てながら、宣言するように言った。
彼女が着任したのは、巨大戦艦『オロチ』艦上の大規模白兵戦後だったため、実戦経験は皆無だ。やる気になるのも頷ける。
「軽空母2人は、戦闘機のみの編成で出撃。F8Fがそれぞれ20機少しあればいいでしょう。ワイバーンの空襲なら、それと対空砲火で十分対抗できるわ」
すると、KAN-SEN『インディペンデンス』が手を上げた。
「指揮官。搭載機を減らすのは戦力過剰だからか?」
「そっ。向こうが降伏するまで砲撃・爆撃・銃撃は継続。病院船を随伴させるから、救助者はそっちへ収容する」
4400隻もの船から投げ出されるロウリア兵は、相当な数に上るだろう。
それを考慮し、排水量20000トン級の病院船を2隻、艦隊へ随伴させる予定となっている。
「クスッ…遅れて申し訳ございません」
何の気配もなく突然現れたのは、黒いコートにつばの長い同色のハット、白いラテックスの手袋を身に着けた、長身の男。
秘書艦に気付かれることもなく、黒烏の背後に立った彼に、KAN-SENらは椅子をガタリと鳴らして身構える。
「大佐。貴方だけならまだしも、部下の方々を全員お連れするのは…」
「いえいえ。命令の伝達に齟齬があっては堪りませんからね。全員で説明を聞くのが確実でしょう?」
血の匂いを漂わす男――薙刃桐生大佐の後方には、全身黒づくめの集団が着いて来ていた。
全員が、腰へ黒く塗られた短刀と拳銃を差し、PPSh-41をスリングで肩に掛け、両腕には伸縮式の鉤爪を装備している。
薙刃の部下たちだ。
顔は黒く塗られ、黒子で目元以外を隠してフードを被り、コート型の漆黒の衣服で引き締まった肉体を覆っている。
彼らは、重桜軍特殊部隊"
栗林や荒川を以てして、「この世で最強の人間たち」と言わしめるほどの実力者の集まりだ。
射撃技術は勿論、世界中の格闘技・武器術に精通しており、サバイバル術、陣地構築術、潜伏偵察術、破壊工作術の訓練を受けた、精鋭中の精鋭で固められている。
陸軍や海兵隊の兵士に比べ、頭一つ以上に練度が抜きんでている彼らは、KAN-SENとも渡り合う陸軍や海兵隊の幹部でも、簡単には倒せない者ばかりだ。
そして、"夜桜"のトップに君臨する薙刃の実力がどれほどのものなのか…それは説明するまでもないだろう。
「し、指揮官。その人たち何?」
強者が発する威圧をひしひしと感じながら、ニュージャージーが訊いた。
彼女は、比較的最近着任したKAN-SENであるため、薙刃以外の"夜桜"隊員とは面識がなかった。
「薙刃大佐の部下の方々よ」
「クスッ…任務上、顔は出せないので少々怪しい見た目ですが、人柄が良い者ばかりですよ」
直後、彼らは靴音と風切り音を立てながら敬礼した。一糸乱れぬその動きに、練度の高さと礼儀正しさが垣間見える。
「よ、よろしく~…」
表情を歪ませながら、ニュージャージーはそう返答した。
因みに、薙刃は顔を隠さなくていいのか…と思う者もいるだろう。
だが、
その間、来客の対応も仕事に入っているのだが、その際に部下のような怪しさ全開の恰好をしていれば、相手に威圧感を与えてしまう。
そして何より、KAN-SEN…特に幼い駆逐艦のKAN-SENを怯えさせてしまうため、それを防ぐためだ。
…というのは建前で、実際は暑苦しいこと、仮に顔バレしても薙刃には関係なく脅威を排除できるから…というのが本音である。
「ちッ…。不気味な連中だな。一歩間違ってたら、あんな奴がアタシたちの指揮官になってたんだな…」
微かに微笑む薙刃を見て、背筋を震わせながらKAN-SEN『ワシントン』が独り言ちる。
「KAN-SENに比べれば人間は非力」という固定概念を持っていた彼女たちKAN-SENだが、《烏の巣》で過ごすうちに、それが全くの誤りだったということを、嫌ほど思い知らされてきたものである。
「薙刃大佐たちはこれから、ハーク・ロウリア国王陛下に謁見へ行っていただくので、よろしくお願いします」
「クスッ…了解いたしました」
黒烏の素っ気ない指示に、薙刃はハットのつばを摘まみ、一礼した。
如何にもな紳士の如く、流れるようなその動きに、ロイヤルをはじめとした各陣営のKAN-SENの内何人かが、関心したかのように唸る。
「指揮官、敵艦隊は4000隻以上いるのだろう?生存者を全員収容するのなら、病院船2隻だけでは足りなくないか?」
ユニオンの空母KAN-SEN『エンタープライズ』が、手を上げて質問してくる。
「…私が民間会社に頭下げて、島中の大型旅客船を搔き集めるわ。軽症者と無傷のロウリア兵は、それで護送させる。救助者の監視と治療は、"夜桜"の隊員を充てたいわね…薙刃大佐、宜しいですか?」
「構いませんよ。人選は、こちらで行わせていただきますね」
フッ…
そう言うと、薙刃と部下は消え去った。もう、どこにも気配は感じられない。
「指揮官、参加兵力について…」
「指揮官様ぁ~!私が敵を残らず粉微塵に…」
「指揮官、F8FもいいけどF6F…」
ブリーフィングは、その後も続けられた。
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クワ・トイネ公国のマイハーク港では、《烏の巣》の手で改造されたガレー船が出航準備を整えていた。
無理やりではあるが、民間規格のディーゼル機関を搭載し、速力19ノットを発揮するもので、武装は30ミリ単装機関砲Flak103が1基となっている他、Dshk 12.7ミリ重機関銃も積んでいる。
ロウリアの軍船程度なら、一蹴できる性能だ。
「お呼びでしょうか?パンカーレ提督」
「うむ、待っていたぞ。取り敢えず掛けたまえ」
ある軍船の船室では、艦隊司令パンカーレ・エマヌエルと彼からの呼び出しを受けて出向した副官のブルーアイ・ロヴォスが話していた。
「単刀直入に言うが…君に、観戦武官の任務を与えたい。此度の海戦は、《烏の巣》も参加することになっているのだ」
「観戦武官…ですか」
ブルーアイが頷くのを待ってから、パンカーレは先を続けた。
「うむ。我々はいつか、《烏の巣》と同等の軍艦を…それこそ、戦艦などの巨大な艦を運用していくことになるだろう。それについて学ぶべく、上は共同戦線を張る《烏の巣》の艦隊に向け、観戦武官の派遣を決定したようだ。…行ってくれるかね?」
「成程…。承知致しました。観戦武官の任、喜んでお受けします」
ブルーアイとしても、《烏の巣》がどんな戦艦を保有し、どのように戦うのか気になっていたところだ。
「うむ、ありがとう。迎えは本日の午後2時ごろ、彼方から来るとのことだから、それまでに準備を整えておいてくれ」
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「おぉ…!」
拡大工事が行われ、大幅に拡大されたマイハークの港では、一隻の巨艦が軍官民の注目を集めていた。
《烏の巣》が初めて接触してきた際にやってきた、全長300メートルを超える艦と比べればかなり小型に見えるが、それでも彼らの常識で考えれば、途轍もなく巨大な艦船だ。
縦横比が大きく、全長の割にほっそりした艦体の上には、塔を思わせる構造物と、三連装の巨大な主砲が備わっていた。
いつかは、クワ・トイネ海軍もこのような艦を配備するのだということを想像すると、ついつい心が躍ってしまう。
矢じりを思わせる細い、流麗な艦体を遠目に眺めながら、饅頭が操作するボートの揺れに身を委ねていくうちに、彼の乗る艦載艇はその巨艦――アイオワ級戦艦2番艦『ニュージャージー』へ接舷した。
タラップを上って中甲板へ足を運び、長大な砲身を束ねた主砲、そして夥しい数の対空機銃に出迎えられながら進んでいくと、上甲板へ人影を認めた。
長い銀髪をたなびかせ、黒い軍服を纏い、左腰に刀を差した美女がブルーアイに気付くと、相好を崩して話しかけてくる。
「観戦武官のブルーアイ様ですね?お待ちしておりました」
「はい。パンカーレ提督の副官を務めております。ブルーアイと申します」
《烏の巣》のトップに君臨する白銀黒烏本人が、直々に参戦してきた。
その事実に緊張したが、スムーズに自己紹介をすることができたため、内心で安堵する。
(凄いな…何とも言えない圧が)
ブルーアイは若いながら、クワ・トイネ海軍でも著名な軍人だ。
作戦参謀という役職に就いている彼だが、剣の腕は海軍主席という実力者であり、相手を見ただけでその実力がある程度わかる域に達している。
そんな彼でも、黒烏の強さが図れない。
カリスマというか、威圧感というか…そういったものをひしひしと感じる。
ただ単に、剣術の才や戦略眼に優れているだけではない。
他者から好かれ、付いて行きたいと思わせる才能があるようだった。
思考を巡らせるブルーアイだったが、黒烏が隣にいるKAN-SENの紹介に移ったことで中断させられた。
「こちらはKAN-SENのニュージャージー…この艦の主です」
「ヤッホー♪」
特徴的な髪飾りと、体の線を強調する服、丈の長いコートを羽織った女性が、軽い調子でそう言った。
(彼女が話にあった…。完全にヒト族の女性にしか見えんが…いや、彼女も中々侮れんな)
黒烏ほどではないにしろ、彼女も中々の強さを持っていることがはっきり分かった。
というより、この巨艦をたった一人で操るKAN-SEN自体、信じがたい存在だ。
彼女以外にも何百隻と控えていることを考えると、本当に敵対関係にならなくてよかったと、ブルーアイは心から思った。
「あの、1隻だけで戦うおつもりですか?」
「いえ。今回はこの『ニュージャージー』の他、軽空母2隻と軽巡4隻の計6隻です。この他、生存者救助用として病院船2隻が随伴します」
6隻と聞いて、若干不安げな表情を浮かべるブルーアイ。
明らかに強力な軍艦が味方に付き、既存の艦艇も強化されたとはいえ、4000隻を超える敵艦隊に対しては、どうしても不安になってしまう。
「では、中へお入りください。うちの子達がおりますので、自己紹介も兼ねて作戦を説明いたします」
そんなブルーアイの胸中を知ってか知らずか、黒烏は笑顔でそう言い、艦内へ通ずるハッチに誘う。
ブルーアイはひとまず不安感を抑え込み、2人に続いて分厚い扉を潜っていった。
ニュージャージーのSD見たら光波セイバー振り回してましたね。しかも二刀流(そう見えただけ?)。
でも柄っぽいのはニュージャージー持ってないよね…?