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『ニュージャージー』の艦橋からは、迎撃をすり抜けて向かってくる少数のワイバーンが確認できた。
数は25騎。
「ニュージャージー、どうかしら?対空火器の調子は」
「絶好調!鈍足のトカゲ位、片っ端から墜としてやるわ!」
黒烏の問いかけに、ニュージャージーは自信満々に応える。
ニュージャージーの搭載する対空兵装は、Mk.12 5インチ連装両用砲10基20門、ボフォース40ミリ四連装機銃20基80門、エリコン20ミリ単装機銃49基。まさにハリネズミだ。
「じゃあ、両用砲は封印で。機銃オンリーでいきましょうか」
「抜き打ちテストってわけね。オッケー」
黒烏の指示を受けたニュージャージーは、両用砲の射程に入ったワイバーンを敢えて見逃し、機銃の間合いに入るまで待った。
仮に被弾しても、装甲貫徹力のない火炎弾攻撃では、致命傷にはならない。
「黒烏殿、本当に艦上からの攻撃でワイバーンを堕とせるのですか?」
ブルーアイが、確認するように問うた。
この世界では、船上からの攻撃でワイバーンを堕とすことは、基本的に不可能とされているので、仕方ないことではある。
「はい。あの程度の鈍足な相手なら、確実に」
「指揮官!射程に入った!撃ち方始めるわよ!」
黒烏が断言した直後、ニュージャージーが大声で報告した。
40ミリ4連装機銃の有効射程は凡そ4000メートル。
敵も、そんな長距離から迎撃されるとは思わなかっただろう。
太い火箭が、次々とワイバーンを捉える。
高初速で撃ち出される直径40ミリの大口径弾の前には、矢を通さない鱗も意味を持たず、肉片となって堕ちていった。
『ニュージャージー』が搭載する40ミリ機銃は20基。
高性能対空レーダーと連動したそれらは、有効射程ギリギリでの砲撃にも関わらず、次々とワイバーンを叩き落としていく。
「ニュージャージー、どうかしら?」
「相手が鈍足で馬鹿正直に真っ直ぐ突っ込んできてるのもあるけど、いい感じよ」
4連装機銃1基あたり毎分560発の弾幕により20騎が迎撃されたが、距離が縮まったことで新たな火器が彼らに向けて牙を剥く。
20ミリ単装機銃による弾幕射撃が、残り5騎となったワイバーンを出迎えた。
もう少しで射程内…と希望を見出した竜騎士たちは、その瞬間に愛騎の翼を捥がれ、胴体を無数の凶弾に抉られ、次々と海に消える。
「敵編隊殲滅。損害なし…っと」
「上出来じゃない」
「本当に殲滅した…」
ニュージャージーの報告を聞いた黒烏が彼女を誉め、ブルーアイは自身の知る常識が瓦解したのを、呆然としながら実感していた。
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「…撤退せよ!今すぐ現海域から離脱しろぉッ!」
ロウリア艦隊の旗艦では、シャークンが魔信へ怒鳴り込んでいた。
奇妙な飛竜と敵船の攻撃によって、最後の希望だったワイバーンが全滅し、自分たちは攻撃してくる敵船に近づくことすらままならず、一方的に沈められていく。
このままでは犬死にと判断した彼は、無駄な犠牲をこれ以上防ぐべく、生き残った船全てに命令を伝えた。
国へ帰れば、彼は敗北の責任を取らされて処刑されるか、良くて国外追放となるだろうが、そこはロウリア王が上手く取り持ってくれる可能性を信じるしかない。
それよりも、部下を一人でも逃がさなくてはならなかった。
生き残った船が次々と後退していくが、その間にも大型船からの攻撃が実施される。
1発で船が沈む威力の魔導砲を大量に搭載する反則的な船から、どれほどの味方が逃れられるか分からないが、そこは運任せだ。
しかし、更なる報告が届いた。
「艦隊後方へ敵船!」
「何ッ!?」
後方に目を向けると、見慣れたガレー船が見える。
彼らにとっては、まだ『常識』の範疇にいる船だ。数も、50隻少ししかない。
「後ろの船なら大丈夫だ!強行突破しろ!」
後方のガレー船の数は少ないし、魔導砲を撃ちまくっている巨大船に比べれば、脅威度は遥かに低い敵だ。
かなり撃ち減らされたとはいえ、味方はまだ1000隻近く残っている。
多少の損害は受けるだろうが、数の力に物を言わせて強行突破できるはずだ。
だが、その目論見は甘かった。
7キロほどまで接近してきたガレー船の甲板に光が明滅し、無数の曵光が向かってきたのだ。
巨大船の攻撃に比べれば細やかだが、それでも光弾が帆船に突き刺さるや、木造の船体が火の点いた紙のように燃え上り、マストをへし折り、舷側を突き破って浸水を発生させる。
ロウリア艦隊の退路を塞いだ艦隊――クワ・トイネ海軍の改造ガレー船には、鉄血製の30ミリ単装機銃Flak303が1基装備されている。
木造船相手ということで、着発焼夷弾を多めに装填しているため、ロウリアの船は面白いほど燃えていく。
「な、何だあの武器!?」
「駄目だ!後ろにも逃げられねえッ!!」
未知の兵器の連続に、水夫たちの混乱は収まらない。
ガレー船を避けようとするあまり、味方同士で衝突する船もある。
「お、落ち着け!!後方の敵の数は少ないッ!!数で押し切れッ!!」
シャークンが命じるが、もう焼石に水である。一度広がった動揺は、元に戻りそうにない。
「提督!敵巨大船、急速接近!!」
大量の魔導砲を装備した、これまでロウリア艦隊を蹂躙してきた大型船とは比べ物にならない巨大な船が、前方から信じられないスピードで接近してきている。
甲板には、信じられないほどに巨大な魔導砲が装備されている。
それが巨大な水柱を発生させ、味方船を纏めて沈めた原因だと分かった。
「くそぅ…!」
反撃しようにも攻撃は届かず、逃げようにも退路は塞がれた。
一方的という言葉すら生温いワンサイドゲーム。
この状況をどうすることもできない自分自身に対する怒りが、沸々と湧き上がる。
「…降伏だ。全船、帆を降ろせ。ガレー船はオールを放棄しろ」
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「指揮官、帆が降ろされているわ」
ニュージャージーの言葉を聞くまでもなく、黒烏の目には、ロウリア艦隊の各船が帆を降ろし、ガレー船は動力であるオールを次々と放棄している様が見えていた。
「あれは、ロデニウスにおける降伏の合図です。彼らにはもう、戦意はないように感じます」
ブルーアイが補足した。
これまで圧倒的な戦力の違いを見せつけてきたし、逃げ道を塞がれているともなれば、抵抗する気も失せるだろう。
「攻撃中止。『大永丸』『洋亮丸』に通信。溺者救助を要請して。『インディペンデンス』『バターン』『サンディエゴ』『サンフアン』にも協力するように伝えること」
黒烏が命じる。
『大永丸』『洋亮丸』とは、民間の4万トン級客船を許可を得て徴用し、病院船へ無理やり改装した船だ。
《烏の巣》の大病院レベルの優れた医療機器、ベッド1200床が積み込まれており、手術が必要な重傷者を中心に収容する予定だ。
無傷・軽症者は、2隻の病院船や各艦の甲板、通路、軽空母の格納庫に収容される。
捕虜には少々不自由を強いる羽目になるが、そこは我慢してもらうしかない。
「…それと、"夜桜"及び海兵隊各員には、捕虜のKAN-SENに対する物理的接触を阻止すべく、常に監視の目を光らせておくように通達して」
捕虜の監視任務に当たる隊員にも、そう念を押しておくのだった。
閲覧ありがとうございました。
次は海戦後の捕虜の様子とかかなぁ~。
ど~~~~~してもF-14を装備させたい。誰がなんと言おうと。エンタープライズに使ってほしい。F-14って1970年に初飛行してるしまぁまぁ古いでしょ?
まぁ、いきなりF-14は先進的過ぎるのでちょっとくらいは段階踏みますけど…。