こんにちは。夜叉烏です。
第2海兵師団の初陣シリーズが行き詰ったので合間に新しいのを投稿します。
You tubeやってます。執筆に影響しないよう努力しますが、予期せず投稿が遅れる可能性もございますので、ご了承ください。
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「大統領よ。やはりというべきか、郊外の治安が悪すぎるぞ」
「えぇ…。国が大きくなると、その分見えない部分も多くなる…」
ロデニウス連邦副首相ハークロウリアの言葉に、同国大統領カナタは若干深刻そうな表情を浮かべながら言った。
《烏の巣》の梃入れにより、急速に発展しつつあるロデニウス連邦であるが、短期間で全土に近代的な街や社会資本ができるわけでも、今まで見たこともないような品物が流通するわけでもない。
ロ連邦首都のクワ・トイネ、エジェイ、マイハークといった主要都市でさえ、建設途中のビルが散見されているほどであり、そんな街同士を繋ぐ道路も、舗装が完全に行き届いているとは言い難く、道中の周辺施設もまばらだ。
対ロウリア戦争まで《烏の巣》との接触がなかった旧ロウリア王国の発展は、より遅れている。
発展が遅れている地域の治安が悪く、特に大麻や芥子の取引が横行している状況が、この国で最も解決すべき問題として挙げられていた。
「旧ロウリアの脱走兵らが薬物の栽培に用いているアジトだが…乗り込んで制圧はできんのか?ちまちまと売人を確保するのでは焼石に水だ。元を絶たなければならんだろう?」
首相のアルブが訊く。
対ロウリア戦にて、奇跡的に逃げおおせた元ロウリア王国の兵は散り散りになったが、その多くは大麻・芥子が自生する密林地帯に拠点を構えていることが、逮捕された麻薬売人の証言や航空偵察により明らかになっている。
隣にはカイリス河が流れており、また豊かな土壌であるため、漁や作物の栽培である程度自給自足できるのだ。
兵は農民出身者も多いため、食料となる作物の栽培はお手の物。大麻や芥子も、嘗て栽培に関わってきた兵からの教授によって可能にしていた。
また、終戦の混乱から完全に抜け出せていない旧ロウリア王国に目を付け、剣や弓などを栽培した麻薬と引き換えに密輸していることも確認されている。
「こちらとしては、直ぐにでも潰しておきたいところですが…。生憎、地形的な問題もありますので、警察組織クラスで対抗するのは困難です。テロ対応や人質救出を目的とした特殊部隊の設立も急いではいますが、まだ実戦に出すべきではありません」
防衛大臣のパタジンが発言する。
一応、銃火器や車両を保有している警察だが、麻薬組織のアジトは密林の直中である。
地の利は敵にあるし、一般の警察は陸軍や海兵隊のように、ジャングルを長駆進撃して目的を達成するなど想定していない。
「私としては、AFP D型を装備した第1火力支援戦隊に任せようと考えております。アジトはカイリス河のすぐ傍に建設されておりますから、艇の搭載火器や歩兵での制圧が期待できます」
火力支援戦隊は、上陸作戦時の火力支援を担う部隊だ。
強襲揚陸艦から発進した後は、兵員や車両を積載した上陸用舟艇の盾となり、敵の阻止砲火を搭載火器で沈黙させ、本隊の上陸後も喫水の浅さを活かして上陸地点付近に陣取り、火力支援を継続する。
そしてAFP D型は、鉄血の上陸用舟艇
全長50.04メートル、全幅6.55メートル、排水量207トンと大型だが、喫水が1.35メートルと浅く、カイリス河でも活動できる。
船体各所を高純度液体魔石を含有させたFRPで構成しており、防御力強化と軽量化、高速化を実現し、オリジナルよりも実戦的な砲艦となっている。
武装は8.8センチ高射砲Flak35を前後甲板へ1基ずつ、MK303 Flak 30ミリ単装機銃を船橋前に1基、M45銃架へ搭載したエリコンSS 20ミリ連装機銃2基、MG151/15 15ミリ単装機銃2基。
かなりの重武装である。
「…なるほど。カイリス河はロデニウス大陸でも有数の大河だ。AFPの乗り入れも可能だし、現状ではこれ以上の適任はおらぬな」
シャークンが納得したように頷く。
「分かりました。状況は一刻を争います。シャークン長官は直ちに部隊を編成し、カイリス河への戦力派遣をお願いします。各警察には改めて、麻薬売人の摘発を徹底させましょう」
「「「はっ!」」」
閲覧ありがとうございます。
河川哨戒艇や機銃・機関砲を積んだPTボートとか、そういう武装した小さ目の船が結構好きなんですよ。