白銀の烏と異世界母港【再演】   作:夜叉烏

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 こんばんは。夜叉烏です。

 今回は短めです。

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繋がり

 

 《最初のニュースです。クワ・トイネ公国、クイラ王国、ロウリア王国の三国は、ロデニウス連邦として統一されました。私たちは1つの国家として、共に歩んでいくこととなります》

 

 朝日がふんだんに差し込む母港の食堂。

 天井に多数設置してあるテレビに、耳の長い女性キャスターが原稿を読み上げている様子が映っている。

 それも束の間で、直ぐに場面が切り替わると、カナタ、アルブ、ハークの3人が手を取り合っている様子が映った。

 

 テレビの下で、いつもと変わらない様子で食事を摂るKAN-SENたちに交じり、黒烏は厚切りの食パンを齧っていた。

 向かいにはリットリオが、左右隣にはそれぞれ綾波とエクセターが腰掛け、朝食に口をつけている。

 

 「しかし、一つの国家になったといえ、過去の軋轢が消えたわけではありません。国民の皆様の中には、納得できないといった意見が多くなるのではないですか?指揮官殿」

 

 真面目にニュースを聞きながらそう問いかけてきたエクセターに対し、黒烏もコーヒーカップを持ち上げながら応える。

 

 「そうでもなさそうよ。ロウリアがパーパルディア皇国の圧力で戦争を強制されていた情報は、国民全体に知れ渡ってる。こっちには実害がないし、事情が事情だから、クワ・トイネ公国及びクイラ王国の反ロ感情は無いに等しいわ」

 

 「あぁ。寧ろ、パーパルディアへの嫌悪が高まっているそうね」

 

 黒烏の説明にリットリオが補足した。

 すると、黙々と鮭の塩焼きを食べていた綾波が、思い出したように疑問を呈する。

 

 「…パーパルディアは、流石に怒るんじゃないですか?」

 

 「でしょうね。話が通じない国らしいから、いつかは必ず戦わなければならない国よ」

 

 即答する黒烏。

 傍若無人が行き切ったような国だ。旧ロウリア王国に対する借金返済などの理由をつけ、ロデニウス連邦に圧力をかけてくるのは、容易に想像できた。

 

 因みに、パーパルディアの国民性は、東方征伐艦隊から投げ出された同国の観戦武官、及び"夜桜"が拘束した使者を尋問することでよく分かっていた。

 

 「…現状、彼方が何か言ってきたら無視ですか?」

 

 「そう。幸い、軍事技術に関してはこっちが何世代も上よ。向こうから仕掛けてきたとしても、返り討ちにできるわ」

 

 そこまで行ったとき、画面の中のキャスターが、新たなニュースを読み上げる。

 

 《次のニュースです。ロデニウス連邦を主軸とした文明圏外国家連合『第四文明圏』の設立を目指すと、カナタ大統領が発言しました。及び、第四文明圏の多国間軍事同盟『第四文明圏条約機構(Fourth civilized Area Treaty Organization)』の設立も併せて宣言し、FATO軍の総指揮官には《烏の巣》より白銀黒烏中将が任命され、元帥へと昇進することが決定しました。なお、白銀元帥は外交官も兼任する予定とのことです》

 

 ロウリア戦以前から、黒烏らは文明圏外各国へ足を運び、国交を結んできた。

 文明圏外を新たに第四文明圏と称し、それに属する国家による多国間軍事同盟が、『第四文明圏条約機構(Fourth civilized Area Treaty Organization)』――略称"FATO(ファトー)"というわけである。

 

 加盟国が攻撃を受けた場合、相互防衛に合意することで、他の加盟国が参戦。共同で外敵に対処する構図だ。

 

 《現在、第四文明圏構想に関しては、トーパ王国、フェン王国、シオス王国、ガハラ神国、アルタラス王国が参加の意を示しております。カナタ大統領は、『パーパルディア皇国の傍若無人な振る舞いは極めて目に余るものであり、その毒牙が我が国や文明圏外国に向けられるのは時間の問題である』とした上で、小銃や対空機関砲をはじめとした武器の供与を実施する考えを示しています…》

 

 多国間軍事同盟の頂点に位置する職位であれば、階級は元帥の方が似合うだろうが、いきなりの二階級特進に黒烏は戸惑ったものである。

 

 「シニョリーナ、随分と大変な仕事になりそうね。多国間連合軍の指揮官と外交官を兼任するとは…」

 

 「過労で倒れないでくださいよ?」

 

 「そうねぇ…。薙刃大佐のお世話にならないようにしないと」

 

 クワ・トイネの豊かな土壌で育った豆を使ったコーヒーを飲み干して応えると、綾波が話題を変えた。

 

 「そういえば指揮官、確かそろそろ無人島の探索に行くって…」

 

 「ラヴァーナルとかいう国とも、いつかはぶつかることになるわ。実力は知らないけど、奴らの置き土産を全部回収して、明石たちに研究してもらう」

 

 クワ・トイネ公国とクイラ王国との接触で、古の魔法帝国の伝説も、《烏の巣》の知るところとなった。

 魔帝が遺していった遺跡の存在と大まかな位置も教えられ、その調査にも積極的に乗り出す予定だ。

 

 「…明石、これからかなり酷使されそうです」

 

 「ま、日頃の行いよ」

 

 多少の憐れみを含んだ表情で綾波が天井を仰いだが、黒烏は手早くこの話題を終わらす。

 

 経費で新兵器を開発するならまだいいが、私用でいかがわしい薬を開発した前科がある明石だ。黒烏が多少厳しくなるのも頷ける。

 

 朝食を食べ終え、食器を戻した黒烏は、専属艦を引き連れて執務室へ向かっていった。




 閲覧ありがとうございました。

 第四文明圏…もっとカッコいい名称なかったかな…。

 次回は魔帝の遺跡を荒らしに行こうと思います。外伝扱いですね。
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